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エピローグ

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「でねっ、伊波君たら私のこと気に入った、なんて言い出すのよーっ?」

 自慢げに話しているのは千景。チャオはそんな千景を微笑ましく眺めながら相槌を打ち、ライは興味なさそうにそっぽを向いてあくびをしていた。

「ちょっとー、ライ聞いてるのっ?」
「聞いとるわっ。……しっかし、興味ない、なんて言ってた割には最近お前、伊波の話ばっかりやなー?」
「えっ、そうかなーっ?」
 心なしか顔を赤らめる千景。

 あの祭り以来、千景達はよく四人で遊ぶようになっていた。睦美と一也もギクシャクした感じはなくなり、最近ではお互いをきちんと異性として見始めている。そして伊波がどうやら千景を気に入っているらしいのだ。もちろん、そう言われて悪い気はしない。最近では千景も伊波の事が気になっていた。

 ライとチャオは、一度向こうの世界に戻り報告書を書いた後、またこっちの世界に帰ってきていた。どうやらここが彼らの新しい事務所……支店になるらしい。

「あーあ、千景のママゴトみたいな恋愛話聞いてたってちーとも面白くないわっ」
「あっ、ひどーい!」
「そうですよ、ライ。千景さんは今が一番楽しいときなんですから、ちゃんと付き合ってあげないと、」
「ああっ、チャオまでそんな言い方っ」
「あ、いや、これはその~」

 廃ビルは今日も穏やかだ。
 響き渡るのは笑い声だけ。外からは見えない秘密の場所で、異世界へと通じる穴もそのままに、三人はこれからもそれなりに楽しい時を過ごしていくのである。


 
~FIN~
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みんなの感想(3件)

るしあん@猫部

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こちらも応援しています。

にわ冬莉
2024.01.05 にわ冬莉

٩(๑>∀<๑)۶ありがとうございます~~~!!✨

解除
ヤン
2023.12.17 ヤン

初めまして。ヤンと申します。
続きが気になって、一気読みさせて頂きました。ほっこりとしました😊
同じ登場人物の別の話も読んでみたいです。

ありがとうございました!

にわ冬莉
2023.12.21 にわ冬莉

読んでいただきありがとうございました!
この調子で色んな依頼受けちゃったりして、ドタバタな感じでやっていきそうな三人?です。
感想嬉しいです!!
(◍˃ᗜ˂◍)ノ✿アリガトゴザイマス✿

解除
たまごかけ丼

登場人物のやりとりがかわいいです!!これからどうなっていくのか楽しみに見守っていきたいと思います!!

にわ冬莉
2023.12.21 にわ冬莉

のほほん、と、ゆるっとしたお話、楽しんでいただけたなら嬉しいです!!
読んでいただきありがとうございます~!!

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