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第1部
86泣くのもいいかもね【第1部[完]⠀】
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何度も良かった、凄いな、と感極まるお父様が、私の背中をさするのが心地よかったが、ゆっくり出来る時間はない。
「お父様、よく聞いてください」
お父様の上ずる声と感情とは裏腹に、私はとても落ち着いてきた。
ゆっくりとお父様から離れ、お父様の喜ぶ顔を見ながら手を握り目を見つめた。
「これから戦いが始まるのです。私はこれからすぐに屋敷を出で、フィーとカレンに合流します。その後は」
そっと耳打ちしこれからの流れを話した。
「・・・!!」
一瞬驚いたが、そこはお父様はすぐに理解したようで、剣呑な顔つきに変わると頷いた。
「分かった。それは、私の方で上手くやろう」
「ありがとうお父様。幾つかお願いがあるの」
「出来るだけ叶えよう。ここまで事が早く進んだのは、明らかにお前が本気を出したおかげだ。私達はお前の足元にも及ばない」
悲しいでは無く、誉れに思うように柔らかに微笑むお父様に、微笑み返した。
「いいえ、お父様。お父様と公爵様達が我慢して下さったからこそ、上手くいったのよ。でも、まだ気を許せないわ」
「そうだな。それで何をしたらいいのだ?」
「王宮の召使いの選別は、お父様達にお任せするわ。王妃様は側に置きたい人物がいてもあえて推してこない。王妃様にとって、強力な味方は必然的に選ばれるわ」
「強力な味方?グリニッジ伯爵家の者か?」
「いいえ、また、違う人だと思う。お父様、これは誰にも教えない、と約束して」
お父様は怪訝そうに眉を動かしたが、私のあまりの真剣な様子に、握る手がより強くなった。
「分かった。なんだ?」
「中立派の中に桃色の飾りを持っている人がいる。その方々は、王妃派よ」
私の言葉にお父様は、愕然し、息を飲んだ。
「これは、誰にも言っていない。だから、新しく雇う召使い達や貴族達で、その飾りを持っている人達が誰かを記録し、気を許しては駄目よ。これは陛下にもお伝えしたわ。そうでないと」
本当に、
「殺されるわ」
お父様の顔が青くなった。
「私は帝国にてあの方々と落ち合う文を送ったわ。勝手に動いてしまってるけれど、全部、今、終わらせてしまうわ」
「・・・お前は・・・そこまで考えていたのか・・・?」
絞り出すようにお父様は、言葉を発したが、私を引き止める感情ではかく、全てを受けいれた抱擁と決意があった。
「勝手に動いてごめんなさい。公爵様には、そのままお伝えして。私が好き勝手している、と」
「分かった。だが、皆・・・喜ぶだろう。本当にずっと先の事だと思っていたからな」
「それならいいけどね。それとお父様、私が帝国に行っている間に、必ず王妃派がヴェンツェル家に何か仕掛けてくるわ」
だって、フィーとカレンがいないのであれば手加減せずに襲える。邪魔者は消す。
鉄板よ。
今のこの状況なら、陛下と私。
でも、私を殺すことは得策ではない。
私の洗脳が解けた今、私を上手く操ろうと思うなら、家族を落とし、助けるためにまた私を手に入れるだろう。
そんなの子供でもわかるわ。
特に私がどれだけ家族を大切にしているか分かっているから、弱点を網羅してるでしょうね。
「陛下にも忠告したけど、全部銀食器に変えて。それから、もし何かあっても大事に動かないで」
「何故だ?今の話しでいけば、毒を盛られる可能性があるのだろう。それならば、我が家名にかけて突き止めるが常であろう」
「駄目よ、お父様。そこは我慢して。いい?それがこちらの手よ。何があってもまるで軽微と思わせるの事が大事よ。そのまま大きく動いてしまっては、相手の手に踊らせては、違う何かを落としてしまう。大丈夫。わたしの方できちんと追い詰めるわ」
私の手駒がいる。
確実で、それでいて影のようか存在。
「誰だそれは?」
「内緒。それを言ってしまっては、内通者にバレてしまうわ。でも、お父様が内通者だったら、すぐに分かるわよ。今の話はお父様にしか言ってないもの」
「どこでそんな悪女のような顔と考えを持ったのだ?本当に、私の娘は良い娘に育ったな」
「褒め言葉ね、お父様。悪女と言うなら、街の方では私は昔から悪女らしいわ」
「街で?そんな噂があるのか?そういえば、七夕祭りで紙風船を全て買い取ったらしいな。請求書が来たぞ」
しまった。言うの忘れてた。
「えーと、ごめんなさい。忙しくて忘れてたわ。でもね、そのおかげで色々役にたっているの。詳しくは言えないけど、お父様が私に教えてくれた事が、私の気持ちを奮い立たせている。確かに色々勝手に動いてきたけど、私は」
握っていた手を離し、すっと背筋を伸ばした。
「お父様の娘として、ヴェンツェル公爵家の令嬢として恥ずかしく無いことをしていると、断言できるわ」
「分かった。もう何も言わない。お前が決めた事を私は手伝うだけだ。だが、私からも1つ言いたい事がある」
「何?」
「何を忠告してもお前は、何も聞かないだろう。どれだけ私が心配し止めてもその瞳も、そうして、クルリもリューナイトもお前の指示しか聞かないだろう」
「はい、ご主人様」クルリ。
「はい、ご主人様」リューナイト。
ありがとう2人とも。
即答の言葉と、決意ある顔に、私の気持ちもより強くなった。
「フィー皇子の事を考えてあげなさい」
「・・・お父様?」
そんなの言葉が出てくる思わなくて驚いた。
「あの方は本当にお前の事を考えている。実はな、2度、お前の事を聞いてこられたのだ」
「フィーが?」
「そうだ。1度目は、陛下の誕生日に来られた時だ。お前が中等部に入った時。その時に、スティング殿は幸せですか?と聞かれた。あの時は、婚約者が居るお前に何を聞いているのか、と正直女に節操がないと腹が立った。帝国皇子は、誰彼構わず気になった女性に声をかけようとしているのだ、と」
知らなかった。
確かに帝国からの使者として来ていたの知っていたが、いつの間にお父様に、そんなことを聞いていたんだろう。
「2度目は、同じく陛下の誕生日だ。お前が高等部に入った時だ。また、同じ言葉を質問された。その時、気づいた。この方は節操が無いのでなく、お前が気になって聞いているのだ、と恋心を感じた」
フィー・・・。ずっと私を見てくれていたのね。
「そうして、ここに現れたフィー皇子を見て確信した。あの方は、ずっとお前を見ている。お前を心配している。それに、お前がお2人と一緒にいる時の楽しそうな姿が、見ていて安心する。親としてではなく、1人の助言者として聞いて欲しい。スティング、フィー皇子を知ってあげなさい。そうして、気持ちに応えれるどうか判断し、答えて上げなさい。あの方は、お前が思っている以上に、お前を想っている」
ポロリ、と涙がこぼれた。
父として愛慕を切に願う想いが、瞳にも、私を肩をさする手に全てに感じ、感情が溢れてきた。
「・・・おと・・・さま・・・。私・・・私・・・、フィーが嫌いではないわ」
「そうだな、お前にとって、とても気が楽な方に見える」
一緒にいて楽しい。
2人きりでいる時は少ないけどいつも私の側にいてくれて、言葉数少ないけれど、言葉から溢れる感情が、とても私を心配してくれる気持ちが分かって、つい甘えてしまう。
「でも、余裕がないの。私は・・・今は・・・その気持ちを受けとめる自信が無い。ちゃんと考えたいの。フィーだけの事を考えてる余裕が無い」
クルリの言うように私は融通が効かない、と改めて気づいた。
フィーの気持ち適当に考えたくない。
今、王妃派を潰すことに精一杯で、他を考えれなくて、そんな中途半端な気持ちでフィーを考えたくない。
まるでおざなりにしてるみたいで、嫌だ。
「お前は、真面目すぎる。もう少し、簡単な考えなさい」
優しく微笑むお父様が、何年か振りに私の頭を撫でた。
「ふっと気づいた時に、誰を想う?誰が側にいて欲しかったと思う。たったそれだけだ。疲れた時に、誰に寄り添いたい。誰の姿を、誰の声を聞きたい。今、私が言った全てに当てはまる人が、お前の大切な人だ。私がレティーナを想う様にな。私達の事は心配しなくてもいい。帝国に行き、お前の気持ちを確かめて来なさい。どちらの答えにしても、フィー皇子にきちんと応えてあげなさい」
「・・・はい・・・はいお父様・・・」
ボロボロと泣く私の気持ちは、ぐちゃぐちゃだった。
お父様の私を愛しいむ気持ちと、
お父様の娘を心配する気持ちと、
そうして、
帝国へ向かう、私自身のこれからの不安と、
フィーとどう向き合えばいいのか逃げていた自分への不安と、
様々な想いが入り交じった。
泣くととても不安定になる。
必死に我慢している間は強がって、前だけを向き、弱さを踏み台にしているのに、
1度、涙を受け入れてしまったら、もうとまらない。
不安と自分の愚かさばかりがの脳裏と胸をひしめき、どんどん涙が溢れてくる。
でも、
それが乾くにつれ、
より、強り自分を手に入れれる。
ああ。
泣くのもいいかもね。
強がった分、弱い自分を踏み台にする。それは、どんどん弱い自分が足元に集まり、山となり、いつか登れなくなる。
でも、泣いた時、その涙の数だけ弱い自分が消え、強さと変わる。
「お父様。私、帝国で楽しんで来ます」
「そうしなさい。私達の事は心配するな」
泣きじゃくる私をお父様は、抱きしめ優しく言ってくれた。
「お父様、よく聞いてください」
お父様の上ずる声と感情とは裏腹に、私はとても落ち着いてきた。
ゆっくりとお父様から離れ、お父様の喜ぶ顔を見ながら手を握り目を見つめた。
「これから戦いが始まるのです。私はこれからすぐに屋敷を出で、フィーとカレンに合流します。その後は」
そっと耳打ちしこれからの流れを話した。
「・・・!!」
一瞬驚いたが、そこはお父様はすぐに理解したようで、剣呑な顔つきに変わると頷いた。
「分かった。それは、私の方で上手くやろう」
「ありがとうお父様。幾つかお願いがあるの」
「出来るだけ叶えよう。ここまで事が早く進んだのは、明らかにお前が本気を出したおかげだ。私達はお前の足元にも及ばない」
悲しいでは無く、誉れに思うように柔らかに微笑むお父様に、微笑み返した。
「いいえ、お父様。お父様と公爵様達が我慢して下さったからこそ、上手くいったのよ。でも、まだ気を許せないわ」
「そうだな。それで何をしたらいいのだ?」
「王宮の召使いの選別は、お父様達にお任せするわ。王妃様は側に置きたい人物がいてもあえて推してこない。王妃様にとって、強力な味方は必然的に選ばれるわ」
「強力な味方?グリニッジ伯爵家の者か?」
「いいえ、また、違う人だと思う。お父様、これは誰にも教えない、と約束して」
お父様は怪訝そうに眉を動かしたが、私のあまりの真剣な様子に、握る手がより強くなった。
「分かった。なんだ?」
「中立派の中に桃色の飾りを持っている人がいる。その方々は、王妃派よ」
私の言葉にお父様は、愕然し、息を飲んだ。
「これは、誰にも言っていない。だから、新しく雇う召使い達や貴族達で、その飾りを持っている人達が誰かを記録し、気を許しては駄目よ。これは陛下にもお伝えしたわ。そうでないと」
本当に、
「殺されるわ」
お父様の顔が青くなった。
「私は帝国にてあの方々と落ち合う文を送ったわ。勝手に動いてしまってるけれど、全部、今、終わらせてしまうわ」
「・・・お前は・・・そこまで考えていたのか・・・?」
絞り出すようにお父様は、言葉を発したが、私を引き止める感情ではかく、全てを受けいれた抱擁と決意があった。
「勝手に動いてごめんなさい。公爵様には、そのままお伝えして。私が好き勝手している、と」
「分かった。だが、皆・・・喜ぶだろう。本当にずっと先の事だと思っていたからな」
「それならいいけどね。それとお父様、私が帝国に行っている間に、必ず王妃派がヴェンツェル家に何か仕掛けてくるわ」
だって、フィーとカレンがいないのであれば手加減せずに襲える。邪魔者は消す。
鉄板よ。
今のこの状況なら、陛下と私。
でも、私を殺すことは得策ではない。
私の洗脳が解けた今、私を上手く操ろうと思うなら、家族を落とし、助けるためにまた私を手に入れるだろう。
そんなの子供でもわかるわ。
特に私がどれだけ家族を大切にしているか分かっているから、弱点を網羅してるでしょうね。
「陛下にも忠告したけど、全部銀食器に変えて。それから、もし何かあっても大事に動かないで」
「何故だ?今の話しでいけば、毒を盛られる可能性があるのだろう。それならば、我が家名にかけて突き止めるが常であろう」
「駄目よ、お父様。そこは我慢して。いい?それがこちらの手よ。何があってもまるで軽微と思わせるの事が大事よ。そのまま大きく動いてしまっては、相手の手に踊らせては、違う何かを落としてしまう。大丈夫。わたしの方できちんと追い詰めるわ」
私の手駒がいる。
確実で、それでいて影のようか存在。
「誰だそれは?」
「内緒。それを言ってしまっては、内通者にバレてしまうわ。でも、お父様が内通者だったら、すぐに分かるわよ。今の話はお父様にしか言ってないもの」
「どこでそんな悪女のような顔と考えを持ったのだ?本当に、私の娘は良い娘に育ったな」
「褒め言葉ね、お父様。悪女と言うなら、街の方では私は昔から悪女らしいわ」
「街で?そんな噂があるのか?そういえば、七夕祭りで紙風船を全て買い取ったらしいな。請求書が来たぞ」
しまった。言うの忘れてた。
「えーと、ごめんなさい。忙しくて忘れてたわ。でもね、そのおかげで色々役にたっているの。詳しくは言えないけど、お父様が私に教えてくれた事が、私の気持ちを奮い立たせている。確かに色々勝手に動いてきたけど、私は」
握っていた手を離し、すっと背筋を伸ばした。
「お父様の娘として、ヴェンツェル公爵家の令嬢として恥ずかしく無いことをしていると、断言できるわ」
「分かった。もう何も言わない。お前が決めた事を私は手伝うだけだ。だが、私からも1つ言いたい事がある」
「何?」
「何を忠告してもお前は、何も聞かないだろう。どれだけ私が心配し止めてもその瞳も、そうして、クルリもリューナイトもお前の指示しか聞かないだろう」
「はい、ご主人様」クルリ。
「はい、ご主人様」リューナイト。
ありがとう2人とも。
即答の言葉と、決意ある顔に、私の気持ちもより強くなった。
「フィー皇子の事を考えてあげなさい」
「・・・お父様?」
そんなの言葉が出てくる思わなくて驚いた。
「あの方は本当にお前の事を考えている。実はな、2度、お前の事を聞いてこられたのだ」
「フィーが?」
「そうだ。1度目は、陛下の誕生日に来られた時だ。お前が中等部に入った時。その時に、スティング殿は幸せですか?と聞かれた。あの時は、婚約者が居るお前に何を聞いているのか、と正直女に節操がないと腹が立った。帝国皇子は、誰彼構わず気になった女性に声をかけようとしているのだ、と」
知らなかった。
確かに帝国からの使者として来ていたの知っていたが、いつの間にお父様に、そんなことを聞いていたんだろう。
「2度目は、同じく陛下の誕生日だ。お前が高等部に入った時だ。また、同じ言葉を質問された。その時、気づいた。この方は節操が無いのでなく、お前が気になって聞いているのだ、と恋心を感じた」
フィー・・・。ずっと私を見てくれていたのね。
「そうして、ここに現れたフィー皇子を見て確信した。あの方は、ずっとお前を見ている。お前を心配している。それに、お前がお2人と一緒にいる時の楽しそうな姿が、見ていて安心する。親としてではなく、1人の助言者として聞いて欲しい。スティング、フィー皇子を知ってあげなさい。そうして、気持ちに応えれるどうか判断し、答えて上げなさい。あの方は、お前が思っている以上に、お前を想っている」
ポロリ、と涙がこぼれた。
父として愛慕を切に願う想いが、瞳にも、私を肩をさする手に全てに感じ、感情が溢れてきた。
「・・・おと・・・さま・・・。私・・・私・・・、フィーが嫌いではないわ」
「そうだな、お前にとって、とても気が楽な方に見える」
一緒にいて楽しい。
2人きりでいる時は少ないけどいつも私の側にいてくれて、言葉数少ないけれど、言葉から溢れる感情が、とても私を心配してくれる気持ちが分かって、つい甘えてしまう。
「でも、余裕がないの。私は・・・今は・・・その気持ちを受けとめる自信が無い。ちゃんと考えたいの。フィーだけの事を考えてる余裕が無い」
クルリの言うように私は融通が効かない、と改めて気づいた。
フィーの気持ち適当に考えたくない。
今、王妃派を潰すことに精一杯で、他を考えれなくて、そんな中途半端な気持ちでフィーを考えたくない。
まるでおざなりにしてるみたいで、嫌だ。
「お前は、真面目すぎる。もう少し、簡単な考えなさい」
優しく微笑むお父様が、何年か振りに私の頭を撫でた。
「ふっと気づいた時に、誰を想う?誰が側にいて欲しかったと思う。たったそれだけだ。疲れた時に、誰に寄り添いたい。誰の姿を、誰の声を聞きたい。今、私が言った全てに当てはまる人が、お前の大切な人だ。私がレティーナを想う様にな。私達の事は心配しなくてもいい。帝国に行き、お前の気持ちを確かめて来なさい。どちらの答えにしても、フィー皇子にきちんと応えてあげなさい」
「・・・はい・・・はいお父様・・・」
ボロボロと泣く私の気持ちは、ぐちゃぐちゃだった。
お父様の私を愛しいむ気持ちと、
お父様の娘を心配する気持ちと、
そうして、
帝国へ向かう、私自身のこれからの不安と、
フィーとどう向き合えばいいのか逃げていた自分への不安と、
様々な想いが入り交じった。
泣くととても不安定になる。
必死に我慢している間は強がって、前だけを向き、弱さを踏み台にしているのに、
1度、涙を受け入れてしまったら、もうとまらない。
不安と自分の愚かさばかりがの脳裏と胸をひしめき、どんどん涙が溢れてくる。
でも、
それが乾くにつれ、
より、強り自分を手に入れれる。
ああ。
泣くのもいいかもね。
強がった分、弱い自分を踏み台にする。それは、どんどん弱い自分が足元に集まり、山となり、いつか登れなくなる。
でも、泣いた時、その涙の数だけ弱い自分が消え、強さと変わる。
「お父様。私、帝国で楽しんで来ます」
「そうしなさい。私達の事は心配するな」
泣きじゃくる私をお父様は、抱きしめ優しく言ってくれた。
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