さて、質問です

さち姫

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屋敷に帰ってきたら2

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「さすがだわ。ただではおきないわね。見てみたかったわ、ラヤの質問、と言ったところを」

「本当に。質問、なんて絶対に思いつきません。そんな事されたら、逆にバカにされたようで腹が立ちますね」

「だって、おかしな事ばかり言うから、聞いただけよ」

「イエーガー様といい、頭があまり良くないわね。その4人。あまりいい噂を聞かない家だわ」

「いい噂を聞かない?」

「ええ」

こくりとお茶を飲み、御義姉様は教えてくれた。

「ジョルノ子爵家は投資に失敗したと聞いたわ。元々農業が盛んな領地を持っているのに、息子が投資に手を出して、借金を作り、そのせいで領地も全てに近い程手放したと噂されてるわ。レイスン男爵家は、御当主と奥様が元々お金使いが荒いみたいで、火の車らしいわ。ここも、領地を手放し既にあとがないと噂よ」

ふうん。それは大変ね。

「コザヤ侯爵家は、ルーズリーの姉の婚約に失敗したみたいで、莫大な違約金を払わないといけないみたいよ。婚約しているにも関わらず、他の殿御の子供を孕んだみたいで、内密にはしているけど、かなり噂は広がっているわ」

「それ、コザヤ侯爵令嬢の話だったの?噂で聞いたけど、誰だろうと思ってた。婚約者は公爵子息だったよね?急に婚約解消になって不思議に思ったけど、だからか」

「そんな不貞で公爵家を敵に回してしまったから、生き残るのは難しいでしょうね。公爵様はかなり御立腹で、コザヤ侯爵様に関われば、自分を敵に回したとみなす、と言われたようで一気にコザヤ侯爵様から離れていったわ」

それは大変だな。

「ニマ男爵家は特にお金には困ってはないけど、権力者が欲しいみたいで、歳頃の王子を狙え、と堂々と言っているみたいなの。はしたないわよねぇ」

噛むこと無く、スラスラと喋ってくれる

「詳しい、ですね。お義姉様」

関心してしまった。

と言うよりも恐ろしいかもしれない。

「こういう話はね。お茶会に出たら必ず出てくるのよ。今の出てきた4人とは派閥が違うから、私は一緒にしたことは無いけど、他の方が御一緒されたことがあって、教えてくれたのよ。まあ、逆にこの家の事も面白おかしく言われているかもしれないわね」

それは、有り得るかな。

人の不幸というか、残念なことは、蜜の味だ。

聞きたくなる気持ちも分かる。

「でも、少しやりすぎよ。本当にイジメみたいだわ。と言うよりも、イエーガー様も参加する事がおかしいわ」

「そうですよ!自分達の欲の為に人を陥れようなんて、最低です!!」

「ありがとう心配してくれて。でもどうにかなる人だったら、ここまでややこしくなってないわ」

「確かにね。どうして1人だけそんなにひねくれて育ったのか不思議だわ。昔からなんでしょ?ウエン様が仰ってたわ」

「そうですね。兄様はショーン様と仲が良かったけれど、イエーガー様とも話す機会はたくさんありましたからね。いつも、ショーン様にお前の弟おかしいだろ!?とはっきり言っていまたね」

歯に衣着せぬ、とは兄様の事だ、とハラハラして聞いていた。

ショーン様は第1王子で兄様の1つ上の22歳。幼い頃からお父様に連れられ王宮に行っていたので、幼なじみとなる。

だからなのか、兄様はショーン様に屈託なく声をかけ、それに対しショーン様も楽しそうに返されていた。

その点で行くと、私も幼なじみとなるかもしれないが、男子と女子。それも歳が少し離れている為、兄様に比べると会話も接点も少なく、敬う方となっていた。

イエーガー様と全く違い、気品もあり温厚で、人望もある。

まあ、兄様の、弟おかしいだろ、の言葉はある意味処罰を受けてしまう内容だが、そこは内輪だけの話になっているし、ショーン様も苦笑いしながらも否定しなかった。

ちなみに、第3王子リンス様は、10歳。とても元気な方だが、礼儀正しく、爽やかな方だ。

本当に、比べるところがあり過ぎてイエーガー様も、少しは気付けばいいものを、と思うわ。

 

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