上 下
37 / 51
少年期

言い合い(ほぼ会話のみ)

しおりを挟む
「だから、聞き分けが無いのはクルスさんでしょうが!!もう少し冷静に事を考えてください!!」



「はぁ!?リュウ殿こそ、まだ七歳という歳で私に意見を言うこと自体が間違っている!!」



「残念だがら、地位に歳も何も無いんです!!」



「これだから子供の頭では理解出来ないのだ!!この芸術のために金を使わず、何時その溜まった金を使うというのだ!!」



「金を使うのに反対はしてないじゃないですか!!」



「では、何が問題なのだ!!」



「クルスさんが税金で支払っていることです!!」



「そんなの全体の一部にすらなっていない量じゃないか!!」



「量の問題では無く、使ったという問題です!!」



「何が違うというのだ!!」



「クルスさんは既に公爵家当主になって長いでしょうが!?」



「知らないものは知らないのだ!!」



「屁理屈を言うのは止めてください!!クルスさんが間違っているんです!!」



「ええい!!こうなったら、騎士団長と魔道師団長を動かすぞ!?」



「やってみてくださいよ!?瞬殺してあげますから!!」



「リュウ殿の適正は卑怯だぞ!!」



「話が逸れてますって!!とにかく、使った分の金を働いて稼いでください!!」



「どうやって稼ぐのだ!?」



「貴方はそれでも大人ですか!?」



「この際子供でも良いわ!!」



「・・・・・・・・・・もう、話が矛盾してますよ」



「ならば聞こう!!リュウ殿は、カレンに対して幾ら使っているのだ!?」



「金貨四十二枚!!(日本円で4,200,000円)」



「リュウ殿も無駄な出費をしているではないか!!」



「これは俺が稼いだ金です!!どう使おうと自由でしょうが!?」



「大体!リュウ殿はカレンの何処に惹かれているのだ!?ただ漠然と愛しているだけでは、何も伝わらないぞ!?」



「可憐で儚く、美しい見た目を持つのに、その瞳によって美少女へと変える可愛さ!!普段は強気でいるのに、本当は不安で一杯なのを隠そうとする健気さ!!壁に当たっても折れることの無い心!!他人を気遣うことも出来る優しさ!!意見を理解し、譲ることも、譲歩することも出来る賢さ!!」←カレンにも聞こえている。



「リュウ殿、貴方はカレンの味方だ!!」



「ええそうです!!では、逆に聞きますが、リリナの何処に惹かれているんですか!?」



「その無垢な瞳と愛らしい顔!!整った髪が揺れる様は正に姫!!さらに、その歳で身につけている丁寧な物言いは、背伸びを頑張るようで可愛らしい!!自立した心を持っている!!なによりも!!不安な時でも、悲しい時でも、相手を信じ、精一杯笑顔を作る姿は、最も守るべきものだ!!」←リリナにも聞こえている。



「クルスさん。貴方にリリナを任せて良かった!!」



「リュウ殿も。カレンを貴殿に任せて良かった!!」





視線を交差させた後、固く握手を結んだ。

その顔は、どちらも晴れ晴れとした笑みだ。





「最初の話はどうなったんですか!?」



「「あ・・・・・・・・・・・・・・」」





介入してきたカレンによって話しは戻されたが、先ほどの会話によって落ち着いたクルスさんが、負けを認めた。

こうして、カレンとリリナの精神が大量に削られただけの会話は、幕を閉じたのだった。



_______________________________________

~後日談~



「うぅ~何度聞いてもリュウは酷かったのよ」



「御免って。でも、カレンはそれだけ可愛いんだから」



「はぅっ・・・・・・・・・・・・・やっぱり酷いわよ・・・・・・」





カレンが差恥心を刺激され続けるのは、この後五日にも及んだらしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

死んだと思ったら異世界に

トワイライト
ファンタジー
18歳の時、世界初のVRMMOゲーム『ユグドラシルオンライン』を始めた事がきっかけで二つの世界を救った主人公、五十嵐祐也は一緒にゲームをプレイした仲間達と幸せな日々を過ごし…そして死んだ。 祐也は家族や親戚に看取られ、走馬灯の様に流れる人生を振り替える。 だが、死んだはず祐也は草原で目を覚ました。 そして自分の姿を確認するとソコにはユグドラシルオンラインでの装備をつけている自分の姿があった。 その後、なんと体は若返り、ゲーム時代のステータス、装備、アイテム等を引き継いだ状態で異世界に来たことが判明する。 20年間プレイし続けたゲームのステータスや道具などを持った状態で異世界に来てしまった祐也は異世界で何をするのか。 「取り敢えず、この世界を楽しもうか」 この作品は自分が以前に書いたユグドラシルオンラインの続編です。

転移は猟銃と共に〜狩りガールの異世界散歩

柴田 沙夢
ファンタジー
アラサー狩りガールが、異世界転移した模様。 神様にも、仏様にも会ってないけど。 テンプレなのか、何なのか、身体は若返って嬉しいな。 でも、初っぱなから魔獣に襲われるのは、マジ勘弁。 異世界の獣にも、猟銃は使えるようです。威力がわやになってる気がするけど。 一緒に転移した後輩(男)を守りながら、頑張って生き抜いてみようと思います。 ※ 一章はどちらかというと、設定話です。異世界に行ってからを読みたい方は、二章からどうぞ。 ******* 一応保険でR-15 主人公、女性ですが、口もガラも悪めです。主人公の話し方は基本的に方言丸出し気味。男言葉も混ざります。気にしないで下さい。 最初、若干の鬱展開ありますが、ご容赦を。 狩猟や解体に絡み、一部スプラッタ表現に近いものがありますので、気をつけて。 微エロ風味というか、下ネタトークありますので、苦手な方は回避を。 たまに試される大地ネタ挟みます。ツッコミ大歓迎。 誤字脱字は発見次第駆除中です。ご連絡感謝。 ファンタジーか、恋愛か、迷走中。 初投稿です。よろしくお願いします。 ********************* 第12回ファンタジー小説大賞 投票結果は80位でした。(応募総数 2,937作品) 皆さま、ありがとうございました〜(*´꒳`*)

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

辺境村人の俺、異能スキル【クエストスキップ】で超レベルアップ! ~レアアイテムも受け取り放題~

桜井正宗
ファンタジー
 辺境の村人・スライは、毎日散々な目に遭わされていた。  レベルも全く上がらない最弱ゆえに、人生が終わっていた。ある日、知り合いのすすめで冒険者ギルドへ向かったスライ。せめてクエストでレベルを上げようと考えたのだ。しかし、受付嬢に話しかけた途端にレベルアップ。突然のことにスライは驚いた。  試しにもう一度話しかけるとクエストがスキップされ、なぜか経験値、レアアイテムを受け取れてしまった。  謎の能力を持っていると知ったスライは、どんどん強くなっていく――!

私、のんびり暮らしたいんです!

クロウ
ファンタジー
神様の手違いで死んだ少女は、異世界のとある村で転生した。 神様から貰ったスキルで今世はのんびりと過ごすんだ! しかし番を探しに訪れた第2王子に、番認定をされて……。

無能の烙印を押されパーティーから追放された俺、探知スキルと古代遺物の力で無双する~今更戻って来いと言われてももう遅い~

u2
ファンタジー
探知スキルを持つアレンはガラクタばかり見つけてくる無能の烙印を押されパーティーから 追放されてしまう。しかし、彼の発見したものは実は古代文明の遺産だった。 そしてアレンは古代文明に興味を持つとある貴族令嬢とともにダンジョンなどを探検し、 古代の遺物を探し当てていき、その力で成り上がっていく! 一方、アレンを追放したパーティはじょじょに没落していくのであった。 この作品は小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

Sランクパーティーを追放された暗殺者は、お世話になった町で小さな英雄になる

白季 耀
ファンタジー
同期の男より少し小柄で細身の暗殺者ルシアは、古今東西に名を轟かせるSランクパーティーの一角【蒼穹の牙】のリーダーダストに「攻撃力が低いから足手まといだ」という理由で追放される。 失意と絶望に心を囚われ、追放されたルシアはパーティーに入る以前、お世話になった町に帰郷してスローライフをすることにした。対人戦闘の近接戦ではかなり優秀なルシアはその町で、「孤児院に勤めてくれないか」とか「一緒に酒場開こうぜ」などなど、現地の人から様々な誘いを受け、それらをこなすうちにちょっとした英雄として讃えられることになる。これは、感情移入しやすい暗殺者が町の人々と時にシリアスに、ほのぼのと生活する物語?なのかもしれません。

処理中です...