蒼炎のカチュア

黒桐 涼風

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第六章 皇帝の血筋

6ー後日談② ルナサイド

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 ある日の宿屋。

「うう……」

 眠い……、完全に寝不足だ。

「どうしたんだ、我が妹よ」
「誰が妹ですか!? ……昨夜は眠れなかったんです」

 まったく! ただでさえ、寝不足なのに、さらに頭を痛くさせるストーカー皇女が現れる。

「だから、イライラしているのか。でも、研究者は研究に没頭して、一睡もしていない奴もいる話だ。特にルナは、ちゃんと寝ないと、大きくならねぇよ」
「余計なお世話です。後、眠れなかったのはルナのせいではありません」

 そう原因はエドナさんです。二人の部屋を訪ねると部屋が暗く、カチュアさんしか確認できなかったが、寝ていたので、扉を閉めようとしました。しかし、どうして、ここにいたのか、部屋の入り口にエドナさんが寝ていて、そのエドナさんに足を掴まれました。そして、どうしたら、そんな状況になったのか、エドナさんの寝相の悪さでルナが抱き枕になって、一晩過ごしました。

「眠いなら、寝たら」
「この時間では寝れませんよ」
「そうだ! 妾の親友に教わった、眠たくなる方法を教えよう」
「皇女様に友達いたんですね」
「仮にも、妾は皇女なのに、その相手に棘のあることをよく言えるな。まあ、アルヴスも兄に対して、ディスっていましな」
「で、その方法は?」
「あるビジョンを思いながら数えるんだ」
「ビジョンって?」
「何の生き物か忘れられたが、一匹ずつ、目の前に通り過ぎるんだ。それを寝ながら数えるんだ。例えば、デブボアが一匹、デブボアが二匹って感じで、眠れるまで数えるんだ」
「成程。やって、見ます」

 適当に何かを思い浮かべて……。

「カチュアさんが一人、カチュアさんが二人、カチュアさんが三人……」

 ルナの頭の中にはカチュアさんが数えるたびに増えていく。

 カチュアさん……、胸……。

「あ!!! 暑い! 乳でおしくらまんじゅうするな!!!」

  大声を上げる。いや、何で、カチュアさんを数えていたんですか?

「……もう一回」

 適当に何かを思い浮かべて……。

「じゃあ……死体が一人、死体が二人、死体が三人」

  ルナの頭の中には、ルナが次から次へと敵を殺していくのを思い浮かべている。

「これは重症だな。……眠り薬使った方がいいのでは?」
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