蒼炎のカチュア

第十八章 闇に染まった英雄

１８－？②

「それは本当か？」

「はい、間違いありません。ゲブンの動向を探っていたら、蒼い髪の少女の手によって判明しました」

「組織のボスが、自ら潜入していたなんて……」

「そうなると、やはり、ゲブンの手下が魔物化したのは……」

「恐らく奴の仕業だ。それに、厄介のことに、あのゲス皇帝が奴らと手を組んでいる」

「完全に、帝都はアルタミストの手によって、支配されているようなものですよ」

「そうだな。……なあ、奴らの例の計画はどこまで、進んでいるんだ？」

「もう、発動しても、おかしくないですよ。それなのに、奴らは何故か実行に移しません。どうしてでしょうか？」

「鍵は、僕が君を助けた際、奴らが、君の両親を使って実験していた、輪廻転生か。奴らは惨いことをする幼い女の子の前で平然と実験をするなんて。しかし、奴らは、その術の開発に、手間取っているみたいだね」

「本当に死人が生き返るでしょうか？　確か、輪廻転生はメリオダスの開発途中だったと言われている術らしいですね」

「君の報告では、大半は、スケルトンやマミーといった魔術生物になってしまうそうだな」

「たまに成功することがあるみたいですね」

「となると、奴らが計画を実行させる条件は、その輪廻転生にあるようだな。」

「……そう考えると、奴らが計画を実行させる鍵は、輪廻転生の術の完成にあるようだね。それまでに、けりを付けなければな。あの子の生きる世界を作るために、この神をも否定する呪われた大地を壊さなければならない……」



第十八章　闇に染まった英雄　完