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第八章 魔人族の脅威
8ー4 ナギサイド
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先制布告をしてきた、魔人王ギャング。
その翌日。国中、戦争の準備をしていた。
「あ~、面倒ごとになったな!」
カチュアとエドナは、どういうわけか、レオに連れられ街中へ。
街に着いた頃よりも、騒がしくなっている。
「わたし達は、ここにいてもいいのかしら~? 今は大変でしょ~?」
「大変だからだ。こんなことに巻き込んだんだから、息抜きは必要だろ? これから、カチュア達に働くんだから、戦いの準備は兵達にまかせればいいのさ」
「レオちゃんありがと~」
これから、戦争が起きるのだが、普通に店はやっていて、そこで買ったものを食べながら街中を歩いて回る。
「それよりもいいのか?」
急にレオが話しかけてくる。
「何のこと~?」
「お前はこの国には関係ないのに、戦いに参加するなんて」
「困っていたら、助けるわ~。それに」
「それに?」
「話し合いも、まともにしていないのに、あんな理不尽な要求するのは許せないわ~。魔人族の方々にも、いい人がいるのに、自分の視野だけで判断して、戦いたくない人達を巻き込むなんて~」
カチュアの頬が膨らんでいる。
……そう言えば、
『カチュア! ちょっと、レオと話していいか?』
「いいわよ~」
「レオはここいていいのか? スイレンとは幼馴染だろ?」
カチュアの口で話しかける。無意識に話すことは少なくなったが気をつけないと。特にツッコミ時。
「あたしがここにいても、何も出来ないさ。なんせ、あたしは、この国の民じゃないし」
「レオは確か、王女じゃなかったっけ?」
「一応、ダグザ王国の王女だ」
「その王国に救援とか出来ないか?」
レオは王女でスイレンも王女。その二人が王女同士なら両国も良好。困っていれば援軍とか、呼べるんじゃないかと思ったが。
「あ~。今回の件以前にも、魔人族がちょっかい出していたんだ。その事で、親父も援助してくれることは言っていたんだが、ある問題があったんだ」
「問題?」
「コルネリア帝国だ」
「コルネリアがどうしたんですか?」
「ああ、ダグザとロランスは同盟同士。そして、ロランスは魔界の番人としての責務があるんだ。ダグザはコルネリアには不穏な動きをしないように見張っているんだ」
「国が動くって、不思議なこともあるわね~」
「世界が滅ぶんだよ」
いや、動くって、物理的な意味じゃないから。相変わらずのノーテンキコンビのコントだ。
「つまり、ロランスが交戦中に、コルネリアが侵略行為を行うかもしれない。だから、親父はコルネリアを見張ることしかできないんだ」
「こんな大変な時に、攻めるかな~」
結構、闇が深いんだな。でも、評判の悪い者を将にする国だから、当然か。
「でも、スイレンにしろ、他国の手を借りなくっても、やっていけるさ。聖王殿は、民には絶大な信頼を得ているからな。まあ、万が一は親父は力を貸すと思うが」
「信じているのね~」
カチュア達が話していると。
「嬢ちゃんたち! ちょっといいか!?」
声がする方を振り向くと、マッチョな二人組の姿が……てか、ドッペルゲンガーっか! って、ぐらい、この二人似ていないか?
てか、この二人組は、ルイドの賭博場と帝都ナウザにいた、マッチョに似ていないか? 気のせいか?
「俺たち! 親子は傭兵として、この国に雇われていて……」
親子だったんかい! いや、だからといって、ドッペルゲンガー並みに似ていないか? だとしたら、息子の方は老けていないか? それとも、父親の方が若いのか?
「宿屋に泊まることになったんだが、どこにあるんだ?」
「確か、この街の入り口にあったよ」
「おお、ありがとう! 行くぞ! ゴンザレス! マッスル!!」
「はい! ゴンザレスお父さん! マッスル!!」
ポーズを決めながら、親子は去って行った。というか、二人とも同じ名前なのか? 確か、ルイドの賭博場の選手もゴンザレスって、名前だったような。
『カチュア、あの二人、何処で見たことないか?』
さりげなく、カチュアに聞いてみたが。
「え? ん~……あったかしら~? エドナちゃんは、あの二人を見たことあるかしら~?」
「ん~……、ないんだよ!」
特徴あり過ぎで、忘れようとしても、忘れられない気がすると思うが。
「あ! レオ! いた!」
マッチョ親子と入れ違いに、スイレンの姿が。
「げ! スイレン!」
「たく! あんたのお父さんから伝言預かっているッス!」
「内容わかっているよ! 人使い荒い親父だな~」
「分かっているなら、よし! じゃあ、いくッス」
スイレンがレオを腕を掴む。
「え!? ちょっと!」
「カチュアさんとエドナちゃんも行くッス」
スイレンがレオを腕を掴みながら、走り出す。
「まった! まった!!!」
レオが地面の上で引きづられているのも構わず、走り出したスイレン。
「あたし達も、いくんだよ」
「ええ~」
カチュアとエドナが走り出そうとする。
ツルーーーン。
「はわわわわ!!!」
ドーーーン!!!
ツルーーーン。
エドナは滑って転んで、うつ伏せて落下。そのまま、スイレンが走っていった方へ滑っていった。
てか、何で、スイレン! 転ばずに、走れるのか!? 綺麗にし過ぎて、転びやすいんじゃないのか?
「そっか~。滑りやすいんだから、歩くんじゃなくって、靴を滑らせて、進めばいいのね~」
意味はわからないが、しっくりくる言葉は「スケート」。そのスケートをするようにカチュアは靴を滑らせながら、進んでいった。
その翌日。国中、戦争の準備をしていた。
「あ~、面倒ごとになったな!」
カチュアとエドナは、どういうわけか、レオに連れられ街中へ。
街に着いた頃よりも、騒がしくなっている。
「わたし達は、ここにいてもいいのかしら~? 今は大変でしょ~?」
「大変だからだ。こんなことに巻き込んだんだから、息抜きは必要だろ? これから、カチュア達に働くんだから、戦いの準備は兵達にまかせればいいのさ」
「レオちゃんありがと~」
これから、戦争が起きるのだが、普通に店はやっていて、そこで買ったものを食べながら街中を歩いて回る。
「それよりもいいのか?」
急にレオが話しかけてくる。
「何のこと~?」
「お前はこの国には関係ないのに、戦いに参加するなんて」
「困っていたら、助けるわ~。それに」
「それに?」
「話し合いも、まともにしていないのに、あんな理不尽な要求するのは許せないわ~。魔人族の方々にも、いい人がいるのに、自分の視野だけで判断して、戦いたくない人達を巻き込むなんて~」
カチュアの頬が膨らんでいる。
……そう言えば、
『カチュア! ちょっと、レオと話していいか?』
「いいわよ~」
「レオはここいていいのか? スイレンとは幼馴染だろ?」
カチュアの口で話しかける。無意識に話すことは少なくなったが気をつけないと。特にツッコミ時。
「あたしがここにいても、何も出来ないさ。なんせ、あたしは、この国の民じゃないし」
「レオは確か、王女じゃなかったっけ?」
「一応、ダグザ王国の王女だ」
「その王国に救援とか出来ないか?」
レオは王女でスイレンも王女。その二人が王女同士なら両国も良好。困っていれば援軍とか、呼べるんじゃないかと思ったが。
「あ~。今回の件以前にも、魔人族がちょっかい出していたんだ。その事で、親父も援助してくれることは言っていたんだが、ある問題があったんだ」
「問題?」
「コルネリア帝国だ」
「コルネリアがどうしたんですか?」
「ああ、ダグザとロランスは同盟同士。そして、ロランスは魔界の番人としての責務があるんだ。ダグザはコルネリアには不穏な動きをしないように見張っているんだ」
「国が動くって、不思議なこともあるわね~」
「世界が滅ぶんだよ」
いや、動くって、物理的な意味じゃないから。相変わらずのノーテンキコンビのコントだ。
「つまり、ロランスが交戦中に、コルネリアが侵略行為を行うかもしれない。だから、親父はコルネリアを見張ることしかできないんだ」
「こんな大変な時に、攻めるかな~」
結構、闇が深いんだな。でも、評判の悪い者を将にする国だから、当然か。
「でも、スイレンにしろ、他国の手を借りなくっても、やっていけるさ。聖王殿は、民には絶大な信頼を得ているからな。まあ、万が一は親父は力を貸すと思うが」
「信じているのね~」
カチュア達が話していると。
「嬢ちゃんたち! ちょっといいか!?」
声がする方を振り向くと、マッチョな二人組の姿が……てか、ドッペルゲンガーっか! って、ぐらい、この二人似ていないか?
てか、この二人組は、ルイドの賭博場と帝都ナウザにいた、マッチョに似ていないか? 気のせいか?
「俺たち! 親子は傭兵として、この国に雇われていて……」
親子だったんかい! いや、だからといって、ドッペルゲンガー並みに似ていないか? だとしたら、息子の方は老けていないか? それとも、父親の方が若いのか?
「宿屋に泊まることになったんだが、どこにあるんだ?」
「確か、この街の入り口にあったよ」
「おお、ありがとう! 行くぞ! ゴンザレス! マッスル!!」
「はい! ゴンザレスお父さん! マッスル!!」
ポーズを決めながら、親子は去って行った。というか、二人とも同じ名前なのか? 確か、ルイドの賭博場の選手もゴンザレスって、名前だったような。
『カチュア、あの二人、何処で見たことないか?』
さりげなく、カチュアに聞いてみたが。
「え? ん~……あったかしら~? エドナちゃんは、あの二人を見たことあるかしら~?」
「ん~……、ないんだよ!」
特徴あり過ぎで、忘れようとしても、忘れられない気がすると思うが。
「あ! レオ! いた!」
マッチョ親子と入れ違いに、スイレンの姿が。
「げ! スイレン!」
「たく! あんたのお父さんから伝言預かっているッス!」
「内容わかっているよ! 人使い荒い親父だな~」
「分かっているなら、よし! じゃあ、いくッス」
スイレンがレオを腕を掴む。
「え!? ちょっと!」
「カチュアさんとエドナちゃんも行くッス」
スイレンがレオを腕を掴みながら、走り出す。
「まった! まった!!!」
レオが地面の上で引きづられているのも構わず、走り出したスイレン。
「あたし達も、いくんだよ」
「ええ~」
カチュアとエドナが走り出そうとする。
ツルーーーン。
「はわわわわ!!!」
ドーーーン!!!
ツルーーーン。
エドナは滑って転んで、うつ伏せて落下。そのまま、スイレンが走っていった方へ滑っていった。
てか、何で、スイレン! 転ばずに、走れるのか!? 綺麗にし過ぎて、転びやすいんじゃないのか?
「そっか~。滑りやすいんだから、歩くんじゃなくって、靴を滑らせて、進めばいいのね~」
意味はわからないが、しっくりくる言葉は「スケート」。そのスケートをするようにカチュアは靴を滑らせながら、進んでいった。
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