12 / 75
幼少期編
王都
しおりを挟む
王都に到着した俺とリリナは、王都の中を歩いていた。
目指しているのはギルドと呼ばれる機関だ。
此処で登録すれば、五歳でもお金を稼ぐことが出来る。
そうすれば、生き抜くことも出来るのだ。
リリナには俺の魔力適正を幾つかと、スキルも少しだけ付与してある。
それは話してあるし、同意も貰っている。
リリナも、防衛手段を持たないと危険なのは理解しているのだ。
暫く歩き、ギルドらしき場所に辿り着いた。
中に入ると、そこにはかなり静かな空間があった。
別に、呑んだ暮れがいないとかそんな話じゃない。
目前に一人の男が倒れており、そしてその男の前にいる女性。
その周りに囲むように男達が立っており、その顔は唖然としたものだ。
微妙な空間の中を、俺は素通りして歩いた。
なんだか嫌な予感があったし、それに早く登録したかったからだ。
受付の女性も固まっていたが、俺が来た事で復帰した。
「どうしたの?」
「登録に来ました」
俺の発言に驚いたように、その女性は固まった。
まあ、流石に五歳でギルドに登録しようとする人はほとんどいないだろう。
女性は、困ったように笑って答えた。
「駄目よ。だって、冒険者は危ない仕事だもの」
「知ってます。それに、俺には戦う力がちゃんとあります」
力強く答えると、女性は少し真面目な顔で俺を見つめた。
俺も、しっかりとその瞳を見つめ返した。
「なら、試験を受けてもらいます」
「試験?」
女性が言った試験という言葉に、俺は首を傾げた。
女性は、そんな俺を置いて奥から一つの水晶を持って来た。
丁寧に布で包まれた水晶からは、僅かに魔力を感じる。
「この水晶に触れてください。もしも、それで金色の輝いたら良いでしょう」
「?分かった」
そう答えて、俺は水晶に触れた。
「へ?」
女性はそれだけで驚いた様子だったが、俺にはよく分からない。
しかし、それよりもこの現状が不可解だった。
水晶が、輝かしく金色に輝いているのだ。
それも、ギルド内を明るく照らすように爛々と。
その光景に見蕩れていると、後ろから魔力の高まりを感じた。
俺が選んだのは、”対処”と”適応”そして”反撃”の三つだ。
一瞬で横に跳躍した。
直後、俺のいた場所に雷が落下した。
それを避けた俺は、放った相手に突撃していた。
相手は、まさか避けて反撃してくるとは思っていなかったのだろう。
まったく対応出来ずに俺に殴られた。
その途端、俺の手が輝き魔法が発動する。
「”起死回生”」
そう俺が呟くと同時に、男は後ろに吹き飛んだ。
壁に激突して倒れた男の腹は、大きく凹んでいる。
その出来事に、ギルド内はまたもや静まった。
そこへ、ギルドの二階から人が降りてきた。
赤い髪を伸ばした綺麗な女性だ。
その瞳は、真っ直ぐ俺と先ほどの女性を見つめている。
ふと、俺は自分が探られているような感覚に陥った。
そして、女性の顔が大きく驚愕している。
(まさかッ!?)
「シッ!!」
俺は、女性の懐に一瞬で詰め寄り、腹に一撃を与えた。
背中を押さえたことで女性は吹き飛ぶことは無く、静かに気絶した。
俺は、そんな女性を見ながら複製を発動した。
【複製により、スキル”鑑定””鑑定妨害”を取得しました】
(やっぱり・・・・・・・・・)
俺は、予想が的中したことを実感した。
__________________________________
名前 リュウ・シルバー
LV 12
魔力適正 複製 神力 氷抵抗 炎電 保管庫 絶空 取得 炎剣 強奪 反撃
弱毒 閃光 付与 対処 適応
スキル 魔法技能 暗算 成長促進 剣術 成長補正 自然魔力 舞技 鑑定
鑑定妨害
称号 女神の慈悲 女神の心 神々の黄昏 神の代行者
___________________________________
どうやら、鑑定を妨害するためのスキルも取得できたみたいだ。
でも、鑑定のスキルを取得したのが一番嬉しい。
これがあれば、魔力適正を複製するのがかなり楽になるからだ。
ホクホクとした気分の俺とは違い、ギルド内は騒然としていた。
この女性、実はギルドマスターだったのだ。
それを、五歳の子供が殴り倒したことによって騒ぎが起きている。
まあ、俺はそんなこと知ったこっちゃないんだけどね。
という訳で、先ほどの女性の場所に戻って来た。
そこでは、物凄い速さでカードを作成する女性が待っていた。
「あ!君、はい。これがギルドカードです。金色はほぼ全ての依頼を受けられるからね」
「ありがとうございます」
俺はお礼を言ってから、リリナと一緒にギルドを出た。
今日からは二人だけなため、まずは宿を取る必要があるのだ。
そうしなくては、寝る場所が無い。
そこへ、ギルドに入ったばかりの時にいた女性が走ってきた。
どうやらかなり疲れているようだが、俺に用事ではないだろう。
俺はリリナを促して先に進み始めた。
「ま、待って!」
「はい?」
まあ、呼びかけられたのだから答えるのは普通だろう。
女性というより、この人物は少女寄りの身長だ。
もしかして、そこまで俺と歳が変わらないのかも知れない。
「貴方、さっきギルドで金のカード貰ったよね!」
「まあ」
「一体、どんな手品をしたらそうなるの!?」
「手品?」
この少女が何を言いたいのかが分からない。
手品というが、俺は何もしていないし、する気も無い。
俺が首を傾げると、少女は頬を膨らませた。
「白々しいわね!赤の天才と呼ばれるこの私が聞いてるのよ!答えなさいよ!」
「?」
赤の天才とか言われても誰か知らないし。
それに、何よりも何もしていないのだからしょうがないだろう。
そこで、俺は昨日の鍛錬で騎士達が驚いていたのを思い出した。
「なら、明日の朝・・・・・・・そうだな。ギルドの裏にあった練習場に来てよ。俺の鍛錬を見せるから」
「・・・・・・・まあ、それで許してあげるわ」
「ありがとう。じゃあね!」
そう告げて、俺は歩き始めた。
目指しているのはギルドと呼ばれる機関だ。
此処で登録すれば、五歳でもお金を稼ぐことが出来る。
そうすれば、生き抜くことも出来るのだ。
リリナには俺の魔力適正を幾つかと、スキルも少しだけ付与してある。
それは話してあるし、同意も貰っている。
リリナも、防衛手段を持たないと危険なのは理解しているのだ。
暫く歩き、ギルドらしき場所に辿り着いた。
中に入ると、そこにはかなり静かな空間があった。
別に、呑んだ暮れがいないとかそんな話じゃない。
目前に一人の男が倒れており、そしてその男の前にいる女性。
その周りに囲むように男達が立っており、その顔は唖然としたものだ。
微妙な空間の中を、俺は素通りして歩いた。
なんだか嫌な予感があったし、それに早く登録したかったからだ。
受付の女性も固まっていたが、俺が来た事で復帰した。
「どうしたの?」
「登録に来ました」
俺の発言に驚いたように、その女性は固まった。
まあ、流石に五歳でギルドに登録しようとする人はほとんどいないだろう。
女性は、困ったように笑って答えた。
「駄目よ。だって、冒険者は危ない仕事だもの」
「知ってます。それに、俺には戦う力がちゃんとあります」
力強く答えると、女性は少し真面目な顔で俺を見つめた。
俺も、しっかりとその瞳を見つめ返した。
「なら、試験を受けてもらいます」
「試験?」
女性が言った試験という言葉に、俺は首を傾げた。
女性は、そんな俺を置いて奥から一つの水晶を持って来た。
丁寧に布で包まれた水晶からは、僅かに魔力を感じる。
「この水晶に触れてください。もしも、それで金色の輝いたら良いでしょう」
「?分かった」
そう答えて、俺は水晶に触れた。
「へ?」
女性はそれだけで驚いた様子だったが、俺にはよく分からない。
しかし、それよりもこの現状が不可解だった。
水晶が、輝かしく金色に輝いているのだ。
それも、ギルド内を明るく照らすように爛々と。
その光景に見蕩れていると、後ろから魔力の高まりを感じた。
俺が選んだのは、”対処”と”適応”そして”反撃”の三つだ。
一瞬で横に跳躍した。
直後、俺のいた場所に雷が落下した。
それを避けた俺は、放った相手に突撃していた。
相手は、まさか避けて反撃してくるとは思っていなかったのだろう。
まったく対応出来ずに俺に殴られた。
その途端、俺の手が輝き魔法が発動する。
「”起死回生”」
そう俺が呟くと同時に、男は後ろに吹き飛んだ。
壁に激突して倒れた男の腹は、大きく凹んでいる。
その出来事に、ギルド内はまたもや静まった。
そこへ、ギルドの二階から人が降りてきた。
赤い髪を伸ばした綺麗な女性だ。
その瞳は、真っ直ぐ俺と先ほどの女性を見つめている。
ふと、俺は自分が探られているような感覚に陥った。
そして、女性の顔が大きく驚愕している。
(まさかッ!?)
「シッ!!」
俺は、女性の懐に一瞬で詰め寄り、腹に一撃を与えた。
背中を押さえたことで女性は吹き飛ぶことは無く、静かに気絶した。
俺は、そんな女性を見ながら複製を発動した。
【複製により、スキル”鑑定””鑑定妨害”を取得しました】
(やっぱり・・・・・・・・・)
俺は、予想が的中したことを実感した。
__________________________________
名前 リュウ・シルバー
LV 12
魔力適正 複製 神力 氷抵抗 炎電 保管庫 絶空 取得 炎剣 強奪 反撃
弱毒 閃光 付与 対処 適応
スキル 魔法技能 暗算 成長促進 剣術 成長補正 自然魔力 舞技 鑑定
鑑定妨害
称号 女神の慈悲 女神の心 神々の黄昏 神の代行者
___________________________________
どうやら、鑑定を妨害するためのスキルも取得できたみたいだ。
でも、鑑定のスキルを取得したのが一番嬉しい。
これがあれば、魔力適正を複製するのがかなり楽になるからだ。
ホクホクとした気分の俺とは違い、ギルド内は騒然としていた。
この女性、実はギルドマスターだったのだ。
それを、五歳の子供が殴り倒したことによって騒ぎが起きている。
まあ、俺はそんなこと知ったこっちゃないんだけどね。
という訳で、先ほどの女性の場所に戻って来た。
そこでは、物凄い速さでカードを作成する女性が待っていた。
「あ!君、はい。これがギルドカードです。金色はほぼ全ての依頼を受けられるからね」
「ありがとうございます」
俺はお礼を言ってから、リリナと一緒にギルドを出た。
今日からは二人だけなため、まずは宿を取る必要があるのだ。
そうしなくては、寝る場所が無い。
そこへ、ギルドに入ったばかりの時にいた女性が走ってきた。
どうやらかなり疲れているようだが、俺に用事ではないだろう。
俺はリリナを促して先に進み始めた。
「ま、待って!」
「はい?」
まあ、呼びかけられたのだから答えるのは普通だろう。
女性というより、この人物は少女寄りの身長だ。
もしかして、そこまで俺と歳が変わらないのかも知れない。
「貴方、さっきギルドで金のカード貰ったよね!」
「まあ」
「一体、どんな手品をしたらそうなるの!?」
「手品?」
この少女が何を言いたいのかが分からない。
手品というが、俺は何もしていないし、する気も無い。
俺が首を傾げると、少女は頬を膨らませた。
「白々しいわね!赤の天才と呼ばれるこの私が聞いてるのよ!答えなさいよ!」
「?」
赤の天才とか言われても誰か知らないし。
それに、何よりも何もしていないのだからしょうがないだろう。
そこで、俺は昨日の鍛錬で騎士達が驚いていたのを思い出した。
「なら、明日の朝・・・・・・・そうだな。ギルドの裏にあった練習場に来てよ。俺の鍛錬を見せるから」
「・・・・・・・まあ、それで許してあげるわ」
「ありがとう。じゃあね!」
そう告げて、俺は歩き始めた。
1
お気に入りに追加
1,148
あなたにおすすめの小説
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在三巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる