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第一章 ~少女騎士団誕生!~
出陣!
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肌寒い。
超恥ずかしい。
そしてなによりも、股間がスースーする。
リディアス国非公認騎士団〈天使の牙〉オフィシャル・コスチュームを身につけたドロシーは、大理石の回廊を全速力で駆け抜けていた。
今朝は目覚し時計の魔電池(込められた魔力によって電流が発生する、とても便利な装置)が何者かによって抜かれていたため、夜明け前に出発という漠然とした予定時刻ギリギリに起きてしまい、ひとり遅れて裏門をめざしていたのである。
「遅刻、遅刻ぅ~!」
そんなお約束なセリフを言っていると、蔦が絡まる古びた大きな門が見えてきた。近くには幌馬車が一輛、道を塞ぐように停車しており、そのそばには誰かが立っていた。
「はぁ、はぁ……間に合ったぁ~!」
到着と同時に、両膝に手を乗せた前屈みの姿勢で息を整える。ほどなくして、見知らぬ少女から声をかけられた。
「おはようございます、ドロシーさま」
「あっ、おはよう……はぁ、はぁ……ございます……って、あなたは誰?」
頭上の声の主は、この城のものとは違うデザインの黒いメイド服を着た、宝石のように美しい碧眼の少女だった。ピナフォアとかなり短いスカートから伸びる白タイツの細い足が、ドロシーに可愛らしいビスクドールを連想させた。
「はじめまして。わたくし、〈天使の牙〉専属使用人のアリッサム・サピアと申します。以後、お見知りおきを」
アリッサムは緊張した様子で、両手を前に組んだままペコリと愛らしくお辞儀をしてみせる。
「えっ、専属使用人までいるの!? あー、えっと……わたしは、ドロシー・ケイ・ウインドハイムです。ごきげんよう、アリッサムちゃん」
ドロシーもプリーツスカートの裾を片手で摘み、カーツィをしてそれに応えた。
「おせーぞ、ドロッチ!」
荷台から四つん這いの格好で顔を出すのは、頭からすっぽりと毛布にくるまったレベッカだ。きっと、冷たい外気や好奇の目から逃れるために服を隠しているのだろう。
「遅いって……目覚し時計の魔電池を抜いたのはレベッカさんですよね!? きのう寝る直前まで、わたしの部屋でお菓子を勝手に貪り食べてたでしょうがっ!」
レベッカは真顔でドロシーの怒り顔をしばらく見つめると、そのままなんの言葉を残さずに荷台のカーテンを閉めてなかへと身体を引っ込めた。
「言い訳すらなしかい!」
怒りがおさまらないドロシーではあったが、となりで佇むアリッサムの眉を八の字にした困り顔に気づき、咳払いをひとつして冷静さを取り戻してから「ハルさんや姫さまは?」と、はつらつとした笑顔で問いかけた。
「ハルさまなら、団長を起こしに行かれました」
「団長?」
どうやら、発起人のシャーロット王女は寝坊をしてしまったようで、ハルが迎えに行ったらしい。
前途多難とはこのことか。ドロシーは大きなため息をついてから、走った時にお尻に食い込んだ下着の位置をさりげなく直す。
その指の動きを見つめながらアリッサムは、「朝食は、どうなされますか?」と少し小声で訊ねた。
「あっ、うん。食べれるなら食べたいけど……朝食って、馬車の中かな?」
「はい。軽食ですけれど、準備がしてあります」
にっこりと笑うアリッサムにうながされたドロシーは、幌馬車へと乗り込む。
ほんの一瞬、お尻に強い視線を感じるが、周囲には同性のアリッサムしかいないはずなので、そのままかまわずに中へと進んだ。
荷台は意外と広く、大人五人くらいまでならなんとか横になれそうだった。それでも、ストーブやたくさんの麻袋、武器類などが置かれていたので窮屈なことに変わりない。
中央でぶら下がっているランプの暖かな灯火の真下には、盛り上がった毛布の塊が不気味に蠢いていた。おそらくレベッカだろう。
「レベッカさん、そんなに寒いんですか? でもやっぱり早朝のミニスカートはうら若き乙女でも厳しいですよね……って、ひとりでみんな食ってるし!」
用意されていた軽食とは、切れ込みをいれたロールパンに野菜や茹で玉子、生ハムを挟んだものであったのだが、みるみるうちに……いや、もう全部がきれいサッパリと皿の上から無くなった。
「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「フンガ?」
「あー、あー、あー! どうするんですか、みんな食べちゃって!? 姫さまの分も、あったはずですよ!?」
「ふぇ? はひぃふぇ?」
「マジです!」
食べてしまったものは、しかたがない。貪欲な先輩侍女が喉を詰まらせてしまうまえにと、ドロシーは皿の近くに置いてある牛乳が入った大きな瓶を掴み、肉球のイラストが描かれたマグカップへそそいだ。それはレベッカの私物で、猫好きな彼女のお気に入りでもある。
「──はい、どうぞ。冒険が始まるまえに死なれたら困りますからね」
「んぐ、んぐ…………プハーッ!」
わんぱく坊主のように手の甲で口もとの牛乳を拭ったレベッカは、なにも言わずにドロシーを見つめると、聞こえるか聞こえないかの小さな声で「恋が始まるな」そう意味深につぶやき、モゾモゾと蠢きながら車外へ降りていった。
ドロシーも幌馬車から降りた頃には、ハルがシャーロット王女を連れて戻ってきていた。
「よし、これで全員揃ったな。そろそろ出発といこうか!」
王女の言葉遣いと表情は、いつもの上品らしさとはほど遠い、とても勇ましくて凛々しいものに変わっていた。ひょっとしたら、形から入る性格なのかもしれない。
「あの……えーっと、団長。ちょっとよろしいでしょうか?」
そんな雰囲気を察したドロシーは、シャーロット王女を〝団長〟と呼び、右手を小さく控えめに挙げる。
「なんだ、ドロシー? もうママが恋しくなったのか?」
軍隊かよ。
華奢な腰回りに両手を添えてこちらを見つめるシャーロット王女に、ドロシーは心の中でそうツッコミをいれてみる。
「いえ……私物を忘れたので、取りに帰ってもよろしいでしょうか?」
今朝は遅刻寸前だったため、着替えるだけで精一杯だった。レベッカのように私物はなにも持ってきてはおらず、このままいつ終わるかも知れない無謀な冒険へと赴くのであれば、せめて普段着くらいは持参したいところである。
だが──。
「却下する。〈天使の牙〉出陣!」
王女は……もとい、騎士団長は腰に携えた剣帯からレイピアを勢いよく抜くと、薄明の空へ天高く突き上げて冒険の出発を宣言した。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「む? どうしたドロシー? やっぱりママが恋しくなったのか?」
「ええ、すぐにでも実家へ帰りたいですけど、そうじゃなくって、少しくらいは待っててくださいよ!」
「却下だ。〈天使の牙〉出陣!」
「待ってください、姫さま!」
必死になって腕にすがりつくドロシーを、騎士団長殿が氷のように冷たい眼差しで見下ろす。
「あ…………その、すみませんです。団──」
「却下! 今度こそ〈天使の牙〉出陣だぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
号令を聞いたハルやアリッサムは、「ヨーソロー!」の掛け声を上げて、我らが騎士団長のあとに続き、幌馬車の荷台へとすばやく乗り込む。
「海賊かよ!」
そう声に出してドロシーがツッコミをいれたのも束の間、レベッカに上着の首根っこを掴まれて軽々と荷台に投げ入れられる。
「うえっ!? きゃぁぁぁぁぁぁ!」
毛布にくるまれたままのレベッカは、それから御者台に飛び乗り一本鞭を盛大に振るう。その表情は活気に満ち溢れ、これから起こるであろう、なにか特別な出来事を待ちきれないといった様子であった。
「ハイヨー! シルバー!」
「ヒヒーン!(いよいよ冒険の出発だぜ!)」
大空に向かって白馬が嘶く。
その鳴き声が消えるよりも先に、幌馬車は土煙を巻き上げながら裏門を風の速さでくぐり抜け、さらに加速してそのまま城下町へと走り去っていった。
超恥ずかしい。
そしてなによりも、股間がスースーする。
リディアス国非公認騎士団〈天使の牙〉オフィシャル・コスチュームを身につけたドロシーは、大理石の回廊を全速力で駆け抜けていた。
今朝は目覚し時計の魔電池(込められた魔力によって電流が発生する、とても便利な装置)が何者かによって抜かれていたため、夜明け前に出発という漠然とした予定時刻ギリギリに起きてしまい、ひとり遅れて裏門をめざしていたのである。
「遅刻、遅刻ぅ~!」
そんなお約束なセリフを言っていると、蔦が絡まる古びた大きな門が見えてきた。近くには幌馬車が一輛、道を塞ぐように停車しており、そのそばには誰かが立っていた。
「はぁ、はぁ……間に合ったぁ~!」
到着と同時に、両膝に手を乗せた前屈みの姿勢で息を整える。ほどなくして、見知らぬ少女から声をかけられた。
「おはようございます、ドロシーさま」
「あっ、おはよう……はぁ、はぁ……ございます……って、あなたは誰?」
頭上の声の主は、この城のものとは違うデザインの黒いメイド服を着た、宝石のように美しい碧眼の少女だった。ピナフォアとかなり短いスカートから伸びる白タイツの細い足が、ドロシーに可愛らしいビスクドールを連想させた。
「はじめまして。わたくし、〈天使の牙〉専属使用人のアリッサム・サピアと申します。以後、お見知りおきを」
アリッサムは緊張した様子で、両手を前に組んだままペコリと愛らしくお辞儀をしてみせる。
「えっ、専属使用人までいるの!? あー、えっと……わたしは、ドロシー・ケイ・ウインドハイムです。ごきげんよう、アリッサムちゃん」
ドロシーもプリーツスカートの裾を片手で摘み、カーツィをしてそれに応えた。
「おせーぞ、ドロッチ!」
荷台から四つん這いの格好で顔を出すのは、頭からすっぽりと毛布にくるまったレベッカだ。きっと、冷たい外気や好奇の目から逃れるために服を隠しているのだろう。
「遅いって……目覚し時計の魔電池を抜いたのはレベッカさんですよね!? きのう寝る直前まで、わたしの部屋でお菓子を勝手に貪り食べてたでしょうがっ!」
レベッカは真顔でドロシーの怒り顔をしばらく見つめると、そのままなんの言葉を残さずに荷台のカーテンを閉めてなかへと身体を引っ込めた。
「言い訳すらなしかい!」
怒りがおさまらないドロシーではあったが、となりで佇むアリッサムの眉を八の字にした困り顔に気づき、咳払いをひとつして冷静さを取り戻してから「ハルさんや姫さまは?」と、はつらつとした笑顔で問いかけた。
「ハルさまなら、団長を起こしに行かれました」
「団長?」
どうやら、発起人のシャーロット王女は寝坊をしてしまったようで、ハルが迎えに行ったらしい。
前途多難とはこのことか。ドロシーは大きなため息をついてから、走った時にお尻に食い込んだ下着の位置をさりげなく直す。
その指の動きを見つめながらアリッサムは、「朝食は、どうなされますか?」と少し小声で訊ねた。
「あっ、うん。食べれるなら食べたいけど……朝食って、馬車の中かな?」
「はい。軽食ですけれど、準備がしてあります」
にっこりと笑うアリッサムにうながされたドロシーは、幌馬車へと乗り込む。
ほんの一瞬、お尻に強い視線を感じるが、周囲には同性のアリッサムしかいないはずなので、そのままかまわずに中へと進んだ。
荷台は意外と広く、大人五人くらいまでならなんとか横になれそうだった。それでも、ストーブやたくさんの麻袋、武器類などが置かれていたので窮屈なことに変わりない。
中央でぶら下がっているランプの暖かな灯火の真下には、盛り上がった毛布の塊が不気味に蠢いていた。おそらくレベッカだろう。
「レベッカさん、そんなに寒いんですか? でもやっぱり早朝のミニスカートはうら若き乙女でも厳しいですよね……って、ひとりでみんな食ってるし!」
用意されていた軽食とは、切れ込みをいれたロールパンに野菜や茹で玉子、生ハムを挟んだものであったのだが、みるみるうちに……いや、もう全部がきれいサッパリと皿の上から無くなった。
「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「フンガ?」
「あー、あー、あー! どうするんですか、みんな食べちゃって!? 姫さまの分も、あったはずですよ!?」
「ふぇ? はひぃふぇ?」
「マジです!」
食べてしまったものは、しかたがない。貪欲な先輩侍女が喉を詰まらせてしまうまえにと、ドロシーは皿の近くに置いてある牛乳が入った大きな瓶を掴み、肉球のイラストが描かれたマグカップへそそいだ。それはレベッカの私物で、猫好きな彼女のお気に入りでもある。
「──はい、どうぞ。冒険が始まるまえに死なれたら困りますからね」
「んぐ、んぐ…………プハーッ!」
わんぱく坊主のように手の甲で口もとの牛乳を拭ったレベッカは、なにも言わずにドロシーを見つめると、聞こえるか聞こえないかの小さな声で「恋が始まるな」そう意味深につぶやき、モゾモゾと蠢きながら車外へ降りていった。
ドロシーも幌馬車から降りた頃には、ハルがシャーロット王女を連れて戻ってきていた。
「よし、これで全員揃ったな。そろそろ出発といこうか!」
王女の言葉遣いと表情は、いつもの上品らしさとはほど遠い、とても勇ましくて凛々しいものに変わっていた。ひょっとしたら、形から入る性格なのかもしれない。
「あの……えーっと、団長。ちょっとよろしいでしょうか?」
そんな雰囲気を察したドロシーは、シャーロット王女を〝団長〟と呼び、右手を小さく控えめに挙げる。
「なんだ、ドロシー? もうママが恋しくなったのか?」
軍隊かよ。
華奢な腰回りに両手を添えてこちらを見つめるシャーロット王女に、ドロシーは心の中でそうツッコミをいれてみる。
「いえ……私物を忘れたので、取りに帰ってもよろしいでしょうか?」
今朝は遅刻寸前だったため、着替えるだけで精一杯だった。レベッカのように私物はなにも持ってきてはおらず、このままいつ終わるかも知れない無謀な冒険へと赴くのであれば、せめて普段着くらいは持参したいところである。
だが──。
「却下する。〈天使の牙〉出陣!」
王女は……もとい、騎士団長は腰に携えた剣帯からレイピアを勢いよく抜くと、薄明の空へ天高く突き上げて冒険の出発を宣言した。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「む? どうしたドロシー? やっぱりママが恋しくなったのか?」
「ええ、すぐにでも実家へ帰りたいですけど、そうじゃなくって、少しくらいは待っててくださいよ!」
「却下だ。〈天使の牙〉出陣!」
「待ってください、姫さま!」
必死になって腕にすがりつくドロシーを、騎士団長殿が氷のように冷たい眼差しで見下ろす。
「あ…………その、すみませんです。団──」
「却下! 今度こそ〈天使の牙〉出陣だぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
号令を聞いたハルやアリッサムは、「ヨーソロー!」の掛け声を上げて、我らが騎士団長のあとに続き、幌馬車の荷台へとすばやく乗り込む。
「海賊かよ!」
そう声に出してドロシーがツッコミをいれたのも束の間、レベッカに上着の首根っこを掴まれて軽々と荷台に投げ入れられる。
「うえっ!? きゃぁぁぁぁぁぁ!」
毛布にくるまれたままのレベッカは、それから御者台に飛び乗り一本鞭を盛大に振るう。その表情は活気に満ち溢れ、これから起こるであろう、なにか特別な出来事を待ちきれないといった様子であった。
「ハイヨー! シルバー!」
「ヒヒーン!(いよいよ冒険の出発だぜ!)」
大空に向かって白馬が嘶く。
その鳴き声が消えるよりも先に、幌馬車は土煙を巻き上げながら裏門を風の速さでくぐり抜け、さらに加速してそのまま城下町へと走り去っていった。
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