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23話 誰が悪魔だ!

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「速すぎるだろ!? お前たち移動が速いぞ!」
「んな事言われてもな。こっちは普通に飛び移っているだけだぞ」
「そうだぜ。俺達は普通に飛び移ってるだけだぜ」

「驚きましたね。まさかここまで速いとは。これは習得する必要性が、あるかもしれませんね」
「しなくていいだろ! する必要性が無いだろ!」
「ですが。木があればあのように速く移動できるのですよ。何かしら地面を歩く事が、出来なくなったら。あのように飛び移って行くのがいいかと」

「今みたいに飛んで行けばいいだろ」
「それは魔力があればの話です。魔力が無ければ、浮遊魔法を付与出来ません。魔力が無くなっても、身体には影響は無いので。早く逃げるにはあのように飛び移れば、逃げられると思いますが」
「そ、それもそうだが・・・」

「シルビア。お前アレか。騎士としてやりたくねぇって事か?」
「そうだ。木から木に飛び移るなどと・・・。騎士がそんな事をするわけにいかないだろ!」
「別にいいじゃねぇが。騎士が木から木に飛ぶ移っても。奇襲が出来るじゃねぇか」

「自分はそんな卑怯な事は極力したくないぞ」
「お前がそう言っても。上司がやれって言われてやらされるぜ」
「た、確かにそうだが・・・」

「別に僕たちは批判する気はねぇよ。これぐらいで批判するようなほど、器がちいせぇって訳じゃねぇ」
「そ、そうか・・・。た、タクヤやアディシアがそこまで言うなら。じ、自分もやってみよう」
「よし。教える暇が出来たら、教えてあげるよ」

「教えるのはいいが。前の方に豪華な馬車が襲われてるぞ。助けるか」
「聞くまででもねぇだろ。助けぜ」
「なら自分は正面から行かせてもらう」

「では私もシルビアと一緒に行きます。3人は奇襲をお願いします」
「おう」

 ベラとシルビアは地面に着地して、走って豪華な馬車の方に行く。僕たちは奇襲するために、豪華な馬車がある近くの木まで行く。着いたら、武器を出して準備をする。

「騎士がいるって事はよぉ。あれは貴族が乗ってるのか」
「貴族って事は高確率で人族かな。エルフ族は貴族制度は無いし、魔族とドワーフ族にも王がいるが、貴族はほとんどいなかったな。相手は盗賊か」
「何だっていいよ。どうする。今シルビアたちが戦っているけど、いつ奇襲する?」

「もう少し待て。攻撃が騎士にも当たりそうだ。・・・今!」

 アルセルの合図で僕たちは木から飛び降りて、盗賊を殺す。

「上からだと!? ッチ、撤退するぞ!」
「あぁ? テメェらが逃げられると思ってるのか?」

 僕はすぐに盗賊たちの首を折ったり、喉を潰したりする。

「な、何だアイツは!? あ、悪魔か。悪魔じゃねぇか!!」
「誰が悪魔だ! 立派な人間だろうが!」

 僕は悪魔って言った盗賊の胸に、貫手で胸を貫く。

「あく・・・ま・・・」
「コイツ死ぬまで悪魔と言いやがった・・・」
「あぁその盗賊が悪魔って言うのも、何か納得するな」

「アルセル。お前それはどう言う事だ?」
「服が血塗れで襲って来るんだぜ。悪魔以外に何って言えばいいんだ?」
「血塗れ? んな訳―――。うお!? 服が血塗れになってるぜ!?」

「気付かなかったのかよ・・・」
「戦っている最中に気付かねぇものだろ」
「まぁそうだけど」

「こっちも片付いたぞ。そっちはどうだ?」
「もう終わってるぜ。2人は無事か?」
「無事だ。今アディシアが貴族と話している」

「行動がはぇな。こっちはかねがねぇか漁ってみるか。アレアがもう先に漁ってるしな」

 僕たちは殺した盗賊の死体を漁る。

「武器以外何にも無いね・・・。お金も持ってないよ」
「この武器を研いで売るか。そうすれば少しはかねにはなるな」
「タクヤはどう?」

「こっちも武器だけだ。盗賊になったのがつい最近なのか、それともかねが尽きたから襲っていたのか。まぁなんだっていいか」
「何も無いよりかはマシだろ。さて死体をどうするかだ」
「ボクが埋めておこうか? これでも土魔法は使えるよ」

「なら頼む。道の所ではやるなよ」
「分かってるよ」

 アレアは死体を森の方に移動させる。アルセルはアレアを手伝う。僕とシルビアはベラの所に行く。

「あぁ君たちが。アディシアさんが言っていた仲間かい?」
「はい。僕はタクヤです」
「自分はシルビアといいます」

「私はグラ・ジュリアス・アラン。アラン家の当主だ」
「当主様が何故ここに? この先にある街は、魔族がいる街ですよ」
「あの街は元々人族が持っていて街だよ。今は魔族に保護されているけどね」

 モルガンが言ってた通りか。

「後はエルフの2人だけだろ。挨拶は後でするとして、先に移動しないか? 君たちもアルバン街に行くのだろ。身勝手な事だけど、護衛を頼めないかい? 報酬もちゃんと出すよ」
「自分は構いません。タクヤはどうします?」
「断る理由はありません。その護衛を引き受けます。エルフの2人は僕から伝えます」

「タクヤー。その必要はないぜ。こっちは聞こえてたぜ」
「勿論護衛の話は賛成だよ~」
「大丈夫そうでね。なら準備をお願いするよ」

 グラ様は馬車に乗る。僕はベラに浄化魔法で、服を綺麗にしてもらう。僕たちは護衛の騎士隊長から指示を貰う。

「なぁ隊長さん。俺とアレアは先行していいか? 俺達は気配察知も鍛えてるから、先行して敵を排除出来るぜ」
「それは有難いな。こちらは周辺だけ集中できる。お願いをしてもいいだろうか?」
「構わなぜ。いつもやってる事だからな」

「有難い。我々が移動を始めたら、そちらは先行してほしい。だが無理はするなよ」
「分かったぜ」
「後は3人だが。どうする? こっちは馬で移動してるから、誰かの後ろに乗るしかないぞ」

「心配ありません。私たちは飛んで行くので」
「飛ぶ? ・・・浮遊魔法か」
「はい」

「えっ。タクヤは木から木に飛び移るんだろ」
「おいアルセル。僕は浮遊魔法で飛んで行く方が、楽しいんだが」
「飛び移るのも楽しいと思うけどな~」

「今回は護衛だからな。先行して行くのは、お前ら2人だけで足りるだろ」
「まぁそうだけどな」
「なら僕は浮遊魔法で飛んで行くぜ」

「話はまとまったようだな。では出発しよう」

 騎士たちは移動すると、馬車も移動する。アルセルはアレアは木に登り、飛び移って行く。僕とシルビアはベラに浮遊魔法を付与してもらい、騎士たちを追いかける。
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