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第2章 上級模範生徒集団、それが生徒会。
黒須のあ
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黒須のあ……黒須のあ……。
職員室に戻った私は、教職員用に支給された黒いノート型パソコンを起動させ、学生名簿のデータが入ったファイルを開いていた。
黒須のあ──両親の交通事故死により、母方の祖父母に引き取られ半年前に東京都内の高校から転入。希望者ゼロによって活動停止中であった風紀委員にひとり立候補し、即日任命される。
また、理事長の強い推薦で表立ってはいないものの、生徒会副会長も兼任している。
成績は極めて優秀だが、他者とのコミュニケーション能力に問題あり。スクールカウンセラーの支援も許否しているため、今後の素行に改善が見られない場合は、強制的なメンタルケア及び三者懇談も必要である。
そのほかにも、生年月日に身長や体重、スリーサイズまで記されてあったが、それらの情報は特に必要あるまい。
続いて、生徒会長の森永について調べようとしたが、『警告! あなたにその権限がありません』と画面に表示されてしまい閲覧ができなかった。
「プルッポ!?」
「ハッハッハ、教師が見ることのでけへん生徒の情報は、ほかにもよーさんありますよ」
そう教えてくれたのは、授業を終えたばかりの亀谷先生だった。気づいた私に笑いかけながら、彼は隣の席に座る。
「ペペペッポ、プーピポー」
私はすぐさま、生徒会顧問の件を謝った。
「いやいや、気にせんといてください。むしろ、彼らから解放されてホンマにホッとしとるんですわ」
どこか晴れ晴れとした笑顔をみせる様子からして、それは本心なのだろう。
「ピーピィポー?」
「ああ……見れへん理由は実におかしなもんでしてなぁ、有力者の親御さんや理事たちからの圧力だったり、学園長の自主的な判断とか……つまるところ、モンスターペアレント対策の閲覧制限ですよ。ホンマ、アホらし」
なるほど。だとしても、教職員同士の共有情報内であれば問題はなさそうなのだが。その辺りを学園長に突っついてみるとしよう。
亀谷先生に礼を言って席を後にした私は、学園長室へ向かおうと職員室の引き戸を開けた。
「ペポ?」
開けたその先には、生徒会の男子生徒を何人も引き連れた無表情の黒須を筆頭に、それぞれが木刀や竹刀を握って待ち構えていた。
職員室に戻った私は、教職員用に支給された黒いノート型パソコンを起動させ、学生名簿のデータが入ったファイルを開いていた。
黒須のあ──両親の交通事故死により、母方の祖父母に引き取られ半年前に東京都内の高校から転入。希望者ゼロによって活動停止中であった風紀委員にひとり立候補し、即日任命される。
また、理事長の強い推薦で表立ってはいないものの、生徒会副会長も兼任している。
成績は極めて優秀だが、他者とのコミュニケーション能力に問題あり。スクールカウンセラーの支援も許否しているため、今後の素行に改善が見られない場合は、強制的なメンタルケア及び三者懇談も必要である。
そのほかにも、生年月日に身長や体重、スリーサイズまで記されてあったが、それらの情報は特に必要あるまい。
続いて、生徒会長の森永について調べようとしたが、『警告! あなたにその権限がありません』と画面に表示されてしまい閲覧ができなかった。
「プルッポ!?」
「ハッハッハ、教師が見ることのでけへん生徒の情報は、ほかにもよーさんありますよ」
そう教えてくれたのは、授業を終えたばかりの亀谷先生だった。気づいた私に笑いかけながら、彼は隣の席に座る。
「ペペペッポ、プーピポー」
私はすぐさま、生徒会顧問の件を謝った。
「いやいや、気にせんといてください。むしろ、彼らから解放されてホンマにホッとしとるんですわ」
どこか晴れ晴れとした笑顔をみせる様子からして、それは本心なのだろう。
「ピーピィポー?」
「ああ……見れへん理由は実におかしなもんでしてなぁ、有力者の親御さんや理事たちからの圧力だったり、学園長の自主的な判断とか……つまるところ、モンスターペアレント対策の閲覧制限ですよ。ホンマ、アホらし」
なるほど。だとしても、教職員同士の共有情報内であれば問題はなさそうなのだが。その辺りを学園長に突っついてみるとしよう。
亀谷先生に礼を言って席を後にした私は、学園長室へ向かおうと職員室の引き戸を開けた。
「ペポ?」
開けたその先には、生徒会の男子生徒を何人も引き連れた無表情の黒須を筆頭に、それぞれが木刀や竹刀を握って待ち構えていた。
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