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第1部

69決戦の週末(土曜日)がつんとやってやります・王妃様の部屋にて3

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「ねえ、何故座らないの?」
カレンの言葉にはっとする王妃様とクラウス様を軽く見ながら答えた。
「私は王妃様に座る事を許されていないの」
「な、何を言っているの!?私はその様な事を言った事はないわ!」
「ああ、だからか。部屋に入ってきた時、王妃様とあの男だけが座っていたのか」
よく見ている。
「お待ちください!!」
「その通りよ。王妃様、残念ながら、何を待てばよろしいのですか?お2人に見られてしまいましたのに、どのような言い訳をされるのですか?その前に、私を叩いた理由をお教え下さい」
こちらに近づいてきたのだが、ピタリと足が止まり忌々しそうに私を睨んだ。
「その素直な表情は、飽き飽きしました。鏡でご覧になって下さいますか?」
部屋にある鏡を指さした。
「お分かりになっていないようなので御説明しますが、私に向けているその醜い顔は、同様に皇子、皇女に向けている事と同じでございます」
ヒクヒクと顔を引き攣らせながらも、それ以上は諦めたようで背を向け、ソファに座った。
クラウス様は、と言うと、あらあら。
既にこの世にいない顔だわ。
結局御自分の紹介をしていないけど、大丈夫よ。もう教えて上げてるもの。
「お待たせ致しました。スタンとリットを連れてまいりました」
グレースの声が静かな部屋に響き、2人を私達からよく見える場所まで連れてきてくれた。
まさに囚人。
挙動不審で、猫背で、必死の形相で王妃様を見つめていた。
「お前のせいだ!お前が私の部屋に来なかったせいで私がこのような目にあったのだ!」
あらあら八つ当たりですね。
ほら、2人とも何が何だか分からず不安に泣きそうになっているわ。
でも王妃様の無茶難題、傍若無人は今更でしょ?
それこそ、顔色を見て機嫌を損なわないようにしないといけないわよね。
そんな哀願の顔をすれば余計、ご機嫌を損なうだけよ。
暫く茶番を見ていたが、十分王妃様の逆鱗に触れた。それに、グレースが2人を連れてきた時扉を閉めたが、クルリがまた解放してくれたおかげで、この茶番が誰もの目に止まってくれている。
控えるグレースは、それを見ていたが何も言わなかった。
そろそろ、いいでしょう。王妃様の金切り声に耳が痛い。
「王妃様、お気をお鎮めください。つまり、スタンは王妃様の言いつけを破り、どこぞで遊んでいた結果部屋に来る事を怠り、王妃様に恥をかかせたのでございますね」
「その通りだわ!どうしてくれるの!!」
ドンとスタンを押し倒した。
「お待ちください!さっきメイド長にも言いましたが、今日の私の予定の中には入っていませんでした。そうでしょう?メイド長!!」
スタンが助けを求めるが、無表情にグレースは立っているだけで否定も肯定もしなかった。
「これは王妃様に対する嫌がせとしか思えません。たとえ、予定に入っていなかったとしても、それでも王妃様の命令なら、すぐさまグレースに報告すべきを、自分の怠慢を隠すために、このように嘘を申しているのです」
「その通りだわ!」
私の言葉に初めて同意してくれた。
「お待ちください!本当に私は聞いておりません!!」
必死に食い付いて来るその姿が、昔の自分と重なり身震いが出た。あの時の悲しみと怒りが思い出させる。
その通りだわ。
私は何度も言ったわ。
そんなことしていない、言っていないと!
でもあなたは心で私を嘲笑い、私からなじられ、脅されたと泣きながらそうやって王妃様にしがみついていた。
「ねえ、スタン。あなた少し被害妄想が、酷いのではないの?」
被害妄想。
その言葉にやっと何故自分がこのような状況になったのか理解したのだろう。
「そ、それは・・・スティング様、違います!私は、あの時王妃様に言われてやったのです!!私の意思でやった訳ではありません!!」
今更、よね。
あなたは、その傘をとったその時点で私を敵に回し、どれだけ幼心を傷つけたのか、分かっていない。
その後、被害妄想令嬢、と言うレッテルを貼られ生きてきた苦痛を、あなたは分かっていないわ。
「私が何を言った!スティング殿の言うように勝手に思い込むなど被害妄想が激しい女だわ!!」
ほら、ね。
傘は簡単に取り上げられる。
「その通りでございます。王妃様。先程見られましたよね?隣国の宰相様が、この状況を拝見されたあのお顔。つまり、王妃様は 令嬢に手を出す非道な方だという肩書きがついてしまいましたよ」
話を逸らそうとしていたが、そうはさせない。
「!!」
「それもこれも、全てスタンのせいでございます。困りましたよね、このままでは王妃様がどのような噂をされるか計り兼ねます」
「ど、どうしてくれる!?」
慌てた所で元々その様な性格ならいつかはボロが出る。煽るのは簡単だけれど、それなのに、今日は気持ち悪いくらいに、余裕のない返し方だ。
いつもなら、私をねじ込む毒舌で襲ってくる。それも、的確に嫌味を言いながら、私の動きをとめてくる。
それなのに、
まるで、
用意された台本がないかのように、
焦慮に逃げ出したい動きばかり見せてくる。
ふっ。
本当に、
あなた方にとって私は、
予想外の行動をしているのね。
でも、違うわ。
これこそ、
売られた喧嘩を買っただけたわ!
あなた達がボロを出しただけだわ!!
「グレース、それを持ってきなさい!このようなもの達を許せばこの国の質を問われます!!そうでしょう、王妃様!?」
「その通りだわ!おかげで私がこのような目にあったのよ!!」
「はい、ヴェンツェル公爵令嬢様」
手を差し出すとそこに紙を載せてきた。
刹那。
リットとスタンの顔つきが、一気に変わった。
「スティング様、お待ちください!!」スタン。
「それだけは後生ですから!!」リット
高々とあえて見えるように私が持ち上げ、ビリビリと破り捨てた。
「いやあああ!!」
「やめてください!!!」
阿鼻叫喚の中2人は捨てられた紙を必死に拾い集めた。
それは、この2人の紹介状だ。
紹介状は、個々の人間の生い立ちであり、信頼が詰まった、言わば己の化身。
どの屋敷から始まり、次にどこの屋敷にお世話になり、それを元に次の屋敷を紹介され、少しずつ、少しずつ、格が上がっていく。
最後は、ここ王宮だ。
紹介状は、損傷が認められた場合は、有効とならない。
そうしてそれを再発行できるのは、務めている屋敷の主が承諾し、王宮に提出したとき。
その王宮での失態。
そうして、主である陛下も処罰を認め、傘である王妃様も認めた今、誰が再発行してくれるだろう。
また、帝国皇子、皇女を前にここまで騒ぎを起こしたのだ。運良く再発行されたとしても、誰が雇う?
ほら、扉の向こうで野次馬が集まり、楽しそうに話をしている。
ねえ、スタン、リット。
なんの意味も持たないそのただの紙切れを拾い集めた所どうするの?
「厳罰は当然ですわね、王妃様?」
「その通りだ」
この方も、何をそんなに安堵しているの?御自分の事は何1つ解決していないと気付いていいなのね。
「王妃様、どうかどうかご慈悲を!!」
「私達は貴方様に言われたようにスティング様に嫌がらせをしただけです!!」
「な、何を言う!私は何も言っていない!!早くこの者達を追い出せ!!」
3人のいがみ合う声が暫く続いていたが、リットとスタンは泣きながら必死に抵抗していたが、結局部屋から連れ出さた。
さて、と。
次ね。
「王妃様、少し時間をとってしまいました。殿下がお待ちでしょうから、参ります」
「そうね。ガナッシュが待っているわね。行きなさい」
今度は邪魔者扱いのように、ぞんざいな言い方で、疲れたように首を振った。
早く追い出してゆっくりしたいのだろうが、まだ、よ。
「仕立て屋が参っております。殿下とレイン殿に伝えておきましょう」
私の言葉に王妃様は、はっと私を見た。
「夏の終わりに開催される、フィー皇子様とカレン皇女様の誕生日パーティー用の正装でございましょう?殿下とレイン殿、お2人の」
「スティング様のはないの?」
「な、何を言ってる!勿論スティング殿のもあるに決まっておろう。一緒に確認しなさい」
取り繕うとしているのがよく分かる顔に、フィーのカレンの笑いを堪えているのがわかった。
「あら?私の、ですか?初耳でございます。おかしいですわね、お父様にも、財務大臣であるガーフィー公爵様からも伺っておりません。そこの者、宰相様か、ガーフィー公爵様を呼んで来なさい」
「待ちなさい!呼ばなくて結構よ!」
「ですが、今王妃様が仰いましたよね?私のドレスもある、と。それならば、確認するの道理。特に国費を使うのですから、財務に稟議が上がっているかと思います。もしや、途中で不手際や漏れがあり、正式書類が滞っているかもしれません」
「まだ、話はしていない!だが、すぐに私が許可を貰うから、心配せずとも良い」
でょうね。
「それは喜ばしい事でございます。ただ、レイン殿には4ヶ月前から頼まれている仕立て屋に、殿下の婚約者である私が、たったひと月半で仕立てたドレスを着ろ、と?」
貴様!!
と言う言葉が聞こえてくる般若の形相で、睨んできた。
本当に、短慮、浅慮。
バカ!
だわ。
「まさか、王妃様にその様な面白い趣向があるとは思えません。だって、私は、殿下の婚約者であり、ヴェンツェル公爵家の息女。そうして、フィー皇子様とカレン皇女様が滞在されているこの期間に、まさか、その様なおふざけを言われるとは、本当に楽しませてくださる方ですね」
今、とっても見下されていると、分かってますよね。
その顔ならね。
「ありがとうございます。つまり、恥ずかしくないドレスを用意しているのか?とお聞きしたかったのでしょう?もし不安なら、仕立て屋を用意します、との優しさでございますね」
優しさ、と言う言葉の後に、今度は扉の向こうから笑いが生じた。
「御心配ご無用でございます。既に半年前から準備を重ねておりますので、私のこと等いつものように放っておいて下されば宜しいです。では、これにて失礼致します」
裾を持ち、会釈し踵を返した。
「では、私達も失礼致します。スティング様への非礼の件についての説明文は、帝国へ送ってください」
ありがとうカレン。
捨て台詞最高よ。
「そうですね、それを見て俺達に喧嘩を売ったのかどうか、を判断致しますよ。前回の謝罪文と同じで、我々が一度確認しますがね」
ありがとうフィー。
王妃様は、悔しそうに扇子を折り曲げた。
「ああそれから、あんた、二度と私達の前に現れなければ、それでいいわ」
「そうだな。調べればすぐに分かる。俺達から抗議文を送ってやるよ。お前のご当主にな」
さすがだわ。
ちゃんと忘れていなわね。
クラウス様は既に返事も出来る声もなく、小さく座っているだけだった。
「では、皆様参りましょうか」
「ええ」
「ああ」
部屋を出て静かにクルリが閉めたあと、何か大きな喚き声と割れる音がし、私達は我慢出来ず笑いながら歩き出した。
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