27 / 146
第三章
第六節
しおりを挟む
『スキャニングをかけておりますが…もう少し進めば開けた場所へと出ます』
その後、【領域】内を突き進んでいく大和達。
廊下のような通路をひたすら進むとジュリの連絡通り開けた場所へと出る。
そこは様々な壊れた大型工業機械が無造作に置かれたまるで廃工場のような場所。
規則正しく設置された窓からは光が差し込まれていた。
「ふむ、【領域】を創った方は、さっきの久弥でしょうか?結構な数寄者と見ました…まさか廃工場のような内だけでなく外の景色まで創り上げてしまうとは…」
窓から外を見て呟く睦美。外には【領域】特有の特異さ、例えば空に浮く木々や水が昇る滝などが部分部分に見られるが、広大な山間部や森林部が再現され疑似的な太陽までも空に昇っていた。
「おーいエイプリルやーぃ…っ!」
だが、そんな事はどうでもいい大和。エイプリルを探し叫ぶ。
そのまま奥へと進んでいった。
「…おい大和、アレじゃあないか?」
少し奥まった場所。工業用機械に並んであるモノ鉄製の檻を見つける門司。
檻の中には何かが入れられたズタ袋が転がっている。
明らかに場違い。且つズタ袋の大きさ的にエイプリルと確信する大和達、即座に近づく。
「おいエイプリル!無事か!?」
周囲と錠前を調べつつ呼びかける大和。だが聞こえていないのか一切の返事が返ってこない。
それどころかピクリとも動いていなかった。
「エイプリルっ!?」
「ご主人。どうやらこの鉄檻、何の変哲もない様ですよぅ」
「錠前も罠のような部分は一切なし……どういうことです?」
「だったら、コイツで良かったな」
そう言うと同時に鞘鳴りを響かせる門司。錠前を一刀両断する。
開いた檻、大和はすぐに中に入りズタ袋をほどく。
「おいエイプリルっ!……なっ!?」
開けて驚愕する大和。ズタ袋に入っていたのはエイプリルではなく重さと大きさを似せたただのマネキンであった。
「…これはハズレって事ですぅ?」
「そんな楽観的なのは少々…どう見てもこれは……」
「伏せろ」
考察に入ろうとする睦美に何かを察知して叫ぶ門司。
瞬間、窓が割れ何かが高速で飛んでくる。
その飛翔物を門司は一刀のもと弾いた。
「今のは…?」
「黙って伏せてろ鉄面皮にチェルシー。考察なんて後だ……」
弾かれたからか次々とやって来る屋外からの飛翔物。不意ではない為その形状も目視できるようになる。
それは大型のライフル弾であった。
続々と来るライフル弾を門司は弾き続ける。
「兄弟」
「あいよ!」
門司からの目配せに意図を察し頷く大和。瞬間、一閃により上下に両断された鉄檻の天井部分を持ち上げると弾丸の方向に立てかけるように置く。
そうして出来上がった即席の遮蔽物へと身を隠す大和達。最後に弾丸を弾いた門司が滑り込む。
直後、廃工場の屋外遥か遠方で乾いた発砲音が幾重にも鳴り響いた。
「まんまと一杯食わされたって事か…」
「ふむ、その様ですね……あと助かりました」
身を隠した事により止んだ銃撃を見て呟く門司と礼を言う睦美。
「どうやらこの【領域】自体がこんな罠だという訳ですねぇ」
呟いたチェルシー。その通りである。
この廃工場のみならず周囲の景色まで創り上げたのは遠距離からの狙撃とその狙撃手を隠すためのモノ。
檻の位置をこんな奥まった場所に置き、エイプリルのダミーを利用し油断していた大和達を撃ち抜くとそんな算段だったのだろう。
「だな、それに今俺達い照準を合わせている狙撃手だけど、結構な手前らしい」
言って木片を拾い上げると遮蔽物外に放る大和。飛び出た木片は瞬間に撃ち抜かれ木屑をまき散らして爆ぜた。
また遠方から発砲音が響く。
「ジュリ…今ので何か分かったか?」
『はい。そちらに侵入させたドローンを用いての探知の結果。遮蔽物から一時の方向、距離として6キロの位置から銃声が確認されました。
通常の狙撃手の射程距離の限界が2キロと言われる中でその3倍。それでこの精度。
それだけで、狙撃手は【星】であり、使用したのが対【星】用の特殊弾であると大和は察する。
「だとしても、木々が邪魔な中どうやって的確に撃ち込んでやがるんだ?」
次の瞬間、遮蔽物を躱す様に正面から弾丸が飛んでくる。
まるで問いかけへの答えのような攻撃に笑みを浮かべた大和。転がっていたナットを拾い上げると指弾の要領で撃ちだし、弾丸を打ち落とす。
「…しっかし、此処からどうすっかねぇ……俺としては取り敢えず俺達に嘘を吐いたあの黒コートを9割5分殺しにすることだけは確定してっけど」
「………皆、今気づいたことだが、一つだけ報告がある…」
「どうしたのですぅ門司様?」
「さっきの銃撃で刀が折れた」
言って刀を抜き放った門司。
現れた刀身は鞘の半分程度の長さの部分でぽっきりと折れていた。
「あれまぁ」
「元々無銘。それも結構なガタが来ていたのは確か…だが、正確に弾いてこれだ……おそらく狙撃手の【演目】だろう」
『…その通りですよ『鬼神』。それは私の【演目】です……』
刀身を目でなぞりながら分析する門司に向かって、工場のスピーカーからそんな声が響く。
【演目】『凶弾 射砕 』
『着弾場所を振動させ、その力で破壊を引き起こす。単純ながら結構な効果でしょう?貴方みたいに武装している【星】にとっては……』
「……お前が狙撃手か…覚えてやるから名乗りな」
『……これは失礼【演目】の説明だけで名乗りがまだでしたね………私は亡霊…亡霊と申します』
「亡霊…」
「……聞いたことがあります。亡霊…『幻凶手』と呼ばれる【銘付き】。国家の要人暗殺を請け負い。表の情勢に積極的に影響を与えている【星】」
『覚えていただき恐悦至極……』
「んなこたぁどうでもいいんだよ…おい亡霊、エイプリルを何処にやった?」
『軽そうな声音。ですが隠し切れない怒りが見えますよ『龍王』』
「そうかい。耳が遠いみてーだからもう一回聞いてやるよ。ど・こ・だ?」
『おお怖い怖い…『龍王』の逆鱗に触れる存在はただでは済まないと聞きますがあながち嘘でも……心配しないで下さい。彼女は丁重に移送しましたよ。私の雇い主の本拠にね…』
「丁重なぁ…息吸うかのように騙されたこちらとしちゃあ「どうだろうなぁ?」と疑わざるを得ねぇぜ」
『それはご尤も………とここでことが上手く運んだ礼と勘違いを正すために一言……久弥ですが、彼は我々のこの件については完全にノータッチですよ。まだこの場に貴方がたのお仲間がいると思い込んでおります』
「雇われたアンタが暴走して勝手にしでかした…と思うのはお気楽な思考だろうな、アンタのような雇われで、これは完全に信用問題に関わるからな……ってことはアンタ、別の奴に雇われているな?」
『……これは完全に口が滑りましたかね……これ以上の失言を防ぐためにも、そろそろ戦闘を再開しましょうか…』
「ああいいぜ…だがどうするつもりだ?このままスコープを覗くアンタと我慢比べをしようっていう訳か?」
『狙撃手にとっては我慢比べは日常故、それでも別に構いはしません。ですがこの展開のままでは雇い主は喜ばないでしょう……ですので、別のやり口でいきますよ』
亡霊がそう言い終えた瞬間、壁の一部が爆破される。
「来たわね大和」
「晴菜」
崩れていく壁。その中から現れたのは晴菜だった。後ろに一名の【星】を引き連れている。
「晴菜か、久しぶりだな…」
「ええ門司も久しぶりね…」
目が合う門司と晴菜、再会の挨拶を軽く交わす。
「成程ね…お前さんが穴熊を追い立てる猟犬役って事かい?」
「わかっているなら、いちいち口に出さないで…忌々しい」
大和の問いを吐き捨てる様に返す晴菜。そのまま両手に炎の拳銃を顕現させると大和達にじりじりと近づく。
『まあ…こんな手ですよ『龍王』『鬼神』……これから狩られる準備と覚悟はよろしいですか?』
「言ってくれるね」
亡霊の言葉に楽しそうに笑った大和。同時に両腕を高く掲げる。
『どうしました?ひょっとして降伏のポーズでも?』
「んなわけねぇじゃん……こうすんだよッ!」
『ん?』
「プレイボールッ!!」
叫び掲げた両腕を一気に振り下ろし地面を強く叩く大和。
地面が一瞬ぐらりと揺れ破砕による土埃が大きく舞う。
その瞬間、大和達は動いていた。
「門司ッ、亡霊の相手は任せたぜッ!」
「刀を折られたんだ言われなくてもそのつもりだ……逆に晴菜は任せるぞ」
「ああ任せなッ!睦美とチェルシーはその間に【領域】から脱出しろッ!」
言って晴菜に接近し蹴りを叩き込む大和。晴菜は両拳銃で受ける。
「んじゃ、ちょいと楽しもうや晴菜ッ!」
「…待っていたわよこの時をッ!!」
互いに笑みのようなモノを浮かべる大和と晴菜。勢いよく廃工場の壁を突き抜けていった。
そんな中大和とは逆方向に向かう門司。こちらも壁に向かって一直線に駆ける。
『なるほど…少々面喰いましたが、『爆炎』の想定通りこの手で来ましたか…』
言って弾丸を撃ち込む亡霊。土埃舞う視界が明けない中でありながら、それも6キロ離れた距離で気配のみで移動する門司の頭部に弾丸を届ける。
それを顔を動かし躱す門司。弾丸は頬を掠めるが、気にすることなく壁を斬り刻む。
折れた刀身ながらも壁をバターの様に容易に断ち、蹴り抜く様にして門司は外へと飛び出した。
「長船・門司……推して参る!」
『亡霊…同じくです』
こちらも互いに名乗る様にしながら門司は亡霊の潜むであろう方向に駆けていった。
その後、【領域】内を突き進んでいく大和達。
廊下のような通路をひたすら進むとジュリの連絡通り開けた場所へと出る。
そこは様々な壊れた大型工業機械が無造作に置かれたまるで廃工場のような場所。
規則正しく設置された窓からは光が差し込まれていた。
「ふむ、【領域】を創った方は、さっきの久弥でしょうか?結構な数寄者と見ました…まさか廃工場のような内だけでなく外の景色まで創り上げてしまうとは…」
窓から外を見て呟く睦美。外には【領域】特有の特異さ、例えば空に浮く木々や水が昇る滝などが部分部分に見られるが、広大な山間部や森林部が再現され疑似的な太陽までも空に昇っていた。
「おーいエイプリルやーぃ…っ!」
だが、そんな事はどうでもいい大和。エイプリルを探し叫ぶ。
そのまま奥へと進んでいった。
「…おい大和、アレじゃあないか?」
少し奥まった場所。工業用機械に並んであるモノ鉄製の檻を見つける門司。
檻の中には何かが入れられたズタ袋が転がっている。
明らかに場違い。且つズタ袋の大きさ的にエイプリルと確信する大和達、即座に近づく。
「おいエイプリル!無事か!?」
周囲と錠前を調べつつ呼びかける大和。だが聞こえていないのか一切の返事が返ってこない。
それどころかピクリとも動いていなかった。
「エイプリルっ!?」
「ご主人。どうやらこの鉄檻、何の変哲もない様ですよぅ」
「錠前も罠のような部分は一切なし……どういうことです?」
「だったら、コイツで良かったな」
そう言うと同時に鞘鳴りを響かせる門司。錠前を一刀両断する。
開いた檻、大和はすぐに中に入りズタ袋をほどく。
「おいエイプリルっ!……なっ!?」
開けて驚愕する大和。ズタ袋に入っていたのはエイプリルではなく重さと大きさを似せたただのマネキンであった。
「…これはハズレって事ですぅ?」
「そんな楽観的なのは少々…どう見てもこれは……」
「伏せろ」
考察に入ろうとする睦美に何かを察知して叫ぶ門司。
瞬間、窓が割れ何かが高速で飛んでくる。
その飛翔物を門司は一刀のもと弾いた。
「今のは…?」
「黙って伏せてろ鉄面皮にチェルシー。考察なんて後だ……」
弾かれたからか次々とやって来る屋外からの飛翔物。不意ではない為その形状も目視できるようになる。
それは大型のライフル弾であった。
続々と来るライフル弾を門司は弾き続ける。
「兄弟」
「あいよ!」
門司からの目配せに意図を察し頷く大和。瞬間、一閃により上下に両断された鉄檻の天井部分を持ち上げると弾丸の方向に立てかけるように置く。
そうして出来上がった即席の遮蔽物へと身を隠す大和達。最後に弾丸を弾いた門司が滑り込む。
直後、廃工場の屋外遥か遠方で乾いた発砲音が幾重にも鳴り響いた。
「まんまと一杯食わされたって事か…」
「ふむ、その様ですね……あと助かりました」
身を隠した事により止んだ銃撃を見て呟く門司と礼を言う睦美。
「どうやらこの【領域】自体がこんな罠だという訳ですねぇ」
呟いたチェルシー。その通りである。
この廃工場のみならず周囲の景色まで創り上げたのは遠距離からの狙撃とその狙撃手を隠すためのモノ。
檻の位置をこんな奥まった場所に置き、エイプリルのダミーを利用し油断していた大和達を撃ち抜くとそんな算段だったのだろう。
「だな、それに今俺達い照準を合わせている狙撃手だけど、結構な手前らしい」
言って木片を拾い上げると遮蔽物外に放る大和。飛び出た木片は瞬間に撃ち抜かれ木屑をまき散らして爆ぜた。
また遠方から発砲音が響く。
「ジュリ…今ので何か分かったか?」
『はい。そちらに侵入させたドローンを用いての探知の結果。遮蔽物から一時の方向、距離として6キロの位置から銃声が確認されました。
通常の狙撃手の射程距離の限界が2キロと言われる中でその3倍。それでこの精度。
それだけで、狙撃手は【星】であり、使用したのが対【星】用の特殊弾であると大和は察する。
「だとしても、木々が邪魔な中どうやって的確に撃ち込んでやがるんだ?」
次の瞬間、遮蔽物を躱す様に正面から弾丸が飛んでくる。
まるで問いかけへの答えのような攻撃に笑みを浮かべた大和。転がっていたナットを拾い上げると指弾の要領で撃ちだし、弾丸を打ち落とす。
「…しっかし、此処からどうすっかねぇ……俺としては取り敢えず俺達に嘘を吐いたあの黒コートを9割5分殺しにすることだけは確定してっけど」
「………皆、今気づいたことだが、一つだけ報告がある…」
「どうしたのですぅ門司様?」
「さっきの銃撃で刀が折れた」
言って刀を抜き放った門司。
現れた刀身は鞘の半分程度の長さの部分でぽっきりと折れていた。
「あれまぁ」
「元々無銘。それも結構なガタが来ていたのは確か…だが、正確に弾いてこれだ……おそらく狙撃手の【演目】だろう」
『…その通りですよ『鬼神』。それは私の【演目】です……』
刀身を目でなぞりながら分析する門司に向かって、工場のスピーカーからそんな声が響く。
【演目】『凶弾 射砕 』
『着弾場所を振動させ、その力で破壊を引き起こす。単純ながら結構な効果でしょう?貴方みたいに武装している【星】にとっては……』
「……お前が狙撃手か…覚えてやるから名乗りな」
『……これは失礼【演目】の説明だけで名乗りがまだでしたね………私は亡霊…亡霊と申します』
「亡霊…」
「……聞いたことがあります。亡霊…『幻凶手』と呼ばれる【銘付き】。国家の要人暗殺を請け負い。表の情勢に積極的に影響を与えている【星】」
『覚えていただき恐悦至極……』
「んなこたぁどうでもいいんだよ…おい亡霊、エイプリルを何処にやった?」
『軽そうな声音。ですが隠し切れない怒りが見えますよ『龍王』』
「そうかい。耳が遠いみてーだからもう一回聞いてやるよ。ど・こ・だ?」
『おお怖い怖い…『龍王』の逆鱗に触れる存在はただでは済まないと聞きますがあながち嘘でも……心配しないで下さい。彼女は丁重に移送しましたよ。私の雇い主の本拠にね…』
「丁重なぁ…息吸うかのように騙されたこちらとしちゃあ「どうだろうなぁ?」と疑わざるを得ねぇぜ」
『それはご尤も………とここでことが上手く運んだ礼と勘違いを正すために一言……久弥ですが、彼は我々のこの件については完全にノータッチですよ。まだこの場に貴方がたのお仲間がいると思い込んでおります』
「雇われたアンタが暴走して勝手にしでかした…と思うのはお気楽な思考だろうな、アンタのような雇われで、これは完全に信用問題に関わるからな……ってことはアンタ、別の奴に雇われているな?」
『……これは完全に口が滑りましたかね……これ以上の失言を防ぐためにも、そろそろ戦闘を再開しましょうか…』
「ああいいぜ…だがどうするつもりだ?このままスコープを覗くアンタと我慢比べをしようっていう訳か?」
『狙撃手にとっては我慢比べは日常故、それでも別に構いはしません。ですがこの展開のままでは雇い主は喜ばないでしょう……ですので、別のやり口でいきますよ』
亡霊がそう言い終えた瞬間、壁の一部が爆破される。
「来たわね大和」
「晴菜」
崩れていく壁。その中から現れたのは晴菜だった。後ろに一名の【星】を引き連れている。
「晴菜か、久しぶりだな…」
「ええ門司も久しぶりね…」
目が合う門司と晴菜、再会の挨拶を軽く交わす。
「成程ね…お前さんが穴熊を追い立てる猟犬役って事かい?」
「わかっているなら、いちいち口に出さないで…忌々しい」
大和の問いを吐き捨てる様に返す晴菜。そのまま両手に炎の拳銃を顕現させると大和達にじりじりと近づく。
『まあ…こんな手ですよ『龍王』『鬼神』……これから狩られる準備と覚悟はよろしいですか?』
「言ってくれるね」
亡霊の言葉に楽しそうに笑った大和。同時に両腕を高く掲げる。
『どうしました?ひょっとして降伏のポーズでも?』
「んなわけねぇじゃん……こうすんだよッ!」
『ん?』
「プレイボールッ!!」
叫び掲げた両腕を一気に振り下ろし地面を強く叩く大和。
地面が一瞬ぐらりと揺れ破砕による土埃が大きく舞う。
その瞬間、大和達は動いていた。
「門司ッ、亡霊の相手は任せたぜッ!」
「刀を折られたんだ言われなくてもそのつもりだ……逆に晴菜は任せるぞ」
「ああ任せなッ!睦美とチェルシーはその間に【領域】から脱出しろッ!」
言って晴菜に接近し蹴りを叩き込む大和。晴菜は両拳銃で受ける。
「んじゃ、ちょいと楽しもうや晴菜ッ!」
「…待っていたわよこの時をッ!!」
互いに笑みのようなモノを浮かべる大和と晴菜。勢いよく廃工場の壁を突き抜けていった。
そんな中大和とは逆方向に向かう門司。こちらも壁に向かって一直線に駆ける。
『なるほど…少々面喰いましたが、『爆炎』の想定通りこの手で来ましたか…』
言って弾丸を撃ち込む亡霊。土埃舞う視界が明けない中でありながら、それも6キロ離れた距離で気配のみで移動する門司の頭部に弾丸を届ける。
それを顔を動かし躱す門司。弾丸は頬を掠めるが、気にすることなく壁を斬り刻む。
折れた刀身ながらも壁をバターの様に容易に断ち、蹴り抜く様にして門司は外へと飛び出した。
「長船・門司……推して参る!」
『亡霊…同じくです』
こちらも互いに名乗る様にしながら門司は亡霊の潜むであろう方向に駆けていった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
モブ高校生、ダンジョンでは話題の冒険者【ブラック】として活動中。~転校生美少女がいきなり直属の部下とか言われても困るんだが~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は【ブラック】という活動名でダンジョンに潜っているAランク冒険者だった。
ダンジョンが世界に出現して30年後の東京。
モンスターを倒し、ダンジョンの攻略を目指す冒険者は、新しい職業として脚光を浴びるようになった。
黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。果たして、白桃の正体は!?
「才斗先輩、これからよろしくお願いしますねっ」
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※序盤は結構ラブコメ感がありますが、ちゃんとファンタジーします。モンスターとも戦いますし、冒険者同士でも戦ったりします。ガチです。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
※お気に入り登録者2600人超えの人気作、『実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する』も大好評連載中です!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

烙印騎士と四十四番目の神
赤星 治
ファンタジー
生前、神官の策に嵌り王命で処刑された第三騎士団長・ジェイク=シュバルトは、意図せず転生してしまう。
ジェイクを転生させた女神・ベルメアから、神昇格試練の話を聞かされるのだが、理解の追いつかない状況でベルメアが絶望してしまう蛮行を繰り広げる。
神官への恨みを晴らす事を目的とするジェイクと、試練達成を決意するベルメア。
一人と一柱の前途多難、堅忍不抜の物語。
【【低閲覧数覚悟の報告!!!】】
本作は、異世界転生ものではありますが、
・転生先で順風満帆ライフ
・楽々難所攻略
・主人公ハーレム展開
・序盤から最強設定
・RPGで登場する定番モンスターはいない
といった上記の異世界転生モノ設定はございませんのでご了承ください。
※【訂正】二週間に数話投稿に変更致しましたm(_ _)m

前代未聞のダンジョンメーカー
黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。
けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。
というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない?
そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。
小説家になろうでも掲載しております。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる