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森の中を二人で駆け抜けていく。先を行く夜神は後ろをついて来ている庵を振り返りながら、声をかえていく
「もう少し、スピード上げて~!じゃないと討伐できなくなるよ~。あと、Dクラスは昆虫系が多いけど蜘蛛タイプなら楽勝だから。大抵建物二階建てぐらいの大きさだけど、大きいものは大半は足を破壊すると、倒れるから。そしたら頭をすぐに狙う。授業でも習った通りにすれば大丈夫だから」
「授業で習いましたけど、実戦は初めてですよ!!本当に自分でも討伐出来ますか?信じられないんですが」

夜神からアドバイスを貰ったが、それは大学で習ったまんまだった。
だか、教科書通りに全ていくはずがない。相手は生き物だ。予測不能な動きをするかもしれない。

「討伐出来るから。庵君なら大丈夫!!あっ見えてきた!ラッキーまだ何体か残っている」

残っているんかい!!ラッキーではないし!!

夜神の本当に嬉しそうな声に、庵は心のなかで叫んだ。
夜神が見ている方向を見ると、建物二階建てぐらいの大きさの蜘蛛がいた。
赤い目をして、足をバタつかせながら木々を薙ぎ払っている。木の薙ぎ倒される大きな音を聞いて、庵は冷や汗が出できた。

「第一室の教育係です!一体ぐらいは残しておいてー!」
夜神は大声で、討伐をしている大学生とその部隊の人達に叫んだ。

叫ばなくていいんですよ━━━!!

と泣きそうになりながらも、夜神の後に続く。
その叫びを聞いて、任務にあたっていた学生と隊員達は一瞬「?」となったが、夜神の姿を見て、この場の全権指示を持つ第二室長が笑う

「夜神中佐!!安心しろ。まだ何体か残っているから学生に一体は討伐をさせろ。残りは夜神中佐が討伐して欲しい。学生に軍最強の強さを見せてやってく!それまではこちらで食い止めるから。宜しく」
「了解。庵君聞いた?一体は頑張って。それじゃ右の奴にしようか。はい、刀を抜いて、構える」

他のD・Cクラスは大半が討伐されていている。
ほとんど死んでいる奴らは、足が数本切り落とされていて頭を潰すか、切り落とされている。まさしく教科書通りのやり方だ。

夜神に抜刀を指示されて、模擬武器の刀を抜いて、構える。残り四体のうち、右にいる大きな蜘蛛を見る。
「構えたら、足に狙いを定めて斬り込む。足がバタついているときは、巻き込まれないようにして、むしろこちらに向かって走り出したときが、一番狙いやすいから」
「はい!!」
「真正面だと、巻き込まれるから、右か左に避けながら足を切り落とす事。こちらに向かって走ってくるよ!!」
蜘蛛は庵をみると、バタつかせていた足を止めて庵に向かってくる。

庵は夜神に言われた通り、蜘蛛の正面を避けて右に移動し、すれ違いざまに刀の狙いを足に定めて斬り込む。
硬いものがぶつかる。刀を弾く衝撃がくる。
だがここで手を緩めてはいけない。そんなことをしたら自分が「死ぬ」だけだ。

「だっ━━━━━━!!」
掛け声を上げて、足を落とす。勢いよく走っていた蜘蛛は片足がなくなっただけで、バランスを崩して倒れる。
すると、庵は蜘蛛の背中を駆けていくと、首に思いっ切り刀を振り落として首を落とす。

「やれば出来るんじゃん。何であんなに不安がっていたのか分からないわ」

夜神はそう言って庵を褒めた。出来たのなら褒めるのは大切なこと。褒めて伸ばす!これ大事よね。

ゼーゼー言いながら肩を大きく上下に動かしている、庵にニッコリする。
「庵君。お疲れ様。早く降りておいで。そして巻き込まれないように私の近くに来て頂戴」
「へっ?・・・・分かりました」
庵は飛び降りて、夜神の隣に来る
「さてと、後の残りを討伐しますか。全部隊に警告します。皆離れて!!」
夜神は大声で部隊に指示をだす。すると、学生達を引っ張って部隊の人間がDクラスから離れていく

「庵君。見ていてね。これが「高位クラス武器」の強さだよ」
そう言って、夜神は刀の柄に手を置いた。
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