71 / 91
第七十一話 たぎる
しおりを挟む
谷底から吹き上がる風が、イダテンの髪を舞い上げた。
砦の真上まであと一息のところで動くのをやめた。
隠れていた月が姿を現したからだ。
巨大な砦が月の光を浴びて浮かびあがる。
谷底から向かいの崖までを覆い尽くす、その姿は何度見ても圧巻だ。
そこに至る道は、下流五町、上流二町が、ほぼ真っ直ぐに伸びていた。
ここに砦を築いた工匠の意図は一目で汲み取れた。
対岸が近いだけではない。
隆家の兵が馬木側から押し寄せて来ようとも、落ち延びようとする者があったとしても早々に見つけることができる。
下見や測量にもかなりの時をかけたに違いない。
わずか一日で、これだけのものを組み上げるその腕に敬意を抱いた。
それを実現させた国親の着想と力に驚き、あらゆる意味で侮れない男だということを肝に銘じた。
イダテンに戦の経験はない。
だが、規模は小さいものの砦をめぐる攻防を見たことはある。
落とされた砦跡を見て、待ち受ける側がどのような用意をするかということもいくらかは承知している。
書物にもいくつかの事例が記されていた。
砦は四層になっていた。
正しくは三層というべきだろう。
最上層に天井はない。
床と天井を兼ねた板の上に柵をこしらえ、矢を防ぐための盾代わりの板が規則的に縄で留められている。
物見の通路も兼ねているのだろう。
道から床までの高さはおよそ六丈。
幾重にも接いであるはずの柱でさえ、いかにも頑丈そうだ。
道沿いの一層部分には門代わりの柵があった。
これも丸太を使った強固な作りだ。
柵は山側に二列、谷側に一列配置されていた。
馬どころか人一人まっすぐに進めないよう互い違いに組まれている。
馬を通すときは、谷側の柵を上げるか横にずらすのだろう。
前後の道幅は一間半というところか。馬で走ることはできるが、すれ違うことはできまい。
その柵の前後には、矛を手にした門番がそれぞれ二人ずつ立っている。
砦から二町ほど離れた場所には、上流下流ともに崖にへばりついたような小屋がある。
ここにも兵が二人立っていた。
その近くに逆木を模した据え物が置いてある。
地面が固く埋め込めなかったのだろう。
一気に突っ切ろうとする者と火矢への備えだろうが、あれでは効果は薄かろう。
二層目と三層目の板壁には一間おきに狭間を設け、矢での攻防に備えている。
砦の中で休んでいる兵もいるだろう。
崖を崩し、道を塞がなければ、今頃は、この砦と先ほどの館に、さらに大勢の兵が詰め掛けていたに違いない。
だが、それほど多くの兵が必要とは思えなかった。
隆家が攻め寄せて来たところで、この狭い道だ。足元も悪い。
歩いて二列。走れば一列が限度だろう。
上から矢を射掛ければ突破などできまい。
前を行く兵が倒れれば、後ろにいる兵は先に進めない。
後続は倒れた兵に足をとられ、足を止めた兵をさらに後続が押し倒すだろう。
そこを狙い打てばよいのだ。
物思いにふけっていると、月が陰り、その道とイダテンの姿を隠していった。
寒さにかじかむ手足の状態に気を配りながら慎重に歩を進め、砦の真上に到着した。
先ほど見つけた岩場の窪みに潜り込む。
息を整え、背負子に載せていた麻袋を降ろす。
中に入っているのは二尺ほどの石臼いしうすだ。
義久の親族だという館から持ってきた。
荷物にはなったが、姫よりは小さい。
腰を下ろした場所は月の光が当たらない。
これなら少々作業に刻を費やしても見つかるまい。
足元の岩の隙間に根を張った檜に麻縄が括りつけられている。それは対岸まで伸びていた。
これに沿って砦の基礎となる柱を立ち上げたようだ。
束ねて背負子に括り付けていた麻縄をほどき、石臼を入れた麻袋の上から幾重にも括りつける。
最後に袋から伸ばした縄の長さを調整する。
柱の高さも考慮して九間半に決めた。
義久の提案通り、崖の上から岩を投げてもたいした効果は得られまい。
だが、応用はできる。
雲が流れ、砦の様子が照らし出された。
最上層、三層部分の天井を兼ねた物見通路には四人の兵が立っていた。
皆、弓を手にし、上流下流、二手に分かれ、目を凝らしている。
それを横目に、革の筒袋から軸のついた車輪と加工した金具をふたつずつ取りだす。
湧き水の釣瓶を上げる、あの仕掛け――釣瓶車を鉄でつくらせ、さらに工夫を加えたものだ。
山や谷で、材木や重い物を運べぬかと考えたのだ。
先ほど物見に出て、使えると思った。
この細工は、鍛冶師に作らせた。
三郎がイダテンの描いた図面を持ち込んだが、噂に聞く釣瓶車に工夫を加えたと聞くと、抱えていた仕事を後回しにして作ってくれたという。
三郎に言わせると、
「あやつ、ほくほく顔であったわ。これで一儲けできるとふんだのじゃ。次に何か持ち込むときは、ひとつ売れるごとにいくばくかの銭をよこせという証文を書かせよう。おお、イダテン。おまえの言うとおり算術は必要じゃな」
頭の中で段取りをなぞる。
いざ始まれば、考えたとおりには進むまい。
が、その時は、その時だ。
気が高ぶり、頬が火照る。
ふつふつと体も熱くなってくる。
これまでにない感覚だ。
これを血がたぎるというのだろうか。
相手は、人食い熊でも狼の群れでもない。
だが、数が違う。敵は百を下るまい。
しかも巨大な砦が行く手をさえぎる。
喜八郎らに、暗い目をしていると陰口を叩かれたが、今の自分はどんな表情をしているだろう。
懐から紐を通した小さな鏡を取り出した。
母の形見である。
腕を伸ばす。
月の光を鏡で反射させ、おのれの顔を照らし出した。
磨き上げられた鏡に映りこんだ紅い髪が、双眸さえも紅く輝かせた。
開いた口からは犬歯が覗いている。
その顔は、まるで笑っているように見えた。
*
砦の真上まであと一息のところで動くのをやめた。
隠れていた月が姿を現したからだ。
巨大な砦が月の光を浴びて浮かびあがる。
谷底から向かいの崖までを覆い尽くす、その姿は何度見ても圧巻だ。
そこに至る道は、下流五町、上流二町が、ほぼ真っ直ぐに伸びていた。
ここに砦を築いた工匠の意図は一目で汲み取れた。
対岸が近いだけではない。
隆家の兵が馬木側から押し寄せて来ようとも、落ち延びようとする者があったとしても早々に見つけることができる。
下見や測量にもかなりの時をかけたに違いない。
わずか一日で、これだけのものを組み上げるその腕に敬意を抱いた。
それを実現させた国親の着想と力に驚き、あらゆる意味で侮れない男だということを肝に銘じた。
イダテンに戦の経験はない。
だが、規模は小さいものの砦をめぐる攻防を見たことはある。
落とされた砦跡を見て、待ち受ける側がどのような用意をするかということもいくらかは承知している。
書物にもいくつかの事例が記されていた。
砦は四層になっていた。
正しくは三層というべきだろう。
最上層に天井はない。
床と天井を兼ねた板の上に柵をこしらえ、矢を防ぐための盾代わりの板が規則的に縄で留められている。
物見の通路も兼ねているのだろう。
道から床までの高さはおよそ六丈。
幾重にも接いであるはずの柱でさえ、いかにも頑丈そうだ。
道沿いの一層部分には門代わりの柵があった。
これも丸太を使った強固な作りだ。
柵は山側に二列、谷側に一列配置されていた。
馬どころか人一人まっすぐに進めないよう互い違いに組まれている。
馬を通すときは、谷側の柵を上げるか横にずらすのだろう。
前後の道幅は一間半というところか。馬で走ることはできるが、すれ違うことはできまい。
その柵の前後には、矛を手にした門番がそれぞれ二人ずつ立っている。
砦から二町ほど離れた場所には、上流下流ともに崖にへばりついたような小屋がある。
ここにも兵が二人立っていた。
その近くに逆木を模した据え物が置いてある。
地面が固く埋め込めなかったのだろう。
一気に突っ切ろうとする者と火矢への備えだろうが、あれでは効果は薄かろう。
二層目と三層目の板壁には一間おきに狭間を設け、矢での攻防に備えている。
砦の中で休んでいる兵もいるだろう。
崖を崩し、道を塞がなければ、今頃は、この砦と先ほどの館に、さらに大勢の兵が詰め掛けていたに違いない。
だが、それほど多くの兵が必要とは思えなかった。
隆家が攻め寄せて来たところで、この狭い道だ。足元も悪い。
歩いて二列。走れば一列が限度だろう。
上から矢を射掛ければ突破などできまい。
前を行く兵が倒れれば、後ろにいる兵は先に進めない。
後続は倒れた兵に足をとられ、足を止めた兵をさらに後続が押し倒すだろう。
そこを狙い打てばよいのだ。
物思いにふけっていると、月が陰り、その道とイダテンの姿を隠していった。
寒さにかじかむ手足の状態に気を配りながら慎重に歩を進め、砦の真上に到着した。
先ほど見つけた岩場の窪みに潜り込む。
息を整え、背負子に載せていた麻袋を降ろす。
中に入っているのは二尺ほどの石臼いしうすだ。
義久の親族だという館から持ってきた。
荷物にはなったが、姫よりは小さい。
腰を下ろした場所は月の光が当たらない。
これなら少々作業に刻を費やしても見つかるまい。
足元の岩の隙間に根を張った檜に麻縄が括りつけられている。それは対岸まで伸びていた。
これに沿って砦の基礎となる柱を立ち上げたようだ。
束ねて背負子に括り付けていた麻縄をほどき、石臼を入れた麻袋の上から幾重にも括りつける。
最後に袋から伸ばした縄の長さを調整する。
柱の高さも考慮して九間半に決めた。
義久の提案通り、崖の上から岩を投げてもたいした効果は得られまい。
だが、応用はできる。
雲が流れ、砦の様子が照らし出された。
最上層、三層部分の天井を兼ねた物見通路には四人の兵が立っていた。
皆、弓を手にし、上流下流、二手に分かれ、目を凝らしている。
それを横目に、革の筒袋から軸のついた車輪と加工した金具をふたつずつ取りだす。
湧き水の釣瓶を上げる、あの仕掛け――釣瓶車を鉄でつくらせ、さらに工夫を加えたものだ。
山や谷で、材木や重い物を運べぬかと考えたのだ。
先ほど物見に出て、使えると思った。
この細工は、鍛冶師に作らせた。
三郎がイダテンの描いた図面を持ち込んだが、噂に聞く釣瓶車に工夫を加えたと聞くと、抱えていた仕事を後回しにして作ってくれたという。
三郎に言わせると、
「あやつ、ほくほく顔であったわ。これで一儲けできるとふんだのじゃ。次に何か持ち込むときは、ひとつ売れるごとにいくばくかの銭をよこせという証文を書かせよう。おお、イダテン。おまえの言うとおり算術は必要じゃな」
頭の中で段取りをなぞる。
いざ始まれば、考えたとおりには進むまい。
が、その時は、その時だ。
気が高ぶり、頬が火照る。
ふつふつと体も熱くなってくる。
これまでにない感覚だ。
これを血がたぎるというのだろうか。
相手は、人食い熊でも狼の群れでもない。
だが、数が違う。敵は百を下るまい。
しかも巨大な砦が行く手をさえぎる。
喜八郎らに、暗い目をしていると陰口を叩かれたが、今の自分はどんな表情をしているだろう。
懐から紐を通した小さな鏡を取り出した。
母の形見である。
腕を伸ばす。
月の光を鏡で反射させ、おのれの顔を照らし出した。
磨き上げられた鏡に映りこんだ紅い髪が、双眸さえも紅く輝かせた。
開いた口からは犬歯が覗いている。
その顔は、まるで笑っているように見えた。
*
5
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
葉桜よ、もう一度 【完結】
五月雨輝
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作】北の小藩の青年藩士、黒須新九郎は、女中のりよに密かに心を惹かれながら、真面目に職務をこなす日々を送っていた。だが、ある日突然、新九郎は藩の産物を横領して抜け売りしたとの無実の嫌疑をかけられ、切腹寸前にまで追い込まれてしまう。新九郎は自らの嫌疑を晴らすべく奔走するが、それは藩を大きく揺るがす巨大な陰謀と哀しい恋の始まりであった。
謀略と裏切り、友情と恋情が交錯し、武士の道と人の想いの狭間で新九郎は疾走する。
【完結】女神は推考する
仲 奈華 (nakanaka)
歴史・時代
父や夫、兄弟を相次いで失った太后は途方にくれた。
直系の男子が相次いて死亡し、残っているのは幼い皇子か血筋が遠いものしかいない。
強欲な叔父から持ち掛けられたのは、女である私が即位するというものだった。
まだ幼い息子を想い決心する。子孫の為、夫の為、家の為私の役目を果たさなければならない。
今までは子供を産む事が役割だった。だけど、これからは亡き夫に変わり、残された私が守る必要がある。
これは、大王となる私の守る為の物語。
額田部姫(ヌカタベヒメ)
主人公。母が蘇我一族。皇女。
穴穂部皇子(アナホベノミコ)
主人公の従弟。
他田皇子(オサダノオオジ)
皇太子。主人公より16歳年上。後の大王。
広姫(ヒロヒメ)
他田皇子の正妻。他田皇子との間に3人の子供がいる。
彦人皇子(ヒコヒトノミコ)
他田大王と広姫の嫡子。
大兄皇子(オオエノミコ)
主人公の同母兄。
厩戸皇子(ウマヤドノミコ)
大兄皇子の嫡子。主人公の甥。
※飛鳥時代、推古天皇が主人公の小説です。
※歴史的に年齢が分かっていない人物については、推定年齢を記載しています。※異母兄弟についての明記をさけ、母方の親類表記にしています。
※名前については、できるだけ本名を記載するようにしています。(馴染みが無い呼び方かもしれません。)
※史実や事実と異なる表現があります。
※主人公が大王になった後の話を、第2部として追加する可能性があります。その時は完結→連載へ設定変更いたします。
柳鼓の塩小町 江戸深川のしょうけら退治
月芝
歴史・時代
花のお江戸は本所深川、その隅っこにある柳鼓長屋。
なんでも奥にある柳を蹴飛ばせばポンっと鳴くらしい。
そんな長屋の差配の孫娘お七。
なんの因果か、お七は産まれながらに怪異の類にめっぽう強かった。
徳を積んだお坊さまや、修験者らが加持祈祷をして追い払うようなモノどもを相手にし、
「えいや」と塩を投げるだけで悪霊退散。
ゆえについたあだ名が柳鼓の塩小町。
ひと癖もふた癖もある長屋の住人たちと塩小町が織りなす、ちょっと不思議で愉快なお江戸奇譚。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
あさきゆめみし
八神真哉
歴史・時代
山賊に襲われた、わけありの美貌の姫君。
それを助ける正体不明の若き男。
その法力に敵う者なしと謳われる、鬼の法師、酒呑童子。
三者が交わるとき、封印された過去と十種神宝が蘇る。
毎週金曜日更新
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―
kei
歴史・時代
周囲の外敵をことごとく鎮定し、向かうところ敵なし! 盤石に見えた帝国の政(まつりごと)。
しかし、その政体を覆す計画が密かに進行していた。
帝国の生きた守り神「軍神マルスの娘」に厳命が下る。
帝都を襲うクーデター計画を粉砕せよ!
狐侍こんこんちき
月芝
歴史・時代
母は出戻り幽霊。居候はしゃべる猫。
父は何の因果か輪廻の輪からはずされて、地獄の官吏についている。
そんな九坂家は由緒正しいおんぼろ道場を営んでいるが、
門弟なんぞはひとりもいやしない。
寄りつくのはもっぱら妙ちきりんな連中ばかり。
かような家を継いでしまった藤士郎は、狐面にていつも背を丸めている青瓢箪。
のんびりした性格にて、覇気に乏しく、およそ武士らしくない。
おかげでせっかくの剣の腕も宝の持ち腐れ。
もっぱら魚をさばいたり、薪を割るのに役立っているが、そんな暮らしも案外悪くない。
けれどもある日のこと。
自宅兼道場の前にて倒れている子どもを拾ったことから、奇妙な縁が動きだす。
脇差しの付喪神を助けたことから、世にも奇妙な仇討ち騒動に関わることになった藤士郎。
こんこんちきちき、こんちきちん。
家内安全、無病息災、心願成就にて妖縁奇縁が来来。
巻き起こる騒動の数々。
これを解決するために奔走する狐侍の奇々怪々なお江戸物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる