60 / 89
花咲く切り飴、ころころ。
6改
しおりを挟む
ところが、次の問題を終えて窓の外を見ると、また同様に道を下っている。
(ああやってあやしてるのか?)
一般的な男子高校生には幼児のあやし方などという知識はない。
紗川もそれに漏れず、内心首をかしげながら様子を見ていた。
だが、子供は縛り付けられていることを嫌い、暴れ続けている。
(ベビーカーが好きな子供もいるのだろうが……少なくとも、あの子に限ってはなさそうだ。いつもあれだけ暴れているんだからな)
母親は落ち着かない子供を連れて、坂の信号から信号までの間を何度も往復する。
そうこうしているうちにベビーカーの上で暴れていた子供はおとなしくなり、暫くしてから母親はマンションに帰っていった。
それが毎日続いた。
最初はベビーカーで暴れる子供の様子を気にかけもしたが、やがて慣れてしまった。
窓の外に、その母子を見かけても、そういう子育て方もあるのだろうと思うだけにとどまった。
「後で知ったことだが、実際に育児書にも書いてあるそうだ。理由もなく泣いている時は外に連れ出すのが効果的らしい。うるさいから屋外に連れ出せ、という意味ではないそうだ」
平然と言う紗川に、三枝は唖然とした。
紗川のいう事は正しい。
三枝は小学校の高学年のころから、近所の子供の面倒をよく見ていた。それこそ、ベビーカーを押して大正ロマン通りを散歩したものだ。
おかげさまで、町内での三枝の評判はすこぶるいい。
それと同時に、同じことを周りの男がしないこともよく知っている。
紗川も同様だろう。
にもかかわらず知っているという事は、実はどこかに隠し子でもいるのだろうか。道を歩けばピンク色の視線を向けられる歩く公害なのだ。実は子供がいたとしてもおかしくはない。
「……どこで知ったんですか、そんなこと」
疑いの気持ちを隠しもせずに尋ねたが、紗川は全く意に介さずに答えた。
「元保育士の方がそう言っていた。君のことだから、僕に隠し子でもいるのかと勘繰っているのだろうが、それはない」
「よかったです、人でなしでなくて」
「実に信用がないな」
「こと女性に関しては。どこに信用される要素があるんですか」
「信用してくれ。僕には桜という彼女がいる。浮気はしていない。桜から見張っているように言われのだろうが、安心してくれと伝えて欲しいものだ」
「分かりました。信用しましょう」
「それは良かった」
「ともかく、そのお母さんは子供が泣くから外を歩いてたんですね」
そう言うと、紗川は微妙な顔をして頷いた。
「まあ、確かに『泣くから』というのが理由ではあるだろうな。最初にこちらが思っていた理由ではなかったが」
「どういうことです?」
風に持っていかれそうな帽子を押さえながら、紗川は続きを話した。
その日も、受験生の紗川はいつものように喫茶店の窓際の席で勉強をしていた。
正解した問題にチェックを入れると、青いペンを指先で回す。年上の従姉が誕生日にプレゼントしてくれた青い万年筆は、勉強時間の最高の友だ。
シャープペンシルを使わないことに友人らは疑問を投げかけたが、書き直しができないため、ミスが許されないという緊張感を保つことができる。
フリーハンドで書いているにもかかわらず、ぶれの少ない図形、整然と並んだ数字の羅列は美しくさえあった。
(よかった、思ったとおりに解けたな)
好きな科目だから、つい取り組み時間が長くなってしまった。
気付けばレコードもA面からB面に変えられている。
紗川は、ようやく時終えた問題の解を眺め、満足の息をついた。
定期購読している「大学への数学」に掲載されている問題は、これですべてクリアした。なかなか厄介な問題だったが、正解を出す事が出来て気分がいい。
紗川は午前中の計画の中に厄介な問題を一つ混ぜることにしている。それは大学の過去問題であったり、定期購読している雑誌の難問と書かれた問題であったりする。
ただし、家では決められた時間以上に取り組むことはしない。
ある程度考えたのちは、解けていなかったとしても、そのまま街にでる。
街並みを眺めながら、他の問題や勉強とは全く関係がないことを考えながら歩いていると、唐突にひらめくことも少なくない。
日によっては喫茶店に着くまでの道すがら、頭の中でといてしまい、席について料理が来るまでの間、紙に書いて計算しなおし、確認するということもしばしばだ。
その日も、そういう日だった。
(しまった……。他に持ってくればよかったか)
もっと時間がかかるだろうと思っていたから、参考書の類は持ってこなかったのだ。予定が狂って手持ち無沙汰になってしまった。
窓の外を眺める。
ベビーカーを押す女性の姿があった。
いつもの光景。
それを見ているうちに魔がさした。
(あの坂の上の信号から下の信号までは、およそ200メートル……)
その母子がいつも往復している距離を考える。
(往復しているわけだから、結構な距離だ)
計算するつもりだった紙に鋭角な直角三角形を書き込む。
(この坂の角度は何度くらいだろう……せいぜい5度くらいか。だがそうすると計算が面倒だな。15にしておくか)
直角部を下にし、鋭角な角θに15と書く。残りの角度の位置に台車を書き込んだ。
(ベビーカーって、普通どのくらいの速度で移動できるんだろうな。かなり摩擦抵抗がありそうだが……まあ、いいか。滑車と同じ扱いで。あとは重さだが……)
手元に問題がなければ作ればいい。
料理が来るまでの退屈しのぎにはなるだろう。
(できた)
――上の信号からベビーカーを持つ手を離して、次の信号までの到着時間はどのくらいになるか?
紗川はペンを指先で回し、問題を解き始めた。
「……悪趣味だなあ」
「自分でもそう思う」
「若気の至りってやつですか」
「君に言われると複雑だが、まあそうだな。しかし安全基準を考える上では、こういった計算が必要になる」
「それはそうですけど。小さい子が怪我したりするようなことは考えたくないです」
紗川は笑って三枝の頭の側面を軽く撫でた。
「よしよし」
まるで小さな子供にするような扱いを受け、三枝はふてくされた顔で紗川を見上げた。
「何ですかそれ」
「いや、こういう話をしても、拒絶反応がおとなしくなったと思っただけだ。気づいているか?」
「……話をするだけだったら、そんなには」
「良い傾向だ」
「この前のは、完全にショック療法でしたけど」
まだ体温が残っている遺体を間近で見た衝撃は大きかった。
「あの時は、よく耐えたな」
耐えられてなんかいませんよ――そう言おうとしたが、三枝はそれについては答えず、今の話について「やっぱり悪趣味ですよ」と口を尖らせた。
「全くその通りだ。僕も反省した。以来、ああいう事は頭の中でだけ考えることにしたよ。実際に紙に書くところまでやると、どうにも後味が悪い」
わざと語るべきことを語らずに感情の部分だけを語る。紗川らしくないと思いながら三枝は横顔を見上げた。
視線に気づいて見下ろしてきてから苦笑する。
「わかるだろう? 本当に坂をくだってきたんだ、ベビーカーが」
「え。本当になっちゃったんですか。先生が作った問題どおりに」
「そう。あれはちょうど店から出てきてすぐだった。交差点の信号の下、道を渡ろうとしていた母親がベビーカーから手を離したんだ」
自分で作った問題など、すぐに解けてしまう。
紗川は食事を早々に切り上げると、いつもよりも早く店を出た。いつもより早いとは言っても一時は過ぎていた。
昼休みが終ったからだろう、通りを歩く人の数は減っている。そのせいだろうか。昼とはいえ、北からの風は余計に冷たく乾いているようだった。コートの襟がバタバタと頬を叩く。
予感があったわけでも何でもなく、風をよけるようにして顔を背けた先に、その光景があった。
南から北へ伸びる真っ直ぐの緩やかな坂道を自然と見上げる形になる。上の交差点の信号がちょうど青になったときだった。
いつもガラス越しに見ていた母親が、するりと、ベビーカーから手を離した。
ベビーカーは母親を残してゆっくりと坂道を下ってくる。
横断歩道をわたり、そのまま小さな段差をバウンドして歩道に乗り上げ、人通りが途切れた坂を下り続ける。
最初はゆっくりだったが、加速度を上げてベビーカーはこちらに向かってくる。
「冗談だろ……」
車の通りもろくに確認せず、気がつけば走り出していた。
(ああやってあやしてるのか?)
一般的な男子高校生には幼児のあやし方などという知識はない。
紗川もそれに漏れず、内心首をかしげながら様子を見ていた。
だが、子供は縛り付けられていることを嫌い、暴れ続けている。
(ベビーカーが好きな子供もいるのだろうが……少なくとも、あの子に限ってはなさそうだ。いつもあれだけ暴れているんだからな)
母親は落ち着かない子供を連れて、坂の信号から信号までの間を何度も往復する。
そうこうしているうちにベビーカーの上で暴れていた子供はおとなしくなり、暫くしてから母親はマンションに帰っていった。
それが毎日続いた。
最初はベビーカーで暴れる子供の様子を気にかけもしたが、やがて慣れてしまった。
窓の外に、その母子を見かけても、そういう子育て方もあるのだろうと思うだけにとどまった。
「後で知ったことだが、実際に育児書にも書いてあるそうだ。理由もなく泣いている時は外に連れ出すのが効果的らしい。うるさいから屋外に連れ出せ、という意味ではないそうだ」
平然と言う紗川に、三枝は唖然とした。
紗川のいう事は正しい。
三枝は小学校の高学年のころから、近所の子供の面倒をよく見ていた。それこそ、ベビーカーを押して大正ロマン通りを散歩したものだ。
おかげさまで、町内での三枝の評判はすこぶるいい。
それと同時に、同じことを周りの男がしないこともよく知っている。
紗川も同様だろう。
にもかかわらず知っているという事は、実はどこかに隠し子でもいるのだろうか。道を歩けばピンク色の視線を向けられる歩く公害なのだ。実は子供がいたとしてもおかしくはない。
「……どこで知ったんですか、そんなこと」
疑いの気持ちを隠しもせずに尋ねたが、紗川は全く意に介さずに答えた。
「元保育士の方がそう言っていた。君のことだから、僕に隠し子でもいるのかと勘繰っているのだろうが、それはない」
「よかったです、人でなしでなくて」
「実に信用がないな」
「こと女性に関しては。どこに信用される要素があるんですか」
「信用してくれ。僕には桜という彼女がいる。浮気はしていない。桜から見張っているように言われのだろうが、安心してくれと伝えて欲しいものだ」
「分かりました。信用しましょう」
「それは良かった」
「ともかく、そのお母さんは子供が泣くから外を歩いてたんですね」
そう言うと、紗川は微妙な顔をして頷いた。
「まあ、確かに『泣くから』というのが理由ではあるだろうな。最初にこちらが思っていた理由ではなかったが」
「どういうことです?」
風に持っていかれそうな帽子を押さえながら、紗川は続きを話した。
その日も、受験生の紗川はいつものように喫茶店の窓際の席で勉強をしていた。
正解した問題にチェックを入れると、青いペンを指先で回す。年上の従姉が誕生日にプレゼントしてくれた青い万年筆は、勉強時間の最高の友だ。
シャープペンシルを使わないことに友人らは疑問を投げかけたが、書き直しができないため、ミスが許されないという緊張感を保つことができる。
フリーハンドで書いているにもかかわらず、ぶれの少ない図形、整然と並んだ数字の羅列は美しくさえあった。
(よかった、思ったとおりに解けたな)
好きな科目だから、つい取り組み時間が長くなってしまった。
気付けばレコードもA面からB面に変えられている。
紗川は、ようやく時終えた問題の解を眺め、満足の息をついた。
定期購読している「大学への数学」に掲載されている問題は、これですべてクリアした。なかなか厄介な問題だったが、正解を出す事が出来て気分がいい。
紗川は午前中の計画の中に厄介な問題を一つ混ぜることにしている。それは大学の過去問題であったり、定期購読している雑誌の難問と書かれた問題であったりする。
ただし、家では決められた時間以上に取り組むことはしない。
ある程度考えたのちは、解けていなかったとしても、そのまま街にでる。
街並みを眺めながら、他の問題や勉強とは全く関係がないことを考えながら歩いていると、唐突にひらめくことも少なくない。
日によっては喫茶店に着くまでの道すがら、頭の中でといてしまい、席について料理が来るまでの間、紙に書いて計算しなおし、確認するということもしばしばだ。
その日も、そういう日だった。
(しまった……。他に持ってくればよかったか)
もっと時間がかかるだろうと思っていたから、参考書の類は持ってこなかったのだ。予定が狂って手持ち無沙汰になってしまった。
窓の外を眺める。
ベビーカーを押す女性の姿があった。
いつもの光景。
それを見ているうちに魔がさした。
(あの坂の上の信号から下の信号までは、およそ200メートル……)
その母子がいつも往復している距離を考える。
(往復しているわけだから、結構な距離だ)
計算するつもりだった紙に鋭角な直角三角形を書き込む。
(この坂の角度は何度くらいだろう……せいぜい5度くらいか。だがそうすると計算が面倒だな。15にしておくか)
直角部を下にし、鋭角な角θに15と書く。残りの角度の位置に台車を書き込んだ。
(ベビーカーって、普通どのくらいの速度で移動できるんだろうな。かなり摩擦抵抗がありそうだが……まあ、いいか。滑車と同じ扱いで。あとは重さだが……)
手元に問題がなければ作ればいい。
料理が来るまでの退屈しのぎにはなるだろう。
(できた)
――上の信号からベビーカーを持つ手を離して、次の信号までの到着時間はどのくらいになるか?
紗川はペンを指先で回し、問題を解き始めた。
「……悪趣味だなあ」
「自分でもそう思う」
「若気の至りってやつですか」
「君に言われると複雑だが、まあそうだな。しかし安全基準を考える上では、こういった計算が必要になる」
「それはそうですけど。小さい子が怪我したりするようなことは考えたくないです」
紗川は笑って三枝の頭の側面を軽く撫でた。
「よしよし」
まるで小さな子供にするような扱いを受け、三枝はふてくされた顔で紗川を見上げた。
「何ですかそれ」
「いや、こういう話をしても、拒絶反応がおとなしくなったと思っただけだ。気づいているか?」
「……話をするだけだったら、そんなには」
「良い傾向だ」
「この前のは、完全にショック療法でしたけど」
まだ体温が残っている遺体を間近で見た衝撃は大きかった。
「あの時は、よく耐えたな」
耐えられてなんかいませんよ――そう言おうとしたが、三枝はそれについては答えず、今の話について「やっぱり悪趣味ですよ」と口を尖らせた。
「全くその通りだ。僕も反省した。以来、ああいう事は頭の中でだけ考えることにしたよ。実際に紙に書くところまでやると、どうにも後味が悪い」
わざと語るべきことを語らずに感情の部分だけを語る。紗川らしくないと思いながら三枝は横顔を見上げた。
視線に気づいて見下ろしてきてから苦笑する。
「わかるだろう? 本当に坂をくだってきたんだ、ベビーカーが」
「え。本当になっちゃったんですか。先生が作った問題どおりに」
「そう。あれはちょうど店から出てきてすぐだった。交差点の信号の下、道を渡ろうとしていた母親がベビーカーから手を離したんだ」
自分で作った問題など、すぐに解けてしまう。
紗川は食事を早々に切り上げると、いつもよりも早く店を出た。いつもより早いとは言っても一時は過ぎていた。
昼休みが終ったからだろう、通りを歩く人の数は減っている。そのせいだろうか。昼とはいえ、北からの風は余計に冷たく乾いているようだった。コートの襟がバタバタと頬を叩く。
予感があったわけでも何でもなく、風をよけるようにして顔を背けた先に、その光景があった。
南から北へ伸びる真っ直ぐの緩やかな坂道を自然と見上げる形になる。上の交差点の信号がちょうど青になったときだった。
いつもガラス越しに見ていた母親が、するりと、ベビーカーから手を離した。
ベビーカーは母親を残してゆっくりと坂道を下ってくる。
横断歩道をわたり、そのまま小さな段差をバウンドして歩道に乗り上げ、人通りが途切れた坂を下り続ける。
最初はゆっくりだったが、加速度を上げてベビーカーはこちらに向かってくる。
「冗談だろ……」
車の通りもろくに確認せず、気がつけば走り出していた。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【毎日20時更新】アンメリー・オデッセイ
ユーレカ書房
ミステリー
からくり職人のドルトン氏が、何者かに殺害された。ドルトン氏の弟子のエドワードは、親方が生前大切にしていた本棚からとある本を見つける。表紙を宝石で飾り立てて中は手書きという、なにやらいわくありげなその本には、著名な作家アンソニー・ティリパットがドルトン氏とエドワードの父に宛てた中書きが記されていた。
【時と歯車の誠実な友、ウィリアム・ドルトンとアルフレッド・コーディに。 A・T】
なぜこんな本が店に置いてあったのか? 不思議に思うエドワードだったが、彼はすでにおかしな本とふたつの時計台を巡る危険な陰謀と冒険に巻き込まれていた……。
【登場人物】
エドワード・コーディ・・・・からくり職人見習い。十五歳。両親はすでに亡く、親方のドルトン氏とともに暮らしていた。ドルトン氏の死と不思議な本との関わりを探るうちに、とある陰謀の渦中に巻き込まれて町を出ることに。
ドルトン氏・・・・・・・・・エドワードの親方。優れた職人だったが、職人組合の会合に出かけた帰りに何者かによって射殺されてしまう。
マードック船長・・・・・・・商船〈アンメリー号〉の船長。町から逃げ出したエドワードを船にかくまい、船員として雇う。
アーシア・リンドローブ・・・マードック船長の親戚の少女。古書店を開くという夢を持っており、謎の本を持て余していたエドワードを助ける。
アンソニー・ティリパット・・著名な作家。エドワードが見つけた『セオとブラン・ダムのおはなし』の作者。実は、地方領主を務めてきたレイクフィールド家の元当主。故人。
クレイハー氏・・・・・・・・ティリパット氏の甥。とある目的のため、『セオとブラン・ダムのおはなし』を探している。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
四次元残響の檻(おり)
葉羽
ミステリー
音響学の権威である変わり者の学者、阿座河燐太郎(あざかわ りんたろう)博士が、古びた洋館を改装した音響研究所の地下実験室で謎の死を遂げた。密室状態の実験室から博士の身体は消失し、物証は一切残されていない。警察は超常現象として捜査を打ち切ろうとするが、事件の報を聞きつけた神藤葉羽は、そこに論理的なトリックが隠されていると確信する。葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、奇妙な音響装置が残された地下実験室を訪れる。そこで葉羽は、博士が四次元空間と共鳴現象を利用した前代未聞の殺人トリックを仕掛けた可能性に気づく。しかし、謎を解き明かそうとする葉羽と彩由美の周囲で、不可解な現象が次々と発生し、二人は見えない恐怖に追い詰められていく。四次元残響が引き起こす恐怖と、天才高校生・葉羽の推理が交錯する中、事件は想像を絶する結末へと向かっていく。
ピエロの嘲笑が消えない
葉羽
ミステリー
天才高校生・神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美から奇妙な相談を受ける。彼女の叔母が入院している精神科診療所「クロウ・ハウス」で、不可解な現象が続いているというのだ。患者たちは一様に「ピエロを見た」と怯え、精神を病んでいく。葉羽は、彩由美と共に診療所を訪れ、調査を開始する。だが、そこは常識では計り知れない恐怖が支配する場所だった。患者たちの証言、院長の怪しい行動、そして診療所に隠された秘密。葉羽は持ち前の推理力で謎に挑むが、見えない敵は彼の想像を遥かに超える狡猾さで迫ってくる。ピエロの正体は何なのか? 診療所で何が行われているのか? そして、葉羽は愛する彩由美を守り抜き、この悪夢を終わらせることができるのか? 深層心理に潜む恐怖を暴き出す、戦慄の本格推理ホラー。
マーガレット・ラストサマー ~ある人形作家の記憶~
とちのとき
ミステリー
人形工房を営む姉弟。二人には秘密があった。それは、人形が持つ記憶を読む能力と、人形に人間の記憶を移し与える能力を持っている事。
二人が暮らす街には凄惨な過去があった。人形殺人と呼ばれる連続殺人事件・・・・。被害にあった家はそこに住む全員が殺され、現場には凶器を持たされた人形だけが残されるという未解決事件。
二人が過去に向き合った時、再びこの街で誰かの血が流れる。
【作者より】
ノベルアップ+でも投稿していた作品です。アルファポリスでは一部加筆修正など施しアップします。最後まで楽しんで頂けたら幸いです。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる