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第二章
32. サバイバル試験 閉幕
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いかにして俺が5ポイントの魔石を手に入れることができたかは分かったと思う。
次はいかにして俺がクラス旗をアルファクラスから手に入れることが出来たか、語ろう。
※
「余裕そうな口ぶりだったみたいだけど、結局無理だったみたいね」
試験最終日、全クラスが招集される朝。
クラス旗を奪われた俺のクラスメイトたちは旗が奪われた原因は俺が所属している五人グループにあるとし、その責任をなすりつけようと躍起になっていた。
その中でも先陣を切って俺たちに攻撃を仕掛けているのはミネラだ。
ミネラは初日に1ポイントの魔石を獲得しており、クラスに貢献している。よってミネラの言動にあれこれいう生徒はいない。
唯一ミルは少し不服そうな顔をしていたようだったが、止めに入りはしないようだった。まあ、それが正解だろう。
クラスの意向と違う行動をとった者はハブられる、というのは漂う空気で嫌でもわかるからだ。
しかし、ここで今まで大人しくしていたエレルトが声をあげる。
「なあ、お前らなんで全部俺たちのせいにしようとしてんだ?旗を取られたのは初日とか、二日目だった可能性だってあるだろ?その時に旗を見張ってたのはアロルドのグループだったはずだ」
エレルトの声は震えていたが、芯が入っているような気がした。
魔石を得るなどの明らかな貢献はしていないものの、俺たちのグループはミールボックスを見つけるなどの最低限のことはした。至極真っ当な意見だろう。
だが、状況が覆ることはない。
「でも旗を見えないように隠したのだって、エレルトたちのグループメンバーであるラティじゃん。つまり責任はエレルトたちにあるってことじゃないの?」
ミネラのラティを責める発言に、気の弱いラティは泣き出してしまった。
確かにクラスの命運を分けるクラス旗を任せろと言ったのはラティだ。だがそれにクラスメイトたちは同意していたはずだ。よってミネラにラティを一方的に責める筋合いは無いはずで、エレルトもそれはわかっているようだった。
「はあ!?お前らも賛成してただろ!不服があったなら最初から指摘しろよ!なんで責任を俺らだけに押し付けようとしてんだよ!」
エレルトは一層声を荒げる。
友であるラティを泣かせたミネラに、腹の底から湧き立つような怒りを覚えているのだろう。
正直こんなエレルトは見たことがない。ミネラはそれに一瞬気圧されたように見えたが、引くことはなかった。
「確かに賛成はしたかもしれない。だけどクラスに貢献してないのはエレルトたちのグループだけでしょ?責任でいうのならエレルトたちに比重がいくのは当たり前でしょ」
ミネラの意見に同調を示す他のクラスメイトたち。多勢に無勢。クラスという団体である以上、結局は大多数が支持する方がこの場を支配する。ゆえにエレルトに勝ち目はなかった。
しかし俺はミネラの発言に些かの疑問を感じていた。
何故ここまで責任を誰かに押し付ける必要があるのか?と。
結局、クラスが敗北になったことに対してなんらかの理由づけをしなければ気が済まないのだ。このミネラという女子生徒は。
自分は頑張った。だからクラスが敗北したのは私のせいじゃない。そんな免罪符を、心のゆとりを持ちたいがための言動だろう。
疑問に対するそんな回答が、頭の中で構築されていく。
「それだったら、アロルドたちだってなんもしてないだろ!ずっと拠点にいて旗の近くにいたのに!!」
エレルトの言う通りアロルドのグループは初日からずっとこの拠点にいた。
ミールボックスを探すということもなかったため、クラス旗が奪われたことをアロルドたちの監視不足であると言いたくなるのも無理はない。
エレルトの目の付け所はこの場では最適な判断であるかのように思えたが、その主張がそう上手く通ることは無かった。
「えー、アロルド君は私たちの料理を手伝ってくれたり、この拠点の掃除をしてくれたりしてたもん。エレルト君たちとは比べものにならないくらい頑張ってたよ」
料理を担当していた女子生徒五人組の一人、ナータが口を挟んできたのだ。
それに加えて人気者のアロルドを持ち上げるように、他の女子生徒たちもアロルドたちのグループを庇い始める。
アロルドは人がいいのか、俺たちのことを悪いと思っているのか、バツが悪そうに顔を背けているだけだった。
最もエレルトの反論材料となり得た、どちらにも属さないアロルドたちのグループという存在。
それがほぼミネラ側についてしまったのは、これ以上反論しても無駄に関係が悪化してしまうことを示している。
「そんな、俺たちのグループの方が……」
言葉を濁らせるエレルト。だが、容赦ないミネラの追撃が完全にエレルトを黙らせることになる。
「そ、れ、に。なんなの?このワタルってやつ。昨晩の点呼に来ないでマイナス1ポイントよ、マイナス1ポイント。貢献どころか、マイナスだらけじゃない」
そう。俺は昨晩21時に行われるデルタクラスの点呼の時間に拠点に戻らなかった。
よってデルタクラスの得点はマイナス1ポイントされ、俺は晩飯を食わせてもらえなかった。
昨日は試験最後の晩餐ということで、結構豪華な食卓だったというのに。
とここで、集合の時間になったのかデルタクラスの担任であるテトラが立ち上がった。それで口論はお開きとなり、エレルトの敗北が揺るぎないことになる。
「よし、これから広場まで移動する。魔石の取り込み含めそこで結果発表を行うので、魔石を持っている生徒は忘れないように」
担任のくせにクラス崩壊の危機に何も口出しをしてこないらしい。
この指示でクラスメイトたちは一斉に行動を開始した。
エレルトは何も言わず、歯を思いっきり噛み締めて怒りを抑えつけている。
俺はそれに…かける言葉が見つけられなかった。
まあいい。どうせこの後の結果発表で全てが覆るのだから。
森で離れ離れにならないように列を組み始め、完全に列が組み終わる前に──俺はあらかじめそこらの地面に突き刺していた木の棒四本を手に持ち服の下に隠した。
あとは隙を見て誰にも見られないようにその木の棒にかけられた幻影変化輪の魔法を解除するだけ。
幻影変化輪の存在はできれば誰にも知られたくないので、それからは目立たないように行動した。
ハブられ気味だった俺は容易にクラスメイトの目につかない後方を位置取ることに成功し、その中でもさらに一番後ろをブラドと共に陣取れた。
暫くして列が移動を開始し、本部がある広場へと足を進め始める。
その道中で、俺は木の棒へとかけていた魔法を解除した。
そうしてクラス旗四本は本来の姿を取り戻し、服が誤魔化し切れないほど隆起する。生憎、横で消沈しているブラドは気付いていないようだったが。
幻影変化輪は、物の形を変化させることができる。
変化と言っても見た目だけで、元の物の効果は引き継げる。
例えば神々封殺杖剣の形を木刀に変えたとて、神光支配は使うことができるといったように。
また、自由自在に物の形を変えられるわけではない。
物を変化させる際には同程度の質量、大きさの物でなければならないのだ。
つまり神々封殺杖剣を小さな石や、巨大な岩に変えることはできない。
…できないとは断言したが、正直やろうと思えばやれるとは思っている。やろうとした瞬間に亀裂が入ったので、余程のことがなければ無理して使うことはないだろう。
また、クラス旗を木の棒へと変化させる過程であることに気がついた。
それは変化させる物によって幻影変化輪にかかる負荷に差があるということだ。
この間神々封殺杖剣を様々な物に変化させていた際は、ただ数回しようしただけで亀裂が広がってしまった。
だが、なんの魔力も含んでいないクラス旗や木の棒を変化させた際は目に見えるほどの代償がなかった。
つまり、あまり神々封殺杖剣や魔道具などには幻影変化輪を使わない方がいいということだ。
俺はそれらの性質を理解した上で、昨夜アルファクラスから手に入れた四本のクラス旗をそこらに落ちていそうなありふれた木の棒に変えておいた。
もしもクラス旗を手に入れておいたことを昨夜や今朝に公にしていたとしたら、死ぬ気でアルファクラスの奴らがデルタクラスの拠点に乗り込んできていたかもしれないし、『裏切り者』がクラス旗をアルファクラスの手に再び渡るのを補助していたかもしれない。
まあ、保険としてアルファクラスが四本のクラス旗を保管していた場所には、シェイプシフターで木の棒から形を変えておいた偽りのクラス旗を置いておいてもらったのだが、それも効果を成したのだろう。
怖いほど順調に事は進んでいる。
俺が四本のクラス旗を手に入れたのは、クラス旗が無くなっているのに気づいた昨夜だ。
あの時、俺はクラス旗を取り戻す算段があった。
アルファクラスのクラス旗は、アルファクラスの拠点近くにある。
それは、5ポイントの魔石を手に入れた試験初日に確認した事実だ。
にしてもアルファクラスの連中も馬鹿が多くて助かった。
勝利の祝勝会とかいって、21時ごろにはアルファクラスの全員でパーティーのようなことを行っていた。
アルファクラスにしろ21時には点呼が行われるために全員が集まっている必要があるからだろうが、それはデルタクラスや他クラスでも同じこと。
すなわち、21時に全クラス全員の点呼が行われることにより、『絶対に21時には生徒たちは拠点へと集まっていて、外に出ることはない』という解釈が根底に生まれている。
俺はそれを逆手にとった。
確実にアルファクラスの見張りがいなくなる21時に、アルファクラスの拠点とその周辺を漁ったのだ。
点呼不在によるマイナス1ポイントが痛かったが、旗を奪えればそれもチャラになる。
旗の正確な場所は分かっている。
アルファクラス拠点の入り口横だ。
俺は馬鹿騒ぎをしているアルファクラスの拠点へ優に近づきその旗を奪った。
あわよくば、と他クラスないしはデルタクラスの旗も探す。
が、時間が限られている以上諦めなければならなかった。
俺はアルファクラスの旗が立っていた場所に、幻影変化輪で旗に変化させておいた木の棒を刺しておく。
走って、デルタクラスの拠点まであと数分で戻れる。──そんな時。事件は起こった。
目の前に人影が現れた。
デルタクラスの生徒ではない、見慣れぬ影だ。
確かにもう既にどのクラスも点呼は終わっていると思われ、外に出る生徒がいないとも限らない。
しかしこんな所で、こんなタイミングで会うのは明らかにおかしい。
俺を待っていたようにしか思えない。
目を凝らす。
そうして確認できた姿に、俺は驚愕した。
──アルファクラスの男子生徒、ライリだった。
言いようも得ない悪寒を感じる。
まさか…俺をマーキングしていた?
だとしたら何故旗を奪いに来たタイミングで俺を止めなかった?
しかも、全力では無かったにしろ走っていた俺に追いつき、ましてや先回りをしただと?
違和感。
鮮明に姿が確認できる距離まで近づいて、不気味に口角を上げるライリ。
それはとても十歳の少年がやるような表情とは思えなかった。
「やっほー」
突如あちらから話しかけてくる。
警戒心を引き上げ、ライリを睨みつける。
いったい何が狙いだ?旗を返せとでもいうのか?もしかしたらアルファクラスの生徒が既に俺を取り囲んでいるかもしれない。
だがそんな俺の浅はかな考察を見透かしたように、ライリは「大丈夫、今ここにいるのは私だけ」と微笑んだ。
そして次にライリがとった行動に更に驚愕する。
「これ、あげるよ」
なんと、アルファクラスの生徒であるライリが俺に──クラス旗全てを手渡してきたのだ。
俺はアルファクラスのクラス旗だけを回収する予定だった。
あわよくば他クラスの物も…とは思っていたのだが、それは叶わず撤退した。なのに、この展開。
あまりにも想定外すぎて、頭を抱えてしまいそうになる。
目の前には不敵に笑うライリ。
俺にクラス旗を手渡したその瞬間、更に予想だにしない言葉を投げかけてくる。
「君、『ワタル』だよねー?もしかしてレヴィオン様と会ったことある?」
沈黙した。が、考えた末、「いや、知らないな」と答えておく。
はたしてその時の動揺がライリに悟られていたかは定かではない。
俺がこの世界に来てから、魔王レヴィオンの次に出会った魔族がリリシアに首を落とされたデオフライト。
そのデオフライトが俺の存在をレヴィオンから聞いたと言っていた以上、大半の魔族がワタルという名と、その外見的特徴を聞いたことだろう。俺は何故かレヴィオンに気に入られてるみたいだし。
ワタルという名はこの世界では珍しい物のはずだから、ピンと来たのだろう。
よってライリは、俺がレヴィオンに気に入られているワタルであるかどうかの探りを入れたのだ。
しかし今の俺の見た目は十歳の少年。
レヴィオンの証言とも合わないだろうし、その疑いは深い物ではないだろう。──いや、だからこそわざわざクラス旗という手土産を持って接触してきたのかもしれない。
俺の答えにライリは不服そうだった。だけど言及はしてこない。
俺は代わりに…ライリに木の棒を変化させた偽物のクラス旗三本を渡した。
「これは?」
「魔法で作った偽物のクラス旗だ。これでお前も疑われずに済むだろ?」
「ふーん。中々面白い魔法を使える人もいるんだねー。分かった。これは元の場所に刺しておくよ」
ライリはそれだけ言って、アルファクラスの拠点の方へと踵を返していった。
俺はその背中を見えなくなるまでずっと見つめていた。
ライリはレヴィオン配下の魔族。
何故この学校にいるのかはわからない。
俺のことを明確にワタルだと断定できていなかった事から、俺目当てではないことがわかる。
俺は、この学校で不穏な事件が起こりそうな気がしてならなかった。
そんな事件があった翌朝、結果発表の日。
本部に到着したところで、俺は忍ばせていた四本のクラス旗をブラドへと手渡し、ブラドの功績にしろと口止めをした。
始めブラドはそれを見て発狂しそうになるほどに驚いて見せたが、流石に押さえつけた。
後はアルファクラスが持っていた偽りのクラス旗四本の魔法を解き木の棒に戻すだけ。
その時のアルファクラスの慌てふためきっぷりは少し面白かった。
幻影変化輪は、物を変える際は手に触れる必要があるが、元に戻す際には手をふれなくても良い。それが中々に便利だ。
こうして、デルタクラスは予想外の高得点で最初の試験を突破し、次のペーパーテストの得点をプラス五十点するという特典と、俺はスターの勲章を手に入れたのだった。
◆◇◆◇◆◇
「その…悪かったわね。凄く…悪く言ってしまって」
試験も終了し、俺たちは無事いつもの教室まで戻ってきた。
馬車は男子と女子とで分かれていたため、試験終了後に落ち着いて女子たちと顔を合わせるのがこれが初めてとなる。
ミネラは男子たちと話す俺のグループに中々話を切り出す機会を掴めなかったのか、それともバツが悪かったのか、暫くしてから俺たちに謝ってきた。
謝れるだけいいことだろう。他にも俺たちのことを罵倒していた女子生徒たちの殆どは既に寮へと帰ってしまっていたのだから。
「まあ…許してやるよ!俺は寛大だからな!というか謝るならワタルに謝ったほうがいいぜ。魔石を手に入れたのも、クラス旗を手に入れたのも、全部ワタルのおかげなんだからな!」
エレルトの言葉に、ミネラは俺の方へと視線を向けて陳謝した。その表情は驚き半分、困惑半分といったところだろうか。
「それで…クラス旗はブラド君が手に入れたのだと思っていたけど、ワタル君のおかげだとはどういうこと?」
ミネラの質問に、エレルトはしまったというように口を開けてこちらを見てきた。
俺は馬車の中で、クラス旗のことについて女子にはブラドの功績だったということにしといてくれと強く釘を刺していた。
それなのにエレルトの奴…よりにもよって女子の中で最も勢力があるミネラに話してしまうとは。後で説教だな。
「すっすまねえワタル!でもいいよな?自分の頑張りを他人に譲るなんて意味わかんねーもん!ワタルから説明してくれよ」
エレルトの純粋な目で見つめられると、こちらが悪いんじゃないかと錯覚してしまう。
俺はやれやれと頭をかきながら、馬車で男子たちに話したのと同様の話──点呼の時に居れなかった理由を含めてをミネラとそれを取り巻く女子生徒たちに説明した。もちろんライリとのやり取りは省いているが。
結局俺の危惧した事態になってしまった。あまりクラス内で目立ったポジションに立ちたくは無かったのに。
まあいち早くスターを得るという時点で覚悟はしていたものだが、クラス旗の件は少し想定外が多すぎた。
これは地道にスターを集めて王冠を獲得し校長と面会する手段を得るよりも…別の方法を探した方がいいんじゃないか?
その別の方法が見つからないわけなのだが。
こういうわけでクラス…いや、学年全土に俺の活躍が知れ渡ってしまうという結果で、最初の試験は完全に幕を閉じたのだった。
次はいかにして俺がクラス旗をアルファクラスから手に入れることが出来たか、語ろう。
※
「余裕そうな口ぶりだったみたいだけど、結局無理だったみたいね」
試験最終日、全クラスが招集される朝。
クラス旗を奪われた俺のクラスメイトたちは旗が奪われた原因は俺が所属している五人グループにあるとし、その責任をなすりつけようと躍起になっていた。
その中でも先陣を切って俺たちに攻撃を仕掛けているのはミネラだ。
ミネラは初日に1ポイントの魔石を獲得しており、クラスに貢献している。よってミネラの言動にあれこれいう生徒はいない。
唯一ミルは少し不服そうな顔をしていたようだったが、止めに入りはしないようだった。まあ、それが正解だろう。
クラスの意向と違う行動をとった者はハブられる、というのは漂う空気で嫌でもわかるからだ。
しかし、ここで今まで大人しくしていたエレルトが声をあげる。
「なあ、お前らなんで全部俺たちのせいにしようとしてんだ?旗を取られたのは初日とか、二日目だった可能性だってあるだろ?その時に旗を見張ってたのはアロルドのグループだったはずだ」
エレルトの声は震えていたが、芯が入っているような気がした。
魔石を得るなどの明らかな貢献はしていないものの、俺たちのグループはミールボックスを見つけるなどの最低限のことはした。至極真っ当な意見だろう。
だが、状況が覆ることはない。
「でも旗を見えないように隠したのだって、エレルトたちのグループメンバーであるラティじゃん。つまり責任はエレルトたちにあるってことじゃないの?」
ミネラのラティを責める発言に、気の弱いラティは泣き出してしまった。
確かにクラスの命運を分けるクラス旗を任せろと言ったのはラティだ。だがそれにクラスメイトたちは同意していたはずだ。よってミネラにラティを一方的に責める筋合いは無いはずで、エレルトもそれはわかっているようだった。
「はあ!?お前らも賛成してただろ!不服があったなら最初から指摘しろよ!なんで責任を俺らだけに押し付けようとしてんだよ!」
エレルトは一層声を荒げる。
友であるラティを泣かせたミネラに、腹の底から湧き立つような怒りを覚えているのだろう。
正直こんなエレルトは見たことがない。ミネラはそれに一瞬気圧されたように見えたが、引くことはなかった。
「確かに賛成はしたかもしれない。だけどクラスに貢献してないのはエレルトたちのグループだけでしょ?責任でいうのならエレルトたちに比重がいくのは当たり前でしょ」
ミネラの意見に同調を示す他のクラスメイトたち。多勢に無勢。クラスという団体である以上、結局は大多数が支持する方がこの場を支配する。ゆえにエレルトに勝ち目はなかった。
しかし俺はミネラの発言に些かの疑問を感じていた。
何故ここまで責任を誰かに押し付ける必要があるのか?と。
結局、クラスが敗北になったことに対してなんらかの理由づけをしなければ気が済まないのだ。このミネラという女子生徒は。
自分は頑張った。だからクラスが敗北したのは私のせいじゃない。そんな免罪符を、心のゆとりを持ちたいがための言動だろう。
疑問に対するそんな回答が、頭の中で構築されていく。
「それだったら、アロルドたちだってなんもしてないだろ!ずっと拠点にいて旗の近くにいたのに!!」
エレルトの言う通りアロルドのグループは初日からずっとこの拠点にいた。
ミールボックスを探すということもなかったため、クラス旗が奪われたことをアロルドたちの監視不足であると言いたくなるのも無理はない。
エレルトの目の付け所はこの場では最適な判断であるかのように思えたが、その主張がそう上手く通ることは無かった。
「えー、アロルド君は私たちの料理を手伝ってくれたり、この拠点の掃除をしてくれたりしてたもん。エレルト君たちとは比べものにならないくらい頑張ってたよ」
料理を担当していた女子生徒五人組の一人、ナータが口を挟んできたのだ。
それに加えて人気者のアロルドを持ち上げるように、他の女子生徒たちもアロルドたちのグループを庇い始める。
アロルドは人がいいのか、俺たちのことを悪いと思っているのか、バツが悪そうに顔を背けているだけだった。
最もエレルトの反論材料となり得た、どちらにも属さないアロルドたちのグループという存在。
それがほぼミネラ側についてしまったのは、これ以上反論しても無駄に関係が悪化してしまうことを示している。
「そんな、俺たちのグループの方が……」
言葉を濁らせるエレルト。だが、容赦ないミネラの追撃が完全にエレルトを黙らせることになる。
「そ、れ、に。なんなの?このワタルってやつ。昨晩の点呼に来ないでマイナス1ポイントよ、マイナス1ポイント。貢献どころか、マイナスだらけじゃない」
そう。俺は昨晩21時に行われるデルタクラスの点呼の時間に拠点に戻らなかった。
よってデルタクラスの得点はマイナス1ポイントされ、俺は晩飯を食わせてもらえなかった。
昨日は試験最後の晩餐ということで、結構豪華な食卓だったというのに。
とここで、集合の時間になったのかデルタクラスの担任であるテトラが立ち上がった。それで口論はお開きとなり、エレルトの敗北が揺るぎないことになる。
「よし、これから広場まで移動する。魔石の取り込み含めそこで結果発表を行うので、魔石を持っている生徒は忘れないように」
担任のくせにクラス崩壊の危機に何も口出しをしてこないらしい。
この指示でクラスメイトたちは一斉に行動を開始した。
エレルトは何も言わず、歯を思いっきり噛み締めて怒りを抑えつけている。
俺はそれに…かける言葉が見つけられなかった。
まあいい。どうせこの後の結果発表で全てが覆るのだから。
森で離れ離れにならないように列を組み始め、完全に列が組み終わる前に──俺はあらかじめそこらの地面に突き刺していた木の棒四本を手に持ち服の下に隠した。
あとは隙を見て誰にも見られないようにその木の棒にかけられた幻影変化輪の魔法を解除するだけ。
幻影変化輪の存在はできれば誰にも知られたくないので、それからは目立たないように行動した。
ハブられ気味だった俺は容易にクラスメイトの目につかない後方を位置取ることに成功し、その中でもさらに一番後ろをブラドと共に陣取れた。
暫くして列が移動を開始し、本部がある広場へと足を進め始める。
その道中で、俺は木の棒へとかけていた魔法を解除した。
そうしてクラス旗四本は本来の姿を取り戻し、服が誤魔化し切れないほど隆起する。生憎、横で消沈しているブラドは気付いていないようだったが。
幻影変化輪は、物の形を変化させることができる。
変化と言っても見た目だけで、元の物の効果は引き継げる。
例えば神々封殺杖剣の形を木刀に変えたとて、神光支配は使うことができるといったように。
また、自由自在に物の形を変えられるわけではない。
物を変化させる際には同程度の質量、大きさの物でなければならないのだ。
つまり神々封殺杖剣を小さな石や、巨大な岩に変えることはできない。
…できないとは断言したが、正直やろうと思えばやれるとは思っている。やろうとした瞬間に亀裂が入ったので、余程のことがなければ無理して使うことはないだろう。
また、クラス旗を木の棒へと変化させる過程であることに気がついた。
それは変化させる物によって幻影変化輪にかかる負荷に差があるということだ。
この間神々封殺杖剣を様々な物に変化させていた際は、ただ数回しようしただけで亀裂が広がってしまった。
だが、なんの魔力も含んでいないクラス旗や木の棒を変化させた際は目に見えるほどの代償がなかった。
つまり、あまり神々封殺杖剣や魔道具などには幻影変化輪を使わない方がいいということだ。
俺はそれらの性質を理解した上で、昨夜アルファクラスから手に入れた四本のクラス旗をそこらに落ちていそうなありふれた木の棒に変えておいた。
もしもクラス旗を手に入れておいたことを昨夜や今朝に公にしていたとしたら、死ぬ気でアルファクラスの奴らがデルタクラスの拠点に乗り込んできていたかもしれないし、『裏切り者』がクラス旗をアルファクラスの手に再び渡るのを補助していたかもしれない。
まあ、保険としてアルファクラスが四本のクラス旗を保管していた場所には、シェイプシフターで木の棒から形を変えておいた偽りのクラス旗を置いておいてもらったのだが、それも効果を成したのだろう。
怖いほど順調に事は進んでいる。
俺が四本のクラス旗を手に入れたのは、クラス旗が無くなっているのに気づいた昨夜だ。
あの時、俺はクラス旗を取り戻す算段があった。
アルファクラスのクラス旗は、アルファクラスの拠点近くにある。
それは、5ポイントの魔石を手に入れた試験初日に確認した事実だ。
にしてもアルファクラスの連中も馬鹿が多くて助かった。
勝利の祝勝会とかいって、21時ごろにはアルファクラスの全員でパーティーのようなことを行っていた。
アルファクラスにしろ21時には点呼が行われるために全員が集まっている必要があるからだろうが、それはデルタクラスや他クラスでも同じこと。
すなわち、21時に全クラス全員の点呼が行われることにより、『絶対に21時には生徒たちは拠点へと集まっていて、外に出ることはない』という解釈が根底に生まれている。
俺はそれを逆手にとった。
確実にアルファクラスの見張りがいなくなる21時に、アルファクラスの拠点とその周辺を漁ったのだ。
点呼不在によるマイナス1ポイントが痛かったが、旗を奪えればそれもチャラになる。
旗の正確な場所は分かっている。
アルファクラス拠点の入り口横だ。
俺は馬鹿騒ぎをしているアルファクラスの拠点へ優に近づきその旗を奪った。
あわよくば、と他クラスないしはデルタクラスの旗も探す。
が、時間が限られている以上諦めなければならなかった。
俺はアルファクラスの旗が立っていた場所に、幻影変化輪で旗に変化させておいた木の棒を刺しておく。
走って、デルタクラスの拠点まであと数分で戻れる。──そんな時。事件は起こった。
目の前に人影が現れた。
デルタクラスの生徒ではない、見慣れぬ影だ。
確かにもう既にどのクラスも点呼は終わっていると思われ、外に出る生徒がいないとも限らない。
しかしこんな所で、こんなタイミングで会うのは明らかにおかしい。
俺を待っていたようにしか思えない。
目を凝らす。
そうして確認できた姿に、俺は驚愕した。
──アルファクラスの男子生徒、ライリだった。
言いようも得ない悪寒を感じる。
まさか…俺をマーキングしていた?
だとしたら何故旗を奪いに来たタイミングで俺を止めなかった?
しかも、全力では無かったにしろ走っていた俺に追いつき、ましてや先回りをしただと?
違和感。
鮮明に姿が確認できる距離まで近づいて、不気味に口角を上げるライリ。
それはとても十歳の少年がやるような表情とは思えなかった。
「やっほー」
突如あちらから話しかけてくる。
警戒心を引き上げ、ライリを睨みつける。
いったい何が狙いだ?旗を返せとでもいうのか?もしかしたらアルファクラスの生徒が既に俺を取り囲んでいるかもしれない。
だがそんな俺の浅はかな考察を見透かしたように、ライリは「大丈夫、今ここにいるのは私だけ」と微笑んだ。
そして次にライリがとった行動に更に驚愕する。
「これ、あげるよ」
なんと、アルファクラスの生徒であるライリが俺に──クラス旗全てを手渡してきたのだ。
俺はアルファクラスのクラス旗だけを回収する予定だった。
あわよくば他クラスの物も…とは思っていたのだが、それは叶わず撤退した。なのに、この展開。
あまりにも想定外すぎて、頭を抱えてしまいそうになる。
目の前には不敵に笑うライリ。
俺にクラス旗を手渡したその瞬間、更に予想だにしない言葉を投げかけてくる。
「君、『ワタル』だよねー?もしかしてレヴィオン様と会ったことある?」
沈黙した。が、考えた末、「いや、知らないな」と答えておく。
はたしてその時の動揺がライリに悟られていたかは定かではない。
俺がこの世界に来てから、魔王レヴィオンの次に出会った魔族がリリシアに首を落とされたデオフライト。
そのデオフライトが俺の存在をレヴィオンから聞いたと言っていた以上、大半の魔族がワタルという名と、その外見的特徴を聞いたことだろう。俺は何故かレヴィオンに気に入られてるみたいだし。
ワタルという名はこの世界では珍しい物のはずだから、ピンと来たのだろう。
よってライリは、俺がレヴィオンに気に入られているワタルであるかどうかの探りを入れたのだ。
しかし今の俺の見た目は十歳の少年。
レヴィオンの証言とも合わないだろうし、その疑いは深い物ではないだろう。──いや、だからこそわざわざクラス旗という手土産を持って接触してきたのかもしれない。
俺の答えにライリは不服そうだった。だけど言及はしてこない。
俺は代わりに…ライリに木の棒を変化させた偽物のクラス旗三本を渡した。
「これは?」
「魔法で作った偽物のクラス旗だ。これでお前も疑われずに済むだろ?」
「ふーん。中々面白い魔法を使える人もいるんだねー。分かった。これは元の場所に刺しておくよ」
ライリはそれだけ言って、アルファクラスの拠点の方へと踵を返していった。
俺はその背中を見えなくなるまでずっと見つめていた。
ライリはレヴィオン配下の魔族。
何故この学校にいるのかはわからない。
俺のことを明確にワタルだと断定できていなかった事から、俺目当てではないことがわかる。
俺は、この学校で不穏な事件が起こりそうな気がしてならなかった。
そんな事件があった翌朝、結果発表の日。
本部に到着したところで、俺は忍ばせていた四本のクラス旗をブラドへと手渡し、ブラドの功績にしろと口止めをした。
始めブラドはそれを見て発狂しそうになるほどに驚いて見せたが、流石に押さえつけた。
後はアルファクラスが持っていた偽りのクラス旗四本の魔法を解き木の棒に戻すだけ。
その時のアルファクラスの慌てふためきっぷりは少し面白かった。
幻影変化輪は、物を変える際は手に触れる必要があるが、元に戻す際には手をふれなくても良い。それが中々に便利だ。
こうして、デルタクラスは予想外の高得点で最初の試験を突破し、次のペーパーテストの得点をプラス五十点するという特典と、俺はスターの勲章を手に入れたのだった。
◆◇◆◇◆◇
「その…悪かったわね。凄く…悪く言ってしまって」
試験も終了し、俺たちは無事いつもの教室まで戻ってきた。
馬車は男子と女子とで分かれていたため、試験終了後に落ち着いて女子たちと顔を合わせるのがこれが初めてとなる。
ミネラは男子たちと話す俺のグループに中々話を切り出す機会を掴めなかったのか、それともバツが悪かったのか、暫くしてから俺たちに謝ってきた。
謝れるだけいいことだろう。他にも俺たちのことを罵倒していた女子生徒たちの殆どは既に寮へと帰ってしまっていたのだから。
「まあ…許してやるよ!俺は寛大だからな!というか謝るならワタルに謝ったほうがいいぜ。魔石を手に入れたのも、クラス旗を手に入れたのも、全部ワタルのおかげなんだからな!」
エレルトの言葉に、ミネラは俺の方へと視線を向けて陳謝した。その表情は驚き半分、困惑半分といったところだろうか。
「それで…クラス旗はブラド君が手に入れたのだと思っていたけど、ワタル君のおかげだとはどういうこと?」
ミネラの質問に、エレルトはしまったというように口を開けてこちらを見てきた。
俺は馬車の中で、クラス旗のことについて女子にはブラドの功績だったということにしといてくれと強く釘を刺していた。
それなのにエレルトの奴…よりにもよって女子の中で最も勢力があるミネラに話してしまうとは。後で説教だな。
「すっすまねえワタル!でもいいよな?自分の頑張りを他人に譲るなんて意味わかんねーもん!ワタルから説明してくれよ」
エレルトの純粋な目で見つめられると、こちらが悪いんじゃないかと錯覚してしまう。
俺はやれやれと頭をかきながら、馬車で男子たちに話したのと同様の話──点呼の時に居れなかった理由を含めてをミネラとそれを取り巻く女子生徒たちに説明した。もちろんライリとのやり取りは省いているが。
結局俺の危惧した事態になってしまった。あまりクラス内で目立ったポジションに立ちたくは無かったのに。
まあいち早くスターを得るという時点で覚悟はしていたものだが、クラス旗の件は少し想定外が多すぎた。
これは地道にスターを集めて王冠を獲得し校長と面会する手段を得るよりも…別の方法を探した方がいいんじゃないか?
その別の方法が見つからないわけなのだが。
こういうわけでクラス…いや、学年全土に俺の活躍が知れ渡ってしまうという結果で、最初の試験は完全に幕を閉じたのだった。
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