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第四章 再会
4ー5 ナギサイド
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カチュア、エドナ、ルナは賭博場の中を捜索していた。
見つかっら、面倒なことになるのに、エドナが連れて来て、大丈夫なのか? 変なところで転ばなければいいのだが。
カチュアは一見、普段からぼーとしていて、頼りなさそうに見えるけど、カチュアは人間離れの聴力があるから、案外、密偵や偵察には、のほほーんとした性格を除けば、向いているかもしれない。
見回りに見つからず、隠れながら、進んでいくと、明らかに、重要気密が隠されいるのが伝わってくるような、部屋への、扉を見つけた。見張りは二人程度だが、扉には五箇所の鍵がかけられていて、厳重だ。簡単には、侵入はできそうもない。
厳重だが、カチュアのバカ力なら、あの扉を壊せそうだが、そういうわけには、いかないか。
「うーん~。あれが、魔物が捕獲されている部屋かな~? 狼っぽい、鳴き声が聞こえてくるわ~」
「入りそうもないんだよ!」
本当に、あの扉の先の部屋が、捕獲されている魔物がいるなら、厳重に管理はして欲しいよね。これが脱走したら、賭博場どころか、街中、パニックになる。
「ん~、あの見張りの人を、どーにか、寝かせられないかしら~」
「目が覚めたら、警報されますよ。それに殺して遺体を見つけられても、アウトだし、死体を始末しても、あそこに見張りがいないのもアウトだし」
「ルナちゃん、そんなこと考えていたの~? 酷いわ~」
「えー、ルナが? 必死に、侵入方法を考えていたのに! というか、殺したりはしませんよ!」
理不尽だな。
「悩んでいる時は、取り敢えず、お茶でも、飲んで落ち着くんだよ」
エドナの両手には、片方ずつ、お茶の入ったコップを持っていた。てか、どこから、取り出したんだか。
ひとまず、カチュア達は隠れながら、一息をついていた。
「アルヴス、どこにいるのかしら~?」
「多分、この賭博場の、どこかにいると思います」
「ところで、ルナちゃん。アルヴスの目的って、なんなの~?」
「え?」
「こんな、泥棒さん、見たいなことをしてるのよ~。何か、そーでもして、でも、アルヴスは、何をやり遂げたいことがあるのかしら~?」
そう言えば、そうだよね。仮にも、この賭博場は、この国の将が所有している。そこへ侵入するなんて。ただことでは、ないよな。
「……それは、今話すと長くなります」
「そっか~」
「今話せることは、ゲブンが不正取引をしています。兄の目的は、そのゲブンの不正取引をしている連中です」
不正取引って穏やかじゃないな。
「……ただ」
「ただ?」
「下手な関与はしない方がいいですよ。消されてしまいます」
「はうう!! どういうことなの?」
うん。まったく、次から次へと、穏やかではない話が、どんどん出て来るな。まあ、そいつらが、犯罪に手を染めていたら、それを知った相手を口封じで殺すだろうね。
「でも、そんな人達を相手にしているんでしょ? アルヴスは」
「……そうですね」
ルナが立ち上がる。ルナはカチュアたちの方へ、振り向かずに語る。
「ちなみに、兄様はこの件に、ルナを関わせないよう、カチュアさんとエドナさんのセシル王国に動向させたんです。遠ざけさせるために」
「成程。セシル王国へ、行くには関係者がいないと、入国は難しいから、ルナを動向させたのね。それだけ、聞くとカチュア達は利用されたってことね」
今、喋ったのはカチュアじゃなくって私だ。
「兄様は結構、回りくどいですから。それを分かっていたから、ルナは、カチュアさんに同行して兄様の目を欺いたんです。カチュアさん達を送ったら、戻る予定だったんです。その道中で、ロゼッタさんが、こっちに向かうことを聞いて、来たんだです」
そこまで、兄の考えていることを分かってしまうなんて。兄が分かりやすいのか、ルナが天才過ぎるのか、それか、兄妹だからこそ、互いに感じ取れるものがあるのか。
「いつまで、ここへ居たら、危ないですね。一旦、戻りましょう」
「あ! ルナちゃん、待ってください!」
ルナがこの場へ離れると、カチュアとエドナは、ルナを追いかける。
——まだ、奴が、あなたの弟って、決まったわけじゃない。代々、それは過去の出来事でしょ?
——わかるのよ。隠し部屋にあった、研究記録を見て、分かったの。これは弟の字よ。そっか……弟は既に死んでいたのね。探しても、見つからないはずよ。それに、弟はこんな酷いことを……。
今日で二回目。また、突然、夢を見た。前に見た、夢と同じ優しいそうな女性が泣いていた。これはいったい……。
「あ! カチュアさん達ですわ」
観客席で待機していた、ユミルとソフィアと合流した。
「どうですか?」
「アルヴスは見つからなかったわ~」
「まあ、エドナさんが転ばなかったことが、せめての救いです」
「もー! あたし、そんなに転んでないんだよー」
いや、嘘つけ!
「ちなみに、エドナさん、こんなところで転んで、針山に落ちないでください」
「大丈夫なんだよ! 落ちないんだよ。だって、落ちたら痛そうなんだよ」
痛いって、レベルか? 多分、死ぬだろ。これ。
「そうでは、ありません。あの針山、魔物の体を軽く貫けるほど強力な針ですよ。人がひと突き刺さると、刺したところ中心に塵も残さず、体が粉砕しますよ」
いや、怖すぎるだろ!? 死ぬだけのレベルじゃなかった!? てか、そこまで、しないと魔物の体は貫けないのかよ!?
「ゴンザレス選手、デッドガルムを殴り飛ばしたー! そして、リングから落ちたー! またもわや、ゴンザレス選手の勝利ー!」
また、「アイアム、キンニクー」の決め台詞の人か。てか、選手は「アイアム、キンニクー」の人しかいないのか?
観客は歓声を挙げた。
「アイアム、キンニクー」
あの巨体を殴り飛ばすなんて凄いな……と言いたいところなんだけど、それよりも、カチュアの戦う姿を見ているから、余り、驚かないんだよな。
カチュアが、急に後ろを振り向き、背中に背負っている剣の持ちところを握った。
「カチュアさん、どうしたのですか?」
「後ろから、大きな足音が」
観客席の出入り口から男の人が慌てて入ってきた。観客たちも、その人の方へ、体が振り向いた。
「大変だー、魔物が……」
がぶり!!!
突然、慌てていた男の人の首がなくなってしまう。
それを見た、観客たちは「ぎゃーーー!!!」と叫びながら、一斉に逃げ始める。
逃げていく、人達がいる中。
「あれは~、確か、ゲブンだっけ~?」
うん、現れてたのはゲブン見たいのだった。だけど。
「酷いですね! 観客席にきて、人殺しするなんて」
このカチュアとエドナ、通常ノーテンキコンビはこんな非常時でも、ボケているよ。
『おい! そこのノーテンキコンビ! ボケ合戦している場合か!』
「至って、真面目よ~」
『説得力ゼロよ』
「え~」
『困った顔するな! 私がバカみたいじゃないか!』
確かに、ゲブンは豚顔だけど。カチュア達の前に、現れたあれ豚顔は。
「カチュアさーん。エドナさーん。あれはー、本物のオークですよー」
ルナが指摘。なぜか、あまり、ツッコミらしくない、ぼー読みだけど。
「本物のゲブンならー、襲ってきた魔物っとー、間違ってー、焼き殺しができると思ったのにー」
がっかりする、ところだったの? 未だにぼー読みだし。
ルナって子。段々と、危ない子になってきていないか? まあ、それほど、ゲブンって、あまり良くない将軍なのかがわかるが。
『どうするの、カチュア』
「うーん、観客さんはパニックになっているから~、誰一人、声が入らないわ~。なら、襲ってくる魔物を討伐するしかないわ~」
「カチュア殿に同感です」
こういった時のカチュアって、以外と冷静なんだよな。それとも、こんな時なのに、気にしていないのか。喋り方も普段と変わらず、ゆっくりだし。
でも、確かにカチュアの言う通り、このパニック状態の人たち。見ず知らずのカチュア達の声なんて、耳に入らないだろう。なら、この場を納めるためには、魔物を一匹残らず討伐するしかないか。
「きゃーーー!! きゃーーー!! きゃーーーーー!!!」
今でも悲鳴が聞こえる。……あれ? この悲鳴、聞き覚えのある声だな。
その悲鳴の正体はユミルだった。ユミルは刀を抜き、ゲブン、じゃなかった、オークを悲鳴を上げながら、滅多切りしていた。もう、オークの原型がなくなってきている。
見つかっら、面倒なことになるのに、エドナが連れて来て、大丈夫なのか? 変なところで転ばなければいいのだが。
カチュアは一見、普段からぼーとしていて、頼りなさそうに見えるけど、カチュアは人間離れの聴力があるから、案外、密偵や偵察には、のほほーんとした性格を除けば、向いているかもしれない。
見回りに見つからず、隠れながら、進んでいくと、明らかに、重要気密が隠されいるのが伝わってくるような、部屋への、扉を見つけた。見張りは二人程度だが、扉には五箇所の鍵がかけられていて、厳重だ。簡単には、侵入はできそうもない。
厳重だが、カチュアのバカ力なら、あの扉を壊せそうだが、そういうわけには、いかないか。
「うーん~。あれが、魔物が捕獲されている部屋かな~? 狼っぽい、鳴き声が聞こえてくるわ~」
「入りそうもないんだよ!」
本当に、あの扉の先の部屋が、捕獲されている魔物がいるなら、厳重に管理はして欲しいよね。これが脱走したら、賭博場どころか、街中、パニックになる。
「ん~、あの見張りの人を、どーにか、寝かせられないかしら~」
「目が覚めたら、警報されますよ。それに殺して遺体を見つけられても、アウトだし、死体を始末しても、あそこに見張りがいないのもアウトだし」
「ルナちゃん、そんなこと考えていたの~? 酷いわ~」
「えー、ルナが? 必死に、侵入方法を考えていたのに! というか、殺したりはしませんよ!」
理不尽だな。
「悩んでいる時は、取り敢えず、お茶でも、飲んで落ち着くんだよ」
エドナの両手には、片方ずつ、お茶の入ったコップを持っていた。てか、どこから、取り出したんだか。
ひとまず、カチュア達は隠れながら、一息をついていた。
「アルヴス、どこにいるのかしら~?」
「多分、この賭博場の、どこかにいると思います」
「ところで、ルナちゃん。アルヴスの目的って、なんなの~?」
「え?」
「こんな、泥棒さん、見たいなことをしてるのよ~。何か、そーでもして、でも、アルヴスは、何をやり遂げたいことがあるのかしら~?」
そう言えば、そうだよね。仮にも、この賭博場は、この国の将が所有している。そこへ侵入するなんて。ただことでは、ないよな。
「……それは、今話すと長くなります」
「そっか~」
「今話せることは、ゲブンが不正取引をしています。兄の目的は、そのゲブンの不正取引をしている連中です」
不正取引って穏やかじゃないな。
「……ただ」
「ただ?」
「下手な関与はしない方がいいですよ。消されてしまいます」
「はうう!! どういうことなの?」
うん。まったく、次から次へと、穏やかではない話が、どんどん出て来るな。まあ、そいつらが、犯罪に手を染めていたら、それを知った相手を口封じで殺すだろうね。
「でも、そんな人達を相手にしているんでしょ? アルヴスは」
「……そうですね」
ルナが立ち上がる。ルナはカチュアたちの方へ、振り向かずに語る。
「ちなみに、兄様はこの件に、ルナを関わせないよう、カチュアさんとエドナさんのセシル王国に動向させたんです。遠ざけさせるために」
「成程。セシル王国へ、行くには関係者がいないと、入国は難しいから、ルナを動向させたのね。それだけ、聞くとカチュア達は利用されたってことね」
今、喋ったのはカチュアじゃなくって私だ。
「兄様は結構、回りくどいですから。それを分かっていたから、ルナは、カチュアさんに同行して兄様の目を欺いたんです。カチュアさん達を送ったら、戻る予定だったんです。その道中で、ロゼッタさんが、こっちに向かうことを聞いて、来たんだです」
そこまで、兄の考えていることを分かってしまうなんて。兄が分かりやすいのか、ルナが天才過ぎるのか、それか、兄妹だからこそ、互いに感じ取れるものがあるのか。
「いつまで、ここへ居たら、危ないですね。一旦、戻りましょう」
「あ! ルナちゃん、待ってください!」
ルナがこの場へ離れると、カチュアとエドナは、ルナを追いかける。
——まだ、奴が、あなたの弟って、決まったわけじゃない。代々、それは過去の出来事でしょ?
——わかるのよ。隠し部屋にあった、研究記録を見て、分かったの。これは弟の字よ。そっか……弟は既に死んでいたのね。探しても、見つからないはずよ。それに、弟はこんな酷いことを……。
今日で二回目。また、突然、夢を見た。前に見た、夢と同じ優しいそうな女性が泣いていた。これはいったい……。
「あ! カチュアさん達ですわ」
観客席で待機していた、ユミルとソフィアと合流した。
「どうですか?」
「アルヴスは見つからなかったわ~」
「まあ、エドナさんが転ばなかったことが、せめての救いです」
「もー! あたし、そんなに転んでないんだよー」
いや、嘘つけ!
「ちなみに、エドナさん、こんなところで転んで、針山に落ちないでください」
「大丈夫なんだよ! 落ちないんだよ。だって、落ちたら痛そうなんだよ」
痛いって、レベルか? 多分、死ぬだろ。これ。
「そうでは、ありません。あの針山、魔物の体を軽く貫けるほど強力な針ですよ。人がひと突き刺さると、刺したところ中心に塵も残さず、体が粉砕しますよ」
いや、怖すぎるだろ!? 死ぬだけのレベルじゃなかった!? てか、そこまで、しないと魔物の体は貫けないのかよ!?
「ゴンザレス選手、デッドガルムを殴り飛ばしたー! そして、リングから落ちたー! またもわや、ゴンザレス選手の勝利ー!」
また、「アイアム、キンニクー」の決め台詞の人か。てか、選手は「アイアム、キンニクー」の人しかいないのか?
観客は歓声を挙げた。
「アイアム、キンニクー」
あの巨体を殴り飛ばすなんて凄いな……と言いたいところなんだけど、それよりも、カチュアの戦う姿を見ているから、余り、驚かないんだよな。
カチュアが、急に後ろを振り向き、背中に背負っている剣の持ちところを握った。
「カチュアさん、どうしたのですか?」
「後ろから、大きな足音が」
観客席の出入り口から男の人が慌てて入ってきた。観客たちも、その人の方へ、体が振り向いた。
「大変だー、魔物が……」
がぶり!!!
突然、慌てていた男の人の首がなくなってしまう。
それを見た、観客たちは「ぎゃーーー!!!」と叫びながら、一斉に逃げ始める。
逃げていく、人達がいる中。
「あれは~、確か、ゲブンだっけ~?」
うん、現れてたのはゲブン見たいのだった。だけど。
「酷いですね! 観客席にきて、人殺しするなんて」
このカチュアとエドナ、通常ノーテンキコンビはこんな非常時でも、ボケているよ。
『おい! そこのノーテンキコンビ! ボケ合戦している場合か!』
「至って、真面目よ~」
『説得力ゼロよ』
「え~」
『困った顔するな! 私がバカみたいじゃないか!』
確かに、ゲブンは豚顔だけど。カチュア達の前に、現れたあれ豚顔は。
「カチュアさーん。エドナさーん。あれはー、本物のオークですよー」
ルナが指摘。なぜか、あまり、ツッコミらしくない、ぼー読みだけど。
「本物のゲブンならー、襲ってきた魔物っとー、間違ってー、焼き殺しができると思ったのにー」
がっかりする、ところだったの? 未だにぼー読みだし。
ルナって子。段々と、危ない子になってきていないか? まあ、それほど、ゲブンって、あまり良くない将軍なのかがわかるが。
『どうするの、カチュア』
「うーん、観客さんはパニックになっているから~、誰一人、声が入らないわ~。なら、襲ってくる魔物を討伐するしかないわ~」
「カチュア殿に同感です」
こういった時のカチュアって、以外と冷静なんだよな。それとも、こんな時なのに、気にしていないのか。喋り方も普段と変わらず、ゆっくりだし。
でも、確かにカチュアの言う通り、このパニック状態の人たち。見ず知らずのカチュア達の声なんて、耳に入らないだろう。なら、この場を納めるためには、魔物を一匹残らず討伐するしかないか。
「きゃーーー!! きゃーーー!! きゃーーーーー!!!」
今でも悲鳴が聞こえる。……あれ? この悲鳴、聞き覚えのある声だな。
その悲鳴の正体はユミルだった。ユミルは刀を抜き、ゲブン、じゃなかった、オークを悲鳴を上げながら、滅多切りしていた。もう、オークの原型がなくなってきている。
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