10 / 15
屋敷に帰ってきたら2
しおりを挟む
「さすがだわ。ただではおきないわね。見てみたかったわ、ラヤの質問、と言ったところを」
「本当に。質問、なんて絶対に思いつきません。そんな事されたら、逆にバカにされたようで腹が立ちますね」
「だって、おかしな事ばかり言うから、聞いただけよ」
「イエーガー様といい、頭があまり良くないわね。その4人。あまりいい噂を聞かない家だわ」
「いい噂を聞かない?」
「ええ」
こくりとお茶を飲み、御義姉様は教えてくれた。
「ジョルノ子爵家は投資に失敗したと聞いたわ。元々農業が盛んな領地を持っているのに、息子が投資に手を出して、借金を作り、そのせいで領地も全てに近い程手放したと噂されてるわ。レイスン男爵家は、御当主と奥様が元々お金使いが荒いみたいで、火の車らしいわ。ここも、領地を手放し既にあとがないと噂よ」
ふうん。それは大変ね。
「コザヤ侯爵家は、ルーズリーの姉の婚約に失敗したみたいで、莫大な違約金を払わないといけないみたいよ。婚約しているにも関わらず、他の殿御の子供を孕んだみたいで、内密にはしているけど、かなり噂は広がっているわ」
「それ、コザヤ侯爵令嬢の話だったの?噂で聞いたけど、誰だろうと思ってた。婚約者は公爵子息だったよね?急に婚約解消になって不思議に思ったけど、だからか」
「そんな不貞で公爵家を敵に回してしまったから、生き残るのは難しいでしょうね。公爵様はかなり御立腹で、コザヤ侯爵様に関われば、自分を敵に回したとみなす、と言われたようで一気にコザヤ侯爵様から離れていったわ」
それは大変だな。
「ニマ男爵家は特にお金には困ってはないけど、権力者が欲しいみたいで、歳頃の王子を狙え、と堂々と言っているみたいなの。はしたないわよねぇ」
噛むこと無く、スラスラと喋ってくれる
「詳しい、ですね。お義姉様」
関心してしまった。
と言うよりも恐ろしいかもしれない。
「こういう話はね。お茶会に出たら必ず出てくるのよ。今の出てきた4人とは派閥が違うから、私は一緒にしたことは無いけど、他の方が御一緒されたことがあって、教えてくれたのよ。まあ、逆にこの家の事も面白おかしく言われているかもしれないわね」
それは、有り得るかな。
人の不幸というか、残念なことは、蜜の味だ。
聞きたくなる気持ちも分かる。
「でも、少しやりすぎよ。本当にイジメみたいだわ。と言うよりも、イエーガー様も参加する事がおかしいわ」
「そうですよ!自分達の欲の為に人を陥れようなんて、最低です!!」
「ありがとう心配してくれて。でもどうにかなる人だったら、ここまでややこしくなってないわ」
「確かにね。どうして1人だけそんなにひねくれて育ったのか不思議だわ。昔からなんでしょ?ウエン様が仰ってたわ」
「そうですね。兄様はショーン様と仲が良かったけれど、イエーガー様とも話す機会はたくさんありましたからね。いつも、ショーン様にお前の弟おかしいだろ!?とはっきり言っていまたね」
歯に衣着せぬ、とは兄様の事だ、とハラハラして聞いていた。
ショーン様は第1王子で兄様の1つ上の22歳。幼い頃からお父様に連れられ王宮に行っていたので、幼なじみとなる。
だからなのか、兄様はショーン様に屈託なく声をかけ、それに対しショーン様も楽しそうに返されていた。
その点で行くと、私も幼なじみとなるかもしれないが、男子と女子。それも歳が少し離れている為、兄様に比べると会話も接点も少なく、敬う方となっていた。
イエーガー様と全く違い、気品もあり温厚で、人望もある。
まあ、兄様の、弟おかしいだろ、の言葉はある意味処罰を受けてしまう内容だが、そこは内輪だけの話になっているし、ショーン様も苦笑いしながらも否定しなかった。
ちなみに、第3王子リンス様は、10歳。とても元気な方だが、礼儀正しく、爽やかな方だ。
本当に、比べるところがあり過ぎてイエーガー様も、少しは気付けばいいものを、と思うわ。
「本当に。質問、なんて絶対に思いつきません。そんな事されたら、逆にバカにされたようで腹が立ちますね」
「だって、おかしな事ばかり言うから、聞いただけよ」
「イエーガー様といい、頭があまり良くないわね。その4人。あまりいい噂を聞かない家だわ」
「いい噂を聞かない?」
「ええ」
こくりとお茶を飲み、御義姉様は教えてくれた。
「ジョルノ子爵家は投資に失敗したと聞いたわ。元々農業が盛んな領地を持っているのに、息子が投資に手を出して、借金を作り、そのせいで領地も全てに近い程手放したと噂されてるわ。レイスン男爵家は、御当主と奥様が元々お金使いが荒いみたいで、火の車らしいわ。ここも、領地を手放し既にあとがないと噂よ」
ふうん。それは大変ね。
「コザヤ侯爵家は、ルーズリーの姉の婚約に失敗したみたいで、莫大な違約金を払わないといけないみたいよ。婚約しているにも関わらず、他の殿御の子供を孕んだみたいで、内密にはしているけど、かなり噂は広がっているわ」
「それ、コザヤ侯爵令嬢の話だったの?噂で聞いたけど、誰だろうと思ってた。婚約者は公爵子息だったよね?急に婚約解消になって不思議に思ったけど、だからか」
「そんな不貞で公爵家を敵に回してしまったから、生き残るのは難しいでしょうね。公爵様はかなり御立腹で、コザヤ侯爵様に関われば、自分を敵に回したとみなす、と言われたようで一気にコザヤ侯爵様から離れていったわ」
それは大変だな。
「ニマ男爵家は特にお金には困ってはないけど、権力者が欲しいみたいで、歳頃の王子を狙え、と堂々と言っているみたいなの。はしたないわよねぇ」
噛むこと無く、スラスラと喋ってくれる
「詳しい、ですね。お義姉様」
関心してしまった。
と言うよりも恐ろしいかもしれない。
「こういう話はね。お茶会に出たら必ず出てくるのよ。今の出てきた4人とは派閥が違うから、私は一緒にしたことは無いけど、他の方が御一緒されたことがあって、教えてくれたのよ。まあ、逆にこの家の事も面白おかしく言われているかもしれないわね」
それは、有り得るかな。
人の不幸というか、残念なことは、蜜の味だ。
聞きたくなる気持ちも分かる。
「でも、少しやりすぎよ。本当にイジメみたいだわ。と言うよりも、イエーガー様も参加する事がおかしいわ」
「そうですよ!自分達の欲の為に人を陥れようなんて、最低です!!」
「ありがとう心配してくれて。でもどうにかなる人だったら、ここまでややこしくなってないわ」
「確かにね。どうして1人だけそんなにひねくれて育ったのか不思議だわ。昔からなんでしょ?ウエン様が仰ってたわ」
「そうですね。兄様はショーン様と仲が良かったけれど、イエーガー様とも話す機会はたくさんありましたからね。いつも、ショーン様にお前の弟おかしいだろ!?とはっきり言っていまたね」
歯に衣着せぬ、とは兄様の事だ、とハラハラして聞いていた。
ショーン様は第1王子で兄様の1つ上の22歳。幼い頃からお父様に連れられ王宮に行っていたので、幼なじみとなる。
だからなのか、兄様はショーン様に屈託なく声をかけ、それに対しショーン様も楽しそうに返されていた。
その点で行くと、私も幼なじみとなるかもしれないが、男子と女子。それも歳が少し離れている為、兄様に比べると会話も接点も少なく、敬う方となっていた。
イエーガー様と全く違い、気品もあり温厚で、人望もある。
まあ、兄様の、弟おかしいだろ、の言葉はある意味処罰を受けてしまう内容だが、そこは内輪だけの話になっているし、ショーン様も苦笑いしながらも否定しなかった。
ちなみに、第3王子リンス様は、10歳。とても元気な方だが、礼儀正しく、爽やかな方だ。
本当に、比べるところがあり過ぎてイエーガー様も、少しは気付けばいいものを、と思うわ。
39
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
死に戻るなら一時間前に
みねバイヤーン
恋愛
「ああ、これが走馬灯なのね」
階段から落ちていく一瞬で、ルルは十七年の人生を思い出した。侯爵家に生まれ、なに不自由なく育ち、幸せな日々だった。素敵な婚約者と出会い、これからが楽しみだった矢先に。
「神様、もし死に戻るなら、一時間前がいいです」
ダメ元で祈ってみる。もし、ルルが主人公特性を持っているなら、死に戻れるかもしれない。
ピカッと光って、一瞬目をつぶって、また目を開くと、目の前には笑顔の婚約者クラウス第三王子。
「クラウス様、聞いてください。私、一時間後に殺されます」
一時間前に死に戻ったルルは、クラウスと共に犯人を追い詰める──。
くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。
音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。>
婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。
冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。
「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」
皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
なんで私だけ我慢しなくちゃならないわけ?
ワールド
恋愛
私、フォン・クラインハートは、由緒正しき家柄に生まれ、常に家族の期待に応えるべく振る舞ってまいりましたわ。恋愛、趣味、さらには私の将来に至るまで、すべては家名と伝統のため。しかし、これ以上、我慢するのは終わりにしようと決意いたしましたわ。
だってなんで私だけ我慢しなくちゃいけないと思ったんですもの。
これからは好き勝手やらせてもらいますわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる