ゲームに夢を託して、無双するのは駄目なのだろうか?~だって、折角の最強ですよ?~

bakauke16mai

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序章 ゲームスタート

チートと同等なのは、貴方達だけですよ。ノームさん

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ノームは、周囲にすぐに岩を浮遊させ、俺を迎撃してきた。
流石に、この場で操る岩は先ほどよりも速度と精度が桁違いに高い。
正確に、そして強力に俺を叩きに来ている。

目前に迫った岩の集団に対して、俺は剣を縦に一閃した。


(大丈夫)


岩は、しっかりと真ん中で割れて、俺に道を作った。
そこを通り、ノームに接近していく。
他の岩は、全て”勘と経験”で対処している。

まあ、幾つか飛来したのも寸前で対処出来ているから平気だ。


「疾ッ!!」


短く息を吐いて、さらに踏み出した。
既に、ノームとの距離は近距離戦レベルのモノだ。
とりあえず、本気で倒しに掛かる。

右手に握ったデュランダルを横に一閃して、身体を捻るように回転斬りを掛ける。
それを、ノームは一撃目を防御し、二撃目を回避して防いだ。
そこへ、追い討ちを掛けるように下から切り上げ、薙ぎ払うように切り裂く。

それを、硬質な岩を出現させて防いだノームは、後方に大きく跳躍した。


「逃がすかッ!!」


一瞬だけ遅れたが、すぐに距離を詰めることには成功した。
ただ、罠には嵌ったようだ。


ゴゴゴゴゴ・・・・・・・・!!


地響きとともに、周囲に3体の竜が現れた。
どれも、土と岩の身体を持っていて、明らかにノームの陣営だろう。


「チッ!」


舌打ちする俺だが、顔は笑みを浮かべているはずだ。
なにせ、こんなにも面倒で、そして危機的状況なのは面白いのだから。


「『魔法破壊マジック・ブレイク』」


ノームの、やはりまだ幼い少年の声とともに、俺の周囲から展開していた魔法が消えた。
ていうか、まさか魔法を消し去れるとは思ってなかった。
少し驚愕とした表情をした俺だが、すぐに顔を引き締めた。

竜の1体が、動き出したのだ。


「疾ッ!!」


一瞬で竜の目前まで移動し、剣を振り上げた。
その一閃で、竜の身体は二つに割れて消え去った。
直後、背後から魔力の高まりを感じ、咄嗟に横に跳躍し、振り向いた。

元居た場所には、岩による茨が完成したように針が突き出ている。
悪寒が走ったが、逆に高揚感も煽られているように感じる。

またもや竜に近寄り、その身体を二つに分けた。
と同時に襲い掛かった岩の大群を、なんとか回避する。
その中から、安定した岩を選び、飛び移る。

さらに、その岩を蹴って跳躍し、次の岩に飛び移った。
さらに、さらに、さらに。
最も上に位置した岩をさらに蹴って、上空に飛び上がった。

下を見ると、竜が此方に向けて口を開いて構えている。


(不味い!!)


咄嗟に、デュランダルを目前に構えて、防御の体勢を取った。
直後、俺に向けて放たれたブレス。
しかし、それはデュランダルに近づいた途端に消滅していった。

それを見て驚愕したのは俺も同じだったが、適応するのは得意だ。
すぐに落下に身を任せて、竜に向けて剣を振り下ろした。
地面が抉れるように衝撃があったが、真っ二つになった竜の背後から、さらに魔法が飛来した。

どうやら、ノームは竜が死ぬのを想定して魔法を構築していたようだ。
飛来してくる魔法は、岩の槍や岩そのもの、とにかく岩を変形させて攻撃してきている。
しかし、ノームのMPも心許ないのか、込められた魔力はそこまで多くない。

さらに、先ほどよりも質が落ちているようにも感じられる。


(勝負時か)

「疾ッ!」


最も速く飛来した槍を剣で破壊し、そのまま流れるように次のものも破壊していく。
上からの振り下ろし、回転を掛けて右から切り裂く。
そのまま、左に反転させて切り裂いたと同時に、剣を振り上げて、空中で縦に回転する。

右手に握ったデュランダルを右から一閃し、その勢いで回転し、もう一度一閃する。
そのまま、返す剣でさらに切り裂き、魔法の飛来を防ぎきった。
それと同時に、加速し、ノームに切りかかる。

近接戦は苦手なようで、防御の拙いノームを倒すのは簡単だ。


「これで、終わりだッ!!」


斜めから振り下ろしたデュランダルがノームの防御を突破し、吹き飛ばした。
その結果、ノームは軽く気絶したようで、暫く経つと消えていった。
それと同時に、目前に文字が現れた。


LV UP


そう表示され、金色に輝く文字を見て、ちょっと引いた。
なにせ、今の状態でも既に精霊に勝利出来るのに、強くなったらどうなってしまうのか。
少しだけ恐怖しながら、俺はステータスを開いた。

___

ステータス
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