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永遠を誓う話 前編③

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こんなお姑さんなら色々と歓迎だけど、実際はあまりいないんだろうなぁ~
そして、それを受け入れる里沙ちゃんもある意味懐がデカいです。

前編なので、ほのぼので

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「いつも思うけど、大きいよね・・・・・」
今日は、貴大さんのご両親に挨拶する日だ。
時々、遊びに来ているので知った家なのだが、やはり緊張してしまう。
お菓子屋さんの袋の紐をギュウッと、握り込む。

貴大さんの家は俗に言う「高級住宅街」の中にあり、その中でも一際大きい。
「結城製薬」の社長の次男で、貴大さんもそこで働く研究員なのだ。
けど、本人は事業を継ぐ意志はなく「兄貴が継ぐからね~」と言っている。
まぁ、本当の事でお義兄さん夫婦が会社の経営に、今現在携わっている。
貴大さん曰く、研究馬鹿なので会社云々より、実験したり、研究対象の数値を見たりするほうが性に合っているみたい。
家族もそこは理解しているようで、貴大さんもそこは感謝しているとよく言っていた。

「いつもみたいに遊びに来たと思って入ってよ・・・・・・あ~僕だけどただいま~」
インターホンを押し話していると「ガチャ!」と重い音をたてて門の鍵が解除されると、自動で開いていく。
「入って、入って!」
「う、うん」
いつもとは違う緊張感に襲われてしまったが、貴大さんが手を引いて家の中に入っていった。

「いらっしゃい!里沙さん。座って、座って~」
相変わらず笑顔が素敵なお義母さんに促されてダイニングの椅子に座る。
私と貴大さんの向かいの席にはお義父さん、お義母さん、お義兄さんとそのお嫁さんが座っていた。
「電話で話した通り、里沙の家族に挨拶をして来たよ。それとお土産」
貴大さんが簡単に報告して、関西の有名なテーマパークの袋をお義母さんに渡す。
「そうなの。良かったわね~嬉しいわ~娘がまた一人増えるなんて!里沙さん。息子をお願いね。研究馬鹿だから、熱中しすぎてご飯の存在を忘れたりするのよ~」
「里沙さんならしっかりしているから、抜けている貴大の事をしっかり見てくれるだろう。こちらこそ貴大をよろしく頼みます」
お義父さんが頭を軽く下げて挨拶してくれる。
それに応えるように私も頭を下げる。
「こちらこそ、至らない私ですが宜しくお願いいたします」
「二人共ありがとう。絶対幸せにするよ」

挨拶が終わると、お義父さんとお義兄さんは仕事があるようで「すまない」と言って家を出ていった。忙しい合間に時間を割いてしまったことに、申し訳ない気持ちでいっぱいになるが、お義母さんとお嫁さんは慣れているようで笑顔で二人を見送っていた。

「お昼用意しているから食べていってね」
「ありがとう。食べていくわ~」
「すみません。ありがとうございます」
「いいのよ~気にしないで・・・・・ところで貴大、なんか里沙さんのお家は素敵なものを用意していたと言っていたけど、何を用意していたの?」
お義母さんが思い出したように貴大さんに聞いてくる。
まさか、ベールの事を言っているのかな?
「そうなんだ。里沙のお義母さんの事は知ってるよね?そのお義母さんが里沙の為に残してくれたものなんだ・・・・・里沙、写真見せてもいい?」
「うん」
貴大さんに言われてスマホから、ベールの写真を選んで画面に写す。
「これが母が私に作ってくれたベールなんです」
「まぁ、素敵!」
「わ~とっても綺麗・・・・」
二人から感嘆の声があがる。それを聞いていた里沙は嬉しくなった。まるで母親を褒めてもらった感覚になってしまう。

「そう、里沙さんのお家がベールを用意したの・・・・・・なら、我が家はドレスを用意しなくては!!」
「まぁ、お義母さん素敵!!是非、そうしましょう!!私のお友達にデザイナーがいるのでお願いしてみましょうか?」
「あら、最高じゃない!」
「!?!え、えぇぇ━━!!悪いです!そんなの悪いですよ!気にしないで下さい!本当に気にしないで下さい!」
二人のとんでもない提案に、あたふたとしながら里沙は話していく。
「いいね~僕もお願いしょうかな?」
「た、たかひろさん!?何言ってるの?」
「珍しく貴大さんも同じ考えなのね」
「そうなんですよ~お義姉さん。是非、デザイナーさんの紹介お願いします」
「任せて下さい!」
ウィンク付きで返される。
「里沙、いいじゃないか。思い出に残るものを作りたいなぁ~と考えていたんだ。僕のお願い聞いてくれる?」
「でも・・・・・・保管とか・・・・」
何とかして諦めてもらおうと一番堅実な事を言ってみる。すると横から助け舟・・・・・はなかった。
「大丈夫よ。我が家で保管すればいいわ~」
「お義母さん?!本当に大丈夫ですから!!」

本当にどうしょう!!頼みの貴大さんも凄いノリノリだし。お義母さんもお義姉さんもだし。
あぁ~ここにお義父さんか、お義兄さんがいたら良かったのに・・・・・・
「でも、里沙。本当だったらドレスが手元に残るはずだったんだよね?けど、色々あってベールだけになった。これは間違いないないよね?」
もし、お母さんが元気だったら、きっと楽しみながら作ってくれていたかもしれない衣装。
「うん・・・・そうだね」
「お義母さんの願いとはいかないけど、近い状態で叶えてあげよう?」

あれ?もしかして私流されている?ちょっとだけ「アリ」と思い始めた。
「そうよ。流石に手作りは出来ないけど、近い状態で叶えましょう?きっとお母様も喜ぶわよ里沙さん」
「そうよ。私の友達のデザイナーはとてもいい人よ。私のドレスもその人にお願いしたの。だから里沙さん安心して」
何か、二人からの波状攻撃が凄い・・・・・

「・・・・・いいのかな?」
決定ではないけど、とりあえず本当に良いのか確認だけしてみる。すると、三人の顔が一段と明るくなり同時に頷く。
「「「もちろん!!」」」
「早速、連絡しなくっちゃ!」
「あぁ~楽しみだわ~。ドレスの形は?プリンセスライン?マーメイドラインもいいわね~」
「ちょ、母さん!着るのは里沙なんだから、デザインは里沙が決めるからね。口出ししないでよ?」
少し暴走気味のお義母さんに、釘を差す貴大さん。ちょっとだけ助かります。
けど、お母さんが生きてたら、きっとこんな風に二人でデザインとか考えながら作ってもらったのかな?

「貴大さん大丈夫だよ。きっとお母さんが生きてたら、色々と話していたと思うし、こんな風に楽しみながら準備出来るのことが出来て有り難いと思っているよ」
これから始める準備が楽しみだけど、不安もある。
きっと、バタバタしながら準備するんだろうけど、貴大さんが居れば大丈夫だよね?
「里沙がいいならいいけど・・・・けど、本当にデザインは里沙が決めていいんだからね!母さんの意見は丸無視でいいからね!僕は里沙の着たいドレスを着て式に出て幸せな顔の里沙が見たいんだからね!!」

お願い、貴大さん!家族がいる前でそんな事言わないで!顔が赤くなるから!
貴大さんの思いが嬉しくて、そしてそこまで思われている事に赤面してしまう。
それを見たお義母さんとお義姉さんは「あらあら」と何故か微笑ましい、もしかしたら生温い目をむけて笑っている。

あぁ・・・・・すみません。こんな至らない嫁で・・・・・

すぐに顔に感情が出てしまう自分が恨めしい
けど、凄く幸せ者な自分が誇らしい
私の周りの人は、本当に優しい人達で嬉しい
こんな私を受け入れてくれる貴大さんや、その家族に感謝しかない
だから、お母さん安心してね
私は幸せになるからね

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

どんどんと結婚式の話が決まってきます。このまま式までレッゴーです。

それにしても暴走お義母さんと、お義姉さん。手強い強キャラですね。実際、自分の姑だったら遠慮したいキャラですが、触手も受け入れる里沙ちゃんなので大丈夫です(笑)
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