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「なんで今日まで黙ってたの?」
もう少し早かったら心の準備も出来きたし、サラから言われた時に、わかったわ、と言って、軽く流せたのに。
ホロ付き荷馬車で、たいして荷物もないので、さっさと朝早く屋敷を出発した。
勿論誰も見送りはない。今更見送る人が出できた方が驚く。
けど、やっぱり少し寂しかった。
「ご主人様に黙っておけと言われました。ミヤ様の驚いた顔が見たいとの事でした」
さらっと、手網を握らながら普通に言うけど、親としてどうなの?とため息をついた。
「もう、宜しいんではないですか。御家族からただの御親戚になったのですから、今更あの方達が変わるなんて有り得ませんし、何とかは死なないと治らない、という昔の方はよう言いました」
はっきり言うなあ。
「チェーンナ侯爵家では、ミヤ様のお越しを大変喜んでおられます。あ、グラバト家も厄介者が居なくなって、大変喜んでおられたので利害一致という事ですね」
良かった良かったと、何度も頷くシャオレに、少しほっとした。
「喜んでいたのね、叔母様達は」
「はい。お返事が来る度に、ご主人様、ああ、前のご主人様ですね。小躍りして、前の奥さまとお話しておりました」
目に浮かぶわ。
いちいちいい直すところが、シャオレらしいし、何故か嫌な気分にはならない。
すっきりする。
これから行く家、と言うと語弊があるかもしれない。これから私の家になる、というのもまだ、ピンと来ない。
ともかく、チェーンナ侯爵家の奥方は、お母様のお姉様。元々お母様は隣の国の子爵の出生で、いつも、私の美しさがあったから、伯爵家に嫁げたのよ。その素晴らしい遺伝子がサラに流れてくれて、言うことないわ、ねえ、あなた、と常々聞いてきた。つまり、その美しさを見初めてお父様が求婚して、今に至る。
そこおかしな家系にお母様の性格はドンピシャで、確かに見初めらた、に間違いないと思う。
ただ、お母様の後に叔母様が自国の侯爵家へ嫁いだものだから、気に食わずいつも口の悪いことばかり言っていた。
お察しの通り、グラバト一族は誰もが認めるおかしな一族だ。いや私もその一族なのだから、私も実際はおかしいのかもしれないが、そこは自分では分からない所。
でも、この人達よりはマシだと、思いたい。
お母様の実家が、叔母様、ん?これからはお母様?
まあ、ここは、チェーンナ侯爵家についてから、相談して決めようと思う。
ともかく、実家がチェーンナ侯爵家の近くだったので、必然的に寄る事が多かった。
ご厄介になる度に、お姉様は爵位だけが欲しくて嫁いだから、そんな不幸な顔になってるよ、と叔父様や、ご子息がいる前で平然と口を開く。
勿論それを止める常識人がグラバド伯爵家には私以外にはいない。
お父様もサラも、さらに輪をかけて喋りだす。
そして最後は、何よお姉様、私の家族がそんなに気に入らないの、妬んでるからそんな顔になるのね、ああやだやだ、なんて性悪なの。
と、お母様が締めくくる。
帰り際に私がごめんなさい、と謝る事となる。
チェーンナ家の皆はそんな私を、いつも優しく、ミヤがうちの子だってら良かったのに、あんな家じゃおかしくなるわ、といつも言ってくれた。
その家の子に本当になれる。
正直嬉しかった。
「それと、チェーンナ家以外には全部断られてましたよ。そんなおかしな子を養女なんてもってのほか、とか、頭の悪い子はいらない、とか。私にしたら、あの一族が奇妙な人達です。まあ、ともかく、これからは人並みの生活がやっと手に入ったのですから、良かったです」
相も変わらず、酷い言い方だな。
人並みかあ。
どこの基準が人並みかは分からないが、誰かをけなす言葉を聞く回数が減るのは間違いない。
「天気が良くて良かったですね」
ぼんやりと外を眺める私に、シャオレは優しく微笑んんだ。
「うん。そうだね」
私が笑って返すと、とても満足そうに笑ってくれた。
もう少し早かったら心の準備も出来きたし、サラから言われた時に、わかったわ、と言って、軽く流せたのに。
ホロ付き荷馬車で、たいして荷物もないので、さっさと朝早く屋敷を出発した。
勿論誰も見送りはない。今更見送る人が出できた方が驚く。
けど、やっぱり少し寂しかった。
「ご主人様に黙っておけと言われました。ミヤ様の驚いた顔が見たいとの事でした」
さらっと、手網を握らながら普通に言うけど、親としてどうなの?とため息をついた。
「もう、宜しいんではないですか。御家族からただの御親戚になったのですから、今更あの方達が変わるなんて有り得ませんし、何とかは死なないと治らない、という昔の方はよう言いました」
はっきり言うなあ。
「チェーンナ侯爵家では、ミヤ様のお越しを大変喜んでおられます。あ、グラバト家も厄介者が居なくなって、大変喜んでおられたので利害一致という事ですね」
良かった良かったと、何度も頷くシャオレに、少しほっとした。
「喜んでいたのね、叔母様達は」
「はい。お返事が来る度に、ご主人様、ああ、前のご主人様ですね。小躍りして、前の奥さまとお話しておりました」
目に浮かぶわ。
いちいちいい直すところが、シャオレらしいし、何故か嫌な気分にはならない。
すっきりする。
これから行く家、と言うと語弊があるかもしれない。これから私の家になる、というのもまだ、ピンと来ない。
ともかく、チェーンナ侯爵家の奥方は、お母様のお姉様。元々お母様は隣の国の子爵の出生で、いつも、私の美しさがあったから、伯爵家に嫁げたのよ。その素晴らしい遺伝子がサラに流れてくれて、言うことないわ、ねえ、あなた、と常々聞いてきた。つまり、その美しさを見初めてお父様が求婚して、今に至る。
そこおかしな家系にお母様の性格はドンピシャで、確かに見初めらた、に間違いないと思う。
ただ、お母様の後に叔母様が自国の侯爵家へ嫁いだものだから、気に食わずいつも口の悪いことばかり言っていた。
お察しの通り、グラバト一族は誰もが認めるおかしな一族だ。いや私もその一族なのだから、私も実際はおかしいのかもしれないが、そこは自分では分からない所。
でも、この人達よりはマシだと、思いたい。
お母様の実家が、叔母様、ん?これからはお母様?
まあ、ここは、チェーンナ侯爵家についてから、相談して決めようと思う。
ともかく、実家がチェーンナ侯爵家の近くだったので、必然的に寄る事が多かった。
ご厄介になる度に、お姉様は爵位だけが欲しくて嫁いだから、そんな不幸な顔になってるよ、と叔父様や、ご子息がいる前で平然と口を開く。
勿論それを止める常識人がグラバド伯爵家には私以外にはいない。
お父様もサラも、さらに輪をかけて喋りだす。
そして最後は、何よお姉様、私の家族がそんなに気に入らないの、妬んでるからそんな顔になるのね、ああやだやだ、なんて性悪なの。
と、お母様が締めくくる。
帰り際に私がごめんなさい、と謝る事となる。
チェーンナ家の皆はそんな私を、いつも優しく、ミヤがうちの子だってら良かったのに、あんな家じゃおかしくなるわ、といつも言ってくれた。
その家の子に本当になれる。
正直嬉しかった。
「それと、チェーンナ家以外には全部断られてましたよ。そんなおかしな子を養女なんてもってのほか、とか、頭の悪い子はいらない、とか。私にしたら、あの一族が奇妙な人達です。まあ、ともかく、これからは人並みの生活がやっと手に入ったのですから、良かったです」
相も変わらず、酷い言い方だな。
人並みかあ。
どこの基準が人並みかは分からないが、誰かをけなす言葉を聞く回数が減るのは間違いない。
「天気が良くて良かったですね」
ぼんやりと外を眺める私に、シャオレは優しく微笑んんだ。
「うん。そうだね」
私が笑って返すと、とても満足そうに笑ってくれた。
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