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それぞれの週末ラヤ2
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「いつもあんな感じなの?」
コソッとお義姉様が聞いてくる。
「今日は取り巻きがいるから余計に威張ってると思う。かっこよく見せたいんでしょうね」
「ズレた考えね」
「本当に」
「お待たせ致しました」
「あ、来たわ」
頼んだものがテーブルに置かれるとお義姉様は子供のように目を輝かせた。
「食べましょう」
「はい」
果物もワッフルも美味しかった。
自然な熟した甘みがあり、そこにサクッとしながらもしっとりとしたワッフルが合い、また、来たいなと思った。
「全く、なんでいるんだか。出ていけばいいのに」
ふいに後ろからイエーガー様の声がした。
食べ終わったのかもしれない。
「気にしないの」
急に私が固まったから、心配そうにお義姉様は声をかけてきた。
「仕方あませんわ。この方は自分の事しか考えないんですもの。イエーガー様の後ろで控える、と言う当然の事が出来ないんです」
ルーズリーが呆れるように言った。
よく言うわ。1歩引く、と言う意味分かって言ってる?
馬鹿みたいにヘコヘコと持ちあげんじゃなく、その方の立場を押し上げるために1歩引いて助けるのよ。
絶対分かってないわね。
「そうだな。いつも偉そうに、粗探しかのように食ってかかってくる」
粗探ししなくても、すぐ見えるわよ。
「聞いていて耳を疑います。イエーガー様に対して、無礼すぎます。イエーガー様は王子でございます。歯向かうなど有り得ませんし、常に、はい、と返事をし、支えるのが婚約者の務めです」
「クロッカス、君はいい事言うな」
「何を仰います。ここにいる皆さんそんな事当たり前ど思っておりますよ」
「そうだな」
皆が和やかに、笑い出す。
その内容に一気に、血の気が引く気がした。
私の方が、おかしいのだろうか?
自分に合わないからと言って、あしらっているが、イエーガー様は王子なのだ。
あんな出来そこ・・・、いや、個性豊かな感情をもつ、考え無しの馬鹿な、いや、えーと、なんだっけ?
ともかく、この国の王子の1人。
話にでてきた、歯向かう事は無く、はいと返事をし、支える。
確かに最もな内容で、王子とかではなく、妻になるなら当然だ。
イエーガー様の言うように私が愚かで、至らないのかもしれない。
だから、厭われ、嫌われ、こんな目にあうのかもしれない。
嫌いだからと言って、こんな態度をしてきたが、改めて思い出した。
この人は、王子なのだ。
私が・・・本当なら私が・・・違う目をもって、もっとイエーガー様に寄り添うべきなのだろうか?
「ラヤ、顔色悪いわよ。帰る?」
不安そうに義姉様は私の顔を見て、言った。
私が急に食べなくなったのを気にして、聞いてきたが、お義姉様もまだ半分残ってる。
申し訳ない。
私のせいで食が進まないのだ。
「大丈夫です。美味しいですね」
無理して微笑んでるのが分かっていたが、せっかく気分転換に連れてきてくれたのが分かっているだけに、帰るのは悪い。
「いらっしゃいませ。すみません、今満席でしてお待ちいただけますか?」
「いや、連れがいるから大丈夫だ」
「分かりました。どうぞ」
そんな声が聞こえた。
背中を向けているから分からないが、ぼんやりと、早く出ないと他の人が座れないかも。
だったら、もう、出ようかな、と思った。
「ラヤ、あの方には何も教えていないわ。心配するのが分かっているから。私先に帰るわ。あとはゆっくりね」
入口の方を見ながら早口でそう言うとお義姉様は悪戯っぽく笑って出ていった。
あの方?
意味がわからず、入口の方を見て、固まった。
コソッとお義姉様が聞いてくる。
「今日は取り巻きがいるから余計に威張ってると思う。かっこよく見せたいんでしょうね」
「ズレた考えね」
「本当に」
「お待たせ致しました」
「あ、来たわ」
頼んだものがテーブルに置かれるとお義姉様は子供のように目を輝かせた。
「食べましょう」
「はい」
果物もワッフルも美味しかった。
自然な熟した甘みがあり、そこにサクッとしながらもしっとりとしたワッフルが合い、また、来たいなと思った。
「全く、なんでいるんだか。出ていけばいいのに」
ふいに後ろからイエーガー様の声がした。
食べ終わったのかもしれない。
「気にしないの」
急に私が固まったから、心配そうにお義姉様は声をかけてきた。
「仕方あませんわ。この方は自分の事しか考えないんですもの。イエーガー様の後ろで控える、と言う当然の事が出来ないんです」
ルーズリーが呆れるように言った。
よく言うわ。1歩引く、と言う意味分かって言ってる?
馬鹿みたいにヘコヘコと持ちあげんじゃなく、その方の立場を押し上げるために1歩引いて助けるのよ。
絶対分かってないわね。
「そうだな。いつも偉そうに、粗探しかのように食ってかかってくる」
粗探ししなくても、すぐ見えるわよ。
「聞いていて耳を疑います。イエーガー様に対して、無礼すぎます。イエーガー様は王子でございます。歯向かうなど有り得ませんし、常に、はい、と返事をし、支えるのが婚約者の務めです」
「クロッカス、君はいい事言うな」
「何を仰います。ここにいる皆さんそんな事当たり前ど思っておりますよ」
「そうだな」
皆が和やかに、笑い出す。
その内容に一気に、血の気が引く気がした。
私の方が、おかしいのだろうか?
自分に合わないからと言って、あしらっているが、イエーガー様は王子なのだ。
あんな出来そこ・・・、いや、個性豊かな感情をもつ、考え無しの馬鹿な、いや、えーと、なんだっけ?
ともかく、この国の王子の1人。
話にでてきた、歯向かう事は無く、はいと返事をし、支える。
確かに最もな内容で、王子とかではなく、妻になるなら当然だ。
イエーガー様の言うように私が愚かで、至らないのかもしれない。
だから、厭われ、嫌われ、こんな目にあうのかもしれない。
嫌いだからと言って、こんな態度をしてきたが、改めて思い出した。
この人は、王子なのだ。
私が・・・本当なら私が・・・違う目をもって、もっとイエーガー様に寄り添うべきなのだろうか?
「ラヤ、顔色悪いわよ。帰る?」
不安そうに義姉様は私の顔を見て、言った。
私が急に食べなくなったのを気にして、聞いてきたが、お義姉様もまだ半分残ってる。
申し訳ない。
私のせいで食が進まないのだ。
「大丈夫です。美味しいですね」
無理して微笑んでるのが分かっていたが、せっかく気分転換に連れてきてくれたのが分かっているだけに、帰るのは悪い。
「いらっしゃいませ。すみません、今満席でしてお待ちいただけますか?」
「いや、連れがいるから大丈夫だ」
「分かりました。どうぞ」
そんな声が聞こえた。
背中を向けているから分からないが、ぼんやりと、早く出ないと他の人が座れないかも。
だったら、もう、出ようかな、と思った。
「ラヤ、あの方には何も教えていないわ。心配するのが分かっているから。私先に帰るわ。あとはゆっくりね」
入口の方を見ながら早口でそう言うとお義姉様は悪戯っぽく笑って出ていった。
あの方?
意味がわからず、入口の方を見て、固まった。
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