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第十七章 忌まわしき過去
17-6 エドナサイド
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何とか、大きな鳥さんの魔物を倒したあたし達は、引き続き、セシルのお城へ向かって走っているところなんだよ。
だけど、森の中は足場が悪いから、走っている最中に、何度か転んじゃったんだよ。カチュアさん達は、なんで、転ばないで走れるのかな?
「ん? 皆、ちょっと待って」
アイラさんの停止の掛け声で、走っていた皆の足が止まったんだよ。
「はわわ!!!」
ドーーーーーーーン!!!
急なことだから、足のブレーキが利かなくなって、転んじゃったんだよ。
はうう。あたしは、こんな時に何やっているんだろう?
「どうしたんですか? アイラさん。今は引かないと……」
「……おかしい。コルネリアは全く、動く気配がない。放たれた魔物は撃破されていたことは目視していたはずなのに」
確かに、コルネリア軍の方々は、あたしが遠くから見ている限り、全然進んでいく感じはしなかったんだよ。国境付近で待機しているんだよ。
ところで、これが、アイラさんが言う、どこがおかしい光景何だろう?
「もしかして、また魔物を放つのでは?」
そんな中、カチュアさんが大剣を持って構えたんだよ。
「また、来るわよ~。皆、気を付けて~」
カチュアさんが、そう言うと、コルネリア軍の人達がいるところから、また鳥さんが飛んできたんだよ。そして、セシル方面へ飛んで来たんだよ。
だけど……。
「今度は違う鳥が飛んできたんだよ! あれも、魔物の分類かな?」
そうなんだよ! さっき、カチュアさんと撃ち落とした鳥さんの魔物とはまた違った、鳥さんなんだよ! でも、やっぱり、大きい鳥さんなんだよ。あの鳥さんも、魔物なのかな?
「あれは……」
ルナちゃんが、じぃーと、こっちに向かって来ている、鳥さんを見つめているんだよ。
「エドナちゃん」
カチュアさんが、あたしに声を掛けたんだよ。
あ! そっか!
「また、あの鳥さんを倒すんですね! 待っていてください! 今取り出すんだよ!」
あたしが鎖の付いた矢を取り出そうしたんだよ。だけど、カチュアさんが首を横に振ったんだよ。
「だめよ~。ルナちゃんと、アニーちゃんの顔色が悪いわ~」
ルナちゃんとアニーさんの顔を見ると、難しいことを考えているような顔をしているんだよ。
「カチュアが、早とちりしない人でよかった。その通りだ。あれは下手に撃ち落とさない方が……」
「いいえ! どの道、手遅れです。この魔力の流れは既に発動されています」
はうう? セシル方面に向かって飛んでいる鳥さん達の体が燃え始めたんだよ。燃える鳥かな? でも、苦しそうに暴れているんだよ。自ら燃えているわけには見えないんだよ。
あ! 燃えた鳥さんが落ちたんだよ。その下は……森? はうう! まずいんだよ! このままじゃあ……。
ボォォォォォォォォーーーーーー!!!
燃えた鳥が森の中に落ちてきて、燃えやすい樹木に火が付いたから、森がどんどんと燃え始めたんだよ。さらに、空に飛んでいた鳥さんも、どんどん燃え始めて落ちてきて、さらに火の海がどんどん広がってきたんだよ。
「何の!!? この光景は!!?」
「あの鳥の魔物は下級魔物ですが、体内には、燃えやすい成分の体液を所有していて、それを利用した火の魔術で攻撃してくるんです」
ルナちゃんは怖い顔をしながら、説明してくれたんだよ。
「つまり、そいつに、爆薬か何かをくっつけて、遠隔魔術で爆発していたのか!?」
「下級魔物ですから、体は余り丈夫ではありませんから、爆破させて、体内の燃えやすい成分の液体を出させたことによって、さらに爆発するってことです」
「森を燃やすことを前提に考えていたなら、さっき飛んできた、鳥の魔物は火の魔術を扱うか、爆発する類かもしれない。カチュアの蒼い炎で機能しなくなったみたいだが」
どんどんと、燃えている鳥の魔物が落下していって、火の海が広がってきているんだよ。
「森が! 酷いんだよ! どんどん燃えているんだよ!」
「これが、あのゲス皇帝のやり方ですよ」
アイラさんの顔が今に出も、怒りだしそうな顔をしているんだよ。
「どういうことですか?」
「あいつは、勝つためなら、手段は選ばないんだ。元から、あのゲス皇帝には、後継権はなかったんだが、完全に失ったのは、以前に、あのゲスが将として、行った戦いの時に、今の光景のような策を平然として、実行させる非道さからなんだ」
アイラさんが怒っているのかな? 表情を見ても普段通りだけど口調から、その怒っている感じが伝わってくるんだよ。
でも、こんな酷いことをして、喜ぶ人なんていないんだよ。命を何とも思わない人の行動なんだよ!
「ん~。どーやら、引いている場合じゃなさそうね~」
「カチュアさん?」
「わたし達の走る速さじゃ、あの燃やされちゃう鳥さんの、飛ぶ速さには勝てないわ~。ここはナギちゃんがセシルの人達に知らせることを信じて、コルネリアと魔物の進行を止めるしかなさそうだわ~」
「でも、この炎上をどうするの?」
「カチュアさんの蒼い炎でなんとかなりならないッスか?」
「そーね~」
カチュアさんの大剣から蒼い炎が現れたんだよ。それで火の海に横振りをしたんだよ。
だけど、消えた感じはしないんだよ。
「この火からは、魔力が感じません。魔術で起こした火には魔力を感じられますが、燃え移った火には、魔力が感じられないんです。恐らく、魔力が含んでいないと、カチュアさんの蒼い炎で打ち消すことができないと思われます。」
ルナちゃんが詳しく説明してくれているんだけど、あたしには、さっぱり、分からないんだよ! 分かったことは、この火の海は、カチュアの蒼い炎では消せないことしか、理解できないんだよ。
「困ったわね~。でも、何とかしないとだわ~。ん~、どーしようかしら~。ん~……」
火の海を見ていたカチュアさんは、今度は空を見上げたんだよ。
「ん~。火を消すにはやっぱり水かしら~? ……そうだわ~。雨を降らせるわ~」
「そっか。雨で火を消すんですね!」
「いや! どうやって? そんな都合よく、雨何て降らせるわけないだろ!?」
「そーね~。ん~……」
考え込んだカチュアさんは、あたしとルナちゃんを見つめているんだよ。
「そーだわ~。雨を降らせるのは、エドナちゃん~、ルナちゃんにお願いするわ~」
「え? どうして、あたしとルナちゃんですか? あたし、雨を降らせることはできないんだよ」
「……ああ~。なんとなくわかりました」
はうう! ルナちゃんは分かったの? あたしは全く分からないんだよ!
「あたしとルナちゃんがどうやって?」
「魔術を使うんですよね?」
「あたし、水の魔術は使えないんだよ」
「ルナだって、あの火の海を消せる程の、広範囲の水の魔術は使えません。だから、エドナさんの風の魔術を組み合わせて使うんですよ」
「組み合わせて? どういうことですか?」
「エドナちゃんの風の魔術を使って、ルナちゃんの水の魔術を空高く打ち上げるのよ~」
「ん~……」
ルナちゃんの説明を頭の中で整理している最中なんだよ。
つまり……。
「そっか! 分かったんだよ」
つまり、あたしとルナちゃんの魔術を組み合わせればいいんだね? ……これで合っているんだよね?
「それなら、私も水の魔術を使えるッス」
「オレも扱えるよ」
「スイレンちゃんとアニーちゃんはわたし達の支援をお願いしたいわ~。敵さんは森を燃やすだけでは気が済まないから~」
だけど、森の中は足場が悪いから、走っている最中に、何度か転んじゃったんだよ。カチュアさん達は、なんで、転ばないで走れるのかな?
「ん? 皆、ちょっと待って」
アイラさんの停止の掛け声で、走っていた皆の足が止まったんだよ。
「はわわ!!!」
ドーーーーーーーン!!!
急なことだから、足のブレーキが利かなくなって、転んじゃったんだよ。
はうう。あたしは、こんな時に何やっているんだろう?
「どうしたんですか? アイラさん。今は引かないと……」
「……おかしい。コルネリアは全く、動く気配がない。放たれた魔物は撃破されていたことは目視していたはずなのに」
確かに、コルネリア軍の方々は、あたしが遠くから見ている限り、全然進んでいく感じはしなかったんだよ。国境付近で待機しているんだよ。
ところで、これが、アイラさんが言う、どこがおかしい光景何だろう?
「もしかして、また魔物を放つのでは?」
そんな中、カチュアさんが大剣を持って構えたんだよ。
「また、来るわよ~。皆、気を付けて~」
カチュアさんが、そう言うと、コルネリア軍の人達がいるところから、また鳥さんが飛んできたんだよ。そして、セシル方面へ飛んで来たんだよ。
だけど……。
「今度は違う鳥が飛んできたんだよ! あれも、魔物の分類かな?」
そうなんだよ! さっき、カチュアさんと撃ち落とした鳥さんの魔物とはまた違った、鳥さんなんだよ! でも、やっぱり、大きい鳥さんなんだよ。あの鳥さんも、魔物なのかな?
「あれは……」
ルナちゃんが、じぃーと、こっちに向かって来ている、鳥さんを見つめているんだよ。
「エドナちゃん」
カチュアさんが、あたしに声を掛けたんだよ。
あ! そっか!
「また、あの鳥さんを倒すんですね! 待っていてください! 今取り出すんだよ!」
あたしが鎖の付いた矢を取り出そうしたんだよ。だけど、カチュアさんが首を横に振ったんだよ。
「だめよ~。ルナちゃんと、アニーちゃんの顔色が悪いわ~」
ルナちゃんとアニーさんの顔を見ると、難しいことを考えているような顔をしているんだよ。
「カチュアが、早とちりしない人でよかった。その通りだ。あれは下手に撃ち落とさない方が……」
「いいえ! どの道、手遅れです。この魔力の流れは既に発動されています」
はうう? セシル方面に向かって飛んでいる鳥さん達の体が燃え始めたんだよ。燃える鳥かな? でも、苦しそうに暴れているんだよ。自ら燃えているわけには見えないんだよ。
あ! 燃えた鳥さんが落ちたんだよ。その下は……森? はうう! まずいんだよ! このままじゃあ……。
ボォォォォォォォォーーーーーー!!!
燃えた鳥が森の中に落ちてきて、燃えやすい樹木に火が付いたから、森がどんどんと燃え始めたんだよ。さらに、空に飛んでいた鳥さんも、どんどん燃え始めて落ちてきて、さらに火の海がどんどん広がってきたんだよ。
「何の!!? この光景は!!?」
「あの鳥の魔物は下級魔物ですが、体内には、燃えやすい成分の体液を所有していて、それを利用した火の魔術で攻撃してくるんです」
ルナちゃんは怖い顔をしながら、説明してくれたんだよ。
「つまり、そいつに、爆薬か何かをくっつけて、遠隔魔術で爆発していたのか!?」
「下級魔物ですから、体は余り丈夫ではありませんから、爆破させて、体内の燃えやすい成分の液体を出させたことによって、さらに爆発するってことです」
「森を燃やすことを前提に考えていたなら、さっき飛んできた、鳥の魔物は火の魔術を扱うか、爆発する類かもしれない。カチュアの蒼い炎で機能しなくなったみたいだが」
どんどんと、燃えている鳥の魔物が落下していって、火の海が広がってきているんだよ。
「森が! 酷いんだよ! どんどん燃えているんだよ!」
「これが、あのゲス皇帝のやり方ですよ」
アイラさんの顔が今に出も、怒りだしそうな顔をしているんだよ。
「どういうことですか?」
「あいつは、勝つためなら、手段は選ばないんだ。元から、あのゲス皇帝には、後継権はなかったんだが、完全に失ったのは、以前に、あのゲスが将として、行った戦いの時に、今の光景のような策を平然として、実行させる非道さからなんだ」
アイラさんが怒っているのかな? 表情を見ても普段通りだけど口調から、その怒っている感じが伝わってくるんだよ。
でも、こんな酷いことをして、喜ぶ人なんていないんだよ。命を何とも思わない人の行動なんだよ!
「ん~。どーやら、引いている場合じゃなさそうね~」
「カチュアさん?」
「わたし達の走る速さじゃ、あの燃やされちゃう鳥さんの、飛ぶ速さには勝てないわ~。ここはナギちゃんがセシルの人達に知らせることを信じて、コルネリアと魔物の進行を止めるしかなさそうだわ~」
「でも、この炎上をどうするの?」
「カチュアさんの蒼い炎でなんとかなりならないッスか?」
「そーね~」
カチュアさんの大剣から蒼い炎が現れたんだよ。それで火の海に横振りをしたんだよ。
だけど、消えた感じはしないんだよ。
「この火からは、魔力が感じません。魔術で起こした火には魔力を感じられますが、燃え移った火には、魔力が感じられないんです。恐らく、魔力が含んでいないと、カチュアさんの蒼い炎で打ち消すことができないと思われます。」
ルナちゃんが詳しく説明してくれているんだけど、あたしには、さっぱり、分からないんだよ! 分かったことは、この火の海は、カチュアの蒼い炎では消せないことしか、理解できないんだよ。
「困ったわね~。でも、何とかしないとだわ~。ん~、どーしようかしら~。ん~……」
火の海を見ていたカチュアさんは、今度は空を見上げたんだよ。
「ん~。火を消すにはやっぱり水かしら~? ……そうだわ~。雨を降らせるわ~」
「そっか。雨で火を消すんですね!」
「いや! どうやって? そんな都合よく、雨何て降らせるわけないだろ!?」
「そーね~。ん~……」
考え込んだカチュアさんは、あたしとルナちゃんを見つめているんだよ。
「そーだわ~。雨を降らせるのは、エドナちゃん~、ルナちゃんにお願いするわ~」
「え? どうして、あたしとルナちゃんですか? あたし、雨を降らせることはできないんだよ」
「……ああ~。なんとなくわかりました」
はうう! ルナちゃんは分かったの? あたしは全く分からないんだよ!
「あたしとルナちゃんがどうやって?」
「魔術を使うんですよね?」
「あたし、水の魔術は使えないんだよ」
「ルナだって、あの火の海を消せる程の、広範囲の水の魔術は使えません。だから、エドナさんの風の魔術を組み合わせて使うんですよ」
「組み合わせて? どういうことですか?」
「エドナちゃんの風の魔術を使って、ルナちゃんの水の魔術を空高く打ち上げるのよ~」
「ん~……」
ルナちゃんの説明を頭の中で整理している最中なんだよ。
つまり……。
「そっか! 分かったんだよ」
つまり、あたしとルナちゃんの魔術を組み合わせればいいんだね? ……これで合っているんだよね?
「それなら、私も水の魔術を使えるッス」
「オレも扱えるよ」
「スイレンちゃんとアニーちゃんはわたし達の支援をお願いしたいわ~。敵さんは森を燃やすだけでは気が済まないから~」
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