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庵は、トレーニングを終わらせてジャージからいつもの軍服に着替えて第一室に向かう。
すると廊下の向こう側から、女性隊員が歩いてくる。腕章には金ラインと「第四室長」の文字だ。
第四室長有栖川 薫少将は年齢不詳の美女な女性である。
肩まである黒髪をゆるく巻いて下ろし、目鼻立ちはクッキリとしていて少し日本人離れしている。
軍服の上着は皆と同じだかロングのタイトスカートを履いているが、太もも位から大胆なスリットが入っていて少し目のやり場に困る。
だが、それを着こなしているのは流石と言えるかもしれない。
ベルトからは膝位の長さがある、細長い鞄を両方に下げている。Sクラス武器だと思われるが、なんの武器かは不明である。
そんな第四室長が庵を見て、普通の速度で歩いていたのを突然、早足で庵の元にやって来る。
あまりのことに庵は驚いてしまい、動けなくなってしまった。
「あなたが、第一室の学生の庵海斗学生?」
「・・・・そっ、そうです。あのなにか?第四室長?」
「ふーん・・・・・凪も意外とやるわね。うん。貴方なら許す。頑張りなさい。他の奴らなんて気にしないこと。強くなることだけを考えなさい。そうすれば自信に繋がるから」
「へっ?あっ、はい!頑張ります。ありがとうございます」
突然、顔をジロジロ見られて、腕を組んで「う~ん」と数秒考えての言葉だ。
強くなれと言われたのだから、そこは素直に答える。
けど、何を許すのだろう?凪と言っていたが、夜神中佐の事か?
「あの━━他に何もなければ、これで失礼します」
「ゴメンね。突然呼び止めて。でも貴方ならきっと素晴らしい軍人になれると思うから、訓練頑張って卒業してね」
「ありがとうございます。頑張って卒業します」
何故か、他の室長に褒められた事にビックリだか、嬉しい言葉を言ってくれたので、とても有難い。
最近は色々と荒んだ視線ばかりで、参っていたので余計に優しい言葉は身に染みる。
軽く頭を下げて庵は第一室に向かい扉をノックして、部屋に入ると、物凄い心配顔の夜神中佐が顔を見るなり、いつもは荒げることのない声で名前を呼ぶ
「庵君!!ちょっとだけいい?」
「はい!何でしょう?」
庵は夜神の近くまで行くと、いきなり両手を捕まれる。
突然の事にビックリして夜神を見ると、物凄い真剣な顔をしている。なにがあったんだろう?まさか、係の変更とか?
「庵君。何かしてはいけないこととかしてないよね。それこそ軍法会議案件の事とか?」
「はい?軍法会議?なんでそんなものが出てくるんですか?」
「だって、軍の人達から変な目で見られているんでしょう?私も一緒に処分を受けるから」
この人は何で俺が荒んだ視線を受けているのか知っているが、内容は知らない。いや、わからないのだ。
何故ならその理由が夜神中佐本人だからだ。
色々となんか疲れてきた。あー物凄い憐れみの目線を室長や隊長達から受けている。
「・・・・・・・夜神中佐少しだけ待っていて下さい」
「?うん。分かった」
「長谷部室長、相澤少佐、七海少佐、式部中尉少しだけいいですか?」
「「「いいよ!!」」」
何故か全員がハモり、長谷部室長の机に集合する
「夜神中佐は天然なんですか?それともなんですか?自分の事知らなさ過ぎではないんですか?いいんですか?」
「一応、自分が強いのは知っている。その強さのからの憧れみたいなものを持たれているのは知っている。だが、それ以外の感情があるのを知らない」
「厄介すぎませんか?何で誰も言わないんですか?いくらなんでも酷すぎますよ」
「そこは、反省している。全ては嵐山のせいだ。あいつが牽制しまくったせいで、こうなった」
「嵐山大佐は何を考えていたんですか?」
「いやー大佐は色々と凄かったからなー。夜神がああなったのは大佐の暴走だな」
「その、暴走のせいで巻き込まれる俺のみにもなってください。無自覚、ド天然の夜神中佐にはこれ以上巻き込まれたくないんです」
「庵学生の嘆きは本当にわかるわ。けどそれを上回るから手に負えないのよ。だから庵学生が強くなるしかないわ。それか、スルースキルを仙人レベルまでアップさせるしかないわ」
「仙人レベルとか無理です。とりあえず軍法会議とか分からないこと言っていたので、まずその誤解から何とかしなくてはいけませんよね」
「安心しろ、そこは我らが室長が説明してくれる」
「おい、七海何で私なんだ?」
「一応、室長だから。部下のいざこざは室長の名のもとに両成敗ってな」
「ふざけるな!私を何だと思っているんだ」
「我らが第一室長様」
「室長、本当にお願いします。室長が説明してくれれば中佐の変な誤解は解決するはずです。助けて下さい」
「長谷部室長、庵学生を助けてあげて」
「私からもお願いします」
「ぐっ・・・・・・・分かった」
話し合いの結果、長谷部室長からの説明で何とか夜神の変な誤解は解決した・・・・・と思う。
すると廊下の向こう側から、女性隊員が歩いてくる。腕章には金ラインと「第四室長」の文字だ。
第四室長有栖川 薫少将は年齢不詳の美女な女性である。
肩まである黒髪をゆるく巻いて下ろし、目鼻立ちはクッキリとしていて少し日本人離れしている。
軍服の上着は皆と同じだかロングのタイトスカートを履いているが、太もも位から大胆なスリットが入っていて少し目のやり場に困る。
だが、それを着こなしているのは流石と言えるかもしれない。
ベルトからは膝位の長さがある、細長い鞄を両方に下げている。Sクラス武器だと思われるが、なんの武器かは不明である。
そんな第四室長が庵を見て、普通の速度で歩いていたのを突然、早足で庵の元にやって来る。
あまりのことに庵は驚いてしまい、動けなくなってしまった。
「あなたが、第一室の学生の庵海斗学生?」
「・・・・そっ、そうです。あのなにか?第四室長?」
「ふーん・・・・・凪も意外とやるわね。うん。貴方なら許す。頑張りなさい。他の奴らなんて気にしないこと。強くなることだけを考えなさい。そうすれば自信に繋がるから」
「へっ?あっ、はい!頑張ります。ありがとうございます」
突然、顔をジロジロ見られて、腕を組んで「う~ん」と数秒考えての言葉だ。
強くなれと言われたのだから、そこは素直に答える。
けど、何を許すのだろう?凪と言っていたが、夜神中佐の事か?
「あの━━他に何もなければ、これで失礼します」
「ゴメンね。突然呼び止めて。でも貴方ならきっと素晴らしい軍人になれると思うから、訓練頑張って卒業してね」
「ありがとうございます。頑張って卒業します」
何故か、他の室長に褒められた事にビックリだか、嬉しい言葉を言ってくれたので、とても有難い。
最近は色々と荒んだ視線ばかりで、参っていたので余計に優しい言葉は身に染みる。
軽く頭を下げて庵は第一室に向かい扉をノックして、部屋に入ると、物凄い心配顔の夜神中佐が顔を見るなり、いつもは荒げることのない声で名前を呼ぶ
「庵君!!ちょっとだけいい?」
「はい!何でしょう?」
庵は夜神の近くまで行くと、いきなり両手を捕まれる。
突然の事にビックリして夜神を見ると、物凄い真剣な顔をしている。なにがあったんだろう?まさか、係の変更とか?
「庵君。何かしてはいけないこととかしてないよね。それこそ軍法会議案件の事とか?」
「はい?軍法会議?なんでそんなものが出てくるんですか?」
「だって、軍の人達から変な目で見られているんでしょう?私も一緒に処分を受けるから」
この人は何で俺が荒んだ視線を受けているのか知っているが、内容は知らない。いや、わからないのだ。
何故ならその理由が夜神中佐本人だからだ。
色々となんか疲れてきた。あー物凄い憐れみの目線を室長や隊長達から受けている。
「・・・・・・・夜神中佐少しだけ待っていて下さい」
「?うん。分かった」
「長谷部室長、相澤少佐、七海少佐、式部中尉少しだけいいですか?」
「「「いいよ!!」」」
何故か全員がハモり、長谷部室長の机に集合する
「夜神中佐は天然なんですか?それともなんですか?自分の事知らなさ過ぎではないんですか?いいんですか?」
「一応、自分が強いのは知っている。その強さのからの憧れみたいなものを持たれているのは知っている。だが、それ以外の感情があるのを知らない」
「厄介すぎませんか?何で誰も言わないんですか?いくらなんでも酷すぎますよ」
「そこは、反省している。全ては嵐山のせいだ。あいつが牽制しまくったせいで、こうなった」
「嵐山大佐は何を考えていたんですか?」
「いやー大佐は色々と凄かったからなー。夜神がああなったのは大佐の暴走だな」
「その、暴走のせいで巻き込まれる俺のみにもなってください。無自覚、ド天然の夜神中佐にはこれ以上巻き込まれたくないんです」
「庵学生の嘆きは本当にわかるわ。けどそれを上回るから手に負えないのよ。だから庵学生が強くなるしかないわ。それか、スルースキルを仙人レベルまでアップさせるしかないわ」
「仙人レベルとか無理です。とりあえず軍法会議とか分からないこと言っていたので、まずその誤解から何とかしなくてはいけませんよね」
「安心しろ、そこは我らが室長が説明してくれる」
「おい、七海何で私なんだ?」
「一応、室長だから。部下のいざこざは室長の名のもとに両成敗ってな」
「ふざけるな!私を何だと思っているんだ」
「我らが第一室長様」
「室長、本当にお願いします。室長が説明してくれれば中佐の変な誤解は解決するはずです。助けて下さい」
「長谷部室長、庵学生を助けてあげて」
「私からもお願いします」
「ぐっ・・・・・・・分かった」
話し合いの結果、長谷部室長からの説明で何とか夜神の変な誤解は解決した・・・・・と思う。
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