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幼少期編
王都(2)
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宿屋で寝て翌日。
俺とリリナは鍛錬の為に練習場に来ていた。
そこでは、新人と思われる冒険者が訓練をしていた。
俺とリリナはその端に向かって、向かい合った。
そこでリリナは目を瞑り、手の平を前に出した。
そこに魔力が集まっていき、そして”炎電”の魔法が発動した。
現れた炎は俺よりは劣るが、それでも確かな魔力が込められている。
「できたっ!」
リリナはとても嬉しそうだ。
俺もそんなリリナを見て、嬉しい気分になった。
そこへ、昨日の少女がやってきた。
ただ、その顔は少しだけ驚愕していた。
俺の顔を見てすぐに不機嫌になったが。
「二人とも。私の家に来なさい!」
「何故?」
「お父様が、貴方のことを話したら連れて来なさいって」
首をかしげる俺だが、別に問題は無いので頷いた。
少女はすぐに来た道を歩き始めた。
俺とリリナも、その後に続いた。
「そういえば、君の名前は?」
「え? 私の名前知らないの?」
「え、あ、うん」
「・・・・・・・・カレン、カレン・ルーティアよ」
「そっか。俺の名前はリュウ、リュウ・シルバー」
「私はリリナ・シルバーです」
名前を名乗りあった所で、また歩き出した。
どうやらカレンはお嬢様らしく、貴族街の方に入って行く。
道のりとしては面倒だが、此方の方が清潔そうな雰囲気があった。
◆◇◆◇◆◇◆
「此処がカレンの家?」
「そうよ!凄いでしょ!?」
「そうだね」
確かに、カレンの家は豪邸であった。
貴族街の一角を、大きく仕切った屋敷が目前には鎮座している。
この大きさは、普通に不要だと思ってしまうのだが。
囲うように高い壁があり、その周りを兵士だろう者が徘徊している。
なんだか普通にお嬢様の屋敷なんだが、カレンのイメージとは合わない。
まあ、そんなことを言ってもどうしようもないのだが。
門はカレンの顔パスで通れた。
広大な庭が広がっており、その先にある少し開けた場所に数人の人が集まっていた。
その中には、キールさんの姿もある。
キールさんは、俺を見て驚いたような顔をした。
「金の冒険者と聞いたけど、まさかリュウ殿だったとは」
「久しぶりです」
見知った顔に、俺は少しだけ安堵した。
流石に、こんな知らない大人ばかりの場所にリリナと二人は緊張する。
「おや、キール殿の知り合いでしたか?」
「ええ。以前話した少年ですよ」
「!?で、では、盗賊を一人で討伐に追いやったというあの少年ですか!?」
「その通り」
なんだか大人の間で会話が飛び交っているが、俺には分からない。
要所要所を専門用語で埋めて話しているのだ。
まあ、別に知りたいわけでは無いから良いのだが。
「じゃあ、早速前のを見せれば?」
「そうしてください」
キールさんに聞くと、そう帰って来た。
なので、俺は前と同じように魔力を侵食していった。
空間が少しだけぼやけるように見える。
◆◇◆◇◆◇◆
また、今回も”炎剣”で炎剣を握った。
両手で握ると、早速魔法を発動していく。
右から飛んでくる魔法を切り裂くと同時に後方にステップし、目前を通る魔法を切り裂く。
まずは、このような運動からだ。
切り裂いた先から魔法が飛来するが、それも返す剣で切り裂く。
振り下ろした剣先を左に走らせると魔法に直撃して切った。
右、右、左、上、後方、左、斜め__
「フッ!!」
だんだんと魔法の速度と量を増していく。
この訓練は、何時行っても疲れる。
ただ、その運動が堪らなく楽しいのだが。
こうして、自由に飛びまわるのは爽快だ。
右に大きくステップを踏み、振り向きざまに魔法を切り裂く。
今度も、前回と同じ技を使う。
回転するように大きく切り裂いていく。
四つの角でそれぞれ剣を振るう。
中央で、振り下ろすのだ。
「”天空破”」
前回はこの辺りで終わらせたが、今回はまだ続ける。
もう視界全てに魔法の弾が映るようになった。
それでも、俺はまだ諦めない。
「”対処””適応””反撃””絶空””閃光”」
五つの魔法を発動し、本気の状態になる。
閃光の輝き、対処と適応のオーラ、反撃の威圧、絶空の威厳。
その全てが今俺の元に集い、そして発動している。
「ハァッ!!」
右、右左上後方斜め右左上、横左上後方後方、前、右__!!
全ての魔法に対して急所を打ち抜き、そして次の弾に移る。
一瞬で一〇の魔法弾を切り裂くのは、かなり体力的に厳しい。
(これで、最後だッ!!)
一瞬だけ剣を胸の前で構えて、俺は剣を振るった。
「”焔斬”!!」
剣に業火が纏われ、そして回転斬りが発動する。
大きく焔を撒き散らしながら回転を終わると、魔法の発動も止まる。
荒い息で呼吸しながらも、俺はしっかりと立っていた。
俺とリリナは鍛錬の為に練習場に来ていた。
そこでは、新人と思われる冒険者が訓練をしていた。
俺とリリナはその端に向かって、向かい合った。
そこでリリナは目を瞑り、手の平を前に出した。
そこに魔力が集まっていき、そして”炎電”の魔法が発動した。
現れた炎は俺よりは劣るが、それでも確かな魔力が込められている。
「できたっ!」
リリナはとても嬉しそうだ。
俺もそんなリリナを見て、嬉しい気分になった。
そこへ、昨日の少女がやってきた。
ただ、その顔は少しだけ驚愕していた。
俺の顔を見てすぐに不機嫌になったが。
「二人とも。私の家に来なさい!」
「何故?」
「お父様が、貴方のことを話したら連れて来なさいって」
首をかしげる俺だが、別に問題は無いので頷いた。
少女はすぐに来た道を歩き始めた。
俺とリリナも、その後に続いた。
「そういえば、君の名前は?」
「え? 私の名前知らないの?」
「え、あ、うん」
「・・・・・・・・カレン、カレン・ルーティアよ」
「そっか。俺の名前はリュウ、リュウ・シルバー」
「私はリリナ・シルバーです」
名前を名乗りあった所で、また歩き出した。
どうやらカレンはお嬢様らしく、貴族街の方に入って行く。
道のりとしては面倒だが、此方の方が清潔そうな雰囲気があった。
◆◇◆◇◆◇◆
「此処がカレンの家?」
「そうよ!凄いでしょ!?」
「そうだね」
確かに、カレンの家は豪邸であった。
貴族街の一角を、大きく仕切った屋敷が目前には鎮座している。
この大きさは、普通に不要だと思ってしまうのだが。
囲うように高い壁があり、その周りを兵士だろう者が徘徊している。
なんだか普通にお嬢様の屋敷なんだが、カレンのイメージとは合わない。
まあ、そんなことを言ってもどうしようもないのだが。
門はカレンの顔パスで通れた。
広大な庭が広がっており、その先にある少し開けた場所に数人の人が集まっていた。
その中には、キールさんの姿もある。
キールさんは、俺を見て驚いたような顔をした。
「金の冒険者と聞いたけど、まさかリュウ殿だったとは」
「久しぶりです」
見知った顔に、俺は少しだけ安堵した。
流石に、こんな知らない大人ばかりの場所にリリナと二人は緊張する。
「おや、キール殿の知り合いでしたか?」
「ええ。以前話した少年ですよ」
「!?で、では、盗賊を一人で討伐に追いやったというあの少年ですか!?」
「その通り」
なんだか大人の間で会話が飛び交っているが、俺には分からない。
要所要所を専門用語で埋めて話しているのだ。
まあ、別に知りたいわけでは無いから良いのだが。
「じゃあ、早速前のを見せれば?」
「そうしてください」
キールさんに聞くと、そう帰って来た。
なので、俺は前と同じように魔力を侵食していった。
空間が少しだけぼやけるように見える。
◆◇◆◇◆◇◆
また、今回も”炎剣”で炎剣を握った。
両手で握ると、早速魔法を発動していく。
右から飛んでくる魔法を切り裂くと同時に後方にステップし、目前を通る魔法を切り裂く。
まずは、このような運動からだ。
切り裂いた先から魔法が飛来するが、それも返す剣で切り裂く。
振り下ろした剣先を左に走らせると魔法に直撃して切った。
右、右、左、上、後方、左、斜め__
「フッ!!」
だんだんと魔法の速度と量を増していく。
この訓練は、何時行っても疲れる。
ただ、その運動が堪らなく楽しいのだが。
こうして、自由に飛びまわるのは爽快だ。
右に大きくステップを踏み、振り向きざまに魔法を切り裂く。
今度も、前回と同じ技を使う。
回転するように大きく切り裂いていく。
四つの角でそれぞれ剣を振るう。
中央で、振り下ろすのだ。
「”天空破”」
前回はこの辺りで終わらせたが、今回はまだ続ける。
もう視界全てに魔法の弾が映るようになった。
それでも、俺はまだ諦めない。
「”対処””適応””反撃””絶空””閃光”」
五つの魔法を発動し、本気の状態になる。
閃光の輝き、対処と適応のオーラ、反撃の威圧、絶空の威厳。
その全てが今俺の元に集い、そして発動している。
「ハァッ!!」
右、右左上後方斜め右左上、横左上後方後方、前、右__!!
全ての魔法に対して急所を打ち抜き、そして次の弾に移る。
一瞬で一〇の魔法弾を切り裂くのは、かなり体力的に厳しい。
(これで、最後だッ!!)
一瞬だけ剣を胸の前で構えて、俺は剣を振るった。
「”焔斬”!!」
剣に業火が纏われ、そして回転斬りが発動する。
大きく焔を撒き散らしながら回転を終わると、魔法の発動も止まる。
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