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第十一章 ヘルディアの傭兵
11ー4 ナギパート
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今回はカチュア、エドナ、ルナ、ユミル、マリン、スイレンでヘルディアへ向かうことに。
現在はコルネリアとヘルディアの国境付近に。
「ところで、何で、戦いが始まったかしら~?」
カチュアがルナに尋ねる。
「実は、コルネリアの貴族が、何者かによって殺害されたのです。その犯人がヘルディアの兵だったという話です。それに対して、コルネリア側が痺れを切らして、戦いが」
「ヘルディアが戦いを仕掛けたんですか?」
「シグマ様が言うには、ヘルディア側から、コルネリアの反乱軍がいることを警告したらしんですよ」
「でも、確か、戦いの原因は、コルネリア側の何者が魔物でヘルディアを襲ったって」
「その魔物がヘルディアに拠点を置く、反乱軍の仕業の可能性があるんですよ」
「何が目的なの~?」
「それって、コルネリアとヘルディアとで戦かわせるためッスか?」
「はい」
「だから、ルナ達は反乱軍を捕まえるためにヘルディアへ」
成程、しかし。
「さすがに、これは、あなた達の許容範囲じゃないか?」
私はカチュアの口で、マリン達に問いかける。いくらなんでも、国兵でもない者が首を突っ込んでいい状況ではない。それもまだ、継承していない皇女だとしても。
「妾がシグマにお願いしたんだ」
「お願いと言うよりかは、あれは脅迫ですよ」
脅迫って、何をしたんだよ! そして、幾ら皇女様でも、頭を簡単に下げるシグマもどうなんだ?
「仕方がないだろう。アルヴスもまた、一人で行っちゃうし。今回、ロゼッタも、戦場に駆り出されているし。ここは兄の身を案じて、妾が向かうと」
「ルナの兄様です!! 勝手に、人様の兄を取らないでください!」
「この際、ルナも妾の妹になれば……」
「変態な姉はいりません!」
また、始まった。マリンの兄は皇子は、何か、ゲスを極めることしかできない皇子と呼ばれいて、マリンとは、仲が悪いらしい。だから、兄妹仲には、憧れているらしく、ルナの兄である、アルヴスが理想な兄らしい。捕虜の扱いが悪いのは、ところは見ているのか?
そんな訳で、ルナはマリンに対して……、恋敵ならぬ兄敵? している。
「あの二人、何を言い争っているッスか?」
「え? 仲良だから~?」
「二人は仲がいいんだよ!」
相変わらずのノーテンキコンビの反応。
「そっか! 仲良しだからッスね」
納得するな。スイレンも、このノーテンキコンビの思考回路に染まってきたな。てか、呑気って、感染するのか?
「しかし、このメンバーで大丈夫か? カチュアは戦闘以外はあまり頼りないし」
思わず、私はカチュアの口で喋ってしまう。
「ありがと~」
私とカチュアの切り替えが早い。
『皮肉が聞き取れてないな、お前は』
へルディアに向かう、今回のメンバーは不安だ。不安過ぎる。カチュアは戦闘以外はぼんやりしているし、エドナは転ぶし、ユミルは叫ぶし、マリンは皇女なのにガラ悪し、スイレンは思ったことを考えずに直ぐに突っ込むし、頼りがはないか。
ルナは一見頼りにはなるが、兄のアルヴスのことになると、向こう見ずなところがある。まあ、このメンバーの中では、頼りになるのは確かだ。現在、ヒートアップ状態になっているが。
「なら、私が行きましょう」
いきなり、この場にいな者の声が聞こえた。しかし、聞き覚えのある声だ。
「て! テメェーどこから、現れた!」
マリンが異空間魔術で武器である、大鎌を取り出した。急に姿を現せた女性はカチュア達が、よく知っている者だった。
「ソフィアさん! どうして、ここに!?」
そこにいたのは、ユミルの臣下であるソフィアだった。突然、主君のユミルを置いて、一旦セシル王国へ戻っていったんだっけ?
「それよりも、主君を置いて、何をしていたんですか?」
「こっちには、こっちの事情がありますから」
「誑かせて」
「一応、ユミル様の手紙で近況は知っているつもりだ」
「知り合いッスか?」
スイレンがルナに尋ねる。
「ユミルさんの臣下です」
「話を聞いていましたが、ヘルディアへ向かわれるとのことですね」
「そうですわ。ソフィアさんが来てくれたなら、安心しますわ」
ユミルは嬉しそうだ。対して、ソフィアは。
「……まあ、仕方がないか。長い間、ユミル様をカチュア殿達に任せてしまいましたから、主君を守るのは臣下の使命ですから」
あまり、気乗りしないように見えるな。ソフィアは基本顔には出ないが、今回は感じ取れるな。
「……それでは、行きましょうか」
皆が、出発したのに、対して、マリンだけは、動かなかった。カチュアは、それに気づいて声を掛けた。
「マリンちゃん、どーしたの?」
「あのソフィアって人どこかで……いや、気のせいか」
カチュア達はヘルディア領土である、樹海に足を踏み入れた。
「どこにいっても、森だわ~」
「レオの国も森だらけど、ここも、劣らないッス」
「でも、好都合です。相手に見るからずに、行動ができますから」
確かに、隠れながら進めるが……。
「はわわわ!!!」
エドナが地面から出ていた、樹木の根元に足を引っかかり、その拍子で、転んでしまう。
「この樹海は、エドナさんには優しいところではありませんね」
主にエドナだが、歩き道は安定していないから、転びやすい。主にエドナだが。あ! エドナは道が安定していても、転ぶんだった。
「……」
「カチュアさん、どうしたッスか?」
急に足を止めたカチュア。
「……何か来るわ~」
カチュアが、そう言うと、必ず、何かが、現れる。
密集している樹木から、微かの隙間だが、何か見えた。さらに、「ウォォォン」と如何にも、狼らしい遠吠えが聞こえる。
「微かに見えるのは、ヘルディアに生息している危険種のフォレストウルフでは?」
「どういう危険種なんッスか?」
「この樹木が密集している樹海を利用して、獲物を捕らえます。奴らにとって、この樹海は庭見たいなものだ」
「大金持ちの狼さんなのね~」
カチュア自身は自覚はないが、ボケている場合じゃないよ。
「村長さんでも、こんな広い庭なんて持っていなかったんだよ」
だから、ボケている場合じゃないよ。何で、こんな状況でも、自分の世界を保てるんだよ! このノーテンキコンビは!
「カチュアさん、エドナさん、飼われていない動物は皆、外全体がお庭ですわ」
ユミルがボケの延長をしてきたよ! ユミルまでが、カチュアとエドナのノーテンキコンビに感染されているよう!
「こんなに幅が狭いと、武器は降れないし、魔術も放てばこちらが無事では済まないよ」
真面目なルナが、このキリのないボケ合戦を、冷静な分析で打ち止めてくれたよ。
しかし、ルナの言う通り。ここで、火の魔術を使えば、カチュア達はタダじゃ済まないだろ。さて、どうする?
「じゃあ~」
カチュアはこんな、狭い樹海の中にも、関わらず、剣を降り回した。そう、周りの樹木ごと、フォレストウルフを斬り付けた。
それを見てしまった、フォレストウルフが唖然とした表現をしていた。それはそうだろうね。自分達が利用していた樹木を無効化されたから。
「じゃあ、あたしも」
エドナは、いつもの風の矢を弓で放ち、樹木を貫きながら、フォレストウルフに命中させた。
「スッキリしたわ~」
周りの樹木が殆ど、斬り付けたりと、倒れたりとして、更地に。さりげなく、エドナは転んで、樹海を倒していたような。
「分かっていましたが、隠密で動く気がない」
「まあ、食われるよりかはマシだぜ」
途中でフォレストウルフ達が逃げていったよ。さすがに、自分達が地の利を活かして使っていた樹木ごと、斬り付けてくるなんて思っていなかっただろうね。
逃げる時に怯えていたよ。
「何とか、危機を去っていたな」
「……気を付けて~。誰かいるわ~」
またか。連戦になるのか。その割には、カチュアは剣を鞘に納めてします。これから、また戦うことになるかもしれないのに。
「やっと、見つかったわ」
現在はコルネリアとヘルディアの国境付近に。
「ところで、何で、戦いが始まったかしら~?」
カチュアがルナに尋ねる。
「実は、コルネリアの貴族が、何者かによって殺害されたのです。その犯人がヘルディアの兵だったという話です。それに対して、コルネリア側が痺れを切らして、戦いが」
「ヘルディアが戦いを仕掛けたんですか?」
「シグマ様が言うには、ヘルディア側から、コルネリアの反乱軍がいることを警告したらしんですよ」
「でも、確か、戦いの原因は、コルネリア側の何者が魔物でヘルディアを襲ったって」
「その魔物がヘルディアに拠点を置く、反乱軍の仕業の可能性があるんですよ」
「何が目的なの~?」
「それって、コルネリアとヘルディアとで戦かわせるためッスか?」
「はい」
「だから、ルナ達は反乱軍を捕まえるためにヘルディアへ」
成程、しかし。
「さすがに、これは、あなた達の許容範囲じゃないか?」
私はカチュアの口で、マリン達に問いかける。いくらなんでも、国兵でもない者が首を突っ込んでいい状況ではない。それもまだ、継承していない皇女だとしても。
「妾がシグマにお願いしたんだ」
「お願いと言うよりかは、あれは脅迫ですよ」
脅迫って、何をしたんだよ! そして、幾ら皇女様でも、頭を簡単に下げるシグマもどうなんだ?
「仕方がないだろう。アルヴスもまた、一人で行っちゃうし。今回、ロゼッタも、戦場に駆り出されているし。ここは兄の身を案じて、妾が向かうと」
「ルナの兄様です!! 勝手に、人様の兄を取らないでください!」
「この際、ルナも妾の妹になれば……」
「変態な姉はいりません!」
また、始まった。マリンの兄は皇子は、何か、ゲスを極めることしかできない皇子と呼ばれいて、マリンとは、仲が悪いらしい。だから、兄妹仲には、憧れているらしく、ルナの兄である、アルヴスが理想な兄らしい。捕虜の扱いが悪いのは、ところは見ているのか?
そんな訳で、ルナはマリンに対して……、恋敵ならぬ兄敵? している。
「あの二人、何を言い争っているッスか?」
「え? 仲良だから~?」
「二人は仲がいいんだよ!」
相変わらずのノーテンキコンビの反応。
「そっか! 仲良しだからッスね」
納得するな。スイレンも、このノーテンキコンビの思考回路に染まってきたな。てか、呑気って、感染するのか?
「しかし、このメンバーで大丈夫か? カチュアは戦闘以外はあまり頼りないし」
思わず、私はカチュアの口で喋ってしまう。
「ありがと~」
私とカチュアの切り替えが早い。
『皮肉が聞き取れてないな、お前は』
へルディアに向かう、今回のメンバーは不安だ。不安過ぎる。カチュアは戦闘以外はぼんやりしているし、エドナは転ぶし、ユミルは叫ぶし、マリンは皇女なのにガラ悪し、スイレンは思ったことを考えずに直ぐに突っ込むし、頼りがはないか。
ルナは一見頼りにはなるが、兄のアルヴスのことになると、向こう見ずなところがある。まあ、このメンバーの中では、頼りになるのは確かだ。現在、ヒートアップ状態になっているが。
「なら、私が行きましょう」
いきなり、この場にいな者の声が聞こえた。しかし、聞き覚えのある声だ。
「て! テメェーどこから、現れた!」
マリンが異空間魔術で武器である、大鎌を取り出した。急に姿を現せた女性はカチュア達が、よく知っている者だった。
「ソフィアさん! どうして、ここに!?」
そこにいたのは、ユミルの臣下であるソフィアだった。突然、主君のユミルを置いて、一旦セシル王国へ戻っていったんだっけ?
「それよりも、主君を置いて、何をしていたんですか?」
「こっちには、こっちの事情がありますから」
「誑かせて」
「一応、ユミル様の手紙で近況は知っているつもりだ」
「知り合いッスか?」
スイレンがルナに尋ねる。
「ユミルさんの臣下です」
「話を聞いていましたが、ヘルディアへ向かわれるとのことですね」
「そうですわ。ソフィアさんが来てくれたなら、安心しますわ」
ユミルは嬉しそうだ。対して、ソフィアは。
「……まあ、仕方がないか。長い間、ユミル様をカチュア殿達に任せてしまいましたから、主君を守るのは臣下の使命ですから」
あまり、気乗りしないように見えるな。ソフィアは基本顔には出ないが、今回は感じ取れるな。
「……それでは、行きましょうか」
皆が、出発したのに、対して、マリンだけは、動かなかった。カチュアは、それに気づいて声を掛けた。
「マリンちゃん、どーしたの?」
「あのソフィアって人どこかで……いや、気のせいか」
カチュア達はヘルディア領土である、樹海に足を踏み入れた。
「どこにいっても、森だわ~」
「レオの国も森だらけど、ここも、劣らないッス」
「でも、好都合です。相手に見るからずに、行動ができますから」
確かに、隠れながら進めるが……。
「はわわわ!!!」
エドナが地面から出ていた、樹木の根元に足を引っかかり、その拍子で、転んでしまう。
「この樹海は、エドナさんには優しいところではありませんね」
主にエドナだが、歩き道は安定していないから、転びやすい。主にエドナだが。あ! エドナは道が安定していても、転ぶんだった。
「……」
「カチュアさん、どうしたッスか?」
急に足を止めたカチュア。
「……何か来るわ~」
カチュアが、そう言うと、必ず、何かが、現れる。
密集している樹木から、微かの隙間だが、何か見えた。さらに、「ウォォォン」と如何にも、狼らしい遠吠えが聞こえる。
「微かに見えるのは、ヘルディアに生息している危険種のフォレストウルフでは?」
「どういう危険種なんッスか?」
「この樹木が密集している樹海を利用して、獲物を捕らえます。奴らにとって、この樹海は庭見たいなものだ」
「大金持ちの狼さんなのね~」
カチュア自身は自覚はないが、ボケている場合じゃないよ。
「村長さんでも、こんな広い庭なんて持っていなかったんだよ」
だから、ボケている場合じゃないよ。何で、こんな状況でも、自分の世界を保てるんだよ! このノーテンキコンビは!
「カチュアさん、エドナさん、飼われていない動物は皆、外全体がお庭ですわ」
ユミルがボケの延長をしてきたよ! ユミルまでが、カチュアとエドナのノーテンキコンビに感染されているよう!
「こんなに幅が狭いと、武器は降れないし、魔術も放てばこちらが無事では済まないよ」
真面目なルナが、このキリのないボケ合戦を、冷静な分析で打ち止めてくれたよ。
しかし、ルナの言う通り。ここで、火の魔術を使えば、カチュア達はタダじゃ済まないだろ。さて、どうする?
「じゃあ~」
カチュアはこんな、狭い樹海の中にも、関わらず、剣を降り回した。そう、周りの樹木ごと、フォレストウルフを斬り付けた。
それを見てしまった、フォレストウルフが唖然とした表現をしていた。それはそうだろうね。自分達が利用していた樹木を無効化されたから。
「じゃあ、あたしも」
エドナは、いつもの風の矢を弓で放ち、樹木を貫きながら、フォレストウルフに命中させた。
「スッキリしたわ~」
周りの樹木が殆ど、斬り付けたりと、倒れたりとして、更地に。さりげなく、エドナは転んで、樹海を倒していたような。
「分かっていましたが、隠密で動く気がない」
「まあ、食われるよりかはマシだぜ」
途中でフォレストウルフ達が逃げていったよ。さすがに、自分達が地の利を活かして使っていた樹木ごと、斬り付けてくるなんて思っていなかっただろうね。
逃げる時に怯えていたよ。
「何とか、危機を去っていたな」
「……気を付けて~。誰かいるわ~」
またか。連戦になるのか。その割には、カチュアは剣を鞘に納めてします。これから、また戦うことになるかもしれないのに。
「やっと、見つかったわ」
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