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英雄と親友と令嬢と
閑話 レイVSシュン
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とある日の朝方。
朝食の時間で、俺とシュンが食事をしている時だった。
ふと、シュンが思いついたように顔を上げて、俺を見てきた。
「どうした?」
「思ったんだけど、久しぶりに模擬戦でもしない?」
「ん?確かに面白そうだな」
以前戦ったのは、もう2年も前の話だろう。
そこから、俺もシュンもさらに強くなったはずだ。
「最近、手応えの無い敵ばかりだったしな。なら、すぐに移動するか」
「あ、待って待って!それで、もう一個。今回は、ちょっと違う戦いをしてみよう思って」
「ふむ。どんなのだ?」
「魔法と技能を、それぞれ1属性と無だけで戦うんだよ。で、属性も対抗属性で」
つまり、互いに互いが弱点な属性しか使わない模擬戦か。
「面白そうだな。良いだろう。では、俺が闇属性。シュンが光属性でどうだ?」
「う~ん。それでも良いけど、なんならレイが暗黒属性。僕が聖光属性っていうのは?」
「ん、まあ良いだろう。じゃあ、早速やるか」
「おう!」
という訳でやってきた中庭。
此処は、かなり広い、というよりかは広過ぎる大きさがあるため、模擬戦にはもってこいだ。
周囲には、龍達が全力で張った結界がある。
まあ、その頑張る理由も自分たちの命が掛かっているんだ。本気にもなるだろう。
余波だけで、死ぬからな。
_神龍?あれはワンパンで死んだからな。
「さて、じゃあ始めるか」
「そうだね。じゃあ、始めようか」
頷いたシュンを見て、俺とシュンは対峙した。
風が吹きぬけ、太陽の光が俺達を照らす。
風がそよぎ、爽やかな空気が流れる中、俺とシュンは立っている。
合図は、いらない。
「聖なる光よ 光を象り その輝きにて闇を滅せ!! 我は聖光の王!」
「負なる闇よ 闇を象り その妖気にて光を滅せ!! 我は暗黒の王!」
俺の右手、シュンの右手、その両方に、白と黒の、相対する魔法陣が生まれる。
そこから現れるは、黒の剣と、白の剣。
「聖剣デュランダル!!」
「魔剣デュランダル!!」
闇が俺を包み、その瘴気を辺りに撒き散らす。
右手に握られたデュランダルは、その禍々しい妖気を放ちながら、不気味に輝く。
光がシュンを包み、その聖気が辺りを浄化していく。
右手に握られたデュランダルが、その神々しい輝きを放ちながら、鮮やかに輝く。
「疾ッ!!」
先に動いたのは、俺だ。
「【闇黒残撃】」
駆け抜ける俺の前には、闇の刃がシュンを襲っている。
それを、シュンは聖剣を振るうことで防ぎ、何かを紡いでいた。
_詠唱………10階級かッ!
「【聖なる裁き】!!」
「【闇の道】!!」
咄嗟に紡いだ魔法は、奇しくもシュンと同時に発動した。
闇の妖気が離れた位置に敷かれ、その中を闇と同化した俺が通る。
シュンから放たれた魔法は、俺の上空に巨大な魔法陣を描き、そこから光が差し込む。
闇を纏う俺に対して、最もダメージの高い魔法だ。
それを、間一髪でかわした俺の目前には、聖剣を振り上げたシュンが立っている。
「ハァッ!!」
「チィッ!!」
気合の声とともに振り下ろされた剣に、無理に身体を捻って剣を打ち当てた。
下から打ち上げる形で振り上げた剣は、やはり威力がまったく足りず、俺を地面に埋める形になった。
クレーターが出来上がり、そこから起き上がった俺の前には、巨大な魔法陣が展開されている。
_本気だな!!
「ははっ。こうじゃなきゃ、な!!」
起き上がった俺は、地面を蹴り飛ばし、魔法陣に向けて斬りかかった。
「【暗黒・纏】!!」
_10階級最終奥義技<六天魔>
「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
叫び声と同時に、俺は魔法陣を切り裂いた。
正確には、打ち消した。
しかし__
「そうだよな…」
その先には、さらに一回り巨大な魔法陣。
「そうじゃなきゃ、手応えが無さ過ぎるからな」
俺の姿を視認したと同時に、シュンは唱えた。
「【天の裁き】!!」
「クッ!!【闇の番人】!!」
咄嗟に発動した魔法により、俺の目前にはケルベロスが召喚された。
だが、足りない。
輝きを増した魔法陣から放たれた光線は、一直線に俺とケルベロスを飲み込んだ。
そのまま突き進んだ光線は、遥か後方の雲を貫き、空に消えていった。
ダメージは甚大だ。
逆に言えば、まだダメージは甚大で済んでいる。
「【再生】【自動回復】【身体構築】【治療】」
小さい声で唱えると同時に、俺の身体が光に包まれ、最低限回復した。
闇を纏う俺に対して、回復系の魔法は効果が薄いのだ。
それでも、立てるようになった。
シュンは、既に地を蹴り、俺に止めを刺そうと迫ってきている。
「『我願う 求むは永久の闇 願うは大いなる力 出でよ暗黒 滅せよ光 この妖気に包まれ 世界を闇へと誘わん 【邪剣グラム】』」
唱えたのは、デュランダルよりも階級の高い剣。
最高神が創ったと言われる神剣グラムが、邪神によって闇に堕ちた姿だ。
その力は、神をも切り裂く。
俺だけが使用出来る代わりに、1日に一振りしか使えない。
まさに、諸刃の剣である。
_これで、決める。
「これで終わりだ!!」
「僕も、負ける気は無いよ!!」
互いに、その顔には笑みが浮かんでいる。
これで負けることは、決して悲しいことでは無い。
相手が、自分よりも強かっただけだ。
次に戦った時に、勝てば良い。それだけの、簡単な話だ。
_狙うは一撃。待つは一瞬。放つは最大。
俺も、シュンも、使う剣技は同じだ。
最も単純で、最も強さの分かる。唯1つの技。
_1階級単発技<斬撃>
「「ハアァッ!!」」
衝突した光と闇は、互いに互いを蝕んでいった。
衝突の余波だけで結界は破壊され、その衝撃波は周囲へと伝播していく。
ブワッ、と風が吹き荒れ、草花を散らした。
消えたのは、光だ。
「今回は、俺の勝ちだな」
「ははっ。やっぱりレイはチートだよ。でも、次は僕が勝つ」
「待ってるぞ?」
「ああ」
________
~後書き~
シュンとレイの戦いを書きたかったんですが、終わりが下手になりました。すいません。
朝食の時間で、俺とシュンが食事をしている時だった。
ふと、シュンが思いついたように顔を上げて、俺を見てきた。
「どうした?」
「思ったんだけど、久しぶりに模擬戦でもしない?」
「ん?確かに面白そうだな」
以前戦ったのは、もう2年も前の話だろう。
そこから、俺もシュンもさらに強くなったはずだ。
「最近、手応えの無い敵ばかりだったしな。なら、すぐに移動するか」
「あ、待って待って!それで、もう一個。今回は、ちょっと違う戦いをしてみよう思って」
「ふむ。どんなのだ?」
「魔法と技能を、それぞれ1属性と無だけで戦うんだよ。で、属性も対抗属性で」
つまり、互いに互いが弱点な属性しか使わない模擬戦か。
「面白そうだな。良いだろう。では、俺が闇属性。シュンが光属性でどうだ?」
「う~ん。それでも良いけど、なんならレイが暗黒属性。僕が聖光属性っていうのは?」
「ん、まあ良いだろう。じゃあ、早速やるか」
「おう!」
という訳でやってきた中庭。
此処は、かなり広い、というよりかは広過ぎる大きさがあるため、模擬戦にはもってこいだ。
周囲には、龍達が全力で張った結界がある。
まあ、その頑張る理由も自分たちの命が掛かっているんだ。本気にもなるだろう。
余波だけで、死ぬからな。
_神龍?あれはワンパンで死んだからな。
「さて、じゃあ始めるか」
「そうだね。じゃあ、始めようか」
頷いたシュンを見て、俺とシュンは対峙した。
風が吹きぬけ、太陽の光が俺達を照らす。
風がそよぎ、爽やかな空気が流れる中、俺とシュンは立っている。
合図は、いらない。
「聖なる光よ 光を象り その輝きにて闇を滅せ!! 我は聖光の王!」
「負なる闇よ 闇を象り その妖気にて光を滅せ!! 我は暗黒の王!」
俺の右手、シュンの右手、その両方に、白と黒の、相対する魔法陣が生まれる。
そこから現れるは、黒の剣と、白の剣。
「聖剣デュランダル!!」
「魔剣デュランダル!!」
闇が俺を包み、その瘴気を辺りに撒き散らす。
右手に握られたデュランダルは、その禍々しい妖気を放ちながら、不気味に輝く。
光がシュンを包み、その聖気が辺りを浄化していく。
右手に握られたデュランダルが、その神々しい輝きを放ちながら、鮮やかに輝く。
「疾ッ!!」
先に動いたのは、俺だ。
「【闇黒残撃】」
駆け抜ける俺の前には、闇の刃がシュンを襲っている。
それを、シュンは聖剣を振るうことで防ぎ、何かを紡いでいた。
_詠唱………10階級かッ!
「【聖なる裁き】!!」
「【闇の道】!!」
咄嗟に紡いだ魔法は、奇しくもシュンと同時に発動した。
闇の妖気が離れた位置に敷かれ、その中を闇と同化した俺が通る。
シュンから放たれた魔法は、俺の上空に巨大な魔法陣を描き、そこから光が差し込む。
闇を纏う俺に対して、最もダメージの高い魔法だ。
それを、間一髪でかわした俺の目前には、聖剣を振り上げたシュンが立っている。
「ハァッ!!」
「チィッ!!」
気合の声とともに振り下ろされた剣に、無理に身体を捻って剣を打ち当てた。
下から打ち上げる形で振り上げた剣は、やはり威力がまったく足りず、俺を地面に埋める形になった。
クレーターが出来上がり、そこから起き上がった俺の前には、巨大な魔法陣が展開されている。
_本気だな!!
「ははっ。こうじゃなきゃ、な!!」
起き上がった俺は、地面を蹴り飛ばし、魔法陣に向けて斬りかかった。
「【暗黒・纏】!!」
_10階級最終奥義技<六天魔>
「はあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
叫び声と同時に、俺は魔法陣を切り裂いた。
正確には、打ち消した。
しかし__
「そうだよな…」
その先には、さらに一回り巨大な魔法陣。
「そうじゃなきゃ、手応えが無さ過ぎるからな」
俺の姿を視認したと同時に、シュンは唱えた。
「【天の裁き】!!」
「クッ!!【闇の番人】!!」
咄嗟に発動した魔法により、俺の目前にはケルベロスが召喚された。
だが、足りない。
輝きを増した魔法陣から放たれた光線は、一直線に俺とケルベロスを飲み込んだ。
そのまま突き進んだ光線は、遥か後方の雲を貫き、空に消えていった。
ダメージは甚大だ。
逆に言えば、まだダメージは甚大で済んでいる。
「【再生】【自動回復】【身体構築】【治療】」
小さい声で唱えると同時に、俺の身体が光に包まれ、最低限回復した。
闇を纏う俺に対して、回復系の魔法は効果が薄いのだ。
それでも、立てるようになった。
シュンは、既に地を蹴り、俺に止めを刺そうと迫ってきている。
「『我願う 求むは永久の闇 願うは大いなる力 出でよ暗黒 滅せよ光 この妖気に包まれ 世界を闇へと誘わん 【邪剣グラム】』」
唱えたのは、デュランダルよりも階級の高い剣。
最高神が創ったと言われる神剣グラムが、邪神によって闇に堕ちた姿だ。
その力は、神をも切り裂く。
俺だけが使用出来る代わりに、1日に一振りしか使えない。
まさに、諸刃の剣である。
_これで、決める。
「これで終わりだ!!」
「僕も、負ける気は無いよ!!」
互いに、その顔には笑みが浮かんでいる。
これで負けることは、決して悲しいことでは無い。
相手が、自分よりも強かっただけだ。
次に戦った時に、勝てば良い。それだけの、簡単な話だ。
_狙うは一撃。待つは一瞬。放つは最大。
俺も、シュンも、使う剣技は同じだ。
最も単純で、最も強さの分かる。唯1つの技。
_1階級単発技<斬撃>
「「ハアァッ!!」」
衝突した光と闇は、互いに互いを蝕んでいった。
衝突の余波だけで結界は破壊され、その衝撃波は周囲へと伝播していく。
ブワッ、と風が吹き荒れ、草花を散らした。
消えたのは、光だ。
「今回は、俺の勝ちだな」
「ははっ。やっぱりレイはチートだよ。でも、次は僕が勝つ」
「待ってるぞ?」
「ああ」
________
~後書き~
シュンとレイの戦いを書きたかったんですが、終わりが下手になりました。すいません。
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