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40話 異例
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次の日。色々支度をしたら、フルーリさんがいる部屋に行く。着いたら部屋の中に入って、椅子に座る。
「1日経ちましたが。・・・また手紙を運んでもらう事になります」
「そっちがそれ良いなら、俺達は別に良いが。本当にそれでいいのか?」
「はい。特にここで何かをやってほしい事はありません。こちらで出来る事なので」
「・・・聞きたい事があるんですが。言いですか?」
「どうぞ」
「魔王城に帰還の塔は本当にあるんですか?」
「あります。何故こちらに帰還の塔があるかは知りませんが、ちゃんと存在してます。ただ一度も使った事がありません。なので確実に元いた場所に戻れる、保証がありません」
「無いんですか・・・。やっぱり勇者召喚は異例ですかね?」
「異例の中の異例ですよ。そもそも勇者の塔と帰還の塔は一体だ誰が造ったのか、未だに分かっていません。一説には大昔にここに来た、勇者が造ったとか。神が造ったとか言われています。何かしらの記録に残っていたら、よかったのですがね」
「そんな状態でよく僕を召喚出来たな・・・。良く生きてた・・・」
「もしタクヤが死んでいたら、最悪向こうから殴りこんで来そうだね。タクヤの師匠が」
「ししょーならやるな。何回か殴りこんでるからな。仮に王国に殴りこんで来たら、王国が一夜にして滅ぶかもな」
「お前の師匠はそこまで強いのか!?」
「・・・ちょっとモリ過ぎたな。ししょーの本気を見た事ねぇから、分からねぇんだよ」
「多分相当強いんだろうな。俺もちょっと気になってることがあるんだ。魔王は本当に戦争する気は無いんだな」
「無いですよ。戦争する気だったら。ぼくはここにいませんし、モルガンやアグネスが死んでる可能性がありますよ。タクヤがかなり強い事はわかってますから。どれだけ強いかは知りませんけど。少なくてもこっちからは、手を出してくは無いですよ」
「四天王にも化物扱いされているな」
「だから化物じゃねぇって。・・・ここにぼくたち以外の勇者パーティは来ましたか?」
「来ましたよ。勝負を挑まれましたけど、返り討ちしました」
「その勇者パーティは弱いね。よくここまで来れたね」
「それよりもあの勇者パーティが、よくモルガンの目から逃れられたな。ワザと逃がしたのか、それとも許したのか?」
「だとしても俺達より先に、この街に着いたのか? 何か魔法でも使ったのか?」
「あるいは魔道具かもしれませんね。あのシスターがまともな魔法が使えるとは、全く思っていません」
「一応同期とかだよね。そこまで言っちゃう?」
「そこまで言うほどの実力しかないのです。正直言って。何で聖女を目指そうとしたのか、全く分かりませんね。ただのシスターで止まっておけば良かったものの・・・。何を思って聖女になろうとしたのか、全く分かりません」
「アディシア。顔がこえぇよ」
「これは失礼しました」
「・・・この勇者パーティは何か面白いですね。アグネスがどうでもいい話を書く訳だ」
「手紙には、僕たちの事が書いてあったのですか?」
「書いてありましたよ。何やら楽しい事をしてたとか」
「何か楽しい事やってたか?」
「う~ん・・・。アレじゃない? タクヤが元いた場所の話じゃない?」
「アレか。でもそんなに楽しい話じゃねぇだろ」
「俺達は楽しかったぜ。何せあり得ない話をするからな。何だよ鉄が走ったり浮いたりするって、あり得ないだろ」
「しかもその鉄は水中の中でも動くんでしょ。一体何をしたらそんな事が出来るの?」
「んな言われてもなぁ。僕はそこまで詳しくねぇんだよ」
「本当に存在するのでしょうか? タクヤさんの世界はあり得ない事が多いですね」
「存在するに決まってるだろ。あぁ写真撮っとけばよかったぜ。って言っても、スマホの充電が無いんだよなぁ」
「そのすまほって言うのも凄いよな。色んな情報が見れるんだろ」
「見れるが。本来は遠い所にいる人と連絡を取る手段だったが、時代の流れで色々機能が充実してるからな」
「? 連絡を取るなら、魔道具を使えばいいのでは?」
「僕がいた世界に魔法が存在してないんですよ」
「魔法が存在しない・・・。どうやって生活してるんですか?」
「普通に生活してますよ。魔法が無くても違う方法で生活してるので」
電気とかガスとかを使ってな。
「とりあえずこの話はここまで。何かこういう話ばっかで、飽きてきましたよ」
「そう? ボクは聞いてて飽きないよ。話している中で、全て魔法は使ってねぇ。最後はそれで終わるんだも。それだけで面白いと思うよ。あり得ない事を言ってるからね」
「僕は全然面白くねぇよ。それよりも手紙に配達の件ですが。何処まで配達をすればいいでしょうか?」
「タクヤたちが行く村にいる、四天王に渡してください。報酬は先に渡しておきます」
テーブルの上には手紙と腕輪が置かれる。僕はそれを持って、アイテムボックスに入れる。
「もう行きますか?」
「いえ。出来れば今日も泊まりたいのですが・・・」
「どうぞどうぞ。こちらは特に問題はありません」
「ありがとうございます」
僕たちは雑談などをして1日を終える。
「1日経ちましたが。・・・また手紙を運んでもらう事になります」
「そっちがそれ良いなら、俺達は別に良いが。本当にそれでいいのか?」
「はい。特にここで何かをやってほしい事はありません。こちらで出来る事なので」
「・・・聞きたい事があるんですが。言いですか?」
「どうぞ」
「魔王城に帰還の塔は本当にあるんですか?」
「あります。何故こちらに帰還の塔があるかは知りませんが、ちゃんと存在してます。ただ一度も使った事がありません。なので確実に元いた場所に戻れる、保証がありません」
「無いんですか・・・。やっぱり勇者召喚は異例ですかね?」
「異例の中の異例ですよ。そもそも勇者の塔と帰還の塔は一体だ誰が造ったのか、未だに分かっていません。一説には大昔にここに来た、勇者が造ったとか。神が造ったとか言われています。何かしらの記録に残っていたら、よかったのですがね」
「そんな状態でよく僕を召喚出来たな・・・。良く生きてた・・・」
「もしタクヤが死んでいたら、最悪向こうから殴りこんで来そうだね。タクヤの師匠が」
「ししょーならやるな。何回か殴りこんでるからな。仮に王国に殴りこんで来たら、王国が一夜にして滅ぶかもな」
「お前の師匠はそこまで強いのか!?」
「・・・ちょっとモリ過ぎたな。ししょーの本気を見た事ねぇから、分からねぇんだよ」
「多分相当強いんだろうな。俺もちょっと気になってることがあるんだ。魔王は本当に戦争する気は無いんだな」
「無いですよ。戦争する気だったら。ぼくはここにいませんし、モルガンやアグネスが死んでる可能性がありますよ。タクヤがかなり強い事はわかってますから。どれだけ強いかは知りませんけど。少なくてもこっちからは、手を出してくは無いですよ」
「四天王にも化物扱いされているな」
「だから化物じゃねぇって。・・・ここにぼくたち以外の勇者パーティは来ましたか?」
「来ましたよ。勝負を挑まれましたけど、返り討ちしました」
「その勇者パーティは弱いね。よくここまで来れたね」
「それよりもあの勇者パーティが、よくモルガンの目から逃れられたな。ワザと逃がしたのか、それとも許したのか?」
「だとしても俺達より先に、この街に着いたのか? 何か魔法でも使ったのか?」
「あるいは魔道具かもしれませんね。あのシスターがまともな魔法が使えるとは、全く思っていません」
「一応同期とかだよね。そこまで言っちゃう?」
「そこまで言うほどの実力しかないのです。正直言って。何で聖女を目指そうとしたのか、全く分かりませんね。ただのシスターで止まっておけば良かったものの・・・。何を思って聖女になろうとしたのか、全く分かりません」
「アディシア。顔がこえぇよ」
「これは失礼しました」
「・・・この勇者パーティは何か面白いですね。アグネスがどうでもいい話を書く訳だ」
「手紙には、僕たちの事が書いてあったのですか?」
「書いてありましたよ。何やら楽しい事をしてたとか」
「何か楽しい事やってたか?」
「う~ん・・・。アレじゃない? タクヤが元いた場所の話じゃない?」
「アレか。でもそんなに楽しい話じゃねぇだろ」
「俺達は楽しかったぜ。何せあり得ない話をするからな。何だよ鉄が走ったり浮いたりするって、あり得ないだろ」
「しかもその鉄は水中の中でも動くんでしょ。一体何をしたらそんな事が出来るの?」
「んな言われてもなぁ。僕はそこまで詳しくねぇんだよ」
「本当に存在するのでしょうか? タクヤさんの世界はあり得ない事が多いですね」
「存在するに決まってるだろ。あぁ写真撮っとけばよかったぜ。って言っても、スマホの充電が無いんだよなぁ」
「そのすまほって言うのも凄いよな。色んな情報が見れるんだろ」
「見れるが。本来は遠い所にいる人と連絡を取る手段だったが、時代の流れで色々機能が充実してるからな」
「? 連絡を取るなら、魔道具を使えばいいのでは?」
「僕がいた世界に魔法が存在してないんですよ」
「魔法が存在しない・・・。どうやって生活してるんですか?」
「普通に生活してますよ。魔法が無くても違う方法で生活してるので」
電気とかガスとかを使ってな。
「とりあえずこの話はここまで。何かこういう話ばっかで、飽きてきましたよ」
「そう? ボクは聞いてて飽きないよ。話している中で、全て魔法は使ってねぇ。最後はそれで終わるんだも。それだけで面白いと思うよ。あり得ない事を言ってるからね」
「僕は全然面白くねぇよ。それよりも手紙に配達の件ですが。何処まで配達をすればいいでしょうか?」
「タクヤたちが行く村にいる、四天王に渡してください。報酬は先に渡しておきます」
テーブルの上には手紙と腕輪が置かれる。僕はそれを持って、アイテムボックスに入れる。
「もう行きますか?」
「いえ。出来れば今日も泊まりたいのですが・・・」
「どうぞどうぞ。こちらは特に問題はありません」
「ありがとうございます」
僕たちは雑談などをして1日を終える。
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また、誤字の修正は随時やっております。急な変更がありましても、お見逃しください。 著者(拝)
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