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第十三章 三姉妹
13ー2 ナギサイド
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何とか、へルディアの王、ディーンの救出に成功した、カチュア達。だが、まだ、コルネリアとへルディアの問題が、解決したわけではない。寧ろ、ディーンの奪還で、さらなる、戦が起きるかも、しれないが、未だに、その動きがなかった。不信だと思った、アニーが再び、コルネリアへ偵察に向かった。
アニーが戻ってくる、それまで、カチュア達は、というと。
「海ッス!! 久しぶりの海ッス!!」
「海なんて、初めて見るんだよ!!」
戦闘続きのため、アニーが偵察から戻るまで、休暇を取ることに。そして、カチュア、エドナ、ルナ、スイレン、そして、この私サリナは、海辺に来ていた。
海に来ているからと言って、水着回というわけではないので。……誰に言っているんだ?
主に、海辺で遊んでいるのはスイレンとエドナだけ。
スイレンは海に入って泳いでいる。普段着のままで泳いでいるんだけど、彼女はドレスは耐水性だから、水を弾く、らしい。それにしても、人魚族ということあって、泳ぎはうまい。
エドナは足に水を付かるだけ。エドナも普段着のままだが、耐水性じゃないから濡れたら大変だ。寧ろ、転び率九十九パーセントのエドナこそ、耐水性の服を着るべきでは?
ピー! ピー!
浜辺に、飛んでいた鳥が降りてきた。如何にも、飛ぶのが苦手そうな、鳥だ。だって、鳥とは思えない程、太っているから。
「あれって、何ですか?」
「デブネコというッス」
「はうう? 猫ちゃん? でも、あれ、鳥なんだよ! 何で、猫ちゃんの名前が付いているの?」
「私も分からないッス」
「美味しいのかな?」
「デブネコのお肉は、凄くマズイって話ッス! 何でも、自身のお肉を不味くするために、太ったという話があるッス!」
「はうう。あんなに、お肉が取れそうなのに、残念なんだよ」
デブネコという鳥の肉が、食べられそうもないため、落ち込むエドナ。
しかし、デブネコね。あれの命名者、ティアなんだよな。鴎の一種のウミネコが太っているから、そう命名したんだよな。懐かしいな。ティアのネーミングセンスに。
「元気ですね」
「まあね」
私とルナは浜辺から離れたところで、くつろいでいた。え? カチュアはどこかって? それは……。
「……対して、こっちは」
「ぐう~。すかぴ~」
私の隣で寝ていやがる。戦い続きだから、疲れているだろうね。でも、そこで寝ているのがエドナじゃなくってよかった。
だって、エドナは壊滅的に寝相が悪いんだ。その悪さは、あのカチュアですら、手に負えないほど。カチュアの中にいた頃は、見ていただけだか、本当に恐ろしいものだ。
「それにしても、ん~」
ルナが私の体をじーと、見つめている。
「どうした?」
「あの髪飾りから人型になったなんて。……美化とかしていないですか?」
「鏡で見たんだけど、私は元からこの形だ」
美化できるなら、元の自分に似せて、こんな小柄で貧相な体型じゃなくって! 長身で、ウェスト細目のダイナマイトバディになっているよ! そう、カチュアのように。まあ、カチュアは、私が思っていたよりか、長身ではないんだ。意外と。
「でも、まさか、人型になった途端に、記憶が戻るなんて」
「自分の自声を聞いたら、徐々に記憶が蘇ってきたんだ。それ以前にも、夢で自分の記憶を見ていたんだ。恐らく、最初に、人型にならなかったのは、記憶がなかったからでしょうね」
「あなたが本当に、サリナなら、あなたの体はもうないでしょ」
「私は昔の人間だからね」
私と仲間が当時の厄災を倒したのは、もう、大分昔だからね。
「しかし、世の中、変わっているものだな。まあ、当然か。私が眠っている間、こんなに、英雄伝説が残っていたなんて」
私が英雄の仲間として、残されていたのは、驚きだったよ。しかも、よりによって二つ名が『賢者』だよ。一番、私には似合わないよ。私の仲間で一番、二つ名が似合ったのは、『弓聖』のヒスイだけだよ。なんせ、放った矢を外した、ところなんて、見たことないぐらい、弓の腕前は良かったから。ティアは性格だけなら『聖女』に相応しい。勿論、『聖女』の二つ名だから、治癒術は使える。使えるんだけど……。うん、治癒術で魔物を蹴散らしていたから、恐ろしいんだ。バルンクは『勇者』と呼ばれていたんだけど、それは初めの内だ。
「あなたは、かつて、厄災を倒した英雄の一人でしたが、その厄災が、どんな存在だったんですか?」
「此間の古ぼけた砦で一晩過ごしていた時に、ルナが話していた通り、ヤバイ存在だったよ」
「一方歩けば、周りの生命力を吸い上げる凶悪な魔物でしたっけ?」
「魔物。そう言われているけど、魔物なら、ある可能性があるでしょ」
「どういうこと? ……まさか!」
「魔物化した人間」
「そんな……」
「ありえない話ではない。現に、魔物化した人間を見てきたでしょ?」
「……そうですね。確か、サリナさんも、封印される、きっかけは、魔物化が原因でしたね」
「魔物化は器を移しても、ダメなんだ。魔物化は体ではなく、心に侵食するんだ」
「だから、時間を止めて、封印するしかなかった」
まだ、未完成の術だったから、カチュアの中にいた頃は、私がカチュアを使って喋る際、体力が奪われたり、急に表に出て喋ったりと、安定はしなかった。
あれ? そう言えば、ティアはあれ以降、どこに行ったんだ?
「話が変わりますが、あなたの話は本当なんですか? 勇者バルンクが仲間殺しをしたと」
「私とティアの目の前で、ヒスイを殺したんだ」
「元から、そんなことする人だったんですか?」
「いや、バルンクは気のいい奴だったよ。元々は、体を動かすのが、苦手な奴だ。でも、手先が器用で創作が好きなんだ」
「想像できないですね」
「だか、どんどん、性格が歪んできてきたんだ」
「よく聞く話ですね」
「確かに、あいつは段々、性格が歪んできたんだ。厄災との戦い時には、私の知るバルンクではなくなってしまった」
私とルナが話していると。
「あー。いたー」
ギルティが現れた。
「ギルティさん。どうしたんですか?」
「アニーが呼んでいるから、皆んなを呼びにきた」
「分かりました。今行きます。エドナさーん、スイレンさーん行きますよ!」
ルナがエドナとスイレンを呼ぶ。
「はーい。分かったんだよ」「はーい、分かったッス」
海辺で遊んでいた二人が、私達のいる、ところまで走ってきた。
「って! エドナさん! どうしたんですか!」
エドナの体がびしょ濡れになっていた。
「はうう。転んで、海に入っちゃったんだよ。海の水はしょっぱいんだよ! それに、他の水よりもベトベトするんだよ」
まあ、いつものことか。やっぱり、エドナは転ぶこと前提に替えの服とか用意しないとか。
「取り敢えず、お城に戻って着替えよー。それよりも、この子起こさないと」
「ん~、お昼ごはんはまだかしら~?」
まだ、寝ているよ。
「カチュアさーん。起きてください」
ルナが声を掛けるが。
「ん~。すぴ~。……後、一秒~」
「一秒で起きれた試しないだろ!」
私は大きなため息をした。
「先行っていて、私はカチュアが起きたら戻るね」
「分かったんだよ」
エドナ達は、先にへルディア王へ戻っていった。
エドナ達が先に王宮へ戻ってから、一人、カチュアが起きるまで待っていた。
そして、ようやく。
「ふわあ~~~。よく寝たわ~」
何分どころか、何時間後に起きれたよ。
「やっと、起き上がったか。全く! 戦闘時は反応が早いのに」
「それよりも、ナギちゃん」
「何?」
「もしかして、ナギちゃん達が倒した厄災って、ナギちゃんの知り合い?」
「何で?」
「なんか、分かっていたみたいだったわ~」
こいつ、私達の話を聞いていたのか? てか、寝ている振りをしていたのか?
「あれ? あれは、夢だったかしら~。ん~ルナちゃんと深刻そうな話をしたわ~。……ん~」
あ! カチュアは私の隣で寝ていたんだ。その横で私とルナの会話していたから、夢で出てきたのか? もはやそれ、特殊能力ではないか?
「でもいいわ~。無理に聞き出したりしないわ~」
「……私の仲間だった」
「……やっぱり。辛かったでしょ」
「いや。当時は気づかなかったんだ。厄災を倒した後の旅で真実に気づいたんだ。でも、やっぱり、ショックだった。知らずに、仲間を殺したんだから」
「感情を表に出してもいいのよ~」
「いいよ。当時にいっぱい泣いたから」
「……それなら、いいわ~」
「それをいうなら、カチュア、あんたもなんでも背負うんじゃないよ」
「ん~? 急にどーしたの?」
「いや? なんでもない」
「ん~?」
アニーが戻ってくる、それまで、カチュア達は、というと。
「海ッス!! 久しぶりの海ッス!!」
「海なんて、初めて見るんだよ!!」
戦闘続きのため、アニーが偵察から戻るまで、休暇を取ることに。そして、カチュア、エドナ、ルナ、スイレン、そして、この私サリナは、海辺に来ていた。
海に来ているからと言って、水着回というわけではないので。……誰に言っているんだ?
主に、海辺で遊んでいるのはスイレンとエドナだけ。
スイレンは海に入って泳いでいる。普段着のままで泳いでいるんだけど、彼女はドレスは耐水性だから、水を弾く、らしい。それにしても、人魚族ということあって、泳ぎはうまい。
エドナは足に水を付かるだけ。エドナも普段着のままだが、耐水性じゃないから濡れたら大変だ。寧ろ、転び率九十九パーセントのエドナこそ、耐水性の服を着るべきでは?
ピー! ピー!
浜辺に、飛んでいた鳥が降りてきた。如何にも、飛ぶのが苦手そうな、鳥だ。だって、鳥とは思えない程、太っているから。
「あれって、何ですか?」
「デブネコというッス」
「はうう? 猫ちゃん? でも、あれ、鳥なんだよ! 何で、猫ちゃんの名前が付いているの?」
「私も分からないッス」
「美味しいのかな?」
「デブネコのお肉は、凄くマズイって話ッス! 何でも、自身のお肉を不味くするために、太ったという話があるッス!」
「はうう。あんなに、お肉が取れそうなのに、残念なんだよ」
デブネコという鳥の肉が、食べられそうもないため、落ち込むエドナ。
しかし、デブネコね。あれの命名者、ティアなんだよな。鴎の一種のウミネコが太っているから、そう命名したんだよな。懐かしいな。ティアのネーミングセンスに。
「元気ですね」
「まあね」
私とルナは浜辺から離れたところで、くつろいでいた。え? カチュアはどこかって? それは……。
「……対して、こっちは」
「ぐう~。すかぴ~」
私の隣で寝ていやがる。戦い続きだから、疲れているだろうね。でも、そこで寝ているのがエドナじゃなくってよかった。
だって、エドナは壊滅的に寝相が悪いんだ。その悪さは、あのカチュアですら、手に負えないほど。カチュアの中にいた頃は、見ていただけだか、本当に恐ろしいものだ。
「それにしても、ん~」
ルナが私の体をじーと、見つめている。
「どうした?」
「あの髪飾りから人型になったなんて。……美化とかしていないですか?」
「鏡で見たんだけど、私は元からこの形だ」
美化できるなら、元の自分に似せて、こんな小柄で貧相な体型じゃなくって! 長身で、ウェスト細目のダイナマイトバディになっているよ! そう、カチュアのように。まあ、カチュアは、私が思っていたよりか、長身ではないんだ。意外と。
「でも、まさか、人型になった途端に、記憶が戻るなんて」
「自分の自声を聞いたら、徐々に記憶が蘇ってきたんだ。それ以前にも、夢で自分の記憶を見ていたんだ。恐らく、最初に、人型にならなかったのは、記憶がなかったからでしょうね」
「あなたが本当に、サリナなら、あなたの体はもうないでしょ」
「私は昔の人間だからね」
私と仲間が当時の厄災を倒したのは、もう、大分昔だからね。
「しかし、世の中、変わっているものだな。まあ、当然か。私が眠っている間、こんなに、英雄伝説が残っていたなんて」
私が英雄の仲間として、残されていたのは、驚きだったよ。しかも、よりによって二つ名が『賢者』だよ。一番、私には似合わないよ。私の仲間で一番、二つ名が似合ったのは、『弓聖』のヒスイだけだよ。なんせ、放った矢を外した、ところなんて、見たことないぐらい、弓の腕前は良かったから。ティアは性格だけなら『聖女』に相応しい。勿論、『聖女』の二つ名だから、治癒術は使える。使えるんだけど……。うん、治癒術で魔物を蹴散らしていたから、恐ろしいんだ。バルンクは『勇者』と呼ばれていたんだけど、それは初めの内だ。
「あなたは、かつて、厄災を倒した英雄の一人でしたが、その厄災が、どんな存在だったんですか?」
「此間の古ぼけた砦で一晩過ごしていた時に、ルナが話していた通り、ヤバイ存在だったよ」
「一方歩けば、周りの生命力を吸い上げる凶悪な魔物でしたっけ?」
「魔物。そう言われているけど、魔物なら、ある可能性があるでしょ」
「どういうこと? ……まさか!」
「魔物化した人間」
「そんな……」
「ありえない話ではない。現に、魔物化した人間を見てきたでしょ?」
「……そうですね。確か、サリナさんも、封印される、きっかけは、魔物化が原因でしたね」
「魔物化は器を移しても、ダメなんだ。魔物化は体ではなく、心に侵食するんだ」
「だから、時間を止めて、封印するしかなかった」
まだ、未完成の術だったから、カチュアの中にいた頃は、私がカチュアを使って喋る際、体力が奪われたり、急に表に出て喋ったりと、安定はしなかった。
あれ? そう言えば、ティアはあれ以降、どこに行ったんだ?
「話が変わりますが、あなたの話は本当なんですか? 勇者バルンクが仲間殺しをしたと」
「私とティアの目の前で、ヒスイを殺したんだ」
「元から、そんなことする人だったんですか?」
「いや、バルンクは気のいい奴だったよ。元々は、体を動かすのが、苦手な奴だ。でも、手先が器用で創作が好きなんだ」
「想像できないですね」
「だか、どんどん、性格が歪んできてきたんだ」
「よく聞く話ですね」
「確かに、あいつは段々、性格が歪んできたんだ。厄災との戦い時には、私の知るバルンクではなくなってしまった」
私とルナが話していると。
「あー。いたー」
ギルティが現れた。
「ギルティさん。どうしたんですか?」
「アニーが呼んでいるから、皆んなを呼びにきた」
「分かりました。今行きます。エドナさーん、スイレンさーん行きますよ!」
ルナがエドナとスイレンを呼ぶ。
「はーい。分かったんだよ」「はーい、分かったッス」
海辺で遊んでいた二人が、私達のいる、ところまで走ってきた。
「って! エドナさん! どうしたんですか!」
エドナの体がびしょ濡れになっていた。
「はうう。転んで、海に入っちゃったんだよ。海の水はしょっぱいんだよ! それに、他の水よりもベトベトするんだよ」
まあ、いつものことか。やっぱり、エドナは転ぶこと前提に替えの服とか用意しないとか。
「取り敢えず、お城に戻って着替えよー。それよりも、この子起こさないと」
「ん~、お昼ごはんはまだかしら~?」
まだ、寝ているよ。
「カチュアさーん。起きてください」
ルナが声を掛けるが。
「ん~。すぴ~。……後、一秒~」
「一秒で起きれた試しないだろ!」
私は大きなため息をした。
「先行っていて、私はカチュアが起きたら戻るね」
「分かったんだよ」
エドナ達は、先にへルディア王へ戻っていった。
エドナ達が先に王宮へ戻ってから、一人、カチュアが起きるまで待っていた。
そして、ようやく。
「ふわあ~~~。よく寝たわ~」
何分どころか、何時間後に起きれたよ。
「やっと、起き上がったか。全く! 戦闘時は反応が早いのに」
「それよりも、ナギちゃん」
「何?」
「もしかして、ナギちゃん達が倒した厄災って、ナギちゃんの知り合い?」
「何で?」
「なんか、分かっていたみたいだったわ~」
こいつ、私達の話を聞いていたのか? てか、寝ている振りをしていたのか?
「あれ? あれは、夢だったかしら~。ん~ルナちゃんと深刻そうな話をしたわ~。……ん~」
あ! カチュアは私の隣で寝ていたんだ。その横で私とルナの会話していたから、夢で出てきたのか? もはやそれ、特殊能力ではないか?
「でもいいわ~。無理に聞き出したりしないわ~」
「……私の仲間だった」
「……やっぱり。辛かったでしょ」
「いや。当時は気づかなかったんだ。厄災を倒した後の旅で真実に気づいたんだ。でも、やっぱり、ショックだった。知らずに、仲間を殺したんだから」
「感情を表に出してもいいのよ~」
「いいよ。当時にいっぱい泣いたから」
「……それなら、いいわ~」
「それをいうなら、カチュア、あんたもなんでも背負うんじゃないよ」
「ん~? 急にどーしたの?」
「いや? なんでもない」
「ん~?」
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