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第十四章 親と子
14-回想 エドナサイド
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あたしが七歳の頃だったかな?
あたしが将来、旅に出る条件である、旅に必要な、知識や技術を、身に付けことなんだよ。
村の皆教わっているんだよ。その日は村長さんに教えてくれる番だったんだよ。確か、その内容は……。
「ソンチョーさん。今日は何をおしえてくれるんですか?」
「今日は何と魔術を教えようと思って」
「はわわ。ついにエドにマジュツをおしえてくれるんですね」
すると、村長さんは、なぜか後ろに振る向いたんだよ。
「まあ、ほんとは教えたくはない。なんせ、ドジで何をやらかすからな。でも……」
小声で何ていったか聞こえなかったんだよ。
「なんか、言った?」
「いや! なんでも! それよりも、お主にこれを渡そう」
村長さんは、綺麗な石が二つ付いた腕輪を取り出したんだよ。
「これ、何なの?」
「これは魔道具だ。これがあれば、魔術が使えるんだ」
「この綺麗な石は?」
「それは、魔石だ。魔術を扱うために必要な石。ただし、使い手の適正にあった、魔石ではないと、効果が現れない。エドナの場合は、風と治癒の適切がある」
「じゃあ、エドは風と治癒のマジュツが扱えるんだね。でも、ソンチョーさんは、すごいんだよ! あたしが扱えるマジュツを知っているんだから」
「まあ、うん、そうだね……。ただ、残念なことに、この村には、治癒が扱える者が誰もいないんだ」
「はうう! じゃあ、エドは、チユジュツは使えないの?」
「まあ、治癒が扱える者は希少で、治癒術の原動力となる聖石は治癒の性質がない者が触れただけでも、壊れてしまう。ワシの知り合いの奥方が治癒を扱えられるから、今度、頼んでみるか。忙しいと思うが。そう言えば、その知り合い夫婦には、二人の男女の子供がいるんだ。妹の方は、エドナと年齢は近かったはずだな」
「そうなの? 会ってみたいんだよ」
「結構人見知りみたいだな。兄の方は、大人相手でも、容赦ない毒舌家で、父親相手でも、ボロクソ言っていたな。スケベなあいつが悪いんだけどな」
「愉快な人達なんだね」
「お主は相変わらず、呑気じゃの。まあ、それは、もういいか。代わりになるか分からないが、治癒術の極意を教えてやろうか」
「分かったんだよ」
「治癒は傷を治すとイメージしやすいが、傷は治しても心を負った傷までは癒せない」
「ん? 心? シンゾウってこと?」
「ん~。感情だな。楽しいとか、うれしいとか。例えば、悲しい出来事があったとする。人によるが、それが心の傷と思えばいい。その悲しみは傷を治す治癒術では治せない。一応、心ケアする治癒術はあるが、ただ、術は発動すればいいのではなく、発動者が対象者の心の傷を理解して、向き合い、心をケアするんだ。それで……」
「はうう。分からないよ~」
「今のエドナでは、難しい話か。治癒術はこのへんにしておこう。次は風邪の魔術だな。ワシは風の魔術が扱えるから、教えられるぞ。だが、ワシには、扱えない、エドナにしか扱えない術があるんだ」
「エドにしか扱えないマジュツ!? 何だが、特別感があるんだよ」
「そうだろ? だが、エドナにしか使えないことあって、披露が出来ないんだよ。だから口でしか説明できないんだ」
「そっか~、わっかたんだよ。どんなの?」
「戦いを終わらせるものだ。何でも、強敵すら動きを封じるらしい」
「ん~。実感が湧かなないんだよ」
「実物は見ていないからな。まあ、それ以外の風の魔術を教えるぞ。まずはワイがお手本を見せてやろう」
「はーい。お願いします」
これからあたしは、あたしが初めて、魔術を使うことになったんだよ。
結局、治癒術が使える村長さんの知り合いに合うことが出来なかったんだよ。でも、治癒術を使えないはずの村長さんが、村長さんなりに治癒術を使うイメージを教えてくれて、何とか使えるようになったんだよ。
そう言えば、村長さんが言っていた、あたしにしか使えない、魔術って結局どういうのだったのかな?
それに、治癒術の極意の心をケアって。ただ、術は発動するだけでなく、発動者が対象者の心の傷を理解して、向き合うんだけ? 何となく、それができれば、今苦しんでいるカチュアさんを救えるかもしれない。
あたしが将来、旅に出る条件である、旅に必要な、知識や技術を、身に付けことなんだよ。
村の皆教わっているんだよ。その日は村長さんに教えてくれる番だったんだよ。確か、その内容は……。
「ソンチョーさん。今日は何をおしえてくれるんですか?」
「今日は何と魔術を教えようと思って」
「はわわ。ついにエドにマジュツをおしえてくれるんですね」
すると、村長さんは、なぜか後ろに振る向いたんだよ。
「まあ、ほんとは教えたくはない。なんせ、ドジで何をやらかすからな。でも……」
小声で何ていったか聞こえなかったんだよ。
「なんか、言った?」
「いや! なんでも! それよりも、お主にこれを渡そう」
村長さんは、綺麗な石が二つ付いた腕輪を取り出したんだよ。
「これ、何なの?」
「これは魔道具だ。これがあれば、魔術が使えるんだ」
「この綺麗な石は?」
「それは、魔石だ。魔術を扱うために必要な石。ただし、使い手の適正にあった、魔石ではないと、効果が現れない。エドナの場合は、風と治癒の適切がある」
「じゃあ、エドは風と治癒のマジュツが扱えるんだね。でも、ソンチョーさんは、すごいんだよ! あたしが扱えるマジュツを知っているんだから」
「まあ、うん、そうだね……。ただ、残念なことに、この村には、治癒が扱える者が誰もいないんだ」
「はうう! じゃあ、エドは、チユジュツは使えないの?」
「まあ、治癒が扱える者は希少で、治癒術の原動力となる聖石は治癒の性質がない者が触れただけでも、壊れてしまう。ワシの知り合いの奥方が治癒を扱えられるから、今度、頼んでみるか。忙しいと思うが。そう言えば、その知り合い夫婦には、二人の男女の子供がいるんだ。妹の方は、エドナと年齢は近かったはずだな」
「そうなの? 会ってみたいんだよ」
「結構人見知りみたいだな。兄の方は、大人相手でも、容赦ない毒舌家で、父親相手でも、ボロクソ言っていたな。スケベなあいつが悪いんだけどな」
「愉快な人達なんだね」
「お主は相変わらず、呑気じゃの。まあ、それは、もういいか。代わりになるか分からないが、治癒術の極意を教えてやろうか」
「分かったんだよ」
「治癒は傷を治すとイメージしやすいが、傷は治しても心を負った傷までは癒せない」
「ん? 心? シンゾウってこと?」
「ん~。感情だな。楽しいとか、うれしいとか。例えば、悲しい出来事があったとする。人によるが、それが心の傷と思えばいい。その悲しみは傷を治す治癒術では治せない。一応、心ケアする治癒術はあるが、ただ、術は発動すればいいのではなく、発動者が対象者の心の傷を理解して、向き合い、心をケアするんだ。それで……」
「はうう。分からないよ~」
「今のエドナでは、難しい話か。治癒術はこのへんにしておこう。次は風邪の魔術だな。ワシは風の魔術が扱えるから、教えられるぞ。だが、ワシには、扱えない、エドナにしか扱えない術があるんだ」
「エドにしか扱えないマジュツ!? 何だが、特別感があるんだよ」
「そうだろ? だが、エドナにしか使えないことあって、披露が出来ないんだよ。だから口でしか説明できないんだ」
「そっか~、わっかたんだよ。どんなの?」
「戦いを終わらせるものだ。何でも、強敵すら動きを封じるらしい」
「ん~。実感が湧かなないんだよ」
「実物は見ていないからな。まあ、それ以外の風の魔術を教えるぞ。まずはワイがお手本を見せてやろう」
「はーい。お願いします」
これからあたしは、あたしが初めて、魔術を使うことになったんだよ。
結局、治癒術が使える村長さんの知り合いに合うことが出来なかったんだよ。でも、治癒術を使えないはずの村長さんが、村長さんなりに治癒術を使うイメージを教えてくれて、何とか使えるようになったんだよ。
そう言えば、村長さんが言っていた、あたしにしか使えない、魔術って結局どういうのだったのかな?
それに、治癒術の極意の心をケアって。ただ、術は発動するだけでなく、発動者が対象者の心の傷を理解して、向き合うんだけ? 何となく、それができれば、今苦しんでいるカチュアさんを救えるかもしれない。
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