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第十一章 ヘルディアの傭兵
11ー11 メリアパート
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「お前が首謀者のダンか!」
ようやく見つけた! このコルネリアとへルディアの戦争の黒幕、ダンを!
「あんたの狙いは分かっている! 本来はあんたらはコルネリアの反乱軍! 何で、ヘルディアを巻き込む!」
「ふん! あんな国があっては、俺らの生活は一方に楽にはならねえ。それなのに、この国はヴァルダンのように攻めたりしない。だから、働きかけたのさ」
外道な発言をするダン。すると、カチュアが口を開いた。
「ん~。それで、戦いたくない人を巻き込むなんて、誰もあなたには、従わないわ~。おまけに、あなたは、他人同士で戦わせて自分では、何もしていないわ~。仮にあなたが王様になっても、直ぐに国は滅びるわ~」
「黙れ!」
カチュアに正論を言われて怒鳴り散らすダン。
「こうなったら、こいつに始末させよう」
ダンがレバーを下に下ろす。すると、部屋の奥にあったシャッタが上がっていく。そこには大きな鳥の姿が現れた。それに加えて、尾の部分が蛇の頭部になっている。あれは確か……。
「何あれ!?」
「コケコケコという、尾が蛇になっている飛ばない鳥系の魔物だ。ネーミングセンスは壊滅的だが、それに反して凶暴な魔物だ。鉄さえ、口から腐食させる液体を吐き出す」
手ごわい魔物だ。俺は動物は好きだが、魔物を嫌いだ。それは置いといて、それにしても。
「魔物か。最後まで、他人の力頼りか」
「人じゃなくって、魔物だわ~」
「ということは、他魔物なんだよ!」
「ボケている場合か」
何で、魔物がいる前でそんな呑気にいられるんだよ。この二人は。
「さて! コケコケコ! あいつらを始末しろ!」
コケコケコに指示を出す、ダン。てか、魔物が言うこと聞くのか? 案の定、コケコケコは動こうとしない。
「何をやっている! 早く殺せよ!」
やばい。コケコケコの鳥の部分がこっち見てきている。
「ところで、メリアちゃん~」
「何ですか!? コケコケコがこっち見てきているから後で……」
「あの魔物がご飯食べているところを見たことある~?」
「え? 奴の生態は全く解明されていない。というよりも、魔物の生態は詳しく解明されていないのが大半だ」
「そっか~、わからないか~。じゃあ、あなた、逃げた方がいいわ~」
ダンに行っているのか? 逃げる? コケコケコから? でも、こいつは、俺達をじーと、見つめている。寧ろ、逃げないといけないのは俺達の方だ。
「何を言っている?」
「その魔物の……」
カチュアが言いかけようとしたところ。
パクリ!
「ぐわ!!!」
ゴックン!
嘘!? ダンが丸飲み込まれた? いや、どういうことだ? 食べたのはコケコケコの蛇の部分だ!
「……蛇の方があなたを食べよとしているわ~」
「伝えるの遅いって!」
「あー、首謀者が死んだよ。これで、反乱軍は解散かな?」
「こっちは、解散してくれないみたいだけど」
コケコケコの蛇部分がこっちを見てきている。
「しかし、どういうこと? 蛇の方が捕食したわ」
「わたしも、よく分からないわ~。分かっていることは、あの蛇さんの方に意志はあるんだけど、鳥さんの方は意志を感じられないわ~。蛇さんは食欲が強く感じていたわ~。お腹空いていたのね~」
鳥には意識がない!? どういうこと!? 待て、確か、カチュアはコケコケコの食べているところを見たかと、聞いてきた。そして、蛇の方に食欲が強く感じるって。
「つまり、あの蛇の方が本体ってことか」
まさかの真実。コケコケコはまるで鳥の鳴き声のような名前だ。蛇が本体なら、名前を改正した方がいいのでは? 皆、勘違いしそうだし。鳥と蛇では全く、生体が異なる。……あれ?
「そう言えば、こいつは、鳥の口から液体を出して攻撃をしてくる。蛇の方が本体なら」
つまり、今まで、鳥が本体だと思っていて、蛇が尻尾かと思った。蛇が本体で、その反対方向に鳥に頭が付いている。そして、その鳥の口から出す液体は臭い。ということは……
「こいつの口から出しているのは、排泄物! 汚い!」
「一般的な口から出ても、汚ねえしー」
「ただの排泄物ではないよ、これ! 如何にも、触れたくない物ではなく、触れてはいけない物だ」
「臭いから早く倒すんだよ。カチュアさんの蒼い炎を使えば」
「うう……臭いわ~」
「カチュアさん! しっかり、してください」
「ふらふら、しているじゃない! どうしたの?」匂いには弱いの?」
「……臭いわ~」
「臭すぎて、体が……」
「そっか! カチュアは嗅覚がいいんだっけ?」
カチュアは俺達よりも嗅覚がいいから、通常の何倍も、この匂いは、敏感になるのか。
「わたしの妹ちゃんの方が鼻がいいんだけど、わたしもいい方よ~……ううっ! 臭い」
「嗅覚が良すぎるのも、考えものだな」
偵察スキルの落とし穴か。
やばい! また、臭い液体を吐き出した!
「わ! わ! わ!」
慌てて避ける。
一方、カチュアは剣を含めて、全身に蒼い炎を纏い、放たれた液体を剣で振り払った。
「この臭いのを出され続けたら、防ぐしかないわ~。あれに触れたら、危ないわ~。魔術の類見たいだから、わたしの蒼い炎で防げるわ~。……だけど」
カチュアの体がふらついている。
「カチュアさん!」
「臭いわ~」
「いや~、それでも、攻撃を防ぐなんて!」
幾ら、あの液体に当たらなくっても、匂いは防ぎようがない。
「どうするわけ? これ、当たらなくっても、匂いを嗅ぐだけでも危ないよ」
「氷の魔術で、排泄した、毒物を凍らせれば、少しはマシになるが……。生憎、私は得意のは、火と光。確か、コケコケコの、あの汚物は引火しやすいから、ここで、使うのは危険だ!」
魔物の体液は爆発しやすいのが、大半だ。
「え!? うん!? そーなの!? 分かったわ~」
こんな状況なのに、一人で何話しているんだ?
「蛇さんが本体なら、あの魔物の体質は蛇さんなら、急な温度変化に弱いじゃないかって。ヘルディアの場合は、暑いから、急激に冷やせばいいらしいわ~」
「益々、氷が必要ね。でも、寒さって。私は水の魔術は使えない」
「あたしは風しか使えないんだよ」
「外なら、風は役に立つが、室内では」
打ってなしか。
「カチュアさん達、無事でしたね」
部屋の正当な入り口には、ユミルの姿が。
「臭いですわ!!」
咄嗟に鼻を摘む。
「あ! ユミルちゃん。丁度よかったわ~。あの魔物目掛け、氷系の魔術を放って~」
「え!? 分かりました!」
「強力なので~」
「分かりました!」
状況の分からない彼女だったが、鞘から抜き取った刀を振るうと、冷気が吹いてきた。
てか、威力強すぎないか? 風で羽毛が全部抜けているよ!
でも、コケコケコの動きが止まっている。
「動きが止まりましたわ」
「体の色が変わっている。それに少しだけど、傷っぽいのが付いてるよ」
「魔物の体は基本頑丈だけど、弱点を突けば、傷を負わせられるって、ことか」
「じゃあ~。止めはエドナちゃんに任せるとして、わたしは」
「ナイフに蒼い炎を纏わせるんですね」
ナイフを傷目掛けて投げつけたカチュア。傷口に刺さった。
ナイフには、カチュアと同じ、蒼い炎が。
「カチュアさん。あの蒼い炎はカチュアと離れたら消えてしまうのでは?」
「だから、これよ~」
カチュアの手元には、糸見たいなものが。よく見たら、その糸はあのナイフに繋がっている。
「今よ~。エドナちゃん」
「はい! なんだよ!」
エドナの放った矢は、広がっている傷口に命中した。矢はコケコケコの体に入っていく。
ピィーーー!!
コケコケコは倒れた。
「何とか、倒したけど……くさ!!」
あちらこちらに、液体をばら撒いたから、匂いが充満している。
「カチュアさん達、無事です……ぐっ!」
アニーを含めた、逸れていた、仲間全員が部屋に入ってきた。
「くさ!!」
部屋に入った全員は、鼻をつまんだ。
「ちょっと! お前ら、ふらついているじゃないか!」
マリンのみ、鼻を摘んでいるが、唯一、体をふらつかせていなかった。ああ……意識は薄れてくる……。
ようやく見つけた! このコルネリアとへルディアの戦争の黒幕、ダンを!
「あんたの狙いは分かっている! 本来はあんたらはコルネリアの反乱軍! 何で、ヘルディアを巻き込む!」
「ふん! あんな国があっては、俺らの生活は一方に楽にはならねえ。それなのに、この国はヴァルダンのように攻めたりしない。だから、働きかけたのさ」
外道な発言をするダン。すると、カチュアが口を開いた。
「ん~。それで、戦いたくない人を巻き込むなんて、誰もあなたには、従わないわ~。おまけに、あなたは、他人同士で戦わせて自分では、何もしていないわ~。仮にあなたが王様になっても、直ぐに国は滅びるわ~」
「黙れ!」
カチュアに正論を言われて怒鳴り散らすダン。
「こうなったら、こいつに始末させよう」
ダンがレバーを下に下ろす。すると、部屋の奥にあったシャッタが上がっていく。そこには大きな鳥の姿が現れた。それに加えて、尾の部分が蛇の頭部になっている。あれは確か……。
「何あれ!?」
「コケコケコという、尾が蛇になっている飛ばない鳥系の魔物だ。ネーミングセンスは壊滅的だが、それに反して凶暴な魔物だ。鉄さえ、口から腐食させる液体を吐き出す」
手ごわい魔物だ。俺は動物は好きだが、魔物を嫌いだ。それは置いといて、それにしても。
「魔物か。最後まで、他人の力頼りか」
「人じゃなくって、魔物だわ~」
「ということは、他魔物なんだよ!」
「ボケている場合か」
何で、魔物がいる前でそんな呑気にいられるんだよ。この二人は。
「さて! コケコケコ! あいつらを始末しろ!」
コケコケコに指示を出す、ダン。てか、魔物が言うこと聞くのか? 案の定、コケコケコは動こうとしない。
「何をやっている! 早く殺せよ!」
やばい。コケコケコの鳥の部分がこっち見てきている。
「ところで、メリアちゃん~」
「何ですか!? コケコケコがこっち見てきているから後で……」
「あの魔物がご飯食べているところを見たことある~?」
「え? 奴の生態は全く解明されていない。というよりも、魔物の生態は詳しく解明されていないのが大半だ」
「そっか~、わからないか~。じゃあ、あなた、逃げた方がいいわ~」
ダンに行っているのか? 逃げる? コケコケコから? でも、こいつは、俺達をじーと、見つめている。寧ろ、逃げないといけないのは俺達の方だ。
「何を言っている?」
「その魔物の……」
カチュアが言いかけようとしたところ。
パクリ!
「ぐわ!!!」
ゴックン!
嘘!? ダンが丸飲み込まれた? いや、どういうことだ? 食べたのはコケコケコの蛇の部分だ!
「……蛇の方があなたを食べよとしているわ~」
「伝えるの遅いって!」
「あー、首謀者が死んだよ。これで、反乱軍は解散かな?」
「こっちは、解散してくれないみたいだけど」
コケコケコの蛇部分がこっちを見てきている。
「しかし、どういうこと? 蛇の方が捕食したわ」
「わたしも、よく分からないわ~。分かっていることは、あの蛇さんの方に意志はあるんだけど、鳥さんの方は意志を感じられないわ~。蛇さんは食欲が強く感じていたわ~。お腹空いていたのね~」
鳥には意識がない!? どういうこと!? 待て、確か、カチュアはコケコケコの食べているところを見たかと、聞いてきた。そして、蛇の方に食欲が強く感じるって。
「つまり、あの蛇の方が本体ってことか」
まさかの真実。コケコケコはまるで鳥の鳴き声のような名前だ。蛇が本体なら、名前を改正した方がいいのでは? 皆、勘違いしそうだし。鳥と蛇では全く、生体が異なる。……あれ?
「そう言えば、こいつは、鳥の口から液体を出して攻撃をしてくる。蛇の方が本体なら」
つまり、今まで、鳥が本体だと思っていて、蛇が尻尾かと思った。蛇が本体で、その反対方向に鳥に頭が付いている。そして、その鳥の口から出す液体は臭い。ということは……
「こいつの口から出しているのは、排泄物! 汚い!」
「一般的な口から出ても、汚ねえしー」
「ただの排泄物ではないよ、これ! 如何にも、触れたくない物ではなく、触れてはいけない物だ」
「臭いから早く倒すんだよ。カチュアさんの蒼い炎を使えば」
「うう……臭いわ~」
「カチュアさん! しっかり、してください」
「ふらふら、しているじゃない! どうしたの?」匂いには弱いの?」
「……臭いわ~」
「臭すぎて、体が……」
「そっか! カチュアは嗅覚がいいんだっけ?」
カチュアは俺達よりも嗅覚がいいから、通常の何倍も、この匂いは、敏感になるのか。
「わたしの妹ちゃんの方が鼻がいいんだけど、わたしもいい方よ~……ううっ! 臭い」
「嗅覚が良すぎるのも、考えものだな」
偵察スキルの落とし穴か。
やばい! また、臭い液体を吐き出した!
「わ! わ! わ!」
慌てて避ける。
一方、カチュアは剣を含めて、全身に蒼い炎を纏い、放たれた液体を剣で振り払った。
「この臭いのを出され続けたら、防ぐしかないわ~。あれに触れたら、危ないわ~。魔術の類見たいだから、わたしの蒼い炎で防げるわ~。……だけど」
カチュアの体がふらついている。
「カチュアさん!」
「臭いわ~」
「いや~、それでも、攻撃を防ぐなんて!」
幾ら、あの液体に当たらなくっても、匂いは防ぎようがない。
「どうするわけ? これ、当たらなくっても、匂いを嗅ぐだけでも危ないよ」
「氷の魔術で、排泄した、毒物を凍らせれば、少しはマシになるが……。生憎、私は得意のは、火と光。確か、コケコケコの、あの汚物は引火しやすいから、ここで、使うのは危険だ!」
魔物の体液は爆発しやすいのが、大半だ。
「え!? うん!? そーなの!? 分かったわ~」
こんな状況なのに、一人で何話しているんだ?
「蛇さんが本体なら、あの魔物の体質は蛇さんなら、急な温度変化に弱いじゃないかって。ヘルディアの場合は、暑いから、急激に冷やせばいいらしいわ~」
「益々、氷が必要ね。でも、寒さって。私は水の魔術は使えない」
「あたしは風しか使えないんだよ」
「外なら、風は役に立つが、室内では」
打ってなしか。
「カチュアさん達、無事でしたね」
部屋の正当な入り口には、ユミルの姿が。
「臭いですわ!!」
咄嗟に鼻を摘む。
「あ! ユミルちゃん。丁度よかったわ~。あの魔物目掛け、氷系の魔術を放って~」
「え!? 分かりました!」
「強力なので~」
「分かりました!」
状況の分からない彼女だったが、鞘から抜き取った刀を振るうと、冷気が吹いてきた。
てか、威力強すぎないか? 風で羽毛が全部抜けているよ!
でも、コケコケコの動きが止まっている。
「動きが止まりましたわ」
「体の色が変わっている。それに少しだけど、傷っぽいのが付いてるよ」
「魔物の体は基本頑丈だけど、弱点を突けば、傷を負わせられるって、ことか」
「じゃあ~。止めはエドナちゃんに任せるとして、わたしは」
「ナイフに蒼い炎を纏わせるんですね」
ナイフを傷目掛けて投げつけたカチュア。傷口に刺さった。
ナイフには、カチュアと同じ、蒼い炎が。
「カチュアさん。あの蒼い炎はカチュアと離れたら消えてしまうのでは?」
「だから、これよ~」
カチュアの手元には、糸見たいなものが。よく見たら、その糸はあのナイフに繋がっている。
「今よ~。エドナちゃん」
「はい! なんだよ!」
エドナの放った矢は、広がっている傷口に命中した。矢はコケコケコの体に入っていく。
ピィーーー!!
コケコケコは倒れた。
「何とか、倒したけど……くさ!!」
あちらこちらに、液体をばら撒いたから、匂いが充満している。
「カチュアさん達、無事です……ぐっ!」
アニーを含めた、逸れていた、仲間全員が部屋に入ってきた。
「くさ!!」
部屋に入った全員は、鼻をつまんだ。
「ちょっと! お前ら、ふらついているじゃないか!」
マリンのみ、鼻を摘んでいるが、唯一、体をふらつかせていなかった。ああ……意識は薄れてくる……。
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