幸せバカップル短編集

おがとま

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終業式 ツンデレ×ノーマル

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俺はノーマル。今高校の終業式が終わり帰路に着くところだ。幼なじみのツンデレと一緒に、2人きりで廊下を歩く。俺らは高3で、今日以降は忙しくてなかなか会えなくなる。正直少し寂しいところではあるが、お互いのためだ。

「……なあ。ノーマル。」

「ん?なんだ。」

「………お前、俺と会えなくて平気なわけ?」

「……?」

昔からこういうとこがこいつにはある。平気じゃないのはツンデレの方なんじゃないか?なんかすごい怒ってるし。眉間のシワが不覚にも可愛くて、ついグリグリしてしまう。

「やめろって!いいから早く応えろよ!」

「そりゃあ俺だって寂しいよ?でもお正月は会えるだろ?」

「ちが、そういうんじゃなくて…」

様子がおかしいのはいつもの事だが、今日は話までも通じない。何か言って欲しいのであればそう言って欲しい。こいつは言葉足らずすぎるのだ。いつも意味を汲み取るのに時間がかかる。

「……だから、お、俺は!これから先もずっと一緒にいたくて……」

「近所なんだからほぼ一緒じゃねーか。どっちも大学は実家から通う予定だし。」

「だからそういう意味じゃ…もういい。ノーマルなんか知らん……グス」

え?泣いてんの?!なんで?!意味わからん!!!

「なんでそこで泣くんだよ。ちゃんと伝えてくんねーと俺鈍感だから全然わかんねーし」


するとツンデレは涙を拭ってこう呟いた。

「……俺のこと好き?」

「おう。好きだぜ?」

「……なら、つ、つつつきあってくれる?」

「おう!もちろん……て、は?!」

「ほら。やっぱ好きじゃないじゃん嘘つき」


いやいや。そんな言葉が来るとは思ってなかったし!!!……でも、不快感は無いな。なんなら俺もずっと一緒にいたいとも思ってたし。もう手繋いだりハグしたりも成長と共にクリアしてるし。

「…今まで恋愛対象として見てなかったけど、俺ツンデレ好きだわ。うん。よく考えると眉間のシワも可愛いしトゲトゲな言葉も愛情の裏返しだって知ってるし顔も好みだしそれに…ムグッ」

「~~う、うううるさい!もういい!お前はデリカシーがない/////」

恥ずかしがる姿がとても可愛い。いろんな表情を見せてくれるのが嬉しく心地よかったが、これが好きってことだったんだな。

「それにしてもなんで今日なんだ?お正月とかの方が雰囲気でるだろ?」

「……。今日先生が、来年はみんなとほとんど会えなくなるから寂しいなって話してて。ノーマルとも今後疎遠になってくんじゃないかって不安で。早く俺のものにしたかった…というかなんというか……///」


こいつ可愛すぎる。なんなんだこのツンデレ具合は。顔を赤らめながらこっち見んなとこちらを睨む目に胸を撃たれてしまった。


それから俺たちは付き合うことになった。順調にラブラブしていくのだが、どっちが上か下かの争いが起きたのは、また別の話。

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