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第十四章 親と子
14-9 エドナサイド
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初めて、村長さんから魔術を教わったことを思い出した、あたし。心のケアなんて、治癒術は教わったことないんだよ。だから、あたしなりに、カチュアさんの心をケアするようなイメージで詠唱をして見るんだよ。
でも、その前に、カチュアさんに治癒術を掛けるためにも、ガロンの動きを止めないとなんだよ。村長さんに教えてくれた、あたしだけしか使えない、魔術を使えば、きっと、ガロンの動きを止められるはずなんだよ。
その魔術をイメージをするんだよ。どんな強敵でも、動きを封じる魔術を。
お願い! カチュアさんを助けて! あたしは、すたさら、詠唱を唱えているんだよ。
一方。ガロンの侵攻を食い止めているマリンさんは。
「ぐおおおおおお!!!」
ガロンはマリンさんの放った黒い光線を耐えきったんだよ。
「そんな……」
ガロンはすぐさま、あたし達のところまで走ってきたんだよ
「ぐぅ! あきらめるものかよ!」
マリンさんが叫びながら、ガロン目掛けて、鎌を向けたんだよ。だけど、ガロンは拳を向けると拳から風を「ピュー」と吹き出して、マリンさんを吹き飛ばしたんだよ。
「雑魚が」
地面に叩きつけられたマリンに、さらに拳で殴りかかろうとしたんだよ。
マリンさんが危ないんだよ。あたしだって、あきらめないんだよ。カチュアさんを助けるために、まずは、ガロンの動きを止めるんだよ!
お願い! 上手くいって! あたしは魔術を発動させたんだよ。
カッチーーーン!
「ぐぐ!?」
あたしは無我夢中で魔術を発動。それは、緑色の宝石がガロンを包み込んだんだよ。
「ガロンを閉じ込めている? 見たことのない系統の魔術だな。動きを封じる魔術のようだが……封じる? もしかして、これって、封印術? 何で、エドナが封印術を使えるんだ? これはメリオダスの考案した魔術じゃなかったのか?」
緑色の宝石から「ぐぐぐ」と唸り声が聞こえるんだよ。
「まさか! 封印術は、元々妖精族の力で、それをメリオダスが応用したものがサリナを封印した術なのか?」
何が起きているかわからないんだけど、村長さんの言ったことを思い出すんだよ。ガロンが動けない今、カチュアさんに治癒術を掛けるんだよ。
「カチュアさん、正気に戻って!」
カチュアさん周辺に風が吹きあがる。
突然、あたしの頭の中から、とても悲惨な光景が映し出されたんだよ。ガロンが色んな人々を殺している光景が。それも、とても人とは思えない程、冷たい顔をしながら。心までも冷たく感じて来るんだよ。カチュアさんにも、この光景が見えているのかな? あたしまで、気分が悪くなりそうなんだよ。でも、カチュアさんを助けないと。きっと、カチュアさんは、これ以上の悲惨な光景を見ているに違いないんだよ。
お願い。
見えていた悲惨な光景が徐々に消えていったんだよ。そして、あの悲惨な光景が見えなくなっただよ。
「はあ、はあ、はあ」
とても、疲れたんだよ。治癒術を使う元気はもうないんだよ。
「ありがと、エドナちゃん」
カチュアさんの体から出ていた黒い炎がいつもの、蒼い炎に戻ったんだよ。よかったんだよ。カチュアの顔色がよくなったんだよ。
カチュアさんは蒼い炎を使うたび、あんな光景を見ていたのかな? あの光景が一番人の感情が敏感に感じられるんだよ。あのガロンの冷たい心も。人を殺すのに躊躇いもない。寧ろ、人を殺すのを当たり前のように感じたんだよ。こんなの見たくないんだよ。
でも。
「よかったんだよ。カチュアさんが無事で」
「まだ、終わりじゃないわ~」
さっきから、緑色の宝石から「ピキピキ」という割れたような音が聞こえるんだよ。緑色の宝石が壊れそうなんだよ。
「どうしよう!」
「今のガロンは障壁はもうないはずだ」
「なら、片づけましょ~。もう、顔も見たくないから~」
カチュアさんはガロンを閉じ込めた、緑色の宝石に手をあてたんだよ。
「いくわ~!」
ぼおおおおおおおおおお!!!
緑色の宝石全体は、蒼い炎に包まれていったんだよ。
「がああああああ!!!」
パッキーーーーン!!!
割れた緑色の宝石からガロンが出てきたんだよ。そのまま、うつ伏せになって倒れたんだよ。
「やったのか?」
「まだ、生きているわ~。でも、もう一歩も歩けないわ~」
「そっか。じゃあ、いこう。こいつに構っている暇はないから」
あたし達は先に進まうとしたんだよ。
「なぜ殺さん! 情けなどいらん!」
ガロンが叫び出したんだよ。
「わたしには、わからないわ~。折角の命なのに。あなたは、ヴァルダン王とコルネリア皇帝と違って、完全に魔物化にならなかったのに~」
「そんなことどうでもいい! 今俺と戦え! どっちかが、死ぬまで戦は終わらない! それが戦だ!!」
「あなたが中心で世界を動かせるものと思わないで~。自分らしく、生きることは素晴らしいわ~。でも、それは、相手も同じだわ~。相手に迷惑かけてまで、自分の生き方を通すって、さすがに身勝手だわ~。それが、あなたのやり方なら、あなたは、殺さないわ~」
「ガロン! 相手を殺して解決するのは、誰だってできる。だが、それ以上に、話し合いで解決するのは一番難しいんだ。若い頃の親父やシグマはその難しいことをやり遂げていたんだ。お前はそんな簡単な道しか進めなかった。お前如きが親父とシグマを見下せられると思うなよ」
ガロンはまだ、何か大声でいっているようなだけど、あたし達は気にしないで先に進んでいったんだよ。
でも、その前に、カチュアさんに治癒術を掛けるためにも、ガロンの動きを止めないとなんだよ。村長さんに教えてくれた、あたしだけしか使えない、魔術を使えば、きっと、ガロンの動きを止められるはずなんだよ。
その魔術をイメージをするんだよ。どんな強敵でも、動きを封じる魔術を。
お願い! カチュアさんを助けて! あたしは、すたさら、詠唱を唱えているんだよ。
一方。ガロンの侵攻を食い止めているマリンさんは。
「ぐおおおおおお!!!」
ガロンはマリンさんの放った黒い光線を耐えきったんだよ。
「そんな……」
ガロンはすぐさま、あたし達のところまで走ってきたんだよ
「ぐぅ! あきらめるものかよ!」
マリンさんが叫びながら、ガロン目掛けて、鎌を向けたんだよ。だけど、ガロンは拳を向けると拳から風を「ピュー」と吹き出して、マリンさんを吹き飛ばしたんだよ。
「雑魚が」
地面に叩きつけられたマリンに、さらに拳で殴りかかろうとしたんだよ。
マリンさんが危ないんだよ。あたしだって、あきらめないんだよ。カチュアさんを助けるために、まずは、ガロンの動きを止めるんだよ!
お願い! 上手くいって! あたしは魔術を発動させたんだよ。
カッチーーーン!
「ぐぐ!?」
あたしは無我夢中で魔術を発動。それは、緑色の宝石がガロンを包み込んだんだよ。
「ガロンを閉じ込めている? 見たことのない系統の魔術だな。動きを封じる魔術のようだが……封じる? もしかして、これって、封印術? 何で、エドナが封印術を使えるんだ? これはメリオダスの考案した魔術じゃなかったのか?」
緑色の宝石から「ぐぐぐ」と唸り声が聞こえるんだよ。
「まさか! 封印術は、元々妖精族の力で、それをメリオダスが応用したものがサリナを封印した術なのか?」
何が起きているかわからないんだけど、村長さんの言ったことを思い出すんだよ。ガロンが動けない今、カチュアさんに治癒術を掛けるんだよ。
「カチュアさん、正気に戻って!」
カチュアさん周辺に風が吹きあがる。
突然、あたしの頭の中から、とても悲惨な光景が映し出されたんだよ。ガロンが色んな人々を殺している光景が。それも、とても人とは思えない程、冷たい顔をしながら。心までも冷たく感じて来るんだよ。カチュアさんにも、この光景が見えているのかな? あたしまで、気分が悪くなりそうなんだよ。でも、カチュアさんを助けないと。きっと、カチュアさんは、これ以上の悲惨な光景を見ているに違いないんだよ。
お願い。
見えていた悲惨な光景が徐々に消えていったんだよ。そして、あの悲惨な光景が見えなくなっただよ。
「はあ、はあ、はあ」
とても、疲れたんだよ。治癒術を使う元気はもうないんだよ。
「ありがと、エドナちゃん」
カチュアさんの体から出ていた黒い炎がいつもの、蒼い炎に戻ったんだよ。よかったんだよ。カチュアの顔色がよくなったんだよ。
カチュアさんは蒼い炎を使うたび、あんな光景を見ていたのかな? あの光景が一番人の感情が敏感に感じられるんだよ。あのガロンの冷たい心も。人を殺すのに躊躇いもない。寧ろ、人を殺すのを当たり前のように感じたんだよ。こんなの見たくないんだよ。
でも。
「よかったんだよ。カチュアさんが無事で」
「まだ、終わりじゃないわ~」
さっきから、緑色の宝石から「ピキピキ」という割れたような音が聞こえるんだよ。緑色の宝石が壊れそうなんだよ。
「どうしよう!」
「今のガロンは障壁はもうないはずだ」
「なら、片づけましょ~。もう、顔も見たくないから~」
カチュアさんはガロンを閉じ込めた、緑色の宝石に手をあてたんだよ。
「いくわ~!」
ぼおおおおおおおおおお!!!
緑色の宝石全体は、蒼い炎に包まれていったんだよ。
「がああああああ!!!」
パッキーーーーン!!!
割れた緑色の宝石からガロンが出てきたんだよ。そのまま、うつ伏せになって倒れたんだよ。
「やったのか?」
「まだ、生きているわ~。でも、もう一歩も歩けないわ~」
「そっか。じゃあ、いこう。こいつに構っている暇はないから」
あたし達は先に進まうとしたんだよ。
「なぜ殺さん! 情けなどいらん!」
ガロンが叫び出したんだよ。
「わたしには、わからないわ~。折角の命なのに。あなたは、ヴァルダン王とコルネリア皇帝と違って、完全に魔物化にならなかったのに~」
「そんなことどうでもいい! 今俺と戦え! どっちかが、死ぬまで戦は終わらない! それが戦だ!!」
「あなたが中心で世界を動かせるものと思わないで~。自分らしく、生きることは素晴らしいわ~。でも、それは、相手も同じだわ~。相手に迷惑かけてまで、自分の生き方を通すって、さすがに身勝手だわ~。それが、あなたのやり方なら、あなたは、殺さないわ~」
「ガロン! 相手を殺して解決するのは、誰だってできる。だが、それ以上に、話し合いで解決するのは一番難しいんだ。若い頃の親父やシグマはその難しいことをやり遂げていたんだ。お前はそんな簡単な道しか進めなかった。お前如きが親父とシグマを見下せられると思うなよ」
ガロンはまだ、何か大声でいっているようなだけど、あたし達は気にしないで先に進んでいったんだよ。
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