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皇帝からの一方的な「約束」を誓ったあと、夜神とルードヴィッヒ達は、乗ってきた車の前にいた。
視察も終わり今から城に戻るためだ。ずっと俯いたまま、感情の出ない夜神の腰に腕の回したルードヴィッヒは、満足気に見送りの団長や幹部達に挨拶をする。
団長も夜神を最初に見たときと違い、幾分か顔が明るいのを周りの幹部達は不思議そうに見ていた。

「とても有意義に過ごすことが出来たよ。団長も万が一・・・の事が合ったら力を貸してくれないかな?その時は元帥として役目を全うしてくれると信じているよ」
「もちろんです。その時は喜んで拝命致します!」
そのやり取りを聞いていた夜神は無意識に体を震わせていた。

夜神の行動一つで、甚大な損害があるかもしれないのだ。身震いをしないほうが無理な話である。
体の震えを一番身近に感じているルードヴィッヒは満足した表情で夜神の俯いた頭を見る。
顔の表情は見えないが、きっと怯えた顔をしているに違いないと思うと、笑みがこぼれる。
「それでは失礼するよ」

夜神より先に車に乗り込むと、手を差し伸べて乗車を促す。
一瞬戸惑った夜神は、差し出された手に軽く手を載せて、乗り込む。するとグイッと引き寄せられてルードヴィッヒの胸の中に倒れ込む。
それを見ていたローレンツはすぐさま、車の扉を閉めて、助手席に乗り込むと運転手に何かを呟いて車を発進させる。
そのやり取りを見ていた団長や幹部達は呆気に見ていたが、すぐに切り替えて騎士の礼で見送った。

「凪ちゃん、行きと同じだけど目隠しさせてもらうよ」
ルードヴィッヒは笑みを浮かべて、夜神にもう一度目隠しをする。
一瞬の出来事に抵抗出来なくて夜神はまた、視界を隠されてしまう。
「行くときも言ってけど、続きしてあげるね。今度は猿轡ないからどうなるかなぁ?」
行きと違う反対の左耳をネットリと舐められる。
「いやっ!」
行きとは違い、猿轡のない口からはそのままの声が出てしまう。
驚いた夜神は慌て口を拘束されている手で覆い隠す。
「凪ちゃんの、嫌がる声はゾクゾクするね。ねぇ、もっと聞かせて・・・・」

低い掠れた声で夜神を煽ると、耳の穴に窄めた舌をトントンとねじ込ませると音をたてて舐めていく。
背中をしならせて、その粟立つ感覚から逃げようと体をよじるが、シッカリと腰に回った手が邪魔をして、逃がすことが出来ない状態に追い込まれる。
「ふんっ・・・・んっ!」
「凪ちゃんは耳が弱いのかな?もっと声を聞きたいな」
粘着質な水音をたてて耳たぶやその裏を舐めたり、時折甘噛をして追い詰めていく。

そして無防備な状態の胸の膨らみに手を這わせると、布越しからでもわかるほど立ち上がった、小さな粒をキュッと摘む。
あまりの感覚に夜神はびっくりして、声を出さないようしていた手を外してしまい声を出してしまう。
「いやっ!やめて・・・・」
「そんな声を出してしまうと、前の二人がビックリしてしまうよ?しっかりと聞こえるからね?」
「やめて、お願い・・・・」
懇願するが聞いてもらえず、さらにキュッキュッと摘まれて追い詰められていく。

それと同じく耳も激しく舐められ、どうすることも出来ず、夜神は声を出さないように手のひらで口を覆い隠すほかなかった。
「ふぅ~・・・んっ・・・あっ!」
どんなに覆っても、声が漏れ出てしまい、増々追い詰められた夜神は、固く閉ざした瞼から涙を流してしまうが、覆われた目隠しに吸い込まれていく。
自分でもどうしたらいいのかわからずに、イヤイヤと身をよじる。
するとシャーッ!とカーテンを開ける音がしたと思うと、前の方から低い不機嫌な声が聞こえてきた。
「陛下!!公共の場で女性にふしだらな事はしないで下さい!!運転手がハンドル操作間違ったら責任とれるんですか?そんな事は寝所でしてください!」
「ローレンツ、別にいいだろう?それに私が悪いのではないよ?凪ちゃんが感じすぎて声が出てしまうのが悪いと思うけど?」
「陛下が、余計なことしなければいいんですよ!その胸に置いてある手はやめなさい。するなら寝所!ここは公共の場所!」
突然の言い合いに、夜神はぐったりと体をシートに預けて息を整える。

とりあえずこの責め苦に一時中断があって良かったと思ってしまった。
「分かったから、カーテン閉めて欲しいな」
「本当に分かっていますか?いいですか?公共の場所ですからね!ここは!」
そう言って、シャーッ!とカーテンを閉める。するとルードヴィッヒは「ふふっ」と笑って、シートでぐったりしている夜神を引き寄せて耳元に口を寄せる。
「凪ちゃんが感じすぎて声が出るのがいけないんだよ?我慢しないと、またローレンツが怒るからね?」
言い終わると、耳たぶを軽く噛んで、耳の輪郭に沿ってゆっくり舐めあげていく。
驚いた夜神の口の中にルードヴィッヒは指を入れて、舌を摘んだり、歯列を撫でたりして口内を犯していく。
「んっ、・・・・ぅぅ゛っ・・」
飲み込めない唾液が顎を伝い不快感を引き寄せる。
辞めて欲しくて、拘束されている手で引き離そうとするが、ビクとも動かずされるがままなる。
その間も耳を舐められてどうすることも出来なくて、粟立つ背中を反らして、体を震わせるだけだった。

いつまで続くか分からない行為に、涙を流すしかなかったが、突然動きが止まり皇帝が体を引き離す。
やっと終わったと安堵したが、終わりではなかったようだ。
目隠しを外されたと思うと、四方をカーテンに覆われた車内がボヤけて見える。
「もう、目隠しは意味がないからね。城内だから。でも玄関に着くまで付き合ってね」
ルードヴィッヒの方に顔を向かされると、狂喜的な笑顔で夜神の顔を見る。

背中がゾクリとして、動くことが出来ない夜神の耳をまた、ゆっくりした動きで舐めて、耳の穴に舌を入れて追い詰めていく。
目隠しが外れたことにより、生理的に流れる涙が、頬を伝い胸元に落ちていく。

早く玄関について欲しい
解放されたい
気持ち悪いのに
もう嫌だ!
━━━━━夜神の頭の中をグルグルと、否定的な言葉を繰り返すだけだった。
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