さて、質問です

さち姫

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私はソカリナ公爵家の娘として産まれた。

ソカリナ公爵家には1男1女の子供がいる。ウェン兄様23歳と、私ラヤ17歳だ。

兄様はもう結婚していて、一緒に住んでいる、奥様であり、御義姉様の名前はナーニ様で22歳。オレンジの髪とブラウンの瞳で、可愛らしい丸顔で可愛らしい声をしている。

ちなみに私とお兄様はよく似ていると言われているが、大きな瞳で鋭いらしい。そして容姿も全体的に鋭いらしく、よく怖がられている。濃いブラウンの髪と黒色の瞳がまた拍車をかけてるのかもしれない。

ようは、お父様とお母様がそういう顔なのだから、仕方ない。

でも、綺麗だ、とは言われてるよ。

お父様は外交の仕事をしている。その関係で、王族の方々とは他の貴族よりも、仲良くさせて貰っていた。

私なりに、王族の方に会うということで、礼儀作法を幼い時からそれなりに学んだ。

それを陛下や王妃様は見ておられて、第2王子であるイエーガー様の婚約者に選んだのだ。

でも、お父様は大反対だった。

ううん。私も、家族も嫌だった。

第1王子や第3王子はとても賢く、そのお2人なら問題なかったが、1番の問題児であるイエーガー様と婚約なんて、はっ!?と何度も耳を疑い、お父様にしつこく聞き返した。

同姓同名の違う人だよね!?と。

いや、問題児だからこそ、私が選ばれたとの事だった。

今までの私を見ていて、1番王子のあしらい方が上手かったらしく、ラヤしかいない!とお2人がお父様にお願いしたそうだ。さすがに陛下と王妃から是非にと言われ、断れるわけがなく、忌々しそうに、

私が不甲斐ないばかりにと、何故かお父様に謝られた。

もう諦めるしかなかった。

お父様にも迷惑はかけられない。

イエーガー様は性格が最悪なのだ。我慢というのをしない。公務の間は冷静沈着の素晴らしい王子なのだが、終わった途端、喚き、ものを投げ、八つ当たし、王宮で大騒ぎする。

召使い達も手がつけられず、陛下や王妃様でさえお手上げだった。

1番嫌なのは、年頃の女性の前になると声は掛けはしないが、チラチラとみっともないぐらいにいやらしい目で見ている。

別にいいが、常識人であれば、婚約者の前で他の女性を気にかけるなんて絶対にしないし、王族なのだから品位を考えて欲しい。

でも、私がいないと直ぐに声をかけている所を何度も見た。

つまり、クズ男だ。

その上、私と2人になると、

お前が婚約解消してくれたら、女性が私に声を掛けやすくなるんだ。

お前、女のくせにそんなに上に立ちたいのか。

お前が私を好きなのは知っているが、そんなにしつこいと、気持ち悪いぞ。

お前は私に相応しくないと気づかないのか!早く私には無理です、婚約解消して下さい!!と土下座しろ!!

何処をどうしたらそう取れるのか、本当に頭がおかしくて可哀想に、と思ってあえてのらりくらりと放っておいたのに、まさか、こんな幼稚な手で来るなんて呆れる。

あえて刺激せずに暖かい目で誰もが見守っているのだから、大人していればいいのよ。

それも、ニマ男爵家のクロッカスを使うなんて。

お父様の話では、

ニマ男爵家はどんな手を使っても王族と繋がりを持ちたい、と常々言っている。お前は婚約者だ。何をされるかわからんぞ。同じクラスなんだろ?気をつけなさい。

と注意されていた。

色じかけかなんかで、どうせ王子が騙されたんだろうけど、自分がモテてるとか、私がいないとダメなんだな、とか簡単に引っかかったんだろう。

他にもあと3人、イエーガー様に取り入っている女性がいる。

ジョルノ子爵家令嬢のサーバー。

レイスン男爵令嬢のトナー。

コザヤ侯爵令嬢のルーズリー。

皆同じ歳で、皆、豊満な体を持つとても女性的だった。つまり、私と正反対の肢体を持っていた。

特に高等部に入り、この4人に出会ってからはイエーガー様は性格がより粗悪になった。

何を吹き込んでいるか知らないが、あからさまに見下す態度が民にも向けられ始めたのを見る限り、貴族として有るまじき内容なのだろう。

ますます関わりたくない。

素直に、わかった婚約解消しよう、と言ってくれたら、何の問題もなく円満に解消できるのに、なんでこんなにややこしくしてなっているかと言うと、婚約解消は恥ずかしいこと、なんて変な考えを持っているから、厄介なんだ。

お互い好き好んで婚約した訳では無いのだから、好きな人ができたから、と素直に言ってくれた方が綺麗な別れ方だ。

正式な婚約披露が高等部卒業後。その時は、第1王子程の規模では無いが、国を上げての祝いとなる。

だから、高等部に入ってからその4人の女達はあの手この手でイエーガー様を誘惑しどうにか自分を選んで欲しいのだ。

この高等部3年の今年、是が非でも婚約解消させる為に、色んな姑息な手を使ってきた。

勿論、子供だましばかりだが、これからはどうなるかは分からない。

どうも、あいつらは私が婚約解消をしたくない、と勘違いしているが、

イエーガー様にとっても、あの女達にとっても、そして、私も、

婚約解消したいの!

これまでは、陛下や王妃様、お父様の立場を考慮し大人しく、しおらしくしていたけど、もう、十分我慢したわ!!

熨斗つけてさし上げるわ!!!

ふん。







 

    
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