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新章突入! ラストダンジョンで勇者パーティーに捨てられたから、あたしお家に帰りたいです。
光と闇の戦士たち(5)
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セーリャの艶やかな唇から次々と紡がれる超古代の言語。それに呼応して、あたしに向けられた双眸と両手のひらに深紅の妖しい光が静かに灯る。
それらの輝きからは熱まで放たれていて、まるで春の木漏れ日を浴びているような錯覚をあたしにだけ与えた。
けれどもそれは、ほんの束の間の心地よい出来事だった。無防備な身体と意識がやすらぎを得たまさにそのとき、火傷の苦痛と熱波の衝撃に魂が呑み込まれたからだ。
(あぐぐっ……なんなのよ……これ……!?)
それは、復活の秘術に合意したことを後悔するには充分すぎるほどの痛みだった。なにも焼けてはいないのに、衣服が、皮膚が、焼け爛れているように熱くて痛い。
けれども、すべての詠唱が終わるまでは、悲鳴もまばたきも許されない。
全身の自由が奪われていた。まるで魂が火あぶりの刑にあっているような思いだった。
「ロア……」
ミメシスの声が聞こえたような気がする。それは、孤独な責苦の時間から逃れたい気持ちが生み出した一時の幻聴かもしれない。
「──ロアお嬢様、ありがとうございました。そして、ゆっくりとおやすみくださいませ」
ようやく解放されて身を起こす。ふと見れば、あたしの身体は、足もとに横たわったまま浮いていた。
『みゃ? これってもしかして……今のあたしは幽体なの?』
禁断の秘術の副産物なのか、それとも、死にかけたが故の現象なのか。いずれにせよ、不可抗力だからどうしようもない。
セーリャとミメシスがなにかを言い争っている。翼はまだ片方だけのようだ。
『動けるけど……まだ身体には戻れそうにないわね』
目を閉じて動かない自分の顔の頬っぺたを人差し指で突っつく。我ながら、みずみずしくてハリのある肌をしていた。
せっかくだからと、あたしはマルスたちのパーティーまで飛んだ。
生身で近づくには気まずいけれど、幽体なら見えっこないし……それになにより、みんなのことが気になっていた。
最前列では合流したダイラーと一緒になって、ヴァインとおっさんがダ=ズールの長い手足にそれぞれ攻撃をしていた。
マルスは負傷したようで、プリシラのそばで回復魔法の治療をうけていた。
「プリシラ、もう少ししたら一気にけりをつけるぞ」
「うん。わたしの魔力もそろそろ限界が近づいてきてるし、そのほうがいいよ。ねえマルス……あのね……最後になるかもしれないから、伝えておきたいことがあって」
「最後だなんて縁起でもない! ボクたちは必ず勝って元の世界へ戻る、そう約束したじゃないか!」
「……うん、ちゃんと覚えてるよ。それでも、どうしても今、言っておきたいの」
聞き耳を立てるつもりはないんだけれど──話の内容がめっちゃ気になる。
それに……ふたりには、あたしのことが見えていないんだし、いいよね……ちょっとくらい近づいたって。
「わかった。なんだい、プリシラ?」
「あのね、わたし…………お腹に赤ちゃんがいるの」
「え?」
『え?』
今……なんて?
赤ちゃんが……え?
盟約の聖痕は?
聖なる神々と精霊に全身全霊を捧げてるんじゃなかったの?
「ロア、起きろ!」
パッチィィィィィィィィン!
「あいたっ?! あれ……ミメシス? プリシラとマルスのクソ野郎は?」
気がつくとなぜか、あたしは元の身体に戻っていた。おそらくは打たれたであろう左頬をさすりながら、辺りを見まわす。
遠く離れたところでマルスを先頭に、みんながダ=ズールと壮絶な死闘を繰り広げていた。
「む? 光の勇者ならあそこにいるぞ」
「えっ、もしかして夢……だったの?」
「なにを寝ぼけたことを。そんなことよりも、一気にけりをつける時が来たようだぞ。あれを見ろ」
うながされて見つめた先には、深紅の炎に包まれたセーリャが浮かんでいた。
そしてその背中には、濡羽色の翼が対になって大きくひろげられている。禁断の秘術が成功した証だ。
「刹那的とはいえ、完全体になるのはやはり最高の気分でございますねロアお嬢様……♡」
そう言い終えるとすぐ、全身の炎が一瞬のうちに右手に集約されて深紅の大剣へと変わった。
その紅い刀身は翼の全長にも負けず劣らずの長さで、メイド服姿には不釣り合いの──いや、人の姿ですら似つかわしくないほどの大きさだ。
そんな大剣を、セーリャは軽々と片手一本で握っていた。
「セーリャ、今のあたしは魔力が空っぽでミメシスは瀕死状態なの。それでも勝てるかな?」
「今のわたくしは、限りなく神に近い存在。本来ならば、邪神を自称するゲテモノなど敵ではありませんが……使える力は一撃分だけ。これも致し方なしでございます。そのあとのことは、光の勇者に任せるしかありません」
深いため息が聞こえたかと思えば、続けざまに小さな舌打ちも聞こえた。これは、セーリャが本当に不機嫌な時の独特な悪い癖で、これをした直後は必ずと言っていいほど──。
「クソッ、みんな死ねッ! 一昨日から死ねッ!!」
……と、こんな感じで大声で毒づく。
黙って笑顔でいれば本当に天使のような可愛いさなだけに、親友として残念でならない。
「一昨日から死ねとは、どういう意味だロア?」
「いや、ミメシス……そこは拾わなくていいからね、うん。ちなみに、そのままの意味だから」
「あーん、ロアお嬢様は死んだらダメですからね?」
「うん、それはもちろんそうだし、あたしの寿命は四十年縮まったけど、あと百年以上はガッツリ生きてやるから大丈夫。それはそうと、これでラストバトルに決着がつくんでしょ?」
「はい、ロアお嬢様♡ ではまた、のちほど──」
笑顔で手を振ってくれたセーリャが、最前列をめざして羽ばたいて飛んでゆく。
「……ロアはここで待っていてくれ。今のおまえは、非力なひとりの少女でしかない」
「ありがとうミメシス。でも、ここまで来たんだから加勢くらいはさせなさいよね!」
「フフッ、おまえらしいな。好きにするがいい」
手の震えを誤魔化すために、あたしは笑顔を見せながら杖を強く握り締める。
本当は、死ぬのがめちゃくちゃ怖い。
でもこうなったらもう、なにも悔いが残らないように最後まで戦ってやろうじゃないのよ!
(絶対に生きて帰ってやる──)
あたしは、ふたりのあとに続いて暗雲の大空を飛んだ。
それらの輝きからは熱まで放たれていて、まるで春の木漏れ日を浴びているような錯覚をあたしにだけ与えた。
けれどもそれは、ほんの束の間の心地よい出来事だった。無防備な身体と意識がやすらぎを得たまさにそのとき、火傷の苦痛と熱波の衝撃に魂が呑み込まれたからだ。
(あぐぐっ……なんなのよ……これ……!?)
それは、復活の秘術に合意したことを後悔するには充分すぎるほどの痛みだった。なにも焼けてはいないのに、衣服が、皮膚が、焼け爛れているように熱くて痛い。
けれども、すべての詠唱が終わるまでは、悲鳴もまばたきも許されない。
全身の自由が奪われていた。まるで魂が火あぶりの刑にあっているような思いだった。
「ロア……」
ミメシスの声が聞こえたような気がする。それは、孤独な責苦の時間から逃れたい気持ちが生み出した一時の幻聴かもしれない。
「──ロアお嬢様、ありがとうございました。そして、ゆっくりとおやすみくださいませ」
ようやく解放されて身を起こす。ふと見れば、あたしの身体は、足もとに横たわったまま浮いていた。
『みゃ? これってもしかして……今のあたしは幽体なの?』
禁断の秘術の副産物なのか、それとも、死にかけたが故の現象なのか。いずれにせよ、不可抗力だからどうしようもない。
セーリャとミメシスがなにかを言い争っている。翼はまだ片方だけのようだ。
『動けるけど……まだ身体には戻れそうにないわね』
目を閉じて動かない自分の顔の頬っぺたを人差し指で突っつく。我ながら、みずみずしくてハリのある肌をしていた。
せっかくだからと、あたしはマルスたちのパーティーまで飛んだ。
生身で近づくには気まずいけれど、幽体なら見えっこないし……それになにより、みんなのことが気になっていた。
最前列では合流したダイラーと一緒になって、ヴァインとおっさんがダ=ズールの長い手足にそれぞれ攻撃をしていた。
マルスは負傷したようで、プリシラのそばで回復魔法の治療をうけていた。
「プリシラ、もう少ししたら一気にけりをつけるぞ」
「うん。わたしの魔力もそろそろ限界が近づいてきてるし、そのほうがいいよ。ねえマルス……あのね……最後になるかもしれないから、伝えておきたいことがあって」
「最後だなんて縁起でもない! ボクたちは必ず勝って元の世界へ戻る、そう約束したじゃないか!」
「……うん、ちゃんと覚えてるよ。それでも、どうしても今、言っておきたいの」
聞き耳を立てるつもりはないんだけれど──話の内容がめっちゃ気になる。
それに……ふたりには、あたしのことが見えていないんだし、いいよね……ちょっとくらい近づいたって。
「わかった。なんだい、プリシラ?」
「あのね、わたし…………お腹に赤ちゃんがいるの」
「え?」
『え?』
今……なんて?
赤ちゃんが……え?
盟約の聖痕は?
聖なる神々と精霊に全身全霊を捧げてるんじゃなかったの?
「ロア、起きろ!」
パッチィィィィィィィィン!
「あいたっ?! あれ……ミメシス? プリシラとマルスのクソ野郎は?」
気がつくとなぜか、あたしは元の身体に戻っていた。おそらくは打たれたであろう左頬をさすりながら、辺りを見まわす。
遠く離れたところでマルスを先頭に、みんながダ=ズールと壮絶な死闘を繰り広げていた。
「む? 光の勇者ならあそこにいるぞ」
「えっ、もしかして夢……だったの?」
「なにを寝ぼけたことを。そんなことよりも、一気にけりをつける時が来たようだぞ。あれを見ろ」
うながされて見つめた先には、深紅の炎に包まれたセーリャが浮かんでいた。
そしてその背中には、濡羽色の翼が対になって大きくひろげられている。禁断の秘術が成功した証だ。
「刹那的とはいえ、完全体になるのはやはり最高の気分でございますねロアお嬢様……♡」
そう言い終えるとすぐ、全身の炎が一瞬のうちに右手に集約されて深紅の大剣へと変わった。
その紅い刀身は翼の全長にも負けず劣らずの長さで、メイド服姿には不釣り合いの──いや、人の姿ですら似つかわしくないほどの大きさだ。
そんな大剣を、セーリャは軽々と片手一本で握っていた。
「セーリャ、今のあたしは魔力が空っぽでミメシスは瀕死状態なの。それでも勝てるかな?」
「今のわたくしは、限りなく神に近い存在。本来ならば、邪神を自称するゲテモノなど敵ではありませんが……使える力は一撃分だけ。これも致し方なしでございます。そのあとのことは、光の勇者に任せるしかありません」
深いため息が聞こえたかと思えば、続けざまに小さな舌打ちも聞こえた。これは、セーリャが本当に不機嫌な時の独特な悪い癖で、これをした直後は必ずと言っていいほど──。
「クソッ、みんな死ねッ! 一昨日から死ねッ!!」
……と、こんな感じで大声で毒づく。
黙って笑顔でいれば本当に天使のような可愛いさなだけに、親友として残念でならない。
「一昨日から死ねとは、どういう意味だロア?」
「いや、ミメシス……そこは拾わなくていいからね、うん。ちなみに、そのままの意味だから」
「あーん、ロアお嬢様は死んだらダメですからね?」
「うん、それはもちろんそうだし、あたしの寿命は四十年縮まったけど、あと百年以上はガッツリ生きてやるから大丈夫。それはそうと、これでラストバトルに決着がつくんでしょ?」
「はい、ロアお嬢様♡ ではまた、のちほど──」
笑顔で手を振ってくれたセーリャが、最前列をめざして羽ばたいて飛んでゆく。
「……ロアはここで待っていてくれ。今のおまえは、非力なひとりの少女でしかない」
「ありがとうミメシス。でも、ここまで来たんだから加勢くらいはさせなさいよね!」
「フフッ、おまえらしいな。好きにするがいい」
手の震えを誤魔化すために、あたしは笑顔を見せながら杖を強く握り締める。
本当は、死ぬのがめちゃくちゃ怖い。
でもこうなったらもう、なにも悔いが残らないように最後まで戦ってやろうじゃないのよ!
(絶対に生きて帰ってやる──)
あたしは、ふたりのあとに続いて暗雲の大空を飛んだ。
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