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4章 嫉妬と独占欲
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和真たちの商談が始まった頃、遠山家でもとある騒動が持ち上がろうとしていた。
「大変です! 孤児院で熱病が流行って子どもたちが次々と……。今朝には看病していらした院長先生まで倒れられてしまったそうですっ」
その知らせに、椿は椅子から勢いよく立ち上がった。
「えっ! 容体は?」
「それが……知らせにきた子どもたちも大分混乱していて、良く分からないんです。今は年長の子たちが協力して看病をしているようなんですけど、とても子どもたちでなんとかなるような状況ではないようで……」
椿は、すぐに決断した。
「お父様、急ぎ孤児院にお医者様をお願いできますか? 私はすぐに孤児院へ向かいます。お母様には、ありったけの毛布と消化に良さそうな食事の用意をしていただきたいの」
とにかく今すぐに状況を確認するために、孤児院に行かなくては。流行り病だとしたら、お医者様の見立てを待ってからのほうがいいかもしれないが、こうしている間にも子どもたちが苦しんでいるのだ。黙って待ってなどいられなかった。
「私も一緒に行くわ。椿。あなた一人ではとても……」
そう申して出てくれた母を制止する。
「いけませんわ。お母様はあまりお体が強くないのですから、もし移ってしまったら大変です。私なら慣れているから大丈夫です」
自分一人ならば若く体力もあるから、なんとでもなる。けれど両親に何かあったら、屋敷中に蔓延してしまいかねない。それだけは阻止しなければならなかった。
「……分かったわ。用意が整い次第すぐに運ばせます。本当はお医者様にどんな病気なのか見ていただいてから行って欲しいけれど、あなたがそれまで待ってなどいるわけないものね。けれど決して無理はせず、何かあったらすぐに連絡してちょうだい」
母の言葉にうなずき、椿は取るものもとりあえずすぐさま屋敷を飛び出したのだった。
◇◇◇◇
「椿姉! どうしよう。さっき明之まで倒れちゃったの! 熱が高いし苦しそうにしてて、でも俺は大丈夫だからって……。でも! 私、どうしたらいいの?」
孤児院に到着するとすぐ、吉乃が胸に飛び込んできた。
顔を汗と涙でぐちゃぐちゃにして、不安そうな表情を浮かべている。
「吉乃っ! あなたは大丈夫なのね? 良かった。……来るのが遅くなってごめんなさい。ここまでよく頑張ってくれたわ。本当にご苦労様。まずは、今の状況を教えてくれる?」
孤児院の中を見渡してみれば、具合の悪くなさそうな子はほんの数人しかおらず、ほとんどの子どもたちがベッドの中でぐったりと横たわり真っ赤な顔で苦しそうにあえいでいた。
無症状なのはほんの三、四人ほどだ。しかもその子たちも、その足取りはふらついていて今にも倒れそうな状態だった。
ここにいる多くはまだ年端もいかない幼い子どもたちだ。だからこそ明之をはじめとした年長の子たちも、必死に気力を振り絞り耐えていたのだろうが。体力もあり丈夫なはずの明之まで倒れたとなると、これは相当に深刻な状況に思われた。
椿はざっと状況を見渡し、吉乃に指示を出した。
「吉乃! もうすぐ屋敷から毛布や着替えが届くからそれがきたら、皆にそれを配って着替えが必要な子には手伝ってあげて。お医者様もまもなくいらっしゃるはずだから! それが済んだらあなたは一度休んで。あなたまで倒れたら大変だわ」
吉乃は頬に流れる涙をぐいっと拭うと、力強くうなずいてかけていった。
まずは一人一人の病状を確認しながら、医者にみせるための情報を集めていく。どうやら発疹などはなく発熱と体の痛みだけのようだ。
そして、熱の高い子から順に汗で濡れた衣服を着替えさせ、水で濡らしたタオルを額に乗せていく。体の痛みを訴える子には少しでも楽になるように姿勢を変えてやり、悪寒を訴える子には毛布をかける。
院長は看病の疲れがたたったせいか、子どもたちよりも症状が重いようだった。
すぐにかけつけてくれた医者が、必要な処置と薬を置いていってはくれたがあとは症状が治まるのを待つしかない。
「ごめんなさいね……椿。子どもたちを……お願い……ね」
院長の弱々しく握る手を、しっかりと優しく握り返し大きくうなずいた。
「子どもたちのことは私に任せてください。院長先生はゆっくりとお休みくださいませ。きっとお疲れが出たのです」
そうして、子どもたちの元へと戻る。
「椿姉! もうタオルの替えがないよ。それにシーツもっ」
「分かったわ。今すぐ洗濯してくるから、乾くまでの間はこれを使ってちょうだい。それから熱のある子に、水分をしっかりとらせるのを忘れないでね!」
まだ動ける子たちに指示を出しながら、急いでシーツとタオルを洗い桶でざぶざぶと洗い急いでまた中へと戻る。
屋敷からは続々とに必要な物資が届き始めた。
届けられたばかりのまだあたたかいスープを、食べられそうな病状の子どもたちから順に食べさせていく。ほんの一口でも栄養をとらなければ弱ってしまう。元々栄養状態が良いとは言えない暮らしをしているここの子どもたちにとって、たかが熱が命取りになることもある。
「大丈夫よ。ほんの少しでもいいの。ゆっくりでいいから、食べてちょうだい。きっと元気が出るわ」
椿は休むことなく必死に子どもたちの間を縫って走り回った。けれどなかなか熱は下がらず、なんとか踏ん張っていた子どもたちも一人二人と倒れ始めたのだった。
「椿姉……。お水、持ってき……」
そしてついに――。
水を張ったたらいを手にした吉乃がこちらに近づいてきたその次の瞬間、ガシャーンッ、という大きな物音とともに吉乃がその場に崩れ落ちたのだった。
「吉乃っ? あなた……ひどい熱! 待ってて、今すぐにベッドの用意を……」
大急ぎで看病の用意をしようと吉乃のそばを離れようとしたその手を、吉乃の手がつかむ。
「どうしたの? 気持ち悪い? しっかりしてっ、吉乃!」
吉乃は苦しそうに荒く息を吐きながら、かすかに首を振った。
ずっと小さな細い体で倒れた子どもたちの看病を率先して頑張ってくれていた吉乃までが倒れ、椿は不安に駆られていた。自分の力が至らず、もしものことがあったらと考えると不安で怖くてたまらなかった。
けれどそんな弱音を吐くわけにはいかない。
なんとか気持ちを振り絞り明るい声で励ます。
「大丈夫よ、吉乃。すぐにあたたかいスープとお薬を飲みましょうね。きっとすぐに楽になるわ。あとはゆっくり休んで」
「椿、姉……。私……この間のこと」
吉乃が苦しげに喘ぎながら、椿の袖をぎゅっと握りしめた。
「ごめんね。この前……ひどい態度を取って……美琴様に。私……あんなこというつもりじゃ……」
途切れ途切れの苦しげな声に、椿は吉乃の体を抱きしめた。
「いいの、いいのよ。とにかく今は病気を治しましょう。話は元気になったらいくらでもできるわ。ね?」
「でも……私、ずっと後悔……し、て。……ごめ、なさ……い」
椿は、その弱々しく消えていく吉乃の声にぶるり、と頭を振った。
「大丈夫よ。私が皆を絶対に治してみせるから!」
自分自身を鼓舞するように、椿は吉乃の体を支えて立ちあがった。
「大変です! 孤児院で熱病が流行って子どもたちが次々と……。今朝には看病していらした院長先生まで倒れられてしまったそうですっ」
その知らせに、椿は椅子から勢いよく立ち上がった。
「えっ! 容体は?」
「それが……知らせにきた子どもたちも大分混乱していて、良く分からないんです。今は年長の子たちが協力して看病をしているようなんですけど、とても子どもたちでなんとかなるような状況ではないようで……」
椿は、すぐに決断した。
「お父様、急ぎ孤児院にお医者様をお願いできますか? 私はすぐに孤児院へ向かいます。お母様には、ありったけの毛布と消化に良さそうな食事の用意をしていただきたいの」
とにかく今すぐに状況を確認するために、孤児院に行かなくては。流行り病だとしたら、お医者様の見立てを待ってからのほうがいいかもしれないが、こうしている間にも子どもたちが苦しんでいるのだ。黙って待ってなどいられなかった。
「私も一緒に行くわ。椿。あなた一人ではとても……」
そう申して出てくれた母を制止する。
「いけませんわ。お母様はあまりお体が強くないのですから、もし移ってしまったら大変です。私なら慣れているから大丈夫です」
自分一人ならば若く体力もあるから、なんとでもなる。けれど両親に何かあったら、屋敷中に蔓延してしまいかねない。それだけは阻止しなければならなかった。
「……分かったわ。用意が整い次第すぐに運ばせます。本当はお医者様にどんな病気なのか見ていただいてから行って欲しいけれど、あなたがそれまで待ってなどいるわけないものね。けれど決して無理はせず、何かあったらすぐに連絡してちょうだい」
母の言葉にうなずき、椿は取るものもとりあえずすぐさま屋敷を飛び出したのだった。
◇◇◇◇
「椿姉! どうしよう。さっき明之まで倒れちゃったの! 熱が高いし苦しそうにしてて、でも俺は大丈夫だからって……。でも! 私、どうしたらいいの?」
孤児院に到着するとすぐ、吉乃が胸に飛び込んできた。
顔を汗と涙でぐちゃぐちゃにして、不安そうな表情を浮かべている。
「吉乃っ! あなたは大丈夫なのね? 良かった。……来るのが遅くなってごめんなさい。ここまでよく頑張ってくれたわ。本当にご苦労様。まずは、今の状況を教えてくれる?」
孤児院の中を見渡してみれば、具合の悪くなさそうな子はほんの数人しかおらず、ほとんどの子どもたちがベッドの中でぐったりと横たわり真っ赤な顔で苦しそうにあえいでいた。
無症状なのはほんの三、四人ほどだ。しかもその子たちも、その足取りはふらついていて今にも倒れそうな状態だった。
ここにいる多くはまだ年端もいかない幼い子どもたちだ。だからこそ明之をはじめとした年長の子たちも、必死に気力を振り絞り耐えていたのだろうが。体力もあり丈夫なはずの明之まで倒れたとなると、これは相当に深刻な状況に思われた。
椿はざっと状況を見渡し、吉乃に指示を出した。
「吉乃! もうすぐ屋敷から毛布や着替えが届くからそれがきたら、皆にそれを配って着替えが必要な子には手伝ってあげて。お医者様もまもなくいらっしゃるはずだから! それが済んだらあなたは一度休んで。あなたまで倒れたら大変だわ」
吉乃は頬に流れる涙をぐいっと拭うと、力強くうなずいてかけていった。
まずは一人一人の病状を確認しながら、医者にみせるための情報を集めていく。どうやら発疹などはなく発熱と体の痛みだけのようだ。
そして、熱の高い子から順に汗で濡れた衣服を着替えさせ、水で濡らしたタオルを額に乗せていく。体の痛みを訴える子には少しでも楽になるように姿勢を変えてやり、悪寒を訴える子には毛布をかける。
院長は看病の疲れがたたったせいか、子どもたちよりも症状が重いようだった。
すぐにかけつけてくれた医者が、必要な処置と薬を置いていってはくれたがあとは症状が治まるのを待つしかない。
「ごめんなさいね……椿。子どもたちを……お願い……ね」
院長の弱々しく握る手を、しっかりと優しく握り返し大きくうなずいた。
「子どもたちのことは私に任せてください。院長先生はゆっくりとお休みくださいませ。きっとお疲れが出たのです」
そうして、子どもたちの元へと戻る。
「椿姉! もうタオルの替えがないよ。それにシーツもっ」
「分かったわ。今すぐ洗濯してくるから、乾くまでの間はこれを使ってちょうだい。それから熱のある子に、水分をしっかりとらせるのを忘れないでね!」
まだ動ける子たちに指示を出しながら、急いでシーツとタオルを洗い桶でざぶざぶと洗い急いでまた中へと戻る。
屋敷からは続々とに必要な物資が届き始めた。
届けられたばかりのまだあたたかいスープを、食べられそうな病状の子どもたちから順に食べさせていく。ほんの一口でも栄養をとらなければ弱ってしまう。元々栄養状態が良いとは言えない暮らしをしているここの子どもたちにとって、たかが熱が命取りになることもある。
「大丈夫よ。ほんの少しでもいいの。ゆっくりでいいから、食べてちょうだい。きっと元気が出るわ」
椿は休むことなく必死に子どもたちの間を縫って走り回った。けれどなかなか熱は下がらず、なんとか踏ん張っていた子どもたちも一人二人と倒れ始めたのだった。
「椿姉……。お水、持ってき……」
そしてついに――。
水を張ったたらいを手にした吉乃がこちらに近づいてきたその次の瞬間、ガシャーンッ、という大きな物音とともに吉乃がその場に崩れ落ちたのだった。
「吉乃っ? あなた……ひどい熱! 待ってて、今すぐにベッドの用意を……」
大急ぎで看病の用意をしようと吉乃のそばを離れようとしたその手を、吉乃の手がつかむ。
「どうしたの? 気持ち悪い? しっかりしてっ、吉乃!」
吉乃は苦しそうに荒く息を吐きながら、かすかに首を振った。
ずっと小さな細い体で倒れた子どもたちの看病を率先して頑張ってくれていた吉乃までが倒れ、椿は不安に駆られていた。自分の力が至らず、もしものことがあったらと考えると不安で怖くてたまらなかった。
けれどそんな弱音を吐くわけにはいかない。
なんとか気持ちを振り絞り明るい声で励ます。
「大丈夫よ、吉乃。すぐにあたたかいスープとお薬を飲みましょうね。きっとすぐに楽になるわ。あとはゆっくり休んで」
「椿、姉……。私……この間のこと」
吉乃が苦しげに喘ぎながら、椿の袖をぎゅっと握りしめた。
「ごめんね。この前……ひどい態度を取って……美琴様に。私……あんなこというつもりじゃ……」
途切れ途切れの苦しげな声に、椿は吉乃の体を抱きしめた。
「いいの、いいのよ。とにかく今は病気を治しましょう。話は元気になったらいくらでもできるわ。ね?」
「でも……私、ずっと後悔……し、て。……ごめ、なさ……い」
椿は、その弱々しく消えていく吉乃の声にぶるり、と頭を振った。
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