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第十六章 一匹狼の将
16-1 ユミルサイド
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わたくしとソフィアさんは、カチュアさん達とコルネリア帝国内にあるロンド村で、一旦別れて、ソフィア場へ戻ってきましたわ。お父様からコルネリア帝国の現状を聞きに行くために。
城の門から入ると。
「おおおおお!! 帰ってきたか!!! 愛しき娘よ!」
そこには、見知らぬ男性が!
「きゃーーー!!! 不審者ーーー!!! 誰か助けてくださーい!!!」
思わず、叫んでしまいましたわ。
「いや~、よく見てくれ。どこからどう見ても、君の父お……」
不審者が何か、言いかけようとした、ところで。
ビリビリビリビリ!!!
「ぎゃあああああ!!!」
悲鳴を上げる不審者。ソフィアさんがその不審者に雷の魔術を浴びせましたわ。
真っ黒に焦げた、不審者は床へ倒れていきましたわ。
「安心してください。不審者を退治しておきましたので」
「よかったですわ」
「不審者じゃないって……」
不審者が立ち上がったところで、ソフィアさんが。
「黙れ! 臭い息まき散らすな」
「はい! すみません」
不審者が黙り込んじゃいましたわ。それにしても、この不審者、お父様に似ているような気がしますわ。
「ところで、現在のコルネリアはどうなっているんですか?」
あれ? 何で、ソフィアさんは、不審者にコルネリアの状況を聞くんでしょか? こういう、大事な話を怪しい人にするものではない、はずですわ。
「それが……」
不審者が何か、言いかけようとした、ところで。
「臭いし、その息には、毒がありそうから、口開くなら、匂いが届かないところまで距離取ってから口を開いてください」
「あ……はい……」
不審者は、自身の顔が見えなくなるまで、わたくし達から離れていきましたわ。
「しかし、そなたも、ユーリアスに似てきたな。出会ったばかりの、そなたは、豪快で子だったな。とても、今のようなクールでは……」
離れていたためわたくし達に聞こえるように、大声を出しています。
ユーリアスというのは、わたくしの亡くなったお兄様の名前ですわ。
「なんか言った? エロ親父?」
「あ……、何でもないです。はい」
「話進めろ」
「あ……、はい……」
何だか、可哀そうになってきましたわ。
「実は新たな皇帝即位の後、シグマからの連絡が途切れたんだ」
「まずいですね。皇帝になったのは、あのゲスを極めることに全力に注いだと有名な野郎です。あまり、シグマをよく思っていないはずです」
「じゃあ、ルナちゃんのお兄さんやロゼッタさんも危ないのでは?」
「そう言えば、帝都では、妖精族の目撃されたと噂があったそうだが、何か知っているか?」
「以前、エドナという方が訪れたのを覚えていますか?」
「ああ。あの小柄ながら、大人なソフィアくんを上回る程の立派な乳を持った……」
ビリビリビリビリ!!!
「ぎゃあああああ!!!」
再び、ソフィアさんに雷の魔術を浴びせられ、悲鳴を上げる不審者
さらに、真っ黒に焦げた、不審者は床へ倒れていきましたわ。
「その方が妖精族です。頭に巻いていたスカーフで耳を隠していたようで」
「そうだったのか」
また、立ち上がりましたわ。あの雷の魔術は、明らかに、人に向けるような威力じゃないのに、それをまともに喰らって、無事でいられるなんて。
「そう言えば、わしの師であるゼクゥンス殿が妖精族の女の子を預かっていると話されたことがあったな」
ゼクゥンスさんって、確か、二十年前の戦いで、わたくしの父とシグマ様と一緒に、当時、悪帝に支配されていた、セシル王国を解放したとされている風の賢者の異名を持つお方でしたよね? 父様の師である人のはずなんですが、この不審者さんもお父様の師でしたのね。
あれ? チラッと見たら、この不審者さん、お父様に似ているような気がします。
「それ、本当ですか?」
「ああ。やり取りは殆ど手紙で、師匠はどこかの村で隠居生活をしていたな。色々事情があって、住んでいる村の名前は伏せられていたんだ」
「まさか、その妖精族がエドナちゃんだったのかな」
不審者と話している途中で、慌てた、様子のソフィア兵の方が、わたくし達の元へ駆けつけて来ましたわ。
「大変です」
「何かあった?」
「コルネリア軍が攻めてきました」
「何だって?」
城の門から入ると。
「おおおおお!! 帰ってきたか!!! 愛しき娘よ!」
そこには、見知らぬ男性が!
「きゃーーー!!! 不審者ーーー!!! 誰か助けてくださーい!!!」
思わず、叫んでしまいましたわ。
「いや~、よく見てくれ。どこからどう見ても、君の父お……」
不審者が何か、言いかけようとした、ところで。
ビリビリビリビリ!!!
「ぎゃあああああ!!!」
悲鳴を上げる不審者。ソフィアさんがその不審者に雷の魔術を浴びせましたわ。
真っ黒に焦げた、不審者は床へ倒れていきましたわ。
「安心してください。不審者を退治しておきましたので」
「よかったですわ」
「不審者じゃないって……」
不審者が立ち上がったところで、ソフィアさんが。
「黙れ! 臭い息まき散らすな」
「はい! すみません」
不審者が黙り込んじゃいましたわ。それにしても、この不審者、お父様に似ているような気がしますわ。
「ところで、現在のコルネリアはどうなっているんですか?」
あれ? 何で、ソフィアさんは、不審者にコルネリアの状況を聞くんでしょか? こういう、大事な話を怪しい人にするものではない、はずですわ。
「それが……」
不審者が何か、言いかけようとした、ところで。
「臭いし、その息には、毒がありそうから、口開くなら、匂いが届かないところまで距離取ってから口を開いてください」
「あ……はい……」
不審者は、自身の顔が見えなくなるまで、わたくし達から離れていきましたわ。
「しかし、そなたも、ユーリアスに似てきたな。出会ったばかりの、そなたは、豪快で子だったな。とても、今のようなクールでは……」
離れていたためわたくし達に聞こえるように、大声を出しています。
ユーリアスというのは、わたくしの亡くなったお兄様の名前ですわ。
「なんか言った? エロ親父?」
「あ……、何でもないです。はい」
「話進めろ」
「あ……、はい……」
何だか、可哀そうになってきましたわ。
「実は新たな皇帝即位の後、シグマからの連絡が途切れたんだ」
「まずいですね。皇帝になったのは、あのゲスを極めることに全力に注いだと有名な野郎です。あまり、シグマをよく思っていないはずです」
「じゃあ、ルナちゃんのお兄さんやロゼッタさんも危ないのでは?」
「そう言えば、帝都では、妖精族の目撃されたと噂があったそうだが、何か知っているか?」
「以前、エドナという方が訪れたのを覚えていますか?」
「ああ。あの小柄ながら、大人なソフィアくんを上回る程の立派な乳を持った……」
ビリビリビリビリ!!!
「ぎゃあああああ!!!」
再び、ソフィアさんに雷の魔術を浴びせられ、悲鳴を上げる不審者
さらに、真っ黒に焦げた、不審者は床へ倒れていきましたわ。
「その方が妖精族です。頭に巻いていたスカーフで耳を隠していたようで」
「そうだったのか」
また、立ち上がりましたわ。あの雷の魔術は、明らかに、人に向けるような威力じゃないのに、それをまともに喰らって、無事でいられるなんて。
「そう言えば、わしの師であるゼクゥンス殿が妖精族の女の子を預かっていると話されたことがあったな」
ゼクゥンスさんって、確か、二十年前の戦いで、わたくしの父とシグマ様と一緒に、当時、悪帝に支配されていた、セシル王国を解放したとされている風の賢者の異名を持つお方でしたよね? 父様の師である人のはずなんですが、この不審者さんもお父様の師でしたのね。
あれ? チラッと見たら、この不審者さん、お父様に似ているような気がします。
「それ、本当ですか?」
「ああ。やり取りは殆ど手紙で、師匠はどこかの村で隠居生活をしていたな。色々事情があって、住んでいる村の名前は伏せられていたんだ」
「まさか、その妖精族がエドナちゃんだったのかな」
不審者と話している途中で、慌てた、様子のソフィア兵の方が、わたくし達の元へ駆けつけて来ましたわ。
「大変です」
「何かあった?」
「コルネリア軍が攻めてきました」
「何だって?」
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