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第三章 ~ぶらり馬車の旅 死の大地・マータルス篇~
シャーロット・アシュリン・クラウザー
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「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
グングンと上昇していく景色と身体。胃の内容物が逆流するのをなんとか堪える。それでも両腕は自由、まだ戦える。巨大鋏に捕らわれたアシュリンは、空間の裂け目を見上げた。
その向う側に必ずいるはずであろう本体。聖剣クラウザーソードの力があれば、非力な自分でも一矢報えるはず──そう覚悟を決めて剣を構える。
だが、アシュリンを捕らえた巨大鋏は持ち上げる動きを徐々に弱め、そして止まった。
殺す気なら、とっくにできたはずだ。
いったいこれからなにが起ころうとしているのか?
アシュリンは臨戦態勢のまま、固唾を呑む。
『……貴様はここでなにをしている? マータルスに何用があって訪れた?』
脳内に響く謎の声。
一瞬なにがどうしたのか、理解がまったく追いつかずに言葉を失うアシュリンではあったが、すぐさま凛とした態度でその問いかけに答える。
「わたくしはシャーロット・アシュリン・クラウザー、リディアス国の王女。父王マグヌス・クラウザー十八世を救うため、この地に足を踏み入れた。おまえは、かの暗黒神バルカインか?」
その返事は、しばらく間をおいてから返ってきた。
『哀れな姫君よ、どうやらその様子では、まだ己が何者かを知らぬようだな』
「なにっ? それは、どういう意味だ?」
『フフフッ……まあよい……いかにも、我が名はバルカイン。だが、暗黒の神などではない。リディアス国の姫とやら、どうかこのまま立ち去ってくれ。貴様と戦ってしまっては、デア=リディアやホビット族の小僧までを倒す力は残らんからな』
「……断る。ホビット族の英雄の末裔として、おまえを闇の世界へ退ける!」
『ホビット族の末裔だと?……ふむ……たしかに、あの小僧と同じ力も感じられる。そうか、どうやらかなりの時間があれから過ぎているようだな』
そう言い終えるや否や、巨大鋏がゆっくりと地上まで降ろされる。まさかとは思ったが、アシュリンは無事に解放された。
一部始終を見守っていたレベッカも、何事が起きたのか理解できないでいた。
「……姫さま……姫さまッッッ!」
ふと、我に返ったレベッカが叫びながら駆け寄るも、今のアシュリンに聞こえているのはバルカインの声だけだった。
『ならば、貴様と戦おう。呼べ、デア=リディアを。目覚めさせよ、己の本当の姿を……』
異空間で迸る電流が、ついに雷となって地上まで降りそそぐ。次々に襲いかかる電撃はまるで意思があるかのように地を走り抜け駆け巡り、逃げ惑うロセアが油断した隙に、ソンドレとオルテガを繋いでいた縄を焼き切ってしまった。
「あ! 待て、おまえたちっ! 逃げるんじゃないっ!」
当然ながら、待てと言われて待つ罪人などこの世に誰もいない。逃亡者のふたりは電撃をうまく避けながら、バルカインのもとへと駆けていってしまった。
「バ、バルカイン様! 早く裁きの鉄槌を下してくださいませ! シャーロット王女もオーフレイムも軍人の小娘も、すべてあなた様の贄にございます!」
ソンドレが長大な脚の前にひざまずき、両手も組んで大声で叫ぶ。それに対してオルテガはと言えば、空間の裂け目を睨みつけるように見上げていた。
「ええい、バルカイン! 遅いぞ、まだなのか!? 早く姿を現して、その力でリディアスを草木も生えぬ焼け野原にしてしまえッッッ!」
だが、ふたりの言葉にバルカインはなにひとつ答えることはなかった。
「わたくしの……本当の……姿……」
「──姫さまッ! はぁ、はぁ、はぁ、ご……ご無事ですか……はぁ、はぁ、はぁ……」
「レベッカも逃げて」
「はぁ、はぁ、はぁ……はい?」
「ハルとドロシーを連れて、早くお逃げなさい」
「姫さま……」
アシュリンの表情と声色は騎士団長のそれではなく、本来の姿であるシャーロット王女に戻っていた。それがなにを意味するのか、レベッカはすべてを察する。
「まさか、姫さまひとりで戦うつもりかよ!? 冗談じゃないぜ……相手は魔物なんかじゃない、神サマなんだぞ!?」
「だからこそ、偉大なる初代マグヌス王の子孫であるこのわたくしが戦うのです」
「なっ!?……だったらよぉ、あたしだって聖騎士レオンハルト・オーフレイムの子孫なんだ! 姫さまが戦うなら、あたしだって死ぬまで戦ってやらァ! それに、あのふたりだって最後まで戦う覚悟が──」
尻尾を振り乱して叫ぶ興奮状態のレベッカは、ドロシーたちに向かって振り返る。が、ふたりはまだ気絶したまま地面に横たわっていた。
「お……おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!」
「ありがとう、レベッカ。そうよね……わたくしたちは〈天使の牙〉。それこそが、本当のわたくしの姿!」
凛々しい顔つきに戻ったシャーロット王女──否、アシュリンが、クラウザーソードを天高く掲げて声高らかに叫ぶ。
「我らは〈天使の牙〉! 正義の名のもとに悪を噛み砕く、女神デア=リディアの手によって解き放たれた聖なる獣なり!」
かくして、少女騎士団とバルカインの最終決戦が幕を開けた。
グングンと上昇していく景色と身体。胃の内容物が逆流するのをなんとか堪える。それでも両腕は自由、まだ戦える。巨大鋏に捕らわれたアシュリンは、空間の裂け目を見上げた。
その向う側に必ずいるはずであろう本体。聖剣クラウザーソードの力があれば、非力な自分でも一矢報えるはず──そう覚悟を決めて剣を構える。
だが、アシュリンを捕らえた巨大鋏は持ち上げる動きを徐々に弱め、そして止まった。
殺す気なら、とっくにできたはずだ。
いったいこれからなにが起ころうとしているのか?
アシュリンは臨戦態勢のまま、固唾を呑む。
『……貴様はここでなにをしている? マータルスに何用があって訪れた?』
脳内に響く謎の声。
一瞬なにがどうしたのか、理解がまったく追いつかずに言葉を失うアシュリンではあったが、すぐさま凛とした態度でその問いかけに答える。
「わたくしはシャーロット・アシュリン・クラウザー、リディアス国の王女。父王マグヌス・クラウザー十八世を救うため、この地に足を踏み入れた。おまえは、かの暗黒神バルカインか?」
その返事は、しばらく間をおいてから返ってきた。
『哀れな姫君よ、どうやらその様子では、まだ己が何者かを知らぬようだな』
「なにっ? それは、どういう意味だ?」
『フフフッ……まあよい……いかにも、我が名はバルカイン。だが、暗黒の神などではない。リディアス国の姫とやら、どうかこのまま立ち去ってくれ。貴様と戦ってしまっては、デア=リディアやホビット族の小僧までを倒す力は残らんからな』
「……断る。ホビット族の英雄の末裔として、おまえを闇の世界へ退ける!」
『ホビット族の末裔だと?……ふむ……たしかに、あの小僧と同じ力も感じられる。そうか、どうやらかなりの時間があれから過ぎているようだな』
そう言い終えるや否や、巨大鋏がゆっくりと地上まで降ろされる。まさかとは思ったが、アシュリンは無事に解放された。
一部始終を見守っていたレベッカも、何事が起きたのか理解できないでいた。
「……姫さま……姫さまッッッ!」
ふと、我に返ったレベッカが叫びながら駆け寄るも、今のアシュリンに聞こえているのはバルカインの声だけだった。
『ならば、貴様と戦おう。呼べ、デア=リディアを。目覚めさせよ、己の本当の姿を……』
異空間で迸る電流が、ついに雷となって地上まで降りそそぐ。次々に襲いかかる電撃はまるで意思があるかのように地を走り抜け駆け巡り、逃げ惑うロセアが油断した隙に、ソンドレとオルテガを繋いでいた縄を焼き切ってしまった。
「あ! 待て、おまえたちっ! 逃げるんじゃないっ!」
当然ながら、待てと言われて待つ罪人などこの世に誰もいない。逃亡者のふたりは電撃をうまく避けながら、バルカインのもとへと駆けていってしまった。
「バ、バルカイン様! 早く裁きの鉄槌を下してくださいませ! シャーロット王女もオーフレイムも軍人の小娘も、すべてあなた様の贄にございます!」
ソンドレが長大な脚の前にひざまずき、両手も組んで大声で叫ぶ。それに対してオルテガはと言えば、空間の裂け目を睨みつけるように見上げていた。
「ええい、バルカイン! 遅いぞ、まだなのか!? 早く姿を現して、その力でリディアスを草木も生えぬ焼け野原にしてしまえッッッ!」
だが、ふたりの言葉にバルカインはなにひとつ答えることはなかった。
「わたくしの……本当の……姿……」
「──姫さまッ! はぁ、はぁ、はぁ、ご……ご無事ですか……はぁ、はぁ、はぁ……」
「レベッカも逃げて」
「はぁ、はぁ、はぁ……はい?」
「ハルとドロシーを連れて、早くお逃げなさい」
「姫さま……」
アシュリンの表情と声色は騎士団長のそれではなく、本来の姿であるシャーロット王女に戻っていた。それがなにを意味するのか、レベッカはすべてを察する。
「まさか、姫さまひとりで戦うつもりかよ!? 冗談じゃないぜ……相手は魔物なんかじゃない、神サマなんだぞ!?」
「だからこそ、偉大なる初代マグヌス王の子孫であるこのわたくしが戦うのです」
「なっ!?……だったらよぉ、あたしだって聖騎士レオンハルト・オーフレイムの子孫なんだ! 姫さまが戦うなら、あたしだって死ぬまで戦ってやらァ! それに、あのふたりだって最後まで戦う覚悟が──」
尻尾を振り乱して叫ぶ興奮状態のレベッカは、ドロシーたちに向かって振り返る。が、ふたりはまだ気絶したまま地面に横たわっていた。
「お……おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!」
「ありがとう、レベッカ。そうよね……わたくしたちは〈天使の牙〉。それこそが、本当のわたくしの姿!」
凛々しい顔つきに戻ったシャーロット王女──否、アシュリンが、クラウザーソードを天高く掲げて声高らかに叫ぶ。
「我らは〈天使の牙〉! 正義の名のもとに悪を噛み砕く、女神デア=リディアの手によって解き放たれた聖なる獣なり!」
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