45 / 348
第四章 再会
4-1 エドナサイド
しおりを挟む
「はわわ!!! すごーい! 大きな街なんだよ! それに、見たことのない、大きな建物がいっぱいあるんだよ!」
あたし達は、コルネリア帝国内にある、ルイドの街に、今さっき、着いた、ところなんだよ。
カチュアさんは勿論、フード付きのマントを着ているんだよ。カチュアさんの特徴と言える、蒼い髪がフードの中に隠れているんだよ。
でも、何で、そんな物を身に付けているのかな?
ルナちゃんが言うには、カチュアさんの容姿が目立ち過ぎて、汚物よりも臭い帝国貴族達に目をつけられたら、カチュアさんの場合は、配下にして、扱き使われるか、奴隷にされる恐れがあって、大変な目に会うかもしれないから、なるべく目立たないようにして下さいって、猫さんのような細くさせた目をしながら言われたんだよ。
……どういうことかな?
「エドナさん! まったく、子供みたいに、はしゃいで! あの人、ルナよりも年上なのに」
「あら、あら~、エドナちゃんたら~」
「えー!? こんな大きな街を見たらはしゃぎたいものでしょ?」
ズコッ!!
「あ?」
ドーーーーーン!!!
どこかに、躓いて、転んじゃったんだよ。その拍子で、思い切り、お顔をぶつけちゃったんだよ。
「もう! エドナさん! 何やっているんですか!?」
「はうう……。また、やっちゃったんだよ……」
「エドナちゃん、だいじょぶ~?」
「はい……大丈夫です」
とはいえ、顔が痛いんだよ。はうう……。
「ところで皆さん」
「どーしたの? ルナちゃん。猫さん見たいな顔をして?」
はうう! ルナちゃんが、猫さんの目みたいに、目を細くして、あたし達のことを睨んでいるんだよ。
「目付きは、生まれつきです! そうではなくって! 何で、皆さん、ルナの後を、付いてきているんですか? カチュアさん達は、セシルに滞在するのではなかったんですか?」
実は、あたし達は、コルネリア帝国へ戻る、ルナちゃんを密かに追って、来たんだよ。
あたし達は三週間ぐらい、セシル王国に滞在していたんだよ。何故だか分からないんだけど、ルナちゃんだけが一旦、コルネリア帝国に戻ることになったんだよ。
だけど、カチュアさんが、ルナちゃんの動向が、気になっていたから、着いてきたんだよ。セシル王国の魔物騒動も一旦、落ち着いていたことだし。
始めは、ルナちゃんにバレないように、尾行……っていうんだよね? それをしていんだよ。だけど、もう少しで、ルイドの街に着くところで、あたしが転んで、その拍子で、木にぶつかって倒しちゃったんだよ。そのせいで、ルナちゃんに、尾行がバレたんだよ。
「それは、勿論、ルナちゃんが、心配だから、着いてきちゃったわ~」
「あたしも、気になったんだよ!」
「あー。そうですかー……。で、カチュアさんとエドナさんが着いてきちゃったのは、ともかく……」
ルナちゃんは、あたしの隣にいた、ユミルさんと、ソフィアさんに視線を向けたんだよ。
「何でユミル様とソフィアさんも、ついて来ているんですか?」
あたしとカチュアさんだけでなく、ユミルさんと、その側近であるソフィアさんも、着いてきたんだよ。
ユミルさんは、カチュアさんと同じフード付きマントを着ているんだよ。ソフィアさんは、本当は別の変装物を着させたかったんだけど、急にあたし達に着いてくることが、決まったから、用意ができなかったそうなんだよ。
あたしは、ユミルさんを「さん」付けで呼んでいるんだけど、以前はユミルさんを「様付け」で呼んでいたんだよ。
だけど、ユミルさんからは親しく、呼んでくださいって、言われたんだよ。だから、今は『様』で呼んでいないんだよ。ルナちゃんもユミルさんのことは、『さん』付けで、呼んでいるんだよ。
ユミルさんは鳥人族で、鳥人族は背中に翼があるんだけど、なんでも、翼を小さくすることが、出来るみたいで、今は縮めいて、マントの上からは目立たないようにしているんだって。
そう言えば、ソフィアさんって、初めて会った頃から、翼が見えなかったんだよ。あれは翼を縮めていたんだね。
「わたくしも、ルナちゃんが心配で、カチュアさんと一緒に着いてきましたわ。それに、しばらく、カチュアさんの勇姿を、もう少し見てみたくって」
「見た目とオドオドした性格に、似合わず、アクティブな方、なんですね……」
ユミルさん、最初会った時は、オドオドしていたのに、今ではイキイキとしているんだよ。
「これでも、伝説の女将軍のファンなんですよ。後は『災害戦争』の時代の剣姫もそうなんです」
「ああ、そうなんですね……」
「『災害戦争』! それ知っているんだよ! 当時の厄災が、このマギ大陸を飲み込むほどの大津波を起こしたんだよね? そこに剣姫と呼ばれていた人が、津波を、真っ二つに斬ったと、伝われているんだよね!」
ユミルちゃんとは、気が合いそうなんだよ!
「ソフィアさんも付いてきたんですね」
「私はユミル様の行くところへ、どこでも着いていきます」
「ですねー。わかっていましたよー。ソフィアさん、召使いですもんねー。というよりかは、腕っぷしからして用心棒?」
ルナちゃん、顔はあたし達がいる方へ、向いているんだけど、何でか、わからないんだけど、目線が、あたし達がいる方へ、向いていないんだよ。
「ふぅ。用心棒ね~。そっちの方が私には、似合うね」
「否定はしないんですね」
「ところで、なんでルナちゃんは、ここに~? しかも、一人で~。危ないわよ~。外には、危険種がたくさんいるんだから~」
「カチュアさん達には、関係がな……」
ルナちゃんが言い掛けようとしたんだけど。
「ルナちゃんが心配なのよ~。わたしは~」
「圧が強いですよ! 顔近づかないで下さい! というか、デカいオッパイをルナの顔に近づかせないで下さい!」
カチュアさんは、笑顔で、ルナのに近づいたんだよ。というよりかは、ルナちゃんの顔に胸を当てているみたいなんだよ。
それにしても、カチュアは、笑顔をしているはずなのに、何だが、雰囲気が怖いんだよ。
「分かりました! 話します! ……は~。ちょっと、兄様に関して気掛かりなことがあって、その……」
どうしたんだろう。ルナちゃんが、話の続きを話すのに、躊躇っている、見たいなんだよ。
「訳ありかな? それも、何だが、言いにくそうだな。カチュア、ここは、あまり触れない方が良さそうだ」
カチュアさんの瞳の色が赤くなったんだよ。
「この感じ、カチュアさんでは、ないですね」
ソフィアさんが尋ねるんだよ。
「ナギさんだよ。カチュアさんの中にいるんだって」
「瞳の色だけでなく、雰囲気も違う。二重人格ですか?」
「私が表に出ているけど、その間の記憶はちゃんとあるみたいだから、二重人格ではないみたい」
「そうですか?」
「あー。ソフィアだっけ? あなた、まったく動じないようだけど、別の精神体が宿っているって、信じるの?」
「普通に信じますよ」
「即答かよ! 根拠は!?」
「余りにも、カチュア殿と雰囲気が違いますから。カチュア殿は演じるのは苦手な印象はありますし」
「わたくしも、始めはビックリしました。でも、こういうことって、あるんですね」
「そうそう、あるものじゃないと、思っているのは、私だけかな? それに、ユミルはユミルで、結構、能天気なんだな」
ナギさんも、ユミルちゃん、ソフィアさんと打ち遂げた見たいなんだよ。良かったんだよ。
街中を歩いていると。立派な、というよりかは、派手な服装をした人を見かけるんだよ。祭りでも、やるのかな?
「おや、おや、貧乏人が、せっせっと働く姿、惨めぜザマス」
声がする方を見ると、街中で見かけたような派手な服装した、まん丸太った、おばさん二人と、その反対でボロボロの服を着た女の子が蹲っていたんだよ。
見ている限り、まん丸太った、おばさん達が、女の子をいじめているように、見えるんだよ。現に、まん丸太ったおばさんたちは、女の子を蹴っているんだよ。
「なんか、嫌な感じがするわ~、腐った匂いもするわ~」
カチュアさんが、匂うって言うから、あたしも匂いを嗅いでみたんだよ。だけど。
「ん? 腐った匂いというよりも、お花の匂いかな? でも、匂いが凄くキツイんだよ。あたしは、好きにはなれないんだよ! この匂いは!」
「エドナさん。カチュアさんの言う、腐った匂いはそう言う意味ではないですよ」
「じゃあ、どういう意味ですか?」
ルナちゃんに尋ねるたんだよ。
「ここは、特に貧困の差が激しいのよ」
あれ? あたしのことをスルーされているんだよ? もう! カチュアの嗅いだ匂いが気になるんだよ!
「ひんこん~?」
「お金を持っている人が入れば、お金を持ってない人がいるよ。お金を持っていなければご飯も買えないのよ」
街も大変なんだね。あたしが思っていた街とは、違うんだよ。
「あまり、目立たないようにしないと……」
ルナちゃんが注意を促したんだよ。
「あれ? カチュアさんは?」
あれ? 本当なんだよ。さっきまで、あたしの隣にいた、カチュアさんが、いなくなったんだよ。
「やめてあげて~」
カチュアさんが、まん丸太った、おばさんたちに、近づいていたんだよ。
「カチュアさーーーん!! 何をやっているんですか!!?」
ルナちゃんが大声を出したんだよ。
「なんですか? ボロいマントなんか着て? 見窄らしいザマス」
「蹴るなんて酷いわ~。人として、どーなのかしら~」
「ふん、金を持たない貧乏人が貴族に歯向かうではないザマス」
「お金がないと生きられないって、貴族って、不便ね~。じゃあ、お金がなくなったら、まず、生きてこれないのね~。生きるために知恵を付けないとだわ~」
カチュアさん、凄いです。まん丸太った、おばさんたちに……圧力? を掛けられているうえに、笑顔でいられているんだよ。
「まあ! わたくしらを、侮辱するザマスか? こうなったら、我々の家来に、お前をボコして差し上げますザマス」
「その時は~、わたしも対抗するね~」
カチュアさんは、拳を丸めた右手を、左側の平手に重ねたんだよ。すると。
バーーーーーン!!! シューーーーーン!!!
カチュアさんと、離れていた、あたし達に突風が襲い掛ってきたんだよ。一方、まん丸太った、おばさん達も、襲い掛かる突風に待機れなくなったのかな? 地面に腰が付いたんだよ。
「ひひひ!!! お! お! 脅しザマス!!?」
「けど、やばいザマスよ!!! このアマ!!!」
まん丸太った、おばさんたちは、慌てて、逃げていったんだよ。
「だいじょぶ?」
「ありがとうございます」
立ち上がった女の子は、お辞儀をした後、何処へ行ったんだよ。
「カチュアさん! もう、行動は慎重に! 助け出すなとは、言いませんが、貴族の人達に目を付けられたら大変ですよ! もう、手を出していますけど」
ルナちゃんが、頬を膨らませたんだよ。
「ごめんなさい」
「もうー! ほら、人が集まってくる前に、ここから離れますよ! ほら、行きますよ!」
ルナちゃんはカチュアさんの腕を掴んだんたまよ。
「ルナちゃん~、ちょっと~」
「てか、突風起こせるなんて、どんな力があるんだか」
「ナギさーん。表に出ていますよー。気をつけて下さい」
「すいません。カチュアにツッコミ入れようとしたら、つい」
「つい、だけで、人格切り替えられるんですか!?」
ルナちゃんは、カチュアさんの腕を、引っ張って歩くんだよ。
あたしは、カチュアさんとルナちゃんを追いかけようとする、ところに。
「エドナ殿。ちょっと、よろしいですか?」
ソフィアさんに止められたんだよ。
「はい、何ですか?」
「カチュア殿と、始めて会った頃から、思ったんですか、カチュア殿は何処のお嬢様でしょうか?」
「お嬢様って、ユミルさんみたいな、お姫様って感じでいいのかな?」
「概ね、その認識で構いません」
「そうは言っても、分からないんだよ。カチュアさんとは、最近知り合ったばかりなんだよ」
頭を抱えていると、ユミルさんが。
「わたくしも、薄々感じていました。カチュアさんは、実は、どこかの、高級な家柄出身じゃないかと。のんびりした雰囲気なカチュアさんは、確かに、美しい方ですわ。ですが、それ以上に、どこか、品の良さを感じる気がするのですわ」
「少なくっても、ドブ水で生息しているのが、お似合いの、あの豚貴族よりかは、貴族らしい雰囲気があります。戦っている姿も、美しいですし」
「わたくしも、思わず見惚れてしまいますわ。多分、カチュアさんなら、活躍次第で、歴史に名を残す偉人になると思いますわ」
う~ん、ソフィアさんの言う、豚貴族って、さっきの、まん丸太った、おばさん達のことかな? あの人たちは、豚だったんだ。ユミルちゃんのような亜人の一種かな?
それよりも、カチュアさんのことだよね。今思えば、カチュアさんって、七年前に旅に出たと言っていました。だけど、その前には、何処で育ったのかを、聞いたことがないんだよ。
「そう言えば、気にしたことが、なかったんだよ」
「よく、素性も、わからない方と仲良くできましたね」
「そうかな?」
そういえば、以前、ルナちゃんにも似たようなことを言われたような。初対面で、仲良くすることって、そんなにないのかな?
「エドナさーん、それと、後のお二人さーん。早く来て下さーい」
ルナちゃんが呼んでいるんだよ。
「あ! すみません! 今行きます!」
あたし達は、コルネリア帝国内にある、ルイドの街に、今さっき、着いた、ところなんだよ。
カチュアさんは勿論、フード付きのマントを着ているんだよ。カチュアさんの特徴と言える、蒼い髪がフードの中に隠れているんだよ。
でも、何で、そんな物を身に付けているのかな?
ルナちゃんが言うには、カチュアさんの容姿が目立ち過ぎて、汚物よりも臭い帝国貴族達に目をつけられたら、カチュアさんの場合は、配下にして、扱き使われるか、奴隷にされる恐れがあって、大変な目に会うかもしれないから、なるべく目立たないようにして下さいって、猫さんのような細くさせた目をしながら言われたんだよ。
……どういうことかな?
「エドナさん! まったく、子供みたいに、はしゃいで! あの人、ルナよりも年上なのに」
「あら、あら~、エドナちゃんたら~」
「えー!? こんな大きな街を見たらはしゃぎたいものでしょ?」
ズコッ!!
「あ?」
ドーーーーーン!!!
どこかに、躓いて、転んじゃったんだよ。その拍子で、思い切り、お顔をぶつけちゃったんだよ。
「もう! エドナさん! 何やっているんですか!?」
「はうう……。また、やっちゃったんだよ……」
「エドナちゃん、だいじょぶ~?」
「はい……大丈夫です」
とはいえ、顔が痛いんだよ。はうう……。
「ところで皆さん」
「どーしたの? ルナちゃん。猫さん見たいな顔をして?」
はうう! ルナちゃんが、猫さんの目みたいに、目を細くして、あたし達のことを睨んでいるんだよ。
「目付きは、生まれつきです! そうではなくって! 何で、皆さん、ルナの後を、付いてきているんですか? カチュアさん達は、セシルに滞在するのではなかったんですか?」
実は、あたし達は、コルネリア帝国へ戻る、ルナちゃんを密かに追って、来たんだよ。
あたし達は三週間ぐらい、セシル王国に滞在していたんだよ。何故だか分からないんだけど、ルナちゃんだけが一旦、コルネリア帝国に戻ることになったんだよ。
だけど、カチュアさんが、ルナちゃんの動向が、気になっていたから、着いてきたんだよ。セシル王国の魔物騒動も一旦、落ち着いていたことだし。
始めは、ルナちゃんにバレないように、尾行……っていうんだよね? それをしていんだよ。だけど、もう少しで、ルイドの街に着くところで、あたしが転んで、その拍子で、木にぶつかって倒しちゃったんだよ。そのせいで、ルナちゃんに、尾行がバレたんだよ。
「それは、勿論、ルナちゃんが、心配だから、着いてきちゃったわ~」
「あたしも、気になったんだよ!」
「あー。そうですかー……。で、カチュアさんとエドナさんが着いてきちゃったのは、ともかく……」
ルナちゃんは、あたしの隣にいた、ユミルさんと、ソフィアさんに視線を向けたんだよ。
「何でユミル様とソフィアさんも、ついて来ているんですか?」
あたしとカチュアさんだけでなく、ユミルさんと、その側近であるソフィアさんも、着いてきたんだよ。
ユミルさんは、カチュアさんと同じフード付きマントを着ているんだよ。ソフィアさんは、本当は別の変装物を着させたかったんだけど、急にあたし達に着いてくることが、決まったから、用意ができなかったそうなんだよ。
あたしは、ユミルさんを「さん」付けで呼んでいるんだけど、以前はユミルさんを「様付け」で呼んでいたんだよ。
だけど、ユミルさんからは親しく、呼んでくださいって、言われたんだよ。だから、今は『様』で呼んでいないんだよ。ルナちゃんもユミルさんのことは、『さん』付けで、呼んでいるんだよ。
ユミルさんは鳥人族で、鳥人族は背中に翼があるんだけど、なんでも、翼を小さくすることが、出来るみたいで、今は縮めいて、マントの上からは目立たないようにしているんだって。
そう言えば、ソフィアさんって、初めて会った頃から、翼が見えなかったんだよ。あれは翼を縮めていたんだね。
「わたくしも、ルナちゃんが心配で、カチュアさんと一緒に着いてきましたわ。それに、しばらく、カチュアさんの勇姿を、もう少し見てみたくって」
「見た目とオドオドした性格に、似合わず、アクティブな方、なんですね……」
ユミルさん、最初会った時は、オドオドしていたのに、今ではイキイキとしているんだよ。
「これでも、伝説の女将軍のファンなんですよ。後は『災害戦争』の時代の剣姫もそうなんです」
「ああ、そうなんですね……」
「『災害戦争』! それ知っているんだよ! 当時の厄災が、このマギ大陸を飲み込むほどの大津波を起こしたんだよね? そこに剣姫と呼ばれていた人が、津波を、真っ二つに斬ったと、伝われているんだよね!」
ユミルちゃんとは、気が合いそうなんだよ!
「ソフィアさんも付いてきたんですね」
「私はユミル様の行くところへ、どこでも着いていきます」
「ですねー。わかっていましたよー。ソフィアさん、召使いですもんねー。というよりかは、腕っぷしからして用心棒?」
ルナちゃん、顔はあたし達がいる方へ、向いているんだけど、何でか、わからないんだけど、目線が、あたし達がいる方へ、向いていないんだよ。
「ふぅ。用心棒ね~。そっちの方が私には、似合うね」
「否定はしないんですね」
「ところで、なんでルナちゃんは、ここに~? しかも、一人で~。危ないわよ~。外には、危険種がたくさんいるんだから~」
「カチュアさん達には、関係がな……」
ルナちゃんが言い掛けようとしたんだけど。
「ルナちゃんが心配なのよ~。わたしは~」
「圧が強いですよ! 顔近づかないで下さい! というか、デカいオッパイをルナの顔に近づかせないで下さい!」
カチュアさんは、笑顔で、ルナのに近づいたんだよ。というよりかは、ルナちゃんの顔に胸を当てているみたいなんだよ。
それにしても、カチュアは、笑顔をしているはずなのに、何だが、雰囲気が怖いんだよ。
「分かりました! 話します! ……は~。ちょっと、兄様に関して気掛かりなことがあって、その……」
どうしたんだろう。ルナちゃんが、話の続きを話すのに、躊躇っている、見たいなんだよ。
「訳ありかな? それも、何だが、言いにくそうだな。カチュア、ここは、あまり触れない方が良さそうだ」
カチュアさんの瞳の色が赤くなったんだよ。
「この感じ、カチュアさんでは、ないですね」
ソフィアさんが尋ねるんだよ。
「ナギさんだよ。カチュアさんの中にいるんだって」
「瞳の色だけでなく、雰囲気も違う。二重人格ですか?」
「私が表に出ているけど、その間の記憶はちゃんとあるみたいだから、二重人格ではないみたい」
「そうですか?」
「あー。ソフィアだっけ? あなた、まったく動じないようだけど、別の精神体が宿っているって、信じるの?」
「普通に信じますよ」
「即答かよ! 根拠は!?」
「余りにも、カチュア殿と雰囲気が違いますから。カチュア殿は演じるのは苦手な印象はありますし」
「わたくしも、始めはビックリしました。でも、こういうことって、あるんですね」
「そうそう、あるものじゃないと、思っているのは、私だけかな? それに、ユミルはユミルで、結構、能天気なんだな」
ナギさんも、ユミルちゃん、ソフィアさんと打ち遂げた見たいなんだよ。良かったんだよ。
街中を歩いていると。立派な、というよりかは、派手な服装をした人を見かけるんだよ。祭りでも、やるのかな?
「おや、おや、貧乏人が、せっせっと働く姿、惨めぜザマス」
声がする方を見ると、街中で見かけたような派手な服装した、まん丸太った、おばさん二人と、その反対でボロボロの服を着た女の子が蹲っていたんだよ。
見ている限り、まん丸太った、おばさん達が、女の子をいじめているように、見えるんだよ。現に、まん丸太ったおばさんたちは、女の子を蹴っているんだよ。
「なんか、嫌な感じがするわ~、腐った匂いもするわ~」
カチュアさんが、匂うって言うから、あたしも匂いを嗅いでみたんだよ。だけど。
「ん? 腐った匂いというよりも、お花の匂いかな? でも、匂いが凄くキツイんだよ。あたしは、好きにはなれないんだよ! この匂いは!」
「エドナさん。カチュアさんの言う、腐った匂いはそう言う意味ではないですよ」
「じゃあ、どういう意味ですか?」
ルナちゃんに尋ねるたんだよ。
「ここは、特に貧困の差が激しいのよ」
あれ? あたしのことをスルーされているんだよ? もう! カチュアの嗅いだ匂いが気になるんだよ!
「ひんこん~?」
「お金を持っている人が入れば、お金を持ってない人がいるよ。お金を持っていなければご飯も買えないのよ」
街も大変なんだね。あたしが思っていた街とは、違うんだよ。
「あまり、目立たないようにしないと……」
ルナちゃんが注意を促したんだよ。
「あれ? カチュアさんは?」
あれ? 本当なんだよ。さっきまで、あたしの隣にいた、カチュアさんが、いなくなったんだよ。
「やめてあげて~」
カチュアさんが、まん丸太った、おばさんたちに、近づいていたんだよ。
「カチュアさーーーん!! 何をやっているんですか!!?」
ルナちゃんが大声を出したんだよ。
「なんですか? ボロいマントなんか着て? 見窄らしいザマス」
「蹴るなんて酷いわ~。人として、どーなのかしら~」
「ふん、金を持たない貧乏人が貴族に歯向かうではないザマス」
「お金がないと生きられないって、貴族って、不便ね~。じゃあ、お金がなくなったら、まず、生きてこれないのね~。生きるために知恵を付けないとだわ~」
カチュアさん、凄いです。まん丸太った、おばさんたちに……圧力? を掛けられているうえに、笑顔でいられているんだよ。
「まあ! わたくしらを、侮辱するザマスか? こうなったら、我々の家来に、お前をボコして差し上げますザマス」
「その時は~、わたしも対抗するね~」
カチュアさんは、拳を丸めた右手を、左側の平手に重ねたんだよ。すると。
バーーーーーン!!! シューーーーーン!!!
カチュアさんと、離れていた、あたし達に突風が襲い掛ってきたんだよ。一方、まん丸太った、おばさん達も、襲い掛かる突風に待機れなくなったのかな? 地面に腰が付いたんだよ。
「ひひひ!!! お! お! 脅しザマス!!?」
「けど、やばいザマスよ!!! このアマ!!!」
まん丸太った、おばさんたちは、慌てて、逃げていったんだよ。
「だいじょぶ?」
「ありがとうございます」
立ち上がった女の子は、お辞儀をした後、何処へ行ったんだよ。
「カチュアさん! もう、行動は慎重に! 助け出すなとは、言いませんが、貴族の人達に目を付けられたら大変ですよ! もう、手を出していますけど」
ルナちゃんが、頬を膨らませたんだよ。
「ごめんなさい」
「もうー! ほら、人が集まってくる前に、ここから離れますよ! ほら、行きますよ!」
ルナちゃんはカチュアさんの腕を掴んだんたまよ。
「ルナちゃん~、ちょっと~」
「てか、突風起こせるなんて、どんな力があるんだか」
「ナギさーん。表に出ていますよー。気をつけて下さい」
「すいません。カチュアにツッコミ入れようとしたら、つい」
「つい、だけで、人格切り替えられるんですか!?」
ルナちゃんは、カチュアさんの腕を、引っ張って歩くんだよ。
あたしは、カチュアさんとルナちゃんを追いかけようとする、ところに。
「エドナ殿。ちょっと、よろしいですか?」
ソフィアさんに止められたんだよ。
「はい、何ですか?」
「カチュア殿と、始めて会った頃から、思ったんですか、カチュア殿は何処のお嬢様でしょうか?」
「お嬢様って、ユミルさんみたいな、お姫様って感じでいいのかな?」
「概ね、その認識で構いません」
「そうは言っても、分からないんだよ。カチュアさんとは、最近知り合ったばかりなんだよ」
頭を抱えていると、ユミルさんが。
「わたくしも、薄々感じていました。カチュアさんは、実は、どこかの、高級な家柄出身じゃないかと。のんびりした雰囲気なカチュアさんは、確かに、美しい方ですわ。ですが、それ以上に、どこか、品の良さを感じる気がするのですわ」
「少なくっても、ドブ水で生息しているのが、お似合いの、あの豚貴族よりかは、貴族らしい雰囲気があります。戦っている姿も、美しいですし」
「わたくしも、思わず見惚れてしまいますわ。多分、カチュアさんなら、活躍次第で、歴史に名を残す偉人になると思いますわ」
う~ん、ソフィアさんの言う、豚貴族って、さっきの、まん丸太った、おばさん達のことかな? あの人たちは、豚だったんだ。ユミルちゃんのような亜人の一種かな?
それよりも、カチュアさんのことだよね。今思えば、カチュアさんって、七年前に旅に出たと言っていました。だけど、その前には、何処で育ったのかを、聞いたことがないんだよ。
「そう言えば、気にしたことが、なかったんだよ」
「よく、素性も、わからない方と仲良くできましたね」
「そうかな?」
そういえば、以前、ルナちゃんにも似たようなことを言われたような。初対面で、仲良くすることって、そんなにないのかな?
「エドナさーん、それと、後のお二人さーん。早く来て下さーい」
ルナちゃんが呼んでいるんだよ。
「あ! すみません! 今行きます!」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる