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第三章
第三節
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ヒミコとの協定から数日後、メッセージに記されていた日時が来、いつもの戦略部屋に集まる大和達。
部屋にいるのは大和に門司、睦美にチェルシーのいつものメンバーの他。ヒミコとそのお付きの2名である。
「さてさて悪童共、此度のエイプリル奪還戦。ナビゲーション含め全てのバックアップは我々『フツノミタマ』が担当するよ」
「あれ?んじゃ睦美…お前は?」
「いつもに比べ裏方が充実しておりますからね、久々に前線働きですよ……今回のようなデリケートな作戦、突撃ばかりのイノシシ共では難しいですから…現場参謀ですよ」
「ふん、現場参謀だか何だか知れないが…久々を理由に足引っ張るなよ鉄面皮」
「そちらこそ、私の謀り事を無駄にするような蛮族行為は慎むように一号」
「全く、仲が良いねぇアンタ達は……」
皮肉合戦を繰り返す睦美と門司にそう呟くヒミコ。同時にお付きの者達にインカムタイプの通信機を配布させる。
そして身に付けるように指示するヒミコ。大和達も言われた通り電源を入れる。
少しのノイズ音の後、女性の声が聞こえた。
『お疲れ様です。この度の作戦にて皆様のナビゲーションを務めさせていただきます『フツノミタマ』支援二課所属。ジュリと申します』
「今聞いた通り、今回の作戦は彼女を代表して十数名のメンバーがアンタ等のサポートを務めることになる」
『よろしくお願いします『創世神』の皆様。お役に立てるよう全力で務めさせていただきます』
「おうよろしくなジュリ。頼りにしてるぜ」
ジュリにそう返す大和。ジュリは少し緊張気味のように感じたが、覇気と意欲は十二分に伝わる。これはきちんと自分の務めを果たしてくれるだろう。
「なお今回の目標座標は【無間回廊】経由で侵入することとする。おそらく敵の【領域】であろう座標。こうしないと入れないだろうからね…」
『ご安心ください。ファストさんとはすでにこちらから話はつけております』
「ほぉ…って事は俺達は怖がらずに扉に飛び込めってこったな」
「ふむ、言うだけなら易し行うは難しですよ馬鹿二号…何せ敵側の【領域】。敵が万全に待ち構えている状況の場所に向かうのです。入った瞬間にハチの巣って可能性も十二分にあり得る状況です」
「クィーンの名曲みたいな状況ってか?俺達はさしづめ通りを歩くスティーブだな」
「……また今時の子が分からないような例えを……一体何歳です貴方は?」
「良いんだよ、良いモノっていうのは時を超えるんだから」
また話が脱線しかける。だが今回は大和も自力で修正する。
「ま、待ち構えている分は、何とか頑張ってみっか……それよりも婆さん、頼んだ例のモノはきっちりと準備出来てる?」
「ああアレかい?それもばっちりさ」
言って通信機と同じようにお付きの者に指示したヒミコ。お付きの者はジェラルミンケースを取り出す。
受け取った大和は早速中身を確認した。
「へぇ…良いじゃあねぇか」
「ほぅ、良いなソレ」
「ふむ、私も企みを聞きましたが……ふむ、中々に良い出来ですね……」
「ええ全くですよぅ…流石はご主人。意地が悪い」
「だろ」
並んで確認しそう評する門司達。まるで楽しそうに悪戯を考えるように意地の悪そうな笑みを浮かべあった。
部屋にいるのは大和に門司、睦美にチェルシーのいつものメンバーの他。ヒミコとそのお付きの2名である。
「さてさて悪童共、此度のエイプリル奪還戦。ナビゲーション含め全てのバックアップは我々『フツノミタマ』が担当するよ」
「あれ?んじゃ睦美…お前は?」
「いつもに比べ裏方が充実しておりますからね、久々に前線働きですよ……今回のようなデリケートな作戦、突撃ばかりのイノシシ共では難しいですから…現場参謀ですよ」
「ふん、現場参謀だか何だか知れないが…久々を理由に足引っ張るなよ鉄面皮」
「そちらこそ、私の謀り事を無駄にするような蛮族行為は慎むように一号」
「全く、仲が良いねぇアンタ達は……」
皮肉合戦を繰り返す睦美と門司にそう呟くヒミコ。同時にお付きの者達にインカムタイプの通信機を配布させる。
そして身に付けるように指示するヒミコ。大和達も言われた通り電源を入れる。
少しのノイズ音の後、女性の声が聞こえた。
『お疲れ様です。この度の作戦にて皆様のナビゲーションを務めさせていただきます『フツノミタマ』支援二課所属。ジュリと申します』
「今聞いた通り、今回の作戦は彼女を代表して十数名のメンバーがアンタ等のサポートを務めることになる」
『よろしくお願いします『創世神』の皆様。お役に立てるよう全力で務めさせていただきます』
「おうよろしくなジュリ。頼りにしてるぜ」
ジュリにそう返す大和。ジュリは少し緊張気味のように感じたが、覇気と意欲は十二分に伝わる。これはきちんと自分の務めを果たしてくれるだろう。
「なお今回の目標座標は【無間回廊】経由で侵入することとする。おそらく敵の【領域】であろう座標。こうしないと入れないだろうからね…」
『ご安心ください。ファストさんとはすでにこちらから話はつけております』
「ほぉ…って事は俺達は怖がらずに扉に飛び込めってこったな」
「ふむ、言うだけなら易し行うは難しですよ馬鹿二号…何せ敵側の【領域】。敵が万全に待ち構えている状況の場所に向かうのです。入った瞬間にハチの巣って可能性も十二分にあり得る状況です」
「クィーンの名曲みたいな状況ってか?俺達はさしづめ通りを歩くスティーブだな」
「……また今時の子が分からないような例えを……一体何歳です貴方は?」
「良いんだよ、良いモノっていうのは時を超えるんだから」
また話が脱線しかける。だが今回は大和も自力で修正する。
「ま、待ち構えている分は、何とか頑張ってみっか……それよりも婆さん、頼んだ例のモノはきっちりと準備出来てる?」
「ああアレかい?それもばっちりさ」
言って通信機と同じようにお付きの者に指示したヒミコ。お付きの者はジェラルミンケースを取り出す。
受け取った大和は早速中身を確認した。
「へぇ…良いじゃあねぇか」
「ほぅ、良いなソレ」
「ふむ、私も企みを聞きましたが……ふむ、中々に良い出来ですね……」
「ええ全くですよぅ…流石はご主人。意地が悪い」
「だろ」
並んで確認しそう評する門司達。まるで楽しそうに悪戯を考えるように意地の悪そうな笑みを浮かべあった。
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