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第十三章 三姉妹
13-10 エドナサイド
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あたし達は、巨大な二足歩行のドラゴンの、目の前へ着いたんだよ。
「近くで見ると大きんだよ」
だけど、今までの、あたしが出会ったドラゴンとは雰囲気が違ったんだよ。ドラゴンの体から禍々しい、黒いオーラが出ているんだよ。何だが、怖いんだよ。
「大きいわね~」
「ん~、デカいな」
「うん! デカいな! あはははははは!!」
「三姉妹揃って、呑気過ぎるな! こんなの目の前にしたような、反応じゃないよ!」
「チーちゃん程じゃないよ」
「チーお姉ちゃんじゃないから、少しビビっているよ」
「本当に大きいわね~」
はうう。カチュアさん三姉妹達はこのドラゴンを前にしても、怖がっている感じがしないんだよ。
だけど、このドラゴンさんは、カチュアさんが言うには、マリンさんのお父さんなんだよね? 倒さなくっちゃダメなのかな?
ふっと、ドラゴンさんの後ろ側を見ると、誰かいるんだよ。
「あそこに誰かいるよ!」
あたしが、その人を指で刺すと、マリンさんがそれを見ると。
「シグマ! ドラゴンを追ってきたのか?」
シグマさんだったみたいなんだよ。よく見たら、ドラゴンの周りには、人が沢山倒れていたんだよ。しかし、血まみれだったんだよ。
「はうう……」
「エドナ大丈夫が?」
サリナさんが心配して声を掛けてくれたんだよ。
「あまり、大丈夫じゃないんだよ」
「皇女様達は、そのシグマとかいう男を、お願いするわ。わたし達があのドラゴンを引き寄せる」
アンリの喋りが早すぎるんだけど、何となく聞き取れたんだよ。シグマさんの救出をするんだよ。さっそく、あたしとマリンさんは、シグマさんの元へ向かったんだよ。だけど。
「グォぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ドラゴンさんは、あたし達目掛けて、口から黒い炎の球を吐き出したんだよ。
シュパーーーン!!!
「ここは、蒼い炎よね~。エドナちゃん、今の内よ~」
いつの間にか、あたし達の、目の前に、カチュアさんが現れたんだよ。そして、蒼い炎を纏った大剣で、黒い炎の球を、切り裂いたんだよ。
「あ! はいなんだよ!」
「気を付けろよ!」
あたし達は気を取り直して、シグマさんの元へ向かって走り出したんだよ。
「やっぱり、お姉ちゃんだ。蒼い炎が使えるなんて」
「蒼い炎は、あのドラゴンには有効。だからといって、チーちゃんにだけに任せられない」
アンリさんは、先ほど、ドラゴンさんを撃ち落とした、巨大な弓を構えたんだよ。
「ドラゴンキラーの矢を温存しておきたい。何でもいい、傷を負わせれば、いい。悔しいけど、リリカ! チーちゃんの援護を!」
「了解!」
リリカさんは、ドラゴンさんの元へ走り出したんだよ。
一方、あたし達は、カチュアさん達の援護で、シグマさんの元へたどり着いたんだよ。
「シグマ!」
「皇女様!? ここは、危ないです」
「取り敢えず、ここから離れよう!」
「危ない!」
その声が聞こえると、また、黒い炎の球が、あたし達の方へ向かってきたんだよ。
「サリナさん!? その手は?」
サリナさんの左腕が、まるで、魔物の顔のようになっていたんだよ。
「魔物化した腕だ。だが、話は後だ!」
「分かったんだよ!」
あたしは、シグマさんに治癒術を掛けたんだよ。
「すまない」
傷は塞がったんだよ。だけど、痛みは治まらないみたいなんだよ。シグマさんは、治癒術を掛けた後でも、右手で左肩を抑えているんだよ。
「妾達は、シグマを連れて、ここから離れよう」
「分かったんだよ」
マリンさんとシグマさんとでは、体格差はあるんだけど、マリンさんはシグマさんの腕を肩に乗せて、あたし達はその場から離れていくんだよ。
一方、カチュアさん達は。
「それいくよ!!」
リリカさんの手に持っているのは、傘かな? その傘を振り払うと、同時に、津波が発生したんだよ。
「グォぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
また、黒い炎の球を、リリカさん目掛けて放ったんだよ。それも、何発も。
ドカーン!!! ドカーン!!! ドカーン!!!
はうう。リリカさんに命中しちゃったんだよ。だけど、リリカさんは、ビクとも、動かなかったんだよ。なんで?
リリカさんの傘は、ドラゴンの方へ広げていたんだよ。その広げた傘で、ドラゴンの黒い炎の球を、受け止めていたんだよ。
無事でよかったんだよ。
「やったなー!!!」
「いや! 激しい攻撃を受け止めていたとはいえ、『やったなー』で済ませるのかよ」
「今度は接近戦で攻めるよ!」
「さっきも、接近戦じゃなかった?」
リリカさんは傘の先っぽを手を掴むと、先っぽが蓋のように取れたんだよ。抜けたところには、鋭く尖った針だったんだよ。
「グォぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ドラゴンは、拳で、リリカさん目掛けて、殴り掛かろうとしたんだよ。
「それじゃあ、いくよー!」
リリカさんは、連続で、針の付いた針で、ドラゴンの拳を受け止めたんだよ。カチュアさんの妹さんのことあって、リリカさんも物凄い力の持ち主なんだよ。
「チ―お姉ちゃん、お願い! わたしは、受け止めるだけで精一杯よ」
「分かったわ~」
ドーーーン!!!
カチュアさんは、ドラゴンの頭まで高くジャンプしたんだよ。ドラゴンの頭まで、飛ぶと、カチュアさんは思い切り蹴りを入れたんだよ。
ドドドドドドドドドン!!!
蹴られたドラゴンが後方へ吹き飛ばされていったんだよ。
「どう姉貴?」
「一応、拳に傷は付いているが、深傷じゃないな」
「お姉ちゃん、もう一回言って~」
「だから、今はそれどごろじゃないだろ! もしかして、その針は、ドラゴンキラー?」
「そうです。ですが、やはり、ドラゴンの皮膚はそう簡単には貫けません」
「カチュアがそれを使ったらいいのでは?」
「この傘は、チーお姉ちゃんの力では耐えきれません。チーお姉ちゃんが使ったら、壊れます。わたしの力でギリギリ耐えるぐらいの耐久性です。それに、ドラゴンキラーはせめて、柄を付けないと、そのまま、持ったら、ドラゴンキラーは灰になります」
「そう、うまくいかないか」
はうう。倒れていたドラゴンが立ち上がったんだよ。
「近くで見ると大きんだよ」
だけど、今までの、あたしが出会ったドラゴンとは雰囲気が違ったんだよ。ドラゴンの体から禍々しい、黒いオーラが出ているんだよ。何だが、怖いんだよ。
「大きいわね~」
「ん~、デカいな」
「うん! デカいな! あはははははは!!」
「三姉妹揃って、呑気過ぎるな! こんなの目の前にしたような、反応じゃないよ!」
「チーちゃん程じゃないよ」
「チーお姉ちゃんじゃないから、少しビビっているよ」
「本当に大きいわね~」
はうう。カチュアさん三姉妹達はこのドラゴンを前にしても、怖がっている感じがしないんだよ。
だけど、このドラゴンさんは、カチュアさんが言うには、マリンさんのお父さんなんだよね? 倒さなくっちゃダメなのかな?
ふっと、ドラゴンさんの後ろ側を見ると、誰かいるんだよ。
「あそこに誰かいるよ!」
あたしが、その人を指で刺すと、マリンさんがそれを見ると。
「シグマ! ドラゴンを追ってきたのか?」
シグマさんだったみたいなんだよ。よく見たら、ドラゴンの周りには、人が沢山倒れていたんだよ。しかし、血まみれだったんだよ。
「はうう……」
「エドナ大丈夫が?」
サリナさんが心配して声を掛けてくれたんだよ。
「あまり、大丈夫じゃないんだよ」
「皇女様達は、そのシグマとかいう男を、お願いするわ。わたし達があのドラゴンを引き寄せる」
アンリの喋りが早すぎるんだけど、何となく聞き取れたんだよ。シグマさんの救出をするんだよ。さっそく、あたしとマリンさんは、シグマさんの元へ向かったんだよ。だけど。
「グォぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ドラゴンさんは、あたし達目掛けて、口から黒い炎の球を吐き出したんだよ。
シュパーーーン!!!
「ここは、蒼い炎よね~。エドナちゃん、今の内よ~」
いつの間にか、あたし達の、目の前に、カチュアさんが現れたんだよ。そして、蒼い炎を纏った大剣で、黒い炎の球を、切り裂いたんだよ。
「あ! はいなんだよ!」
「気を付けろよ!」
あたし達は気を取り直して、シグマさんの元へ向かって走り出したんだよ。
「やっぱり、お姉ちゃんだ。蒼い炎が使えるなんて」
「蒼い炎は、あのドラゴンには有効。だからといって、チーちゃんにだけに任せられない」
アンリさんは、先ほど、ドラゴンさんを撃ち落とした、巨大な弓を構えたんだよ。
「ドラゴンキラーの矢を温存しておきたい。何でもいい、傷を負わせれば、いい。悔しいけど、リリカ! チーちゃんの援護を!」
「了解!」
リリカさんは、ドラゴンさんの元へ走り出したんだよ。
一方、あたし達は、カチュアさん達の援護で、シグマさんの元へたどり着いたんだよ。
「シグマ!」
「皇女様!? ここは、危ないです」
「取り敢えず、ここから離れよう!」
「危ない!」
その声が聞こえると、また、黒い炎の球が、あたし達の方へ向かってきたんだよ。
「サリナさん!? その手は?」
サリナさんの左腕が、まるで、魔物の顔のようになっていたんだよ。
「魔物化した腕だ。だが、話は後だ!」
「分かったんだよ!」
あたしは、シグマさんに治癒術を掛けたんだよ。
「すまない」
傷は塞がったんだよ。だけど、痛みは治まらないみたいなんだよ。シグマさんは、治癒術を掛けた後でも、右手で左肩を抑えているんだよ。
「妾達は、シグマを連れて、ここから離れよう」
「分かったんだよ」
マリンさんとシグマさんとでは、体格差はあるんだけど、マリンさんはシグマさんの腕を肩に乗せて、あたし達はその場から離れていくんだよ。
一方、カチュアさん達は。
「それいくよ!!」
リリカさんの手に持っているのは、傘かな? その傘を振り払うと、同時に、津波が発生したんだよ。
「グォぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
また、黒い炎の球を、リリカさん目掛けて放ったんだよ。それも、何発も。
ドカーン!!! ドカーン!!! ドカーン!!!
はうう。リリカさんに命中しちゃったんだよ。だけど、リリカさんは、ビクとも、動かなかったんだよ。なんで?
リリカさんの傘は、ドラゴンの方へ広げていたんだよ。その広げた傘で、ドラゴンの黒い炎の球を、受け止めていたんだよ。
無事でよかったんだよ。
「やったなー!!!」
「いや! 激しい攻撃を受け止めていたとはいえ、『やったなー』で済ませるのかよ」
「今度は接近戦で攻めるよ!」
「さっきも、接近戦じゃなかった?」
リリカさんは傘の先っぽを手を掴むと、先っぽが蓋のように取れたんだよ。抜けたところには、鋭く尖った針だったんだよ。
「グォぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ドラゴンは、拳で、リリカさん目掛けて、殴り掛かろうとしたんだよ。
「それじゃあ、いくよー!」
リリカさんは、連続で、針の付いた針で、ドラゴンの拳を受け止めたんだよ。カチュアさんの妹さんのことあって、リリカさんも物凄い力の持ち主なんだよ。
「チ―お姉ちゃん、お願い! わたしは、受け止めるだけで精一杯よ」
「分かったわ~」
ドーーーン!!!
カチュアさんは、ドラゴンの頭まで高くジャンプしたんだよ。ドラゴンの頭まで、飛ぶと、カチュアさんは思い切り蹴りを入れたんだよ。
ドドドドドドドドドン!!!
蹴られたドラゴンが後方へ吹き飛ばされていったんだよ。
「どう姉貴?」
「一応、拳に傷は付いているが、深傷じゃないな」
「お姉ちゃん、もう一回言って~」
「だから、今はそれどごろじゃないだろ! もしかして、その針は、ドラゴンキラー?」
「そうです。ですが、やはり、ドラゴンの皮膚はそう簡単には貫けません」
「カチュアがそれを使ったらいいのでは?」
「この傘は、チーお姉ちゃんの力では耐えきれません。チーお姉ちゃんが使ったら、壊れます。わたしの力でギリギリ耐えるぐらいの耐久性です。それに、ドラゴンキラーはせめて、柄を付けないと、そのまま、持ったら、ドラゴンキラーは灰になります」
「そう、うまくいかないか」
はうう。倒れていたドラゴンが立ち上がったんだよ。
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