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第17話 動き出す陰謀
しおりを挟む「ガゼル・ロンドはまだ見つからないのか」
明朝。豪華絢爛な屋敷の書斎で、細身の眼鏡をかけた、鋭い眼光を放つ男が、ソファに背を預けながら、報告に訪れた従者に尋ねた
「はい。ゼルドリス様。ガゼル・ロンドの事務所を強襲かけた際、深手の手傷を負わせたのですが、あと一歩のところで取り逃がしました」
細身の眼鏡をかけた鋭い眼光を放つ男、ゼルドリスは、開いていた本を閉じる。
「貴様。満足にお遣いもできんのか」
ゼルドリスは、眉間にシワを寄せ、激しい怒りをあらわにした。
「も、申し訳ございません。ゼルドリス様」
従者は、今にもゼルドリスに切り捨てられるのではないかと、恐れおののきながら、答えた。
「まあまあ。父上。そんなに怒るなよ」
従者の背後から、金髪の端正な顔立ちの男が笑いながら、あらわれた。
「ユアンか」
ゼルドリスは、金髪の端正な顔立ちの男、ユアンの顔を見た。
「父上は、いずれは、この国の王になる人物なんだから」
ユアンは、笑う。
ゼルドリスは、ふん、とそっぽ向いてしまった。
「しかし、ガゼル・ロンドか。懐かしいな。軍の士官学校以来じゃないか。アイツには借りがたくさんあるんだ」
ユアンは、邪悪な笑みを浮かべる。
ゼルドリスは、息子のユアンの顔を見ながら、ふう、とため息をついた。
「ユアン様。お時間です。本日は、皇女様主催のお茶会にお呼ばれされておりますので、そろそろ出立のご準備を」
他の従者が、書斎にあらわれ、ユアンに呼びかけた。
くるっと楽しそうにユアンは、振り返る。
「ああ。今行く」
そして、スタスタと軽快な足取りで、ユアンは、書斎をあとにした。
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