自称マッドサイエンティストの彼は世紀の大発明(触手)のモニター(3P)をお願いする話

和刀 蓮葵

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お留守番する話 前編②

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イチヤイチヤしてますね。甘々です。まー羨ましい(笑)

そんな、二人を楽しんで下さい

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『ねぇ、今度の休みはどうする?』
「ん~どうしょう?貴大さんは何かしたいことある」
珍しく休みが合った為、週末の予定を決める為の電話をする。

布団にゴロゴロしながら話している姿は、貴大さんにとてもじゃないが見せられない。
『じゃ、僕のウチにおいでよ。最近は僕のラボに来ないよね?夢の事が原因?』
心配そうな声が電話越しでも分かる。
どうしても行きたくなくて、何かと理由をつけて避けている。
「ごめんなさい・・・・夢なのにどうしてなのか怖いの」
『そうかぁ、「タコウニ」が怖いかぁ~。でもねそんな里沙に朗報だよ!!』

あんな化け物を「タコウニ」なんて可愛く言うのは貴大さんぐらいだよ・・・・・・見たことないからしょうがないのかな?

「朗報?なんかあったの?」
声が生き生きしている。これは、もしや・・・・・
『里沙の為に「撃退用品」を完成させたよ!これを投げれば一発で仕留められるよ!』

やっぱり━━━っ!!

LINEの返事も素っ気ないと思っていたけど、原因は発明だったのか!!

「撃退用品って、スプレーとか?」
『う~ん、スプレーは出来なかったから、粉末を詰めてみた。けど、安心して!これなら里沙の心配事は解決するでしょう?これ持っていれば僕のラボにも来れるよね?』

私のことを思ってなんだろうけど、撃退用品って・・・・・

『駄目かなぁ?そろそろ、里沙の手料理が恋しいよ。丼物食べたいよ・・・・・。だめ?』
甘えた声で聞いてくる。ズルいよ・・・・・・そんな声、私が弱いの知ってるでしょう。

「・・・・・絶対一緒にいてくれる?その撃退用品は信用出来る?」
『心配症だなぁ~。ちゃんといるし、撃退用品は同僚に試したら一発で効いたから大丈夫!!』
今、凄い情報が飛び込んで来た!!同僚に試した!?
「えっ?試したの?大丈夫だったの?その人?」
『ものすごーく怒られたけど、効果は抜群だったよ!!そのおかげで同僚の女性研究員達から注文きたよ!なのでお墨付きだよ!』
貴大さんの発明が認められたの?ある意味凄い!注文来るぐらいだから間違いないのかも。

「それじゃあ・・・・・行く」
『ヤッター!!あのね、そぼろ丼食べたい!!それと、泊まっていくよね?』
「分かった。そぼろ丼ね・・・・・もちろん泊まるよ」
『楽しみだなぁ~。じゃ、土曜日ね』
「うん。土曜日ね」
電話をきる。土曜日に泊まりか・・・・・大丈夫だよね?何にもないよね?貴大さんも居るし、お墨付きの撃退用品もあるし。

布団にパフッと顔を埋める。
大丈夫、大丈夫夢だから・・・・・

✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫✫

「ご馳走さま。美味しかったよ」
「良かった」
貴大さんの希望通り、そぼろと卵の二色丼をお昼ごはんに作って食べた。
少しでも野菜を食べてほしかったから、鶏そぼろの中に刻み舞茸を入れたけど、以外と美味しかった。今度冷凍ストックを作る時に同じ作り方をしてみょう。

「里沙が台所を使わないと本当、勿体ない設備の一つだもんなぁ~」
「たまには貴大さんも作ればいいよ。三ツ口コンロが泣くよ」
「僕の得意料理はカップラーメンだもん」
「それは得意料理に入らないよ~」
なんてことないやり取りが一番安心する。こんな風に話してくれる貴大さんが、あんな酷い事をするなんて考えられない。

「片付けするね」
「ありがとう。コーヒー入れとくよ」
「うん。宜しくね」
食べ終わった食器を流しに持ってきい、エプロンを身に着けて洗っていく。
その隣で貴大さんが、マグカップを用意してコーヒーを入れてくれる。
「里沙はいつもと一緒でいいの?」
「うん。それでお願いします」
「はい、は~い」
熱々のコーヒーが飲めない私は、牛乳を入れて少しだけ温めにするのが私の飲み方。貴大さんはブラックで。

ダイニングテーブルを拭いて残りの片付けを終わらした貴大さんは、コーヒーをローテブルに置いて、ソファに座りひと休憩している。
私も洗い終わり、シンク周りを軽く拭いて、エプロンを脱いで貴大さんの隣に座る。

「里沙、ありがとう。やっと里沙の手料理食べれたよ。最近はコンビニかファミレスばっかりだったから、生き返ったよ」
「忙しいのは分かるけど、体壊すよ・・・・今度、作り置き持ってくるね」
夜、遅いこともあるみたいで体調が心配になる。その上ご飯もそんなものばかりだと栄養か不安だ。今度、家に来る時は色々作ってこよう。

「でも一番は、こうして里沙をギューて出来ることが、生き返る一番の近道なんだよね」
ギュッと抱きしめてくれる貴大さんに、元気になってもらいたくて私も背中に腕を回してギュッとする。
鼻孔をかすめる、いつもの爽やかな香りに安堵する。
「出掛けると、外では恥ずかしがってこんな風に、ギュッて里沙はしてくれないでしょう?だけど、お家ならしてくれるから、早くお家に来てほしかったんだ~」
耳元で甘えた声で話す貴大さんに、申し訳ない気持ちになる。

夢なのに、怖くてずっと家を避けていた。貴大さんが言う通り外では恥ずかしくて手しか握れなかった。
私も本当は今日みたいに、御飯作って、一緒に食べて、今みたいにギュッで抱きしめられたかった。
「ごめんなさい。でも、もう大丈夫。今度からはちゃんと来るよ。撃退用品もあるし」
「うん。普段も持ち歩くといいよ。里沙は可愛いから。心配だし」
「そんな事ないよ~・・・・でも、心配ありがとう。そうだね、お守り代わりに持ち歩くね」

貴大さんの大発明の撃退用品は、ボールの中に色々な粉が入っていらしい。中身を聞いて、改めて実験体になった同僚の人に対して、申し訳ない気持ちと心からの感謝で一杯になる。
そんな尊い?犠牲の中で生み出された撃退用品を今も、ポケットの中に忍ばせている。少しでも安心したいから。

貴大さんに心配されていると、貴大さんの会社用のスマホが鳴りだす。
「えぇ~休みの日だよ!ごめんね里沙、ちょと話してくる」
「うん。分かった」
「本当、ごめん・・・・・・・はい、何でしょうか・・・」
話しながらリビングを出て行く後ろ姿を見送って、コーヒーを飲みながら、待っていると悲痛な顔と声で貴大さんが戻ってきた。

「里沙ぁ~~今から会社に行かないといけなくなったぁ━━!」
「えっ?それじゃ私、帰ったほうがいい?」
「そこまでしなくていいよ。データ入力だけだから一・二時間で終わるよ。だからお留守番してて」
「私も一緒に行くよ。どこかでお茶して待ってるから!」
一人になりたくない。置いていかないで!
「いつ終わるか分からないし、テレビでも見て待っていて。帰りにケーキ買ってくるから」
子供に言い聞かせるように、優しい声で話す貴大に対して、まるで駄々っ子のように「行きたい」と繰り返す里沙に、貴大はため息をする。

「里沙?僕の家は嫌い?夢の事をいつまでも言っていたら駄目だよ?」
「っぅ・・・・・・早く帰ってきて」
正論だ・・・・いい大人が見た夢の事をいつまでも言っているなんて。
「もちろん。早く帰ってくるよ。それじゃ、サクッと終わらしてくるね」
「うん・・・・・行ってらっしゃい」
そうして、里沙は一人リビングに残された。

玄関からはガチャと鍵をかける音が聞こえる。

その音がまるで、牢獄の鍵をかける音に聞こえたのは気の所為だったのか分からない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さて、やっとお留守番した里沙ちゃん。
タイトル通り「お留守番する話」なので、ここからがもう一人?の登場です。本領発揮です。

やっと次からは中編です。もちろんRの話が続きます。
なんせ私のまとめる能力が皆無なので、すみません。
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