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第三章
49. 待ってろ
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『虚空の封印が解かれてしまったのかと焦ってしまいました。それで…貴方のレベルは九なのですね?だとしたら次はリレイティア大迷宮に行くことをお勧めします』
やはり死人の紋章を見た者の反応は皆同じで、虚空のせいなのか否か聞いてくる。
逆に言えば虚空の影響以外で死人の紋章となるのは俺みたいな例外を除いて無いということだ。
にしても、
「リレイティア大迷宮に行った方がいいってのは?」
『亜人族のレベルを九から十にあげるためにはリレイティア大迷宮に行くことが必須なのですよ』
「そうなのか?じゃあ世にいるレベル十の者たちは、皆リレイティア大迷宮でレベルを十にしたってことか?」
亜人族がレベルアップをする際、条件が必要な段階がある。
レベル四から五に上がるのに必要なのは『自分よりレベルの高い魔物の魔石を取り込む』こと。
そしてレベル七から八に上がるのに必要なのは『魔族の魔石を取り込む』こと。
俺はその二つの条件を──ヴァルムとリーラの魔石を取り込むことによってクリアした。…どちらも不本意だったが。
そしてレベルを九から十にあげるのに必要なのはレベルという概念そのものを作成した神、リレイティアの名前を冠する迷宮に行くことらしい。初めて知った。
『そうなりますね。私たち魔物や魔族は違うようですが。亜人族はリレイティア大迷宮最下層の『女神の間』を訪れることによって、レベルを上限値の十にすることが可能なようです。貴方はリレイティアの『加護持ち』ですから、何か特別なことが起こるやもしれませんね』
「加護持ち?そう言えばちょくちょく聞くことがあったが、加護持ちって一体なんなんだ??」
ふと、女王蜂の口から飛び出た言葉──『加護持ち』。
その言葉はかつて一度だけ聞いたことがある。
それはサリィバの主を倒して、メイの正体を考察した時にサティスの口から出た時。
その意味をサティスははぐらかすようにして教えてくれなかったが、今ここで知るべきだと思う。
にしても俺がその『加護持ち』?エルートは一体何を判断材料にして言っている?
『それも知りませんか。この世界はゼレス、へティア、メルクリア、ララー、ロロー、リレイティア、ベルフェリオの七人の加護持ちが常に存在するようにできているのです。いや、それは語弊がありますね。なんてったって、リレイティアの加護持ちはここ数百年、全くと言っていいほど姿を見せなかったのですから』
「俺がそのリレイティアの加護持ちだとなんでわかるんだ?」
「加護持ちはそれぞれ特殊な紋様をその瞳の奥に宿します。例えばリレイティアの加護持ちだったら二重丸のような紋様を。ゼレスだったら王冠のような紋様を…事実、貴方の瞳をよく見てみると二重丸のような紋様が浮かんでいますよ」
なんだと?
マジマジと自分の瞳なんて見たことがないから、気づけたはずがない。
──待てよ。
俺が初めてメルクリア大迷宮の最下層でレヴィオンと出会った時、レヴィオンは俺の瞳を見て驚いていなかったか?
いや、確かに驚いていた。
もしかしなくともレヴィオンは俺がリレイティアの加護持ちだということを把握している?
…それを把握したところで何になるかは皆目見当もつかないが。
加護持ちと言われるくらいなのだから、何かしらメリットがあると思うが、それはいったい。
「加護を持ってるとなんかいいことがあるのか?」
聞いてみたが、返ってきたのは──、
『加護持ちはその神が使えたという魔法の一部を使うことができるのです。例えば、ゼレスの加護持ちならば『神光支配を使えます』
「神光支配⁉︎」
衝撃の答え。
確かに王都魔剣術学校で出会ったハザン=ライラッドは自身が使う紋章魔法のことを神光支配だと言っていた。
つまり、そういうことだったのか。ハザンはゼレスの加護持ちだったのだ。
次元を司る神ゼレスの魔法は神光支配。
だとしたら……
「神々封殺杖剣は一体…」
当然の疑問。
アルテナ五大古代秘宝の一つ、魔道具神々封殺杖剣も神光支配を使うことができる。
道具に加護なんてないだろうし、加護持ちとかいう理論は適用できない。
『神々封殺杖剣は…神ゼレスの成れの果て。魔道具というのは…全て元は人間、又は神なのですよ』
・・・なんだって?
魔道具の元は人間?又は神?
確かに…確かにだ。
魔道具は紋章を展開でき、魔法を行使することができる。
辻褄が合う。合ってしまう。
つまり…古代人の奴らは貴重な魔法を使える人間を、魔道具にして保存したってことだ。
その魔の手は神の元まで及び…ゼレスを神々封殺杖剣に変えたっていうこと…か。
だったら…だとしたら…
「……じゃあ…もしかしてだが…他の古代秘宝も…神の成れの果てだっていうのか?」
「その通りです。ゼレスは神々封殺杖剣に。メルクリアは原初樹の結晶に。へティアは祝福の外套に。双子の神、ララーとロローは一対の銀鏡へと変わりました。もうこの世界に神はリレイティアとベルフェリオしか存在しないのですよ」
「ちょっと待て、古代秘宝は『五つ』あるんだろ?四つしか無くないか?」
そういえば『アルテナ五大古代秘宝』などという大層な名ばかり浸透してその詳細を知らなかった。
原初樹の結晶は知っていたが…祝福の外套なんて初めて聞いた。
そしてエルートの話には四つの名前しか出ていない。
『五つ目の古代秘宝。それは…存在だけは示唆されていますが、その詳細は全くもって未知です。ベルフェリオの成れの果てだとは言われていますが、どこにあるのか、どんな形をしているのか、どんな魔法を有しているのか、それらがわからない以上、見つけるのは困難でしょう』
「そうか。エルートでも知らないんだな」
五つ目の古代秘宝…ベルフェリオの成れの果て。
もしも本当にそうだとしたら、レヴィオンの目的が五つ目の古代秘宝を得ることと同義になる気がする。
あくまで推測の段階に過ぎないのだが。
レヴィオンは今何をしているんだろう。
ベルフェリオ復活という目標に向かって突き進んでいるのは確かだと思うが、その行動はあまりに不明瞭だ。
最後に会ったのは王都魔剣術学校の地下。
あそこでレヴィオンは何をしていたっけ?
──ハザンを、捕まえていた。
あの時はなんでハザンを?と思ったが、今ならわかる。
ハザンがゼレスの加護持ちだったから、だ。
レヴィオンは加護持ちを集めている?
じゃあなんでリレイティアの加護持ちの俺は自由にされている?
なんで、なんで、なんで?
…疑問が溢れて止まらない。
待てよ。
今思えばサティスも加護持ちだったんじゃないか?
──『誕生』を司る神、へティア。
もしもサティスがへティアの加護持ちだったら……あの場面でサティスが加護持ちの話題を持ち出したのも納得できる。
そして。
サティスが作るポーションは、俺が神々封殺杖剣の魔力を借りて作るものと品質が近かった。
ポーションは『魔力の質によって品質が変わる』という事実。
俺は神、ゼレスの魔力を使うことによって高品質のポーションを作れた。
サティスも、へティアの加護持ちであるから魔力の質も良く、高品質のポーションが作れたんじゃないのか???
もしそうだとしたら。
レヴィオンはサティスも捕らえようとしてたり、するのか??
俺が今までこの世界で感じてきた謎が…点と点が線で繋がっていく。
そうか、そうだったのか。
俺はリレイティアの加護持ちか…
やっぱり俺がこの世界に転移される際の白一色空間で聞いた声はリレイティアのものだったんだ。
その時感情に制約をかけられたのも、今なら理解できる。
もうそれだけでリレイティア大迷宮に行く意思が固まる。
リレイティア大迷宮に行けばさらなる真実が知れる。そう思えてしょうがなくなった。
俺は聞かなければならない。
神たちとベルフェリオの間で何があったのか。
リレイティアは俺に何をして欲しいのか。
そして…日本に帰る方法を。
『私から話せることは以上でしょうか。他に何か聞きたいことがありますか?』
「いいや大丈夫だ。後はリレイティアから聞く」
『リレイティアから直接話を聞く当てがあるのですか?』
その表情はわからないが、声音でかなり驚いたのがわかる。
そんなにおかしなこと言ったか?
「リレイティア大迷宮の女神の間とやらに行けばリレイティアにレベルを十にしてもらえるんだろ?その時話せるんじゃないのか?」
『面白いことを言いますね。確かに加護持ちの貴方ならば可能かもしれませんが、普通リレイティアと話せるなんてことはないはずですよ。聞いたことがありません』
「え、そうなのか⁉︎」
『そうですよ』
どうやら俺はとんだ勘違いをしていたようだ。
…しかしエルートの話を聞いた感じリレイティアは唯一魔道具と化していない神なんだろ?
だったらまだ話を聞ける機会があるかもしれないじゃないか。
事実、俺は白一色空間でリレイティアと話したわけで。
「まあいい。ありがとな、エルート。とりあえず俺はリレイティア大迷宮に向かう。お前と話ができてよかった」
『いえ。私も久しぶりに人間と話せてよかったですよ。それもミサキの子供と…』
「そんなに俺の母親って凄い人だったのか?」
『ええ。それはもう随分と』
「そうなのか?全然想像もつかないんだが…」
俺は自分の部屋の隅に飾ってある小さな写真に写った母親の姿を思いだしていた。
まだ赤ちゃんの俺を抱き、優しげな表情で微笑む姿。
あの華奢な体で、エルートから凄い人と言わしめるほどの活躍をしていたっていうのか。
もしかしたら俺も魔法を使えればそれくらいにはなれたりしたのかもしれない。
つくづく魔法が使えないことが悔やまれる。
『もう行ってしまうのですか?』
「ああ。長居するわけにはいかないしな」
『そうですか。では古代の代理人の本部について何かわかったら息子を遣わせますね』
「よろしく頼むよ」
本当にエルートとは敵対関係にならなくてよかった。
心の底からそう思いつつ、俺は巣を出てチェフェンに飛び乗る。
『リレイティア大迷宮は亜人族領北部の渓谷近くに存在します。詳しい場所はわかりますか?』
「俺はよくわからないな。チェフェンは知ってるか?」
「リレイティア大迷宮??俺もわからん。なんせあまり外の世界には出たことがないからな」
チェフェンは巣から出るなりエルートと親しげに会話する俺に疑問を抱いているようだった。
何故リレイティア大迷宮の話題が出てきたのかもわかっていない。
後でちゃんと説明してやらないとな。
『それだったら私の息子を付かせましょう』
そう言ってエルートがパチンと足を鳴らすと、どこからともな人間大の蜂が一匹現れた。
コイツは…
「お前…銀鏡の蜘蛛の糸に捕まってたやつだな?」
『よく覚えていますね。その通りです。私のことはナニレとお呼び下さい』
蜂たちはそれぞれ尻の紋様が違っている。
今目の前にいるエルートの息子の一匹が持つ紋様は、以前どこかで見たことがあったような気がしたのだ。
その俺の記憶は、どうやら正しかったらしい。
「じゃあ、ナニレ。案内頼むよ」
『お任せ下さい』
そう言うと、ナニレはチェフェンの首裏にしがみつくようにしてその体を固定する。流石に竜の飛行速度には追いつけないらしい。
「エルート。本当に何から何まですまないな」
『お構いなく。それでは、お元気で』
「ああ、じゃあな」
こうして俺はチェフェンの背に乗って、エルートの住処、ルフェゴール大森林を後にした。
目指す先はリレイティア大迷宮。
ここにいたのは束の間だったが、エルートからの話は衝撃が多く、そして有意義なものが多かった。
俺が倒したわけではないが…俺の因縁の相手でありロートの仇、銀鏡の蜘蛛を葬れたのも大きい。
だが…自分で倒したかったというのもあった。
倒せるのが後どれだけ先になるかわからないほどの実力差が俺と銀鏡の蜘蛛にあったのも事実だが、それでも自分の手で倒したか否かってのは違う。
過ぎたことだし、俺の実力不足によるものなので気に病んでてもしょうがないが。
相変わらず強くなるための方法を模索せずに現状に満足してしまっている自分に辟易する。
森を抜け、川を越え、山を越えて、国を跨ぐ。
俺はこれからどうなるんだろう。
チェフェンの背から地上を見下ろしながら、俺がこの世界で経験した様々なことを思い出す。
俺は未来視の勇者…母親が見た未来を作り出すことはできるのだろうか。
魔王レヴィオンを倒す。そんな馬鹿げた未来を。
そんなことを考えながらも、俺は胸に何かもやのようなものがかかっているのを感じた。
それは…何か人との約束を忘れている時に感じるようなもやもやなんだが………
あ、ジルダに後で会おうって言ってたの…忘れてた。
※
「あそこがリレイティア大迷宮のある街、『フイオン』です」
ナニレが示す先。
そこには遥か上空から見下ろしてもわかるくらいにデカい街があった。
街の周辺に降り立ってしまうと討伐対象になりかねないので、チェフェンに街から数十キロ程度離れた場所にあった森に降りるよう指示する。
ここまで来る間、ナニレからリレイティア大迷宮についての情報を聞いた。
なんとリレイティア大迷宮は二層しか深さがないらしい。
その二層とは、第一層と女神の間と呼ばれる層だけ。
それなのに他の迷宮都市と同様フイオンが迷宮を宣伝材料とした都市として発展した理由は、リレイティア大迷宮の特徴にある。
それは、レベル十になるためにはリレイティア大迷宮の女神の間を訪れなければならないということ。
すなわちフイオンはレベル十の名だたる冒険者たち全てが一度は訪れたことがある街ということであり、これからレベル十になるためにフイオンを訪れる有名なレベル九の冒険者も訪れるということでもある。
つまり、テレビもSNSも何も無いこの世界で名前を聞いたことがある有名人に会うのに一番最適な街はここなのだ。
俺は例に漏れて無名のレベル九冒険者だから、街に入ったところでそこまで歓迎されないと思うが。
「俺は一旦竜の里に戻ることにする。また何かあったらよろしく頼む」
俺が背から降りたのを確認して、チェフェンは言った。
ここでチェフェンとナニレとはお別れ。
おそらくまた会う機会はある。そこまで別れを惜しむこともないだろう。
「ああ。ここまで運んでくれてありがとな。ナニレもエルートによろしく」
『古代の代理人の本部について何か分かれば報告させていただきます。それでは、また』
こうして、俺とチェフェン、ナニレは別れた。
また一人になってしまった。
思えば俺は助けられてばっかりだ。俺も誰かを…助けられるような人にならないと。
そのためにはまずレベルを十にして力をつける
そうして俺は脚に力を入れ──大地を思いっきり蹴った。
待ってろ、リレイティア──。
◆◇◆◇◆◇
「それでへティアの加護持ちは…どうなったのかしら?」
薄暗い魔王城の一室で、魔王レヴィオンの前に跪くレストア=シルヴェール。
レストアは心酔するレヴィオンの問いに間髪入れず答える。
「はい。へティアの加護持ちはミザール南の森にて確保致しました」
「そう…メルクリアとロローの加護持ちの検討はついたのかしら?」
「メルクリアに関しては世界樹の麓に栄える街、ヴァレットにて『聖女』と呼ばれていることが確認できました。ロローに関しては…申し訳ありませんが全く情報がありません」
淡々と語るレストアだったが、その胸の内には多少の焦りを感じていた。
恋焦がれる魔王レヴィオンに頼まれた、『加護持ちを見つけろ』という簡潔な依頼を完全にこなせていないからだ。
加護持ちが扱える魔法は、他の魔法を使える生物と比べれば別格と言っても良いほどに強力。
すなわち、それだけ生まれてから有名になる存在なのだ。
それなのに、全く情報を掴めないロロー。
魔族の中でも屈指の情報網を持つレストアは、もはやロローの加護持ちは存在すらしないのではないかと考えていた。
だが、次のレヴィオンの一言によって、そんなレストアの疑念は覆されることになる。
「わかったわ。ロローは私が見つける。四百年前、一度あの子には会ったことがあるの」
「…?それでしたらレヴィオン様の魔力探査技術を持ってすれば…見つけるのも容易なのでは?」
「そうね。『あれ』はそう上手く扱えるものではないから…」
レストアから目を逸らし、どこか懐かしむように目を細めるレヴィオン。そんな何気ない仕草も、美しく清廉なレヴィオンが行うとどこか神秘的である。
「左様ですか。では、私はメルクリアの確保に尽力いたします」
正直、レストアには切なげに語るレヴィオンの言葉の意味が理解できていなかった。
『あれ』とはなんなのか。扱うとは一体どういう意味なのか。
だが、レストアにそれを尋ねることはできない。もはやレストアを視界から外し、意味ありげに虚空を眺めるレヴィオンを目にしてしまっては。
「よろしくね」
レヴィオンにとっては感情も無くただ発した五音に過ぎないが、その一言はレストアを駆り立てるには十分なものだった。
着実に進んでいく、レヴィオンが企てる野望。
その全てがワタルを発端とし、ワタルが関わった人物全てを取り込んでいくことになるなど、当の本人には知る由もない。
やはり死人の紋章を見た者の反応は皆同じで、虚空のせいなのか否か聞いてくる。
逆に言えば虚空の影響以外で死人の紋章となるのは俺みたいな例外を除いて無いということだ。
にしても、
「リレイティア大迷宮に行った方がいいってのは?」
『亜人族のレベルを九から十にあげるためにはリレイティア大迷宮に行くことが必須なのですよ』
「そうなのか?じゃあ世にいるレベル十の者たちは、皆リレイティア大迷宮でレベルを十にしたってことか?」
亜人族がレベルアップをする際、条件が必要な段階がある。
レベル四から五に上がるのに必要なのは『自分よりレベルの高い魔物の魔石を取り込む』こと。
そしてレベル七から八に上がるのに必要なのは『魔族の魔石を取り込む』こと。
俺はその二つの条件を──ヴァルムとリーラの魔石を取り込むことによってクリアした。…どちらも不本意だったが。
そしてレベルを九から十にあげるのに必要なのはレベルという概念そのものを作成した神、リレイティアの名前を冠する迷宮に行くことらしい。初めて知った。
『そうなりますね。私たち魔物や魔族は違うようですが。亜人族はリレイティア大迷宮最下層の『女神の間』を訪れることによって、レベルを上限値の十にすることが可能なようです。貴方はリレイティアの『加護持ち』ですから、何か特別なことが起こるやもしれませんね』
「加護持ち?そう言えばちょくちょく聞くことがあったが、加護持ちって一体なんなんだ??」
ふと、女王蜂の口から飛び出た言葉──『加護持ち』。
その言葉はかつて一度だけ聞いたことがある。
それはサリィバの主を倒して、メイの正体を考察した時にサティスの口から出た時。
その意味をサティスははぐらかすようにして教えてくれなかったが、今ここで知るべきだと思う。
にしても俺がその『加護持ち』?エルートは一体何を判断材料にして言っている?
『それも知りませんか。この世界はゼレス、へティア、メルクリア、ララー、ロロー、リレイティア、ベルフェリオの七人の加護持ちが常に存在するようにできているのです。いや、それは語弊がありますね。なんてったって、リレイティアの加護持ちはここ数百年、全くと言っていいほど姿を見せなかったのですから』
「俺がそのリレイティアの加護持ちだとなんでわかるんだ?」
「加護持ちはそれぞれ特殊な紋様をその瞳の奥に宿します。例えばリレイティアの加護持ちだったら二重丸のような紋様を。ゼレスだったら王冠のような紋様を…事実、貴方の瞳をよく見てみると二重丸のような紋様が浮かんでいますよ」
なんだと?
マジマジと自分の瞳なんて見たことがないから、気づけたはずがない。
──待てよ。
俺が初めてメルクリア大迷宮の最下層でレヴィオンと出会った時、レヴィオンは俺の瞳を見て驚いていなかったか?
いや、確かに驚いていた。
もしかしなくともレヴィオンは俺がリレイティアの加護持ちだということを把握している?
…それを把握したところで何になるかは皆目見当もつかないが。
加護持ちと言われるくらいなのだから、何かしらメリットがあると思うが、それはいったい。
「加護を持ってるとなんかいいことがあるのか?」
聞いてみたが、返ってきたのは──、
『加護持ちはその神が使えたという魔法の一部を使うことができるのです。例えば、ゼレスの加護持ちならば『神光支配を使えます』
「神光支配⁉︎」
衝撃の答え。
確かに王都魔剣術学校で出会ったハザン=ライラッドは自身が使う紋章魔法のことを神光支配だと言っていた。
つまり、そういうことだったのか。ハザンはゼレスの加護持ちだったのだ。
次元を司る神ゼレスの魔法は神光支配。
だとしたら……
「神々封殺杖剣は一体…」
当然の疑問。
アルテナ五大古代秘宝の一つ、魔道具神々封殺杖剣も神光支配を使うことができる。
道具に加護なんてないだろうし、加護持ちとかいう理論は適用できない。
『神々封殺杖剣は…神ゼレスの成れの果て。魔道具というのは…全て元は人間、又は神なのですよ』
・・・なんだって?
魔道具の元は人間?又は神?
確かに…確かにだ。
魔道具は紋章を展開でき、魔法を行使することができる。
辻褄が合う。合ってしまう。
つまり…古代人の奴らは貴重な魔法を使える人間を、魔道具にして保存したってことだ。
その魔の手は神の元まで及び…ゼレスを神々封殺杖剣に変えたっていうこと…か。
だったら…だとしたら…
「……じゃあ…もしかしてだが…他の古代秘宝も…神の成れの果てだっていうのか?」
「その通りです。ゼレスは神々封殺杖剣に。メルクリアは原初樹の結晶に。へティアは祝福の外套に。双子の神、ララーとロローは一対の銀鏡へと変わりました。もうこの世界に神はリレイティアとベルフェリオしか存在しないのですよ」
「ちょっと待て、古代秘宝は『五つ』あるんだろ?四つしか無くないか?」
そういえば『アルテナ五大古代秘宝』などという大層な名ばかり浸透してその詳細を知らなかった。
原初樹の結晶は知っていたが…祝福の外套なんて初めて聞いた。
そしてエルートの話には四つの名前しか出ていない。
『五つ目の古代秘宝。それは…存在だけは示唆されていますが、その詳細は全くもって未知です。ベルフェリオの成れの果てだとは言われていますが、どこにあるのか、どんな形をしているのか、どんな魔法を有しているのか、それらがわからない以上、見つけるのは困難でしょう』
「そうか。エルートでも知らないんだな」
五つ目の古代秘宝…ベルフェリオの成れの果て。
もしも本当にそうだとしたら、レヴィオンの目的が五つ目の古代秘宝を得ることと同義になる気がする。
あくまで推測の段階に過ぎないのだが。
レヴィオンは今何をしているんだろう。
ベルフェリオ復活という目標に向かって突き進んでいるのは確かだと思うが、その行動はあまりに不明瞭だ。
最後に会ったのは王都魔剣術学校の地下。
あそこでレヴィオンは何をしていたっけ?
──ハザンを、捕まえていた。
あの時はなんでハザンを?と思ったが、今ならわかる。
ハザンがゼレスの加護持ちだったから、だ。
レヴィオンは加護持ちを集めている?
じゃあなんでリレイティアの加護持ちの俺は自由にされている?
なんで、なんで、なんで?
…疑問が溢れて止まらない。
待てよ。
今思えばサティスも加護持ちだったんじゃないか?
──『誕生』を司る神、へティア。
もしもサティスがへティアの加護持ちだったら……あの場面でサティスが加護持ちの話題を持ち出したのも納得できる。
そして。
サティスが作るポーションは、俺が神々封殺杖剣の魔力を借りて作るものと品質が近かった。
ポーションは『魔力の質によって品質が変わる』という事実。
俺は神、ゼレスの魔力を使うことによって高品質のポーションを作れた。
サティスも、へティアの加護持ちであるから魔力の質も良く、高品質のポーションが作れたんじゃないのか???
もしそうだとしたら。
レヴィオンはサティスも捕らえようとしてたり、するのか??
俺が今までこの世界で感じてきた謎が…点と点が線で繋がっていく。
そうか、そうだったのか。
俺はリレイティアの加護持ちか…
やっぱり俺がこの世界に転移される際の白一色空間で聞いた声はリレイティアのものだったんだ。
その時感情に制約をかけられたのも、今なら理解できる。
もうそれだけでリレイティア大迷宮に行く意思が固まる。
リレイティア大迷宮に行けばさらなる真実が知れる。そう思えてしょうがなくなった。
俺は聞かなければならない。
神たちとベルフェリオの間で何があったのか。
リレイティアは俺に何をして欲しいのか。
そして…日本に帰る方法を。
『私から話せることは以上でしょうか。他に何か聞きたいことがありますか?』
「いいや大丈夫だ。後はリレイティアから聞く」
『リレイティアから直接話を聞く当てがあるのですか?』
その表情はわからないが、声音でかなり驚いたのがわかる。
そんなにおかしなこと言ったか?
「リレイティア大迷宮の女神の間とやらに行けばリレイティアにレベルを十にしてもらえるんだろ?その時話せるんじゃないのか?」
『面白いことを言いますね。確かに加護持ちの貴方ならば可能かもしれませんが、普通リレイティアと話せるなんてことはないはずですよ。聞いたことがありません』
「え、そうなのか⁉︎」
『そうですよ』
どうやら俺はとんだ勘違いをしていたようだ。
…しかしエルートの話を聞いた感じリレイティアは唯一魔道具と化していない神なんだろ?
だったらまだ話を聞ける機会があるかもしれないじゃないか。
事実、俺は白一色空間でリレイティアと話したわけで。
「まあいい。ありがとな、エルート。とりあえず俺はリレイティア大迷宮に向かう。お前と話ができてよかった」
『いえ。私も久しぶりに人間と話せてよかったですよ。それもミサキの子供と…』
「そんなに俺の母親って凄い人だったのか?」
『ええ。それはもう随分と』
「そうなのか?全然想像もつかないんだが…」
俺は自分の部屋の隅に飾ってある小さな写真に写った母親の姿を思いだしていた。
まだ赤ちゃんの俺を抱き、優しげな表情で微笑む姿。
あの華奢な体で、エルートから凄い人と言わしめるほどの活躍をしていたっていうのか。
もしかしたら俺も魔法を使えればそれくらいにはなれたりしたのかもしれない。
つくづく魔法が使えないことが悔やまれる。
『もう行ってしまうのですか?』
「ああ。長居するわけにはいかないしな」
『そうですか。では古代の代理人の本部について何かわかったら息子を遣わせますね』
「よろしく頼むよ」
本当にエルートとは敵対関係にならなくてよかった。
心の底からそう思いつつ、俺は巣を出てチェフェンに飛び乗る。
『リレイティア大迷宮は亜人族領北部の渓谷近くに存在します。詳しい場所はわかりますか?』
「俺はよくわからないな。チェフェンは知ってるか?」
「リレイティア大迷宮??俺もわからん。なんせあまり外の世界には出たことがないからな」
チェフェンは巣から出るなりエルートと親しげに会話する俺に疑問を抱いているようだった。
何故リレイティア大迷宮の話題が出てきたのかもわかっていない。
後でちゃんと説明してやらないとな。
『それだったら私の息子を付かせましょう』
そう言ってエルートがパチンと足を鳴らすと、どこからともな人間大の蜂が一匹現れた。
コイツは…
「お前…銀鏡の蜘蛛の糸に捕まってたやつだな?」
『よく覚えていますね。その通りです。私のことはナニレとお呼び下さい』
蜂たちはそれぞれ尻の紋様が違っている。
今目の前にいるエルートの息子の一匹が持つ紋様は、以前どこかで見たことがあったような気がしたのだ。
その俺の記憶は、どうやら正しかったらしい。
「じゃあ、ナニレ。案内頼むよ」
『お任せ下さい』
そう言うと、ナニレはチェフェンの首裏にしがみつくようにしてその体を固定する。流石に竜の飛行速度には追いつけないらしい。
「エルート。本当に何から何まですまないな」
『お構いなく。それでは、お元気で』
「ああ、じゃあな」
こうして俺はチェフェンの背に乗って、エルートの住処、ルフェゴール大森林を後にした。
目指す先はリレイティア大迷宮。
ここにいたのは束の間だったが、エルートからの話は衝撃が多く、そして有意義なものが多かった。
俺が倒したわけではないが…俺の因縁の相手でありロートの仇、銀鏡の蜘蛛を葬れたのも大きい。
だが…自分で倒したかったというのもあった。
倒せるのが後どれだけ先になるかわからないほどの実力差が俺と銀鏡の蜘蛛にあったのも事実だが、それでも自分の手で倒したか否かってのは違う。
過ぎたことだし、俺の実力不足によるものなので気に病んでてもしょうがないが。
相変わらず強くなるための方法を模索せずに現状に満足してしまっている自分に辟易する。
森を抜け、川を越え、山を越えて、国を跨ぐ。
俺はこれからどうなるんだろう。
チェフェンの背から地上を見下ろしながら、俺がこの世界で経験した様々なことを思い出す。
俺は未来視の勇者…母親が見た未来を作り出すことはできるのだろうか。
魔王レヴィオンを倒す。そんな馬鹿げた未来を。
そんなことを考えながらも、俺は胸に何かもやのようなものがかかっているのを感じた。
それは…何か人との約束を忘れている時に感じるようなもやもやなんだが………
あ、ジルダに後で会おうって言ってたの…忘れてた。
※
「あそこがリレイティア大迷宮のある街、『フイオン』です」
ナニレが示す先。
そこには遥か上空から見下ろしてもわかるくらいにデカい街があった。
街の周辺に降り立ってしまうと討伐対象になりかねないので、チェフェンに街から数十キロ程度離れた場所にあった森に降りるよう指示する。
ここまで来る間、ナニレからリレイティア大迷宮についての情報を聞いた。
なんとリレイティア大迷宮は二層しか深さがないらしい。
その二層とは、第一層と女神の間と呼ばれる層だけ。
それなのに他の迷宮都市と同様フイオンが迷宮を宣伝材料とした都市として発展した理由は、リレイティア大迷宮の特徴にある。
それは、レベル十になるためにはリレイティア大迷宮の女神の間を訪れなければならないということ。
すなわちフイオンはレベル十の名だたる冒険者たち全てが一度は訪れたことがある街ということであり、これからレベル十になるためにフイオンを訪れる有名なレベル九の冒険者も訪れるということでもある。
つまり、テレビもSNSも何も無いこの世界で名前を聞いたことがある有名人に会うのに一番最適な街はここなのだ。
俺は例に漏れて無名のレベル九冒険者だから、街に入ったところでそこまで歓迎されないと思うが。
「俺は一旦竜の里に戻ることにする。また何かあったらよろしく頼む」
俺が背から降りたのを確認して、チェフェンは言った。
ここでチェフェンとナニレとはお別れ。
おそらくまた会う機会はある。そこまで別れを惜しむこともないだろう。
「ああ。ここまで運んでくれてありがとな。ナニレもエルートによろしく」
『古代の代理人の本部について何か分かれば報告させていただきます。それでは、また』
こうして、俺とチェフェン、ナニレは別れた。
また一人になってしまった。
思えば俺は助けられてばっかりだ。俺も誰かを…助けられるような人にならないと。
そのためにはまずレベルを十にして力をつける
そうして俺は脚に力を入れ──大地を思いっきり蹴った。
待ってろ、リレイティア──。
◆◇◆◇◆◇
「それでへティアの加護持ちは…どうなったのかしら?」
薄暗い魔王城の一室で、魔王レヴィオンの前に跪くレストア=シルヴェール。
レストアは心酔するレヴィオンの問いに間髪入れず答える。
「はい。へティアの加護持ちはミザール南の森にて確保致しました」
「そう…メルクリアとロローの加護持ちの検討はついたのかしら?」
「メルクリアに関しては世界樹の麓に栄える街、ヴァレットにて『聖女』と呼ばれていることが確認できました。ロローに関しては…申し訳ありませんが全く情報がありません」
淡々と語るレストアだったが、その胸の内には多少の焦りを感じていた。
恋焦がれる魔王レヴィオンに頼まれた、『加護持ちを見つけろ』という簡潔な依頼を完全にこなせていないからだ。
加護持ちが扱える魔法は、他の魔法を使える生物と比べれば別格と言っても良いほどに強力。
すなわち、それだけ生まれてから有名になる存在なのだ。
それなのに、全く情報を掴めないロロー。
魔族の中でも屈指の情報網を持つレストアは、もはやロローの加護持ちは存在すらしないのではないかと考えていた。
だが、次のレヴィオンの一言によって、そんなレストアの疑念は覆されることになる。
「わかったわ。ロローは私が見つける。四百年前、一度あの子には会ったことがあるの」
「…?それでしたらレヴィオン様の魔力探査技術を持ってすれば…見つけるのも容易なのでは?」
「そうね。『あれ』はそう上手く扱えるものではないから…」
レストアから目を逸らし、どこか懐かしむように目を細めるレヴィオン。そんな何気ない仕草も、美しく清廉なレヴィオンが行うとどこか神秘的である。
「左様ですか。では、私はメルクリアの確保に尽力いたします」
正直、レストアには切なげに語るレヴィオンの言葉の意味が理解できていなかった。
『あれ』とはなんなのか。扱うとは一体どういう意味なのか。
だが、レストアにそれを尋ねることはできない。もはやレストアを視界から外し、意味ありげに虚空を眺めるレヴィオンを目にしてしまっては。
「よろしくね」
レヴィオンにとっては感情も無くただ発した五音に過ぎないが、その一言はレストアを駆り立てるには十分なものだった。
着実に進んでいく、レヴィオンが企てる野望。
その全てがワタルを発端とし、ワタルが関わった人物全てを取り込んでいくことになるなど、当の本人には知る由もない。
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