蒼炎のカチュア

黒桐 涼風

文字の大きさ
上 下
116 / 348
第八章 魔人族の脅威

8ー9 エドナサイド

しおりを挟む
 あたしは弓で援護しながら、遠くから、戦場を見ていたんだよ。

 特にレインさんは体を大きくしているから、目立つんだよ。大きな槍で、敵を薙ぎ払っているんだよ。

 だけど、体が大きい分、標的になりやすくって、敵の魔術攻撃を避けられずにいるんだよ。命中しても、びくともしないんだよ。攻撃が当たるたび、縮んできているのは気のせいかな?

 勿論、カチュアさんとギャングとの戦闘も見ていたんだよ。

 カチュアさんが有利に戦っていたんだよ。

 ……だけど。

「何かな、あれは?」
「エドナ! どうしたんだ?」

 マリンさんが尋ねたんだよ。

 あたしは現状を見ながら。

「ギャングって、いう人が魔物化したんだよ」

 ギャングが、魔石を食べたことによって、魔物化したんだよ。

「いや、魔人族の場合、化身と言うだ。魔人族は二つの姿があって、普段は人型で、魔石による魔力で変体するのが
魔物型なんだ」
「でも、あたしが今まで、見てきた魔物化と似ているんだよ」
「妾達の場合は病みたいなもの。一度、魔物になったら元には戻らない。魔物になると、大抵人の頃の記憶や理性がなくなるが、稀に保てる人もいる」
「はうう。今はそんな危なそうな人と、カチュアさんが交戦しているんだよ。力では負けていないんだけど、蒼い炎は纏っていないんだよ」
「やはり、あれにも、何かしらのリスクがあるのか」
「どうしたら」
「蒼い炎が使えるまで回復できればいいが、その条件が分からない。てか、回復をするのを期待するのは危険だ」

 あたしは、いつもの魔術で風の矢を構成したんだよ。

「ここから、カチュアさんの援護をするんだよ」
「エドナの矢はあ、そこまで届くのか?」
「風を利用すれば」

 あたしは弓を構えたんだよ。そして、風の矢を乗せ、そこで、さらに風を纏めうんだよ。

「届ても、当てることはできるのか? カチュアは大半の攻撃を先の未来が分かるぐらい、躱せるが、エドナの突進を躱したとことは見たこと、ないぜ。たぶん、エドナの矢は躱せないんじゃないか?」
「はうう……」

 あたしいつも、転んでカチュアさんにぶつかるんだよ。何でか、カチュアさんは避けられないんだよ。

「でも、何も、しないよりかは、マシなんだよ」

 気を取り直して、あたしは風の矢を放ったんだよ。

 放ったら、次の風の矢を構成して、放ったんだよ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

10のベッドシーン【R18】

日下奈緒
恋愛
男女の数だけベッドシーンがある。 この短編集は、ベッドシーンだけ切り取ったラブストーリーです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

TSしちゃった!

恋愛
朝起きたら突然銀髪美少女になってしまった高校生、宇佐美一輝。 性転換に悩みながら苦しみどういう選択をしていくのか。

処理中です...