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『大佐』
剣道着を着た庵君と竹刀の打ち合う音を響かせながら稽古する。
『凪さん』
ガラリと場面が変わり、私服を着た庵君と街なかを手を繋いで並んで歩いていく。
『凪』
軍服を着た庵君は寂しそうな顔を向けてくる。
『凪っ!!』
自分も傷付いているのに、必死に手を伸ばして助けようとしてくれる。必死に名前を呼ぶ顔は鬼気迫るものがあった

『・・・・・』
庵君の名前を叫んでいるかもしれない。けど、口は動いているのに声が聞こえない。
それでも構わないから私も必死に手を伸ばしていく。泣きながらその手を掴もうとするけど叶わなかった。

あと少し、あと数センチで指が重なり合う・・・・・
そして、重なり合うことはなく場面は白くなる。

目の前は白いシャツが見えている。泣いていたのか目が涙でかするでいる。
「あっ・・・・・・」
目の前のシャツが顔に近づき、やがてピタッと引っ付く。それに合わせて、ウッディとオリエンタル調の混ざった深みのある香りが鼻孔を覆い、背中には人の腕が巻き付いていく。
「おはよう。朝から泣いてるね?悲しい夢でも見たのかな?・・・・・・「いおりくん」は何をしたのかな?」

最初と最後の声質が全く異なる。労る声から、冷めた声になる。
「ひっ・・・・・・」
気が付いたら両手首を強く握りしめられて、ベッドに縫い付けられている。
仰向けにされて、体を跨ぐように皇帝が伸し掛かり見下ろしている。
冷笑しているけど、その金色の瞳は憤怒をまとっているようにも見えるほど、暗く濁っている。

「朝から聞く言葉ではないねぇ・・・・・凪ちゃん。私はとても怒っているよ?まだ、分かっていないようだね。あぁ、今日は貴族達に凪ちゃんを紹介する日だった・・・・けど、時間はたっぷりとあるから躾直さないといけないね?」
そう言いながら皇帝の顔が降りてくる。あと数センチで鼻先がくっ付く距離まで顔を近づけてくる。

「お仕置きが必要だね?」
夜神にとって恐怖の単語が出てくる
━━━━━「お仕置き」・・・・その言葉でどれだけ嫌なことをされたのか。言葉にするのも、考える事も嫌になる。
「やぁ・・・・いやぁ!いや!やめて・・・・・」
体が恐怖で震える。きっと顔は青ざめているかもしれない。
「ん、ん━━━━!ん!!」
唇が塞がれる。無理矢理、舌でこじ開けて入ってくる舌は、自分勝手に動き回る。
逃げ回る舌に絡みつき、扱かれていく。そして、きつく吸われると、何故か下腹部あたりがザワザワしだしてくる。
口の蹂躪が終わると、頬にアイスシルバーの髪を当てながら、首筋を何度も吸っていく。そして━━━━
「い゛っ!!」
皮膚が硬い貫かれる。体内の熱が全てそこに集中しているかの様な錯覚を覚えるぐらい熱い。
耳に聞こえてくるのはジュル、ジュルとを啜る音が聞こえてくる。
皇帝に血を吸われているのだ。それも一番危惧していた「色の牙」で。

「あっ・・・・・・」
集中的に集まった熱はやがて、甘い痺れをまとい始める。そして、その痺れは散り散りに分散していく。
肌に触れるものが全て刺激になりはじめる。息をするのも苦しくて小間切れに呼吸をする。
けど、一番きついのは子宮当たりかもしれない。ツキン、ツキンと痛みだしてくる。そして、疼くのだ。が欲しくて堪らない。

「あぁ、とても綺麗だよ・・・・ほんのり染まった頬がいいね・・・・逃げるのかい?・・・・・・凪ちゃんはがいいんだね?分かったよ。好きな方でね・・・・・」
体の重みがふいになくなる。皇帝が体を起こしたのだ。夜神は痺れた頭で考える。「逃げなくては」と。
体を横にして、そこからうつ伏せになり這うように逃げようとする。
けど、逃げようとした時、背中を押さえつけられる。
「ゔゔっ・・・・」
体重をかけられているのが分かるぐらい痛い。片足を乗っけているのだ。満足に息もできなくて苦しい。
何やらガサゴソと布が擦れる音がしているが、何をしているのか気にかける余裕など「色の牙」に犯された頭では、考える事は出来なかった。

やっと体の重みがなくなると、今度は下半身がスースーしてくる。寝屋着の裾が捲られたと気づく事は出来なかった。
ただ、「寒い」と体感するだけで、「なぜ?」と考える余裕などない。
でも、「逃げないと」と、体は動こうとする。けど、動く前に臀部だけを天井に突き付けるように高々と持ち上げられる。
「?!・・・・な、にを・・・・」
疑問の声を出したが答など来るはずもなく、その代わり「クスッ」と笑い声だけが返される。
そして、下着が太腿まで降ろされると、冷たい液体がまだ、乾いているが「色の牙」で熱を持ってしまい、軽くむず痒くなっている媚肉に掛けられる。
「ひっ!何を・・・・いやぁ!冷たい・・・・・やだ・・・やめて・・・・・やめて!」
「痛いのは嫌だろう?それとも、痛いほうがお好みなのかな?私は優しい男だからね・・・・こうて濡らしてあげてるんだよ?感謝して欲しいね?」

冷たい液体が垂らされると、今度は蜜口に冷たい物が挿し込まれる。太さはないが、とても固い。
それが傾くと、蜜壷に残りの液体が注ぎ込まれる。冷えた液体は熱を孕んだ蜜壷の中でゆっくりと温まる。
けど、夜神は何も分からず、見えない所で自分の体に好き勝手される恐怖のせいで、慄いてしまう。
チュポン!と固い物が抜かれると、皇帝に曝け出している白い双丘が、問答無用で掴まれると熱い猛ったものが、無理矢理濡らされた蜜口にあてられる。
「ぃやぁ!!やめて!!や!!いたぁ・・・・ゔ・・・」
一気に突き立てられて、奥まで、蜜壷の限界まで深々と埋め込まれる。
自分の中は濡れているが、皇帝の肉茎は乾いていてそれの摩擦で痛みが生じる。
痛みに耐えようとシーツを掴んで何とかやり過ごそうとするが、埋め込まれた肉茎はざりざりと雁首で肉壁を削りながら蜜口まで後退する。

「やめ、て・・・・やめてくだ、ひぃ!あ、あぁぁ・・・」
再びパン!と乾いた皮膚同士がぶつかる音をさせながら、熱い肉茎が子宮口を穿つ。
それに耐えきれなくて、膝がカクンと折れるように、絹のシーツを滑る。夜神の体はうつ伏せになってしまう。
ルードヴィッヒは夜神の体勢に合わせるようにして、己の体を動かす。勿論、猛った己の一部はしっかりと夜神の中に埋め込んだまま。
「あぁ、体勢がキツくなったのかな?構わないよ。凪ちゃんの楽な体勢で・・・・・けど、お仕置きは続行するからね?」

悦楽の顔になると、白い双丘に自分の太腿を乗せる。そして、片手は背中を、もう片手は白練の頭に乗せると体重をかけていく。
「ゔゔっ・・・・」
キツイのだろう・・・・くぐもった声がしてくるが、今はお仕置きの最中なのだから無視して、自分勝手に腰を動かしていく。
パン!パン!と音がする。その度にギュギュに締まっている蜜壷は更に締っていく。
「い゛、あ゛、あっ!ゆる・・・・ゆるしてぇ、や、めて・・・・」

体は押さえつけられて痛い。体勢の問題か満足に息が出来ない。
最初は痛かった律動も今はヌチャ、ヌチャと耳を塞ぎたくなるような音をさせている。
皮膚同士がぶつかると自分の最奥が穿かれていく。その度にその衝撃は酷く甘く、体を蝕む。子宮と背中が特に酷く、そのせいで痙攣が止まらない。
「凪ちゃんがいけないのだよ。私の前で私以外の名前を呼んだのたから。私はとても悲しかったのだよ?・・・これは、お仕置きだよ。苦しいよね?満足に息も出来ないし、動けないし・・・・けど、沢山「ごめんなさい」出来たら早く終わるかもしれないよ?」

自分勝手の理不尽な言葉に夜神は可笑しくなりそうだった。皇帝の事など憎しみの対象でしかない。悲しくなろうが、怒ろうが本当ならどうでもいいのだ。一人で勝手にどうぞと、突き放して言いたいほどだ。
けど、その勝手に必ず巻き込まれる。体を嬲られるのだ。まるで、嫉妬してるみたいに。その嫉妬をぶつけられる。

それはとても辛くて、苦しい。構わないで欲しいのに。放っといて欲しいのに。出来る事なら無視して欲しい・・・・
けど、叶わない。叶わないから今、ここにいるのかもしれない。
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ひぃ、あ、あ、ゆ、る、してぇぇ━━━ゆるぅ、ん、ああぁぁっ!」
考えとは裏腹に口では許しを請う。早く解放されたい。このままだと可笑しくなるから。
もう、可笑しいのかもしれない。だって、皇帝の猛ったものが奥を打ち付ける度に、甘い痺れが体を頭を襲う。
いくら「色の牙」で犯されていようと、その痺れを「気持ち良い」と思ってしまったのだ。

庵君と一緒に過ごしていた時みたいに。庵君から与えられた刺激と同じ刺激に。体が求めてしまう。私の体はいつからこんなに見境なくなってしまったのだらう?
「いっ、イクぅ・・・イクの・・・・だめぇ!!」
頭の中が白くなってしまう。それは絶頂だった。それと、同時に皇帝の「うっ・・・・」と、切羽詰まった声がしたと思ったら、無理矢理埋められていた所が熱を持ち始める。
「いやぁぁ・・・もう、やだぁ・・・・」
中に放たれてしまったのだ。気持ち悪いものを。悍ましいものを。
もう、やめて欲しい。本当にこのまま続けないたら・・・・
「凪ちゃんの中はキュキュに私を締め付けるね?そんなに私が欲しいのかい?あぁ、遠慮なく注いであげようね。沢山注いだらいつか孕んでしまうかもね?楽しみだね?」
頭と背中を抑えていた手はなくなり、その代わり皇帝の体が上から抑えつける。

体重はかけてないので重みは然程感じないが、耳元で囁かれた言葉には重苦しさを感じる。
常に危惧している事だ。万が一そうなってしまったら私は・・・私はどうしたらいいのだろう?
怖い
怖いよ
見えない恐怖が襲う。いつの間にか体は痙攣から、震えに変っいる。
「う・・・こわい、やだ・・・・」
「大丈夫だよ。ちゃーんと育てようね。私達のカワイイ子供だ・・・・あぁ、
最後の方は何かを含んだ言い方だったが、恐怖で頭がいっぱいの夜神には聞こえなかった。

そして、体の重みも熱もなくなる。蜜壷をギチギチに埋めていた肉茎もヌポッ、と引き抜かれていく。
ギシッとベッドがきしむ。離れた所から皇帝の笑った声が聞こえてくる。
「私は準備があるからね・・・・凪ちゃんはもうしばらくゆっくりするといい。今日は朝から磨き上げて、うんと、綺麗になろうか。勿論、ちゃんと凪ちゃんに合うドレスも宝石も用意しているからね。それと、食事は寂しいけど一人で食べるんだよ?残してはいけないからね?」
一通り言い終わると皇帝は部屋を出ていく。
残された夜神はゆっくりとだが、ずり降ろされた下着を身に着けて、巻き上げられた裾を戻す。
ベッドの上で横に寝ながら膝を抱えて丸くなる。

赤くなった瞳からは引っ切り無しに涙が溢れて、枕を濡らしていく。
「やだ・・・・助けて、誰でもいいから・・・・助けて・・・・・」
誰にも聞こえない小さな声で、嗚咽を漏らしながら侍女長達が来るまで、助けを求めて続けた。
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