10 / 11
9.
しおりを挟む
口を閉じた子猫は、よちよち回りながら金色の光に向きなおして歩み寄り、ふたたび強く鳴き声を上げる。
すると、遠くで輝くばかりだったふたつの金色の光が一瞬だけ消え、その輝く色をわずかに変えた光は、ノエルと子猫のほうへ轟音と共に雪煙を巻き上げながら近づいて来る。
さらに力強く鳴き声を上げた子猫は、慌てた様子でノエルに駆け寄り、小さな背中に飛び乗ってピョンピョンと何度も元気よく跳ねた。
金色の光が、轟音をたてながら大きな輝きに変わる。
雪煙の中から徐々に姿を現したのは、黒い光沢の立派な車体だった。
車は数メートル先で急に止まり、フロントドアが吹雪を切り裂くように開く。それと同時に女性の叫び声が聞こえたかと思えば、派手な服装のお姉さんが車内から飛び出してきた。
「えっ……やだ、嘘でしょ……ののちゃん!?」
お姉さんはノエルに駆け寄り抱き起こすと、運転席の男性に向かって彼の名前を叫び、呼ばれた男性も車外へ降りる。
やがて男性はノエルを横抱きにして、お姉さんと口論をしながら車に乗り込んでいった。
そんな様子を静観していた子猫は、閉まるドアへ駆け込みシートへ飛び乗る。
そして豪快にエンジンをふかす音が雪の夜に響き渡ると、黒のSUVは銀世界を抜け出すかのような勢いで雪煙を巻き上げながら走り去っていった。
すると、遠くで輝くばかりだったふたつの金色の光が一瞬だけ消え、その輝く色をわずかに変えた光は、ノエルと子猫のほうへ轟音と共に雪煙を巻き上げながら近づいて来る。
さらに力強く鳴き声を上げた子猫は、慌てた様子でノエルに駆け寄り、小さな背中に飛び乗ってピョンピョンと何度も元気よく跳ねた。
金色の光が、轟音をたてながら大きな輝きに変わる。
雪煙の中から徐々に姿を現したのは、黒い光沢の立派な車体だった。
車は数メートル先で急に止まり、フロントドアが吹雪を切り裂くように開く。それと同時に女性の叫び声が聞こえたかと思えば、派手な服装のお姉さんが車内から飛び出してきた。
「えっ……やだ、嘘でしょ……ののちゃん!?」
お姉さんはノエルに駆け寄り抱き起こすと、運転席の男性に向かって彼の名前を叫び、呼ばれた男性も車外へ降りる。
やがて男性はノエルを横抱きにして、お姉さんと口論をしながら車に乗り込んでいった。
そんな様子を静観していた子猫は、閉まるドアへ駆け込みシートへ飛び乗る。
そして豪快にエンジンをふかす音が雪の夜に響き渡ると、黒のSUVは銀世界を抜け出すかのような勢いで雪煙を巻き上げながら走り去っていった。
10
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる