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その2 やっと見つけた居場所
蛇ににらまれたナントカ
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「あっ、オズワルド隊長! お疲れ様ですっ。……見てください、これ。だらしないっすね~……。あんなのがリイナさんの養親だなんて、ほんっと信じられないっす」
部下の指差す方を見てみれば、そこには散乱した大量の空の酒瓶の中で酔っ払っていびきをかくふたりの姿があった。 完全に酔っ払って寝入っている。
そしてその横には酒以外の積み荷は手つかずの荷馬車が置いてあった。その側面に描かれた『ギルジア商会』の文字に視線が鋭くなる。
「ホーバリー、お前はこの酔っぱらいたちを牢に放り込んでおいてくれるか? 戻ったらちょっと締め上げるつもりだが、リイナにはまだ会わせるなよ」
「はい!! 承知しましたっ!!」
ホーバリーが元気のいい返事をしてふたりを連れて森を出ていくのを見送り、今度はデルロイに声をかける。
「俺たちは積み荷の中を確かめよう。ギルジア商会のやつらが荷馬車の盗難に気づくまでに済ませないと、こちらの動きを勘付かれるからな」
「あぁ、分かってる。じゃあ俺はこっちから探してみるわ」
そしてふたりで手分けしながら荷をあらためはじめる。
レキオルの勘が正しければ、この積み荷の中に盗難品が入っているはずだった。もしそれが出てきた暁にはギルジア商会が隣国とつながって盗品の輸送に関わっていることがはっきりする。事件の解明の足がかりになるはずだった。
だがもし何も出てこなかったら――。
「ないな……。そっちは何か出たか? デルロイ」
「いや、こっちも特にないな。そのレキオルってやつの見立ては本当に確かなのか? ギルジア商会って名前は確かに俺が調べる中にもちらっと出てはきたが……」
焦れる気持ちを抑えながら最後の木箱を開けてみるも、やはり何も出てこない。見立て違いか、と苛立ち箱の側面を拳で叩いたその時違和感に気がついた。
「……ん? この音……」
オズワルドは懐から小さなナイフを取り出すと、木箱の底にぐっと差し入れた。するとガコンッ、と底板が外れ空間が現れた。
「なんだ……? 二重底……!?」
中には小さなふたつの木箱が入っていた。そのうちのひとつは例の盗難品、そしてもうひとつには――。
「これは……?」
そこに入っていたのは、ガラス瓶に詰められた真っ白い粉だった。オズワルドはガラス瓶をそっと開け、鼻を近づけた。その覚えのある匂いに、黒い笑みが浮かぶ。
「……やつら、まさかこんなものにまで手を出していたとは」
「なんだよ、それ?」
「……毒物だ。この国にしか生息していない希少植物から採れる大昔からある毒だ。ほんのひとさじで簡単に大勢を証拠も残さず殺すことができるほど、恐ろしい、な」
デルロイの目が驚愕に大きく見開かれた。
想像もしていなかったものが積み荷から発見されたことに、オズワルドの喉もごくりと鳴る。
「となるともしかしたら美術品はただの資金稼ぎで、本当の目的はこの毒を手に入れるためという可能性も出てきたな……。これがあれば、何の証拠も残さずに暗殺も可能だからな」
そのつぶやきにデルロイが困惑した声を上げた。
「どういうことだよ……? まさかこの国にしかないこの薬を手に入れるために、その資金稼ぎでコーラスタ家はあんな事件に巻き込まれたってことか……? じゃあ真犯人の狙いは金じゃないってことか……?」
どうやら想像以上に裏のありそうな事件らしい。まさかこんな毒物まで登場するとは――。
嫌な予感に思わずごくりと息をのんだ。
「……とにかくすぐにこのことをレキオルに知らせよう。馬車は強盗が金目のものを盗った後谷底に突き落として始末したということにしておけば、ギルジアは後ろめたさから調査を断ってくるだろうからな。……と、その前にまずは分所に戻ってあの飲んだくれたちを片付けるか」
そうしてオズワルドは大きな胸騒ぎを感じながら、デルロイとともに分所へと馬を走らせたのだった。
◇◇◇◇
バシャーンッ!!
勢いよくよく冷えたバケツいっぱいの水を頭から浴びせかけられた養父母は、慌てて飛び起きた。
「目が覚めたか? この酔っ払いども」
冷たい石畳の上で全身をずぶ濡れにしながら呆然と辺りを見渡し、ふたりはぽかんとした顔でオズワルドを見上げる。
「へ……? えっと……あの、ここは?」
「なんであたしたち、こんな……!?」
驚くのも無理はない。楽しく高級な酒を飲んで気持ちよく酔っ払っていたはずが、目が覚めてみたら手足を縄できつく縛られ身動きできない状態で石畳の上に転がされ、牢の中に閉じ込められているのだから。
そしてオズワルドは、ふたりを威圧するように見下ろした。
「……ここは国境守備隊の分所だ。お前たちは金目のもの欲しさに荷馬車を襲い酒を盗んだ罪で、収監された。何か申し開きはあるか?」
「ちょ……ちょっと待ってくださいよっ!! あたしたちは旦那に頼まれて言われた通りにしただけじゃないですかっ……! あのお酒だって全部飲んでいいって言ったのは旦那じゃありませんか!?」
「そうですよっ! 俺たちはちゃんと報酬をもらってあの荷馬車を御者の代わりに運んだだけで……。積み荷だって酒以外にはまったく手を付けてませんぜ!? なのに今になって罪人扱いするなんてあんまりじゃありませんか!」
必死に弁解するふたりを、冷たく見下ろしにやりと笑みを浮かべる。
「ほう……? この俺がお前らにそんな仕事を頼んだと……? あの荷馬車を御者から奪い約束の場所まで運んだら、あとは好きに積み荷の中の酒を飲んでいい……と?」
その言葉にふたりは青白い顔でこくこくとうなずいた。
「で……、そんな頼みをお前たちにした証拠はあるのか? そんな悪事をこの俺がお前たちに依頼するとでも……??」
そう黒い笑みを浮かべ言い放つと、ふたりは目を大きく見開いて震え上がった。
「そ……そんなっ!! なんでそんな嘘を……?? 確かに旦那があたしたちに頼んだんじゃありませんかっ!? リイナへの罪滅ぼし代わりに頼みを聞いてくれって!! なのになんで今さらそんなことを……??」
「そ……そうですよっ!! あっしらは旦那に頼まれた通りにしただけで、何の罪もないんですよ!? あたしたちは根っからの善人なんですから!!」
その言葉に思わずピクリ、と眉根が上がった。
「ほう……。何の罪もない……ねぇ。散々養女にしたリイナを食い物にした挙げ句、とんでもない額の借金まで背負わせて逃げ出しておきながら、何の罪もない……とはよく言えたものだな」
ギロリと鋭く眼光を向ければ、ふたりは手を取り合いガタガタと震えだした。 腹の底からふつふつとこみ上げる憤りをなんとか抑え込みながら、オズワルドはふたりに問いかける。
「お前たち、随分な額の借金を重ねてきたようだが、リイナがこれまで送ってきた仕送りは何に使った? 酒か? 賭博か? それとも服や装飾品か? 仕事もせず毎日朝から飲んだくれて、リイナにすべての借金を押し付けて……。しかも屋敷にまで押しかけて随分な暴言を吐いたそうじゃないか?」
するとふたりは頬をひくつかせながら焦ったようにうろたえはじめた。
「でもまぁ養女と言えども親子なんですから、育てた恩を少しくらい返してもらおうと思ったってバチは当たらないでしょう……? それにあの子がお屋敷の料理人なんかできるのだって、元はと言えばあたしたちが育てたおかげってもんで……」
「それに孤児であるあの子をわざわざ引き取って育ててあげたんですから、そのくらいのこと、あの子だって喜んでしてくれるはずですよ。天涯孤独なあの子の親になってあげたんですからね!!」
その瞬間、プチッと頭の中で何かが切れる音がした。やはりこのふたりには何の温情をかける必要もない。今の発言を聞けばリイナも決心がついただろう。
オズワルドは後ろを振り返り、合図を送った。すると衝立の影からリイナが姿を現したのだった。
部下の指差す方を見てみれば、そこには散乱した大量の空の酒瓶の中で酔っ払っていびきをかくふたりの姿があった。 完全に酔っ払って寝入っている。
そしてその横には酒以外の積み荷は手つかずの荷馬車が置いてあった。その側面に描かれた『ギルジア商会』の文字に視線が鋭くなる。
「ホーバリー、お前はこの酔っぱらいたちを牢に放り込んでおいてくれるか? 戻ったらちょっと締め上げるつもりだが、リイナにはまだ会わせるなよ」
「はい!! 承知しましたっ!!」
ホーバリーが元気のいい返事をしてふたりを連れて森を出ていくのを見送り、今度はデルロイに声をかける。
「俺たちは積み荷の中を確かめよう。ギルジア商会のやつらが荷馬車の盗難に気づくまでに済ませないと、こちらの動きを勘付かれるからな」
「あぁ、分かってる。じゃあ俺はこっちから探してみるわ」
そしてふたりで手分けしながら荷をあらためはじめる。
レキオルの勘が正しければ、この積み荷の中に盗難品が入っているはずだった。もしそれが出てきた暁にはギルジア商会が隣国とつながって盗品の輸送に関わっていることがはっきりする。事件の解明の足がかりになるはずだった。
だがもし何も出てこなかったら――。
「ないな……。そっちは何か出たか? デルロイ」
「いや、こっちも特にないな。そのレキオルってやつの見立ては本当に確かなのか? ギルジア商会って名前は確かに俺が調べる中にもちらっと出てはきたが……」
焦れる気持ちを抑えながら最後の木箱を開けてみるも、やはり何も出てこない。見立て違いか、と苛立ち箱の側面を拳で叩いたその時違和感に気がついた。
「……ん? この音……」
オズワルドは懐から小さなナイフを取り出すと、木箱の底にぐっと差し入れた。するとガコンッ、と底板が外れ空間が現れた。
「なんだ……? 二重底……!?」
中には小さなふたつの木箱が入っていた。そのうちのひとつは例の盗難品、そしてもうひとつには――。
「これは……?」
そこに入っていたのは、ガラス瓶に詰められた真っ白い粉だった。オズワルドはガラス瓶をそっと開け、鼻を近づけた。その覚えのある匂いに、黒い笑みが浮かぶ。
「……やつら、まさかこんなものにまで手を出していたとは」
「なんだよ、それ?」
「……毒物だ。この国にしか生息していない希少植物から採れる大昔からある毒だ。ほんのひとさじで簡単に大勢を証拠も残さず殺すことができるほど、恐ろしい、な」
デルロイの目が驚愕に大きく見開かれた。
想像もしていなかったものが積み荷から発見されたことに、オズワルドの喉もごくりと鳴る。
「となるともしかしたら美術品はただの資金稼ぎで、本当の目的はこの毒を手に入れるためという可能性も出てきたな……。これがあれば、何の証拠も残さずに暗殺も可能だからな」
そのつぶやきにデルロイが困惑した声を上げた。
「どういうことだよ……? まさかこの国にしかないこの薬を手に入れるために、その資金稼ぎでコーラスタ家はあんな事件に巻き込まれたってことか……? じゃあ真犯人の狙いは金じゃないってことか……?」
どうやら想像以上に裏のありそうな事件らしい。まさかこんな毒物まで登場するとは――。
嫌な予感に思わずごくりと息をのんだ。
「……とにかくすぐにこのことをレキオルに知らせよう。馬車は強盗が金目のものを盗った後谷底に突き落として始末したということにしておけば、ギルジアは後ろめたさから調査を断ってくるだろうからな。……と、その前にまずは分所に戻ってあの飲んだくれたちを片付けるか」
そうしてオズワルドは大きな胸騒ぎを感じながら、デルロイとともに分所へと馬を走らせたのだった。
◇◇◇◇
バシャーンッ!!
勢いよくよく冷えたバケツいっぱいの水を頭から浴びせかけられた養父母は、慌てて飛び起きた。
「目が覚めたか? この酔っ払いども」
冷たい石畳の上で全身をずぶ濡れにしながら呆然と辺りを見渡し、ふたりはぽかんとした顔でオズワルドを見上げる。
「へ……? えっと……あの、ここは?」
「なんであたしたち、こんな……!?」
驚くのも無理はない。楽しく高級な酒を飲んで気持ちよく酔っ払っていたはずが、目が覚めてみたら手足を縄できつく縛られ身動きできない状態で石畳の上に転がされ、牢の中に閉じ込められているのだから。
そしてオズワルドは、ふたりを威圧するように見下ろした。
「……ここは国境守備隊の分所だ。お前たちは金目のもの欲しさに荷馬車を襲い酒を盗んだ罪で、収監された。何か申し開きはあるか?」
「ちょ……ちょっと待ってくださいよっ!! あたしたちは旦那に頼まれて言われた通りにしただけじゃないですかっ……! あのお酒だって全部飲んでいいって言ったのは旦那じゃありませんか!?」
「そうですよっ! 俺たちはちゃんと報酬をもらってあの荷馬車を御者の代わりに運んだだけで……。積み荷だって酒以外にはまったく手を付けてませんぜ!? なのに今になって罪人扱いするなんてあんまりじゃありませんか!」
必死に弁解するふたりを、冷たく見下ろしにやりと笑みを浮かべる。
「ほう……? この俺がお前らにそんな仕事を頼んだと……? あの荷馬車を御者から奪い約束の場所まで運んだら、あとは好きに積み荷の中の酒を飲んでいい……と?」
その言葉にふたりは青白い顔でこくこくとうなずいた。
「で……、そんな頼みをお前たちにした証拠はあるのか? そんな悪事をこの俺がお前たちに依頼するとでも……??」
そう黒い笑みを浮かべ言い放つと、ふたりは目を大きく見開いて震え上がった。
「そ……そんなっ!! なんでそんな嘘を……?? 確かに旦那があたしたちに頼んだんじゃありませんかっ!? リイナへの罪滅ぼし代わりに頼みを聞いてくれって!! なのになんで今さらそんなことを……??」
「そ……そうですよっ!! あっしらは旦那に頼まれた通りにしただけで、何の罪もないんですよ!? あたしたちは根っからの善人なんですから!!」
その言葉に思わずピクリ、と眉根が上がった。
「ほう……。何の罪もない……ねぇ。散々養女にしたリイナを食い物にした挙げ句、とんでもない額の借金まで背負わせて逃げ出しておきながら、何の罪もない……とはよく言えたものだな」
ギロリと鋭く眼光を向ければ、ふたりは手を取り合いガタガタと震えだした。 腹の底からふつふつとこみ上げる憤りをなんとか抑え込みながら、オズワルドはふたりに問いかける。
「お前たち、随分な額の借金を重ねてきたようだが、リイナがこれまで送ってきた仕送りは何に使った? 酒か? 賭博か? それとも服や装飾品か? 仕事もせず毎日朝から飲んだくれて、リイナにすべての借金を押し付けて……。しかも屋敷にまで押しかけて随分な暴言を吐いたそうじゃないか?」
するとふたりは頬をひくつかせながら焦ったようにうろたえはじめた。
「でもまぁ養女と言えども親子なんですから、育てた恩を少しくらい返してもらおうと思ったってバチは当たらないでしょう……? それにあの子がお屋敷の料理人なんかできるのだって、元はと言えばあたしたちが育てたおかげってもんで……」
「それに孤児であるあの子をわざわざ引き取って育ててあげたんですから、そのくらいのこと、あの子だって喜んでしてくれるはずですよ。天涯孤独なあの子の親になってあげたんですからね!!」
その瞬間、プチッと頭の中で何かが切れる音がした。やはりこのふたりには何の温情をかける必要もない。今の発言を聞けばリイナも決心がついただろう。
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