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最終話 これまでの世界。これからの世界
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この世界にもし心以外の神様がいるのなら、一体どんなヤツなんだろう。きっと与えてくるのは褒美だけでは無く試練で、意地悪なヤツなんだろう。
―2022年6月3日―
なんの変哲の無い部屋の真ん中で佑樹はそう思った。そして驚いた。やけに日が高い。自分はまだ自室の布団の上で寝転がっている。ふと目線をデジタル時計に向けると、短い針が大きな8を指したところだった。高校が始まった瞬間に目を開けたのだ。仕方ないとは言え、気が滅入るのも無理はない。遅刻確定だ。どれだけ遅れたとしても、内申のために登校をしなくてはならないのだから。佑樹にとって運命とは、決められていて変えようもないものなのだから。だから従うしかない。階段の途中で父親と目があったような気がして、小言を避けるように朝の準備をする事にした。
身支度を調え、朝ご飯を簡単に流し込み、食器を洗い、家を出る。この時点で8時20分。ホームルームの終わりぐらいには着くだろうか。そんな希望的観測を胸に、自転車にまたがりながら、「行ってきます」と言った。扉を閉める直前に、母親の声で行ってらっしゃいと聞こえた。
全力で漕げば間に合うだろうか、肩に掛かったショルダーバックを背負い直し、走りだそうとしたときに、視界の端に真新しい制服が見えた。誰かと思ったら、それを着ていたのは近所に住む中学生、愛だった。
「ねぇ佑樹」
愛はニヤニヤしている。その顔を見て嫌な予感がする。こいつがにやけ顔の時は大抵よからぬ事を考えている。
「なにも言うな」
「まだ何も言ってないよ!」
「いや、言おうとしてた。俺だって急いでるんだ」
「まって佑樹。聞いて。まず1回聞いて」
「聞かない。絶対聞くもんか」
「一生のお願い! 僕も乗せて!」
制止もむなしく、愛は自転車の荷台に飛び乗り、話を続ける。二人乗りを強制されたようだ。
「助かったよ! 佑樹が遅刻してなければ僕も遅刻するところだった」
矢継ぎ早に愛は続ける。
「この間遅刻しちゃってさ。次遅れたら居残り清掃なんだよ。もう後が無いんだよね」
愛の実態に呆れて言葉も出てこなかった。でも今、現在進行形で遅刻している自分も同じか。頭で苛立ち始める佑樹だったが、自分も同じ立場に置かれている事を自覚すると、驚くほど急激にその怒りの熱が引いていった。急がなければならないのは自分も同じだ。そう思い、ペダルを踏む力を強め、ぐいぐいと速度を上げていった。
8時30分
愛の中学校に着いた。どうやら中学校の始業はこの時間のようで、問題なく登校できたようだ。聞き慣れたチャイムの中、全力疾走で走る愛の背中を見て、自分も登校しなければと、ペダルに力を込め、踏み始めた。先ほどよりペダルが軽い。自転車から人一人分の重さが無くなったから、これで急ぐことが出来る。最ももう急ぐ理由も無くなってしまったわけだが……。愛の中学校に寄っていたおかげで、予定よりも遅くなってしまった。遠くでも学校のチャイムが聞こえる。自分の高校の始業時間だ。ここからどれだけ急いでも、遅刻は免れない。これならもう急がなくてもいいか。そう思い、ゆっくりと自転車をこぎ始めた。
疾走する風が頬をかすめ、いつも通りの風景が通り去って行く。いつもの商店街だ。ただ違うのはすれ違う人の見慣れなさだけ。いつも挨拶してくれる八百屋の店主はもう客の対応を始めていて、自分に声を掛ける余裕は無いらしい。こんにちはと声をかけてくる小さな男の子も今日はいない。いつもとは違う人が自分の視界の脇をかすめて消えていく。
一際大きな違和感が視界に飛び込んできた。それは制服だ。自分と同じ学校の制服。決してこの時間、ここでは見ることは無いだろうと思っていたものだ。遅刻が確定したのにそこに立っていたのは間違いようも無い、同じ学校の女子生徒だった。その女はどこか困った様子で周りを見渡していたが、どうやら向こうも同じ学校の制服に気がついたみたいだ。曇った表情が明るくなり、こっちに近づいてくる。面倒ごとの気配だ。捕まる前に踵を返して逃げてしまおう。
「あの、同じ学校の方ですよね? 私、初めての登校で道に迷ってしまって……」
しかし逃亡もむなしく捕まってしまう。見慣れない女だ。その制服はまだ新しく、いやに浮いていた。一度も袖を通されていないような真新しさがあったからだ。転校生か。彼女の話を聞くと、どうやら今日こちらに引っ越してきて初めての登校のようで、道に迷ってしまったらしい。通りでこの時間までうろうろしているわけだ。佑樹は心の中で納得しながらも、その常識外れな考え方に驚く。普通場所がどこか調べた上で登校するだろう。場所を調べるためのインターネットがあるだろうに。
「残念だけど、もう遅刻は確定だぞ」
面倒ごとから逃げたい一心でこう答える。もう急いでも意味が無いから誰かに送ってもらえ。そう伝えたつもりだった。しかし、彼女はそうは捉えなかったらしい。希望を捨てずに、ずいと近づいてくる。
「送ってくれませんか? その自転車で」
マジか。本日2回目の二人乗りかよ。二人乗りは当然危険で、佑樹も何度か注意されている。愛のおかげですっかり常連だが、本来であれば佑樹も避けていたい行動だ。だから断りたかった。しかし、彼女の一抹の希望を見つけたあの表情を無碍にするのはなんだか心にしこりが出来そうで、なんとなく断りづらかった。少し考え、そして……
「分かった。乗れよ」
そう促した。
それから佑樹は、愛とは違う重みを自転車のペダルに感じながら走らせた。時間にして5分。いつもと変わらない風景が視界を横切っている。交わす言葉も珍しい物では無い。大体彼女から来る質問に佑樹が答える。その形式をずっと維持していた。いつしかそのネタも無くなったようで、会話も無くなった。ただ黙って自転車を走らせる。世界中を探せばどこかで見つかるような、一般的な光景。しかし当の本人はそうでは無かった。乗せている人間が違うだけでこうも変わるのか。佑樹にはその風景がなぜか新鮮さを感じる。最も、学校に近づけば、同じ学校の生徒と多くすれ違っていく。その生徒が全くいないのも、新鮮さに拍車を掛けた原因でもあるだろうが……。佑樹は人混みが無くなった校前の坂道も物ともせず、苦労せずに学校までたどり着いた。このまま誰にも見つからなければ僥倖。どうか誰も居ないでくれ。そう願っていた。だがそれは叶わない。
「こらお前! 遅刻だぞ! 一体何時だと思っている!!」
校門の前から声が聞こえてきた。いつも生徒指導でお世話になっている体育会系の熱血教師だ。よりにもよってコイツに見られたか……。佑樹の落胆はすさまじい物だった。やっぱり乗せなきゃ良かった。黙ってその怒りを享受しようとしていると、不意に後ろから声がする。
「あの……。私今日からこちらの学校でお世話になる神崎です。初めての登校で道に迷ってしまって……」
大目玉を食らわせようとしていた教師が歩みを止める。きっと視界には佑樹しか見えていなかったのだろう。背中から出てきたその人影に驚きつつも、二人乗りの状況を把握した。そして、きっと身勝手な納得をしたのだろう。
「お前、この子を連れてきたのか。だから遅れたのか!」
「は?」
「人一人乗せてこの坂道だ。そりゃあ遅れるわな! 今日は特別だ。見逃してやろう!」
おっと。思わぬ収穫だ。遅刻常習犯の遅刻、そして二人乗りという危険行為。生徒指導を受けるのは必然だと思えた。しかし、真後ろの人間のおかげでそれを免れたのだ。なんたる幸運。教師は後ろから彼女を連れて校舎に向かっていく。諸々の手続きをこれからするのだろうか。きっと学年は違うだろう。だから、校内ですれ違うのがやっとだろう。そう考えると、なぜかあの恩人の名前を聞きたくなった。正確には、ここを逃すと永遠に聞けないような気がした。
「名前!」
佑樹は呼び止めていた。いつの間にかそうしていた。心がユウキを駆り立て、思慮深い考えなぞ頭に残らずに、ただ衝動的に突き動かしていた。はやる気持ちを抑え、なんとか、お前は誰なんだ? そう訪ねると、彼女はその場に立ち止まり、こう答えた。
「神崎真紀奈といいます。 これからよろしくお願いします。 先輩」
音の無いただ広い校庭に、からんとこの声だけが響いたように聞こえた。
この世界は全てが自由だ。職も恋人も、そして運命さえも。神様なんていない。あるのは自分の心だけだ。自分たちは心に従う、いわば心に従順な機械仕掛けの人形だ。そして、神様の絶対的な管理体制はこれからも、これからずっと続いていく。
―2022年6月3日―
なんの変哲の無い部屋の真ん中で佑樹はそう思った。そして驚いた。やけに日が高い。自分はまだ自室の布団の上で寝転がっている。ふと目線をデジタル時計に向けると、短い針が大きな8を指したところだった。高校が始まった瞬間に目を開けたのだ。仕方ないとは言え、気が滅入るのも無理はない。遅刻確定だ。どれだけ遅れたとしても、内申のために登校をしなくてはならないのだから。佑樹にとって運命とは、決められていて変えようもないものなのだから。だから従うしかない。階段の途中で父親と目があったような気がして、小言を避けるように朝の準備をする事にした。
身支度を調え、朝ご飯を簡単に流し込み、食器を洗い、家を出る。この時点で8時20分。ホームルームの終わりぐらいには着くだろうか。そんな希望的観測を胸に、自転車にまたがりながら、「行ってきます」と言った。扉を閉める直前に、母親の声で行ってらっしゃいと聞こえた。
全力で漕げば間に合うだろうか、肩に掛かったショルダーバックを背負い直し、走りだそうとしたときに、視界の端に真新しい制服が見えた。誰かと思ったら、それを着ていたのは近所に住む中学生、愛だった。
「ねぇ佑樹」
愛はニヤニヤしている。その顔を見て嫌な予感がする。こいつがにやけ顔の時は大抵よからぬ事を考えている。
「なにも言うな」
「まだ何も言ってないよ!」
「いや、言おうとしてた。俺だって急いでるんだ」
「まって佑樹。聞いて。まず1回聞いて」
「聞かない。絶対聞くもんか」
「一生のお願い! 僕も乗せて!」
制止もむなしく、愛は自転車の荷台に飛び乗り、話を続ける。二人乗りを強制されたようだ。
「助かったよ! 佑樹が遅刻してなければ僕も遅刻するところだった」
矢継ぎ早に愛は続ける。
「この間遅刻しちゃってさ。次遅れたら居残り清掃なんだよ。もう後が無いんだよね」
愛の実態に呆れて言葉も出てこなかった。でも今、現在進行形で遅刻している自分も同じか。頭で苛立ち始める佑樹だったが、自分も同じ立場に置かれている事を自覚すると、驚くほど急激にその怒りの熱が引いていった。急がなければならないのは自分も同じだ。そう思い、ペダルを踏む力を強め、ぐいぐいと速度を上げていった。
8時30分
愛の中学校に着いた。どうやら中学校の始業はこの時間のようで、問題なく登校できたようだ。聞き慣れたチャイムの中、全力疾走で走る愛の背中を見て、自分も登校しなければと、ペダルに力を込め、踏み始めた。先ほどよりペダルが軽い。自転車から人一人分の重さが無くなったから、これで急ぐことが出来る。最ももう急ぐ理由も無くなってしまったわけだが……。愛の中学校に寄っていたおかげで、予定よりも遅くなってしまった。遠くでも学校のチャイムが聞こえる。自分の高校の始業時間だ。ここからどれだけ急いでも、遅刻は免れない。これならもう急がなくてもいいか。そう思い、ゆっくりと自転車をこぎ始めた。
疾走する風が頬をかすめ、いつも通りの風景が通り去って行く。いつもの商店街だ。ただ違うのはすれ違う人の見慣れなさだけ。いつも挨拶してくれる八百屋の店主はもう客の対応を始めていて、自分に声を掛ける余裕は無いらしい。こんにちはと声をかけてくる小さな男の子も今日はいない。いつもとは違う人が自分の視界の脇をかすめて消えていく。
一際大きな違和感が視界に飛び込んできた。それは制服だ。自分と同じ学校の制服。決してこの時間、ここでは見ることは無いだろうと思っていたものだ。遅刻が確定したのにそこに立っていたのは間違いようも無い、同じ学校の女子生徒だった。その女はどこか困った様子で周りを見渡していたが、どうやら向こうも同じ学校の制服に気がついたみたいだ。曇った表情が明るくなり、こっちに近づいてくる。面倒ごとの気配だ。捕まる前に踵を返して逃げてしまおう。
「あの、同じ学校の方ですよね? 私、初めての登校で道に迷ってしまって……」
しかし逃亡もむなしく捕まってしまう。見慣れない女だ。その制服はまだ新しく、いやに浮いていた。一度も袖を通されていないような真新しさがあったからだ。転校生か。彼女の話を聞くと、どうやら今日こちらに引っ越してきて初めての登校のようで、道に迷ってしまったらしい。通りでこの時間までうろうろしているわけだ。佑樹は心の中で納得しながらも、その常識外れな考え方に驚く。普通場所がどこか調べた上で登校するだろう。場所を調べるためのインターネットがあるだろうに。
「残念だけど、もう遅刻は確定だぞ」
面倒ごとから逃げたい一心でこう答える。もう急いでも意味が無いから誰かに送ってもらえ。そう伝えたつもりだった。しかし、彼女はそうは捉えなかったらしい。希望を捨てずに、ずいと近づいてくる。
「送ってくれませんか? その自転車で」
マジか。本日2回目の二人乗りかよ。二人乗りは当然危険で、佑樹も何度か注意されている。愛のおかげですっかり常連だが、本来であれば佑樹も避けていたい行動だ。だから断りたかった。しかし、彼女の一抹の希望を見つけたあの表情を無碍にするのはなんだか心にしこりが出来そうで、なんとなく断りづらかった。少し考え、そして……
「分かった。乗れよ」
そう促した。
それから佑樹は、愛とは違う重みを自転車のペダルに感じながら走らせた。時間にして5分。いつもと変わらない風景が視界を横切っている。交わす言葉も珍しい物では無い。大体彼女から来る質問に佑樹が答える。その形式をずっと維持していた。いつしかそのネタも無くなったようで、会話も無くなった。ただ黙って自転車を走らせる。世界中を探せばどこかで見つかるような、一般的な光景。しかし当の本人はそうでは無かった。乗せている人間が違うだけでこうも変わるのか。佑樹にはその風景がなぜか新鮮さを感じる。最も、学校に近づけば、同じ学校の生徒と多くすれ違っていく。その生徒が全くいないのも、新鮮さに拍車を掛けた原因でもあるだろうが……。佑樹は人混みが無くなった校前の坂道も物ともせず、苦労せずに学校までたどり着いた。このまま誰にも見つからなければ僥倖。どうか誰も居ないでくれ。そう願っていた。だがそれは叶わない。
「こらお前! 遅刻だぞ! 一体何時だと思っている!!」
校門の前から声が聞こえてきた。いつも生徒指導でお世話になっている体育会系の熱血教師だ。よりにもよってコイツに見られたか……。佑樹の落胆はすさまじい物だった。やっぱり乗せなきゃ良かった。黙ってその怒りを享受しようとしていると、不意に後ろから声がする。
「あの……。私今日からこちらの学校でお世話になる神崎です。初めての登校で道に迷ってしまって……」
大目玉を食らわせようとしていた教師が歩みを止める。きっと視界には佑樹しか見えていなかったのだろう。背中から出てきたその人影に驚きつつも、二人乗りの状況を把握した。そして、きっと身勝手な納得をしたのだろう。
「お前、この子を連れてきたのか。だから遅れたのか!」
「は?」
「人一人乗せてこの坂道だ。そりゃあ遅れるわな! 今日は特別だ。見逃してやろう!」
おっと。思わぬ収穫だ。遅刻常習犯の遅刻、そして二人乗りという危険行為。生徒指導を受けるのは必然だと思えた。しかし、真後ろの人間のおかげでそれを免れたのだ。なんたる幸運。教師は後ろから彼女を連れて校舎に向かっていく。諸々の手続きをこれからするのだろうか。きっと学年は違うだろう。だから、校内ですれ違うのがやっとだろう。そう考えると、なぜかあの恩人の名前を聞きたくなった。正確には、ここを逃すと永遠に聞けないような気がした。
「名前!」
佑樹は呼び止めていた。いつの間にかそうしていた。心がユウキを駆り立て、思慮深い考えなぞ頭に残らずに、ただ衝動的に突き動かしていた。はやる気持ちを抑え、なんとか、お前は誰なんだ? そう訪ねると、彼女はその場に立ち止まり、こう答えた。
「神崎真紀奈といいます。 これからよろしくお願いします。 先輩」
音の無いただ広い校庭に、からんとこの声だけが響いたように聞こえた。
この世界は全てが自由だ。職も恋人も、そして運命さえも。神様なんていない。あるのは自分の心だけだ。自分たちは心に従う、いわば心に従順な機械仕掛けの人形だ。そして、神様の絶対的な管理体制はこれからも、これからずっと続いていく。
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